最終更新日:2024年4月5日

1年次入学生:2年 3年次編入学生:3年 短期大学部:-
心理・福祉学部 心理学科

P048

学習・言語心理学Ⅰ

学習の基礎理論を学ぶ

単位条件

通信 2単位

教員

関口 由香

履修条件

なし

到達目標

(1)私たちが何をどのように学ぶか、学んだ結果をどのように行動に反映させるかについて理解することを目的とする。
(2)授業構成と到達目標
①行動療法の基礎理論となる学習理論について説明することができる。
②身近な行動上の問題を発見し、それらの維持する仕組みについて議論し、改善する方法を提案する問題解決型学習をワークを通じて行うことができる。

学習成果

(1)行動療法の基礎理論となる学習理論について説明できる。
(2)学習心理学の基礎理論を学び、学習心理学から人間の行動についての考察を深める。

テキスト教材

実森正子・中島定彦『学習の心理 第2版 -行動のメカニズムを探る』(サイエンス社)2019

参考図書

山内光哉・春木豊『グラフィック学習心理学ー行動と認知ー』(サイエンス社)2001

評価の要点

レポート課題においては、専門用語を適切に理解しているかどうか評価を行う。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

さまざまな行動の変化について考える時に、教科書に書いてある事柄が身近なもので当てはまるものはどれなのか考えてみるとよい。

レポート課題

提出数 2

第1課題

解答用紙あり

第1設題

1.学習に関する次の記述が適切であれば○、そうでなければ×で答えなさい。
(1) 学習とは、成熟によって生じる比較的一時的な変化のことである。
(2) 学習の経過をグラフで表したものを「忘却曲線」といい、学習課題を練習しているときの一時的な進歩の停滞期間のことを「フラット期」と呼ぶ。
(3) 学習の一般法則を明らかにするには「調査」が最も適した方法である。
(4) 「行動療法」は学習心理学の分野で実験等を通して構築されてきた学習理論を理論的基盤とする治療理論と治療技法である。
(5) 学習研究をいかした心理療法は「クライエント中心療法」である。
(6) 高原(プラトー)現象は、学習の進歩が停滞する時期のことである。
(7) 比較的単純な動物に見られる生得的行動のうち、ある刺激に対して、近づいたり遠ざかったりする行動を「走性」という。
(8) カモがふ化した直後に見た大きな対象について行く現象を「インプリンティング(刻印づけ・刷り込み)」という。
(9) 生物がある特性を獲得するために生物学的に備わった限られた期間のことを「臨界期」といい、その期間はそれほど厳密なものでなくもっと緩やかな広がりをもった可逆的なものであって、その意味で「敏感期」ともいう。
(10) 動物に生まれつき備わった、特定のサイン刺激(鍵刺激)に対して特定の反応をする生理学的な仕組みを「生得的解発機構」という。

 

2.馴化・鋭敏化に関する次の記述が適切であれば○、そうでなければ×で答えなさい。
(1) 突然大きな音がすると驚くのは無条件反応であるが、その音が繰り返されると反応が小さくなっていくことを「馴化(慣れ)」という。
(2) 「脱馴化」とはある刺激に対する反応が他の刺激に対しても生じることである。
(3) 工事の大きな音にビックリしたが、しばらく続くとそれに慣れ、ビックリしなくなった.しかし、突然サイレンの音がしてビックリすると工事現場の大きな音に対しても再びビックリしたというように、ある刺激に慣れたときに、別の刺激を与え、元の反応が復活することを「脱馴化」という。
(4) 馴化・(慣れ)は反応を減少させるが、しばらく時間が経って同じ刺激を呈示すると反応が元の水準に戻っている現象を「自発的回復」という。
(5) 刺激の繰り返しの提示により、反応が減少することは馴化であり、逆に反応が増大することを「鋭敏化」という。

 

3.古典的条件づけの基礎に関する次の記述の空欄に当てはまる語を記号で答えなさい。
I.古典的条件づけを発見したロシアの生理学者は【 ⑴ 】であり、彼は唾液分泌に関する研究中、条件反射の現象を発見した。
A.Watson, J.B  B.Skinner, B. F.  C.Pavlov, I. P.  D.Zeigarnik, B.  E.Sechenov, I.M.

Ⅱ.空腹な犬がエサを見て唾液を出すように、無条件刺激(エサ)によって引き起こされる反応(唾液)を【 ⑵ 】という。
A.無条件刺激  B.無条件反応  C.中性刺激  D.条件刺激  E.条件反応

Ⅲ. 古典的条件づけの実験で、空腹の犬にメトロノームの音を聞かせて餌を与えていると、音を聞いただけで唾液が出るようになるが、その場合の音は【 ⑶ 】といい⑶によって誘発された反応は【 ⑷ 】という。
A.無条件刺激  B.無条件反応  C.中性刺激  D.条件刺激  E.条件反応

Ⅳ.条件刺激と無条件刺激を同時に示す手続きのことを【 ⑸ 】という。
A.転移  B.般化  C.弁別  D.回避  E.強化

V. メトロノームの音にエサを対提示して古典的条件づけで訓練した犬に対して、訓練したメトロノームに似た音を聞かせたときにも唾液を分泌するときのように、ある刺激に条件づけられた反応が、他の刺激に対しても生じることを【 ⑹ 】という。
A.転移  B.般化  C.弁別  D.回避  E.強化

Ⅵ. パブロフは条件反射の形成時に新奇刺激を与えられたイヌが唾液は分泌しないが、そちらに注意を移してしまうことから見出した。
この行動を【 ⑺ 】と名づけ、探索的な反射行動であることを示した。
A.何だろう反射  B.疑似条件づけ  C.逆向連鎖化  D.刺激置換  E.馴化

V.【 ⑻ 】は、行動主義の提唱者で、アルバート坊やの実験では、恐怖症は条件づけられた情動反応であるということを提唱した。
A.Hull, C. L.  B.Skinner, B. F.  C.Pavlov, I. P.  D.Tolman, E. C.  E.Watson, J.B

Ⅵ. アルバート坊やの実験は、それ自体は恐怖を誘発しない白ネズミと恐怖を引き起こすような鉄の棒をハンマーで叩く乱打音を対提示するした古典的条件づけであり、【 ⑼ 】とも呼ばれる。
A.道具的条件づけ  B.拮抗条件づけ  C.オペラント条件づけ  D.制止メカニズム  E.恐怖条件づけ

Ⅶ. アルバート坊やは白ネズミと金棒をハンマーで叩く強い金属音を対提示され、白ネズミを怖がるようになるが、その後、ウサギ、イヌ、ヒゲのあるお面なども怖がるようになった。このことを【 ⑽ 】という。
A.防御  B.弁別  C.般化  D.分化  E.消去

Ⅷ. 古典的条件づけで学習した犬がメトロノームの音を聞いても唾液を分泌しなくなるために、メトロノームの音を聞かせた時に餌を出さないというような手続きのことを【 ⑾ 】という。
A.防御反応  B.フラストレーション  C.条件性制止  D.分化  E.消去

Ⅸ. 犬にエサをやる時に電球をつけることを繰り返すと、電球がついただけで唾液が分泌する.このときに、電球をつけてブザーを鳴らすと、唾液の分泌が抑制されることがあるが、これを【 ⑿ 】という。
A.外制止  B.脱制止  C.内制止  D.反応制止  E.疲労

X.条件反応を早く消去したいときに、条件反応と反対の反応を新たに条件づけることができる.この手続きを【 ⒀ 】という。
A.拮抗(反対)条件づけ  B.嫌悪条件づけ  C.オペラント条件づけ  D.味覚嫌悪条件づけ  E.リラクセーション

Ⅺ. Wolpe (ウォルピ)によって、特に不安や恐怖の治療法として開発された技法を【 ⒁ 】という。この技法では、不安・恐怖を引き起こす最も強いものから軽度のものまで順位づけをしたリストを作成する。これを【 ⒂ 】という。リラックスした状態で
【 ⒂ 】を用いて不安や恐怖の低いものからイメージさせて不安や恐怖を克服させる。
A.系統的脱感作法  B.嫌悪条件づけ  C.不安階層表  D.フラッディング(洪水法)  E.エクスポージャー(現実曝露法)

Ⅻ. 古典的条件づけで、条件反応を素早く獲得するために、条件刺激と無条件刺激を対呈示する時間的関係は重要であり、CSを提示してから一定時間後にUSを提示する順行条件づけは、まずUSが提示されて、それ以降にCSが提示される【 ⒃ 】よりも条件づけを形成しやすいことが知られている。もっとも条件反応の形成が効果的であるのは、【 ⒄ 】である。CSを提示せずにUSを一定の間隔で提示する方法を【 ⒅ 】という。
A.同時条件づけ  B.逆行条件づけ  C.痕跡条件づけ  D.延滞(遅延)条件づけ  E.時間条件づけ

ⅩⅢ. 条件刺激と無条件刺激の組み合わせは、似ているもの同士であるほど条件づけが大きいことが知られているが、セリグマンはそのような生物学制約を動物の進化の所産であると考え、【 ⒆ 】とよんだ。
A.味覚嫌悪条件づけ  B.ガルシア効果  C.恐怖条件づけ  D.準備性  E.レディネス

ⅩⅣ. 電気ショック、催吐剤あるいは悪臭を放つ化学薬品、あるいは嫌悪的なイメージなどの嫌悪刺激を無条件刺激(US)とした古典的条件づけ手続きによってある特定の対象なりイメージ等に嫌悪感を形成することを【 ⒇ 】という。
A.嫌悪条件づけ  B.一次強化  C.恐怖条件づけ  D.準備性  E.消去手続き

 

4.古典的条件づけに関する次の記述の空欄に当てはまる語を記号で答えなさい。
I. あまりかっこよくはないが面白いお笑いタレントがCMで紹介している商品に好感(CR2)を持つのは、バラエティ番組などでみたコントに対する好感(UR)がそのタレント(CS1)に対する好感(CR1)となり、さらにCMで紹介している商品(CS2)に
新たに条件づけられたと説明できる.このように、生得的行動をもとに形成された条件づけを1次条件づけと呼んだとき、これをもとに新たな条件づけを形成することを【 ⑴ 】という.これに対し、⑴の順序を入れ替えて、初めて見るお笑いタレント(CS1)が商品(CR2)を紹介しているCMを先に見て、あとからバラエティ番組でそのお笑いタレントのコントをみて好感CR1)を抱いた場合、CMの商品に対しても好感(CR2)を抱けば、これを【 ⑵ 】という。
A.古典的条件づけ  B.感性(的)予備条件づけ  C.2次条件づけ(高次条件づけ)  D.分化条件づけ  E.1次条件づけ

Ⅱ. 複数の刺激のうち、あるもの(例えばメトロノームの音)をUS(エサ)と対提示し、別の刺激(ベルの音)はエサを対提示しなければ、唾液はメトロノームの音がしたときにだけ誘発されるようになる。このように複数の刺激のそれぞれに異なる反応が対応して結びつくことを【 ⑶ 】あるいは弁別という.このときの、USと対提示される刺激を【 ⑷ 】、対提示されない刺激を【 ⑸ 】という。
A.般化  B.分化  C.正刺激(CS+)  D.負刺激(CS-)  E.中性刺激

Ⅲ. パブロフは犬に円と楕円を区別する課題を行い、失敗すると餌を与えないという課題を行った。楕円が円に近づいて課題が難しくなると、静かだった犬が興奮し、吠えて暴れ回るようになった。また、すでに学習していた円と楕円の弁別学習は崩れさった。パブロフはこれを人間の病的状態に類似していると考え、【 ⑹ 】と命名した。
A.恐怖条件づけ  B.実験神経症  C.分化条件づけ  D.病的状態  E.感性予備条件づけ

Ⅳ. 最初にある刺激(A)に条件づけを行うと、その後にもう一つ別の刺激(B)を加えた複合刺激(AB)に同じ条件づけを行っても、
付加された刺激Bに対しての条件づけが検出されない現象を【 ⑺ 】という。
A.過剰予期効果  B.隠蔽  C.阻止  D.脱制止  E.自発的回復

V. 複合条件づけにおいて弱い条件刺激が条件反応を引き起こさない場合、複数の成分からなる刺激に条件づけを行った後に個々の成
分刺激を単独に呈示して条件づけの程度を調べると、ある刺激にはほとんど、あるいは全く条件づけが形成されていない現象を
【 ⑻ 】という。
A.過剰予期効果  B.隠蔽  C.阻止  D.脱制止  E.自発的回復

Ⅵ. ベルの音を聞いて唾液が出るように条件づけが形成されたイヌに、ベルの音だけ聞かせて、餌を与えない手続きを【 ⑼ 】という。
その後、しばらくベルの音を聞かせない期間を設け、その後ベルの音を聞かせると、唾液が誘発される。このように、条件づけられた反応を消去している最中にしばらく休止期間を入れると、その後一時的に反応強度が多少回復する現象を【 ⑽ 】という。
A.般化  B.弁別  C.消去  D.分化  E.自発的回復

 

5.古典的条件づけに関する次の記述が適切であれば○、そうでなければ×で答えなさい。
(1) 実験神経症は弁別課題などによって生じるが、現刺激である弁別課題を行わない間の学習は保持し、暴れたり落ち着かなくなったりするなどの異常行動はとらない。
(2) 条件づけられた反応は、1回の消去手続きで完全に消去できる。
(3) 二次条件づけとは、貨幣やポイントなど条件性(二次)強化子を用いた条件づけである。
(4) 古典的条件づけは条件刺激と無条件反応の連合によって成立する。
(5) 古典的条件づけにおいては、逆向条件づけは順行条件づけよりも条件反応の獲得が良好である。

第2課題

解答用紙あり

第1設題

1.オペラント条件づけの基礎に関する次の記述の空欄に当てはまる語を記号で答えなさい。
I.オペラント行動の研究の基礎を築いたのは【 ⑴ 】である。
A.A. Adler  B.B. F. Skinner  C.E. C. Tolman  D.P. Pavlov  E.J. B. Watson

Ⅱ.オペラント条件づけにおいて、反応の後にともなう結果によって、その反応が増えることを【 ⑵ 】という。
A.オペラント水準  B.強化  C.般化  D.分化  E.弱化(罰)

Ⅱ.オペラント条件づけは【 ⑶ 】—【 ⑷ 】—【 ⑸ 】の三項随伴性の分析が重視される。
A.結果(強化子)  B.有機体  C.環境  D.オペラント反応(行動)  E.弁別刺激(先行条件)

Ⅲ. オペラント条件づけにおいて、行動の手がかりとしての機能をもつ刺激を【 ⑹ 】という。特定の誘発刺激がなく、自発した(emitted)反応を【 ⑺ 】という。行動に後続して起こる環境変化のうち、その後の行動の出現頻度を増加させるものを【 ⑻ 】という。
A.弁別刺激(先行条件)  B.結果(強化子)  C.オペラント反応(行動)  D.随伴性  E.レスポンデント行動

Ⅱ. オペラント条件づけにおいて、反応の後にともなう結果によって、その反応が減少することを【 ⑼ 】という。その際、行動の出現頻度を減少させるものを【 ⑽ 】という。
A.強化子(好子)  B.強化  C.罰刺激(罰子;嫌子)  D.分化  E.弱化(罰)

 

2.次の記述が適切であれば○、そうでなければ×で答えなさい。
(1) ソーンダイクはネコが問題箱から脱出する試行錯誤学習の実験を行い、効果の法則を発見した。
(2) ネズミを用いた迷路学習の実験の結果、認知地図を形成し潜在学習をしていると考えた心理学者は「バンデューラ(Bandura, A.)」である。
(3) 強化子の性質が食べ物やお金など物理的実体を伴うものを実体的強化子といい、遊びや会話などある活動への従事するものをプレマック型強化子という。
(4) 試験の前にカツを食べて試験に合格した.それから試験の前にはカツを食べるようになったというように偶然による強化で自発的行動が高まることを、「迷信行動」という。
(5) 条件づけ前のオペラント行動の自発頻度をオペラント水準といい、オペラント条件づけにおいては、学習の達成度に対する基準とする事が多い。
(6) 学生食堂で食事をするためには、自動券売機にお金を入れる、食べたいメニューのボタンを押す、食券を受け取る、トレーを持って列に並ぶ、カウンターで食券を渡す、料理を受け取る、空いている席に座るというようにいくつかの反応のからなる一連の行動を形成する手続を「連鎖化」という。
(7) 新しい行動を獲得するときに、その行動をスモールステップに分けて、簡単にできるところから順に形成していく方法を「反応制止法」という。
(8) 「○○監督の最新作の映画、面白かったよ」と聞いて、初めてその映画を見に行った場合のように、言語的弁別刺激によって制御された言語行動もしくは非言語行動を「ルール支配性行動(ルール志向行動)」という。
(9) こどもの学習行動を増やすために、宿題や計算課題、漢字の書き取りなどを一定時間行うたびにスタンプを押し、一定量のスタンプを集めると好きなお菓子をもらえたり、遊園地に行けたりするなどの手続きをおこない、学習行動を増やしていった。このように望ましい行動を示した際に正の強化子である代用貨幣のトークンを与えることでその行動の強化・増大を図る技法を「トークン・エコノミー」という。
(10) 前に学習したことがその後の学習に影響を及ぼすことを「転移」という。
(11) 嫌悪的な刺激にさらされないように前もって行動することを「逃避」という。
(12) 嫌悪的な刺激にさらされた時に、それに引き続きさらされないような行動をとることを「回避」という。
(13) 生後2〜3ヶ月頃、リラックスした状態での発生を「(規準)喃語」という。
(14) 生後8ヶ月過ぎ頃に見られる、「バババ…」のような「子音+母音」の繰り返し音声を「クーイング」という。
(15) 大脳半球の言語領野(言語中枢)の損傷によって言語機能が障害を受け、諸種の言語活動が困難になった状態を失語症といい、言語理解はよいが発語が困難な「運動性失語(ブローカ失語)や、発語は流暢だが言語理解が困難な「感覚性失語(ウェルニッケ失語)」などに分類される。

 

3.オペラント条件づけに関する次の記述の空欄に当てはまる語を記号で答えなさい。
I. 反応頻度が高まることを強化というが、タブー語を言って母親から叱られた子どもがますますタブー語を言うようになったのであれば、これは【 ⑴ 】といえる.これに対し、いつも朝寝坊をする子どもが母親に叱られたくないから、早起きをするようになった場合は、【 ⑵ 】であるといえる。
A.正の強化  B.負の強化  C.正の罰  D.負の罰  E.弱化(罰)

Ⅱ. 反応頻度が増加することを強化というのに対し、頻度が減少することを【 ⑶ 】という。タブー語を言って母親から叱られた子どもが母親の前でタブー語を言わなくなった場合、これを【 ⑷ 】という。
A.正の強化  B.負の強化  C.正の罰  D.負の罰  E.弱化(罰)

Ⅲ. お腹が空いているときの食べ物や電気ショックなど生得的に強化子としての機能を持つ刺激を【 ⑸ 】という.また、経験により強化機能を持つようになった刺激を【 ⑹ 】という。
A.正の強化子  B.負の強化子  C.一次強化子  D.二次強化子  E.罰刺激

Ⅳ.【 ⑺ 】とは、強化子の呈示のしかたとして、時間が経ってから呈示するよりも反応の直後に呈示する方が効果的であることをいう。
A.プレマック型強化  B.即時強化  C.一次強化  D.条件性強化  E.遅延強化

V. 友達の遊んでいるおもちゃを取り上げようとしたり、遊びの途中で友達を叩いたりした時に、その子を誰もいない部屋に一人で隔離するというようなやりかたで、友達への乱暴な行動を減じようとする方法は、ある期間、正の強化を与えない手続きであり、これを【 ⑻ 】という。
A.順向連鎖化  B.シェイピング  C.トークン・エコノミー  D.タイム・アウト  E.反応バースト

Ⅵ. 条件づけられた反応に随伴して強化子をを時々提示する部分強化よりも毎回提示して学習した連続強化の反応の方が、すぐに消去が生じる(消去抵抗が低い)という現象を【 ⑼ 】という。
A.部分強化効果(強化矛盾)  B.消去抵抗  C.オペラント水準  D.連続強化効果  E.反応バースト

Ⅶ. 勉強するという反応を増やすために、勉強をする度に大好きなココアを毎回飲むというように、反応に毎回強化子が付随する強化スケジュールを【 ⑽ 】という.部分強化スケジュールの中で、最初の9回は強化子がなく、10回の反応が強化されるような強化スケジュールを【 ⑾ 】という.この強化スケジュールを用いた場合、強化後の反応休止があり、その後一定のペースで連続した反応を示す。また、ギャンブルなどのように大当たり(強化子)するまでの行動の回数が一定ではなく、平均して何回かに1回の割合で強化されるような強化スケジュールを【 ⑿ 】という。このスケジュールのもとでの典型的な行動は、強化後の反応休止がほとんどみられず、きわめて高頻度の反応を連続して行うものである。
A.定比率強化スケジュール(FR)  B.変比率強化スケジュール(VR)  C.定間隔強化スケジュール(FI)
D.変間隔強化スケジュール(Ⅵ)  E.連続強化スケジュール

Ⅷ. 奇声を発する幼児に先生が注意をしたり、周りの幼児が笑ったりして、ますます奇声が激しくなった場合、先生も他の幼児も奇声を発しても無視し、無関心でいる状態を続ける。奇声を発していない普段の状態の時に話しかけたり注目したりするようにすると奇声の回数が減りついには消失する。このように、誤った強化されたオペラント反応が生起しないことに対して報酬が与えられる訓練であり、訓練期間中は、特定の望ましくない行動の生起がなければ報酬が与えられ、生起した時にはいっさい与えないようにする手続により、その生起を低め、最終的には消失させる手続きを【 ⒀ 】という。
A.消去  B.消去抵抗  C.負の罰  D.無誤弁別学習  E.省略訓練

Ⅸ. 家と学校で、奇声を発することで注目を浴びていた子どもが、学校で奇声を発しても注目されなくなっただけで、家での奇声が増えた。
これを【 ⒁ 】という。
A.部分強化効果(強化矛盾)  B.消去抵抗  C.行動対比  D.他行動分化強化スケジュール  E.モデリング

X. 白いネズミを怖がった子供が、白いウサギや毛皮を怖がるように、ある刺激に条件づけられた反応が、他の刺激に対しても生じることを【 ⒂ 】という。
A.部分強化  B.消去抵抗  C.般化  D.弁別学習  E.実験神経症

 

4.社会的学習に関する次の記述の空欄に当てはまる語を記号で答えなさい。
I. 言葉の少ない自閉症の子どもに、大人がモデルとして単語を発声し、自閉症児がそれに似た発声をしたらその子の好きなお菓子を与え強化することで子どもが単語を学習することができる.このように、モデルの行動を模倣し、学習者が強化を受けて学習することを【 ⑴ 】という.⑴に対し、直接強化をしなくてもモデルの行動を観察しただけで起こる学習を【 ⑵ 】という.これは、大人の男性が人形を殴ったり蹴ったりした後で、別の大人に叱られている映像を見たときに、子どもを人形がいる部屋に連れて行っても、人形に攻撃しなかった.ここでモデルの反応に対する強化や罰を【 ⑶ 】という。
A.般化模倣  B.観察学習(モデリング)  C.模倣学習  D.潜在学習  E.代理強化

Ⅱ. バ ンデューラ(Bandura)が提唱した【 ⑷ 】理論において、行動変容においては、個人がある状況において必要な行動を効果的に遂行できる可能性の認知、つまり【 ⑸ 】が重要であることを示した。
A.社会的学習  B.伝統的学習  C.自尊感情  D.自己効力感  E.代理強化

Ⅲ. モデリングの過程には次の4つがある。観察者がモデルの行動へ注意を向ける過程【 ⑹ 】、観察したことを記憶として取り込み保持する過程、【 ⑺ 】、記憶しているモデルの行動体型を再生する過程【 ⑻ 】、これらの3つの過程を動機づける過程【 ⑼ 】である。
A.動機づけ  B.直接強化  C.保持  D.注意  E.運動再生

Ⅳ. 問題解決事態において、試行錯誤的に解決手段を探していくのではなく、過去経験やその場のさまざまな状況の諸情報を統合することによって一気に解決の見通しを立てることを【 ⑽ 】という。
A.試行錯誤学習  B.観察学習  C.洞察  D.類推  E.情報処理的問題解決

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
ガイダンス、学習とは心理学における学習について学び、具体例とともに理解する 心理学における学習について説明できる 予習:教科書1章の学習とは、学習研究について確認する30分 復習:ノートの見直し30分
慣れと鋭敏化
慣れ(馴化)と鋭敏化ついて学ぶ
慣れ(馴化)と鋭敏化ついて説明できる 予習:教科書の2章を読み、馴化と鋭敏化について確認する30分 復習:ノートの見直し30分
古典的条件づけ
古典的条件づけについて学ぶ
古典的条件づけについて説明できる 予習:教科書の3章を読み、古典的条件づけについて確認する30分復習:ノートの見直し30分
古典的条件づけ
古典的条件づけについて学ぶ
古典的条件づけについて説明できる 予習:教科書の3章を読み、古典的条件づけについて確認する30分復習:ノートの見直し30分
古典的条件づけ
古典的条件づけについて学ぶ
古典的条件づけについて説明できる 予習:教科書の3章を読み、古典的条件づけについて確認する30分復習:ノートの見直し30分
消去、自発的回復
条件反応の消去、自発的回復について学ぶ
条件反応の消去、自発的回復について説
明できる
予習:教科書の3章を読み、古典的条件づけについて確認する30分復習:ノートの見直し30分
拮抗条件づけ、系統的脱感作法
拮抗条件づけ、系統的脱感作法について学ぶ
拮抗条件づけ、系統的脱感作法について
説明できる
予習:教科書の3章を読み、古典的条件づけについて確認する30分復習:ノートの見直し30分
高次条件づけ、感性予備条件づけ
高次条件づけ、感性予備条件づけについて学ぶ
高次条件づけ、感性予備条件づけについ
て説明できる
予習:教科書の4章を読み、古典的条件づけについて確認する30分復習:ノートの見直し30分
分化条件づけ、実験神経症について
分化条件づけ、実験神経症について学ぶ
分化条件づけ、実験神経症について説明
できる
予習:教科書の4章を読み、古典的条件づけについて確認する30分復習:ノートの見直し30分
隠蔽、阻止、レスコーラワグナーモデル
隠蔽、阻止、レスコーラワグナーモデルについて学ぶ
隠蔽、阻止、レスコーラワグナーモデルについて説明できる 予習:教科書の3章レスコーラ=ワグナーモデルを確認する30分 復習:ノートの見直し30分
日常生活における古典的条件づけを学ぶ 日常生活における古典的条件づけについて説明できる 予習:教科書の3-5章を確認する30分 復習:ノートの見直し30分
オペラント条件づけ、弁別刺激、3項随伴性オペラント条件づけ、弁別刺激、3項随伴性について学ぶ オペラント条件づけ、弁別刺激、3項随伴性について説明できる 予習:教科書のオペラント条件づけを確認 する 復習:ノートの見直し30分
迷信行動、チェイニングについて学ぶ 迷信行動、チェイニングについて説明できる 教科書の6章を読み、オペラント反応の形成について確認する30分 復習:ノートの確認30分
シェイピング、ルール志向行動について学ぶ シェイピング、ルール
志向行動について説明できる
教科書の6章を読み、オペラント反応の形成について確認する30分 復習:ノートの確認30分
さまざまな強化子
一次強化子、二次強化子、プレマック
型強化子、感性強化子について学ぶ
一次強化子、二次強化子、プレマック型
強化子、感性強化子について説明できる
教科書の7章を読み、強化について確認する30分 復習:ノートの確認30分
試験