最終更新日:2024年6月13日

1年次入学生:1年 3年次編入学生:3年 短期大学部:-
心理・福祉学部 心理学科

P046

心理学概論

現代心理学の主要領域の理解と全体像の把握

単位条件

通信 3単位 面接 1単位

教員

都丸 けい子

履修条件

なし

到達目標

心理学の歴史と成り立ち、心理学の生物学的基盤、感覚・知覚、学習、記憶、言語・思考、動機づけ・感情、発達、知能、パーソナリティ、社会と個人、心の健康と不適応等について偏りなく学び、心理学の成り立ちと人の心の基本的な仕組み及び働きに関する基礎知識を理解することを目指す。

学習成果

心理学の主要領域と全体像を理解し、心理学の成り立ちと人の心の基本的な仕組み及び働きに関する基礎知識を獲得する。心理学の基礎的な概念や用語について正しく理解し、説明することができる。

テキスト教材

①繁桝算男(編)サトウタツヤ・高瀬堅吾(著)『公認心理師の基礎と実践 第2巻 心理学概論』(遠見書房)2018
②森津太子『心理学概論』(放送大学教育振興会)2018

参考図書

中島義明・安藤清志・子安増生・坂野雄二・繁桝算男・立花政夫・箱田裕司(編)『心理学辞典』(有斐閣)1999

評価の要点

・レポート課題の得点およびスクーリング時の試験点に、スクーリングへの参加状況(受講態度、出席状況)も加味して評価する。
・レポートおよび試験では、人名や専門用語を正確に記述すること。
・試験は選択記述式であるため、そのつもりで準備しておくこと。
・テキストやスクーリングで学んだ、心理学の基礎知識を理解できていることに重点を置き評価する。

評価方法と採点基準

レポート・スクーリング両方が合格後、総合的に評価する。
・レポートは、各問題に対する解答が正しいかどうか、人名や専門用語が正しく記述されているかどうかについて評価する。
・試験では、心理学の基礎的な用語や人名について、正しく理解し、説明ができているかを基準に評価する。
※レポート課題は選択問題であるため、再提出し、合格となる場合の評価はすべて「C」とする。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

・まずは指定のテキストをよく読んで課題に取り組んでください。
・テキストを繰り返し読み、適宜心理学辞典なども参考に、ノートにまとめるなどして、心理学の専門用語を理解し説明できるように学習を進めてください。
・スクーリングでは、積極的に参加してください。

レポート課題

提出数 3

第1課題

解答用紙あり

第1設題

1〜4全ての問いに答えなさい。

1.心理学の歴史と成り立ち
(1)Wundt, W.に関する記述として正しいものを一つ選べ。
1.人間の無意識を内観法によって解明しようとした。
2.意識を対象とすることに異を唱え、行動主義を唱えた。
3.イギリス心理学の父と呼ばれている。
4.Wundt, W.によって成立を見た近代心理学は構成主義であった。
5.集団を対象とするよりも、個人の内面を対象とすることを重視した。
(2)Fechner, G. T.に関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.ウェーバーの法則を参考に自らの説を作り上げた。
2.工夫した様々な心理測定法は、現在に至るまで多くの人々に広く利用されている。
3.刺激の物理量とそれによって生じさせられる感覚の関係は、刺激の物理量の対数に比例することを見いだした。
4.心理学実験室を作り、多くの学生を育てた。
5.精神物理学(心と身体の関係を数量的な対応関係で知る学問)を構想した。
(3)James, W.に関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.「人は、悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」という感情の中枢起源説を唱えた。
2.人間の自我を主我(I)と客我(me)にわけて論じた。
3.心の機能的側面を重視する機能主義の立場に立っていた。
4.心の働きを知るためには、神経学の知識が不可欠であるとした。
5.アメリカ心理学の父と呼ばれている。
(4)研究者名とその業績の組合せとして適切でないものを一つ選べ。
1.Freud, S…….精神分析を創始
2.Titchener, E. B…….心理学実験の基礎を築く
3.Watson, J. B…….古典的条件づけの発見
4.Binet, A…….知能検査の開発
5.Ebbinghaus, H…….記憶の研究
(5)ゲシュタルト心理学に関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.Lewin, K.はアメリカ亡命後、リーダーシップに関する研究を行った。
2.Wertheimer, M.は仮現運動の研究を行った。
3.その初期において、ゲシュタルト学派の中心となったのはWertheimer, M.であった。
4.全体は部分の寄せ集めではなく、部分の構造が全体を規定すると考える。
5.Köhler, W.は霊長類の研究から、試行錯誤とは異なる洞察学習の成立を発見した。

2.心理学の生物学的基盤
(1)中枢神経系に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.視床は、自律神経の調整や生存、生殖に関わる本能的な役割に関与している。
2.脊髄は、運動反射を制御している。
3.延髄は嘔吐・嚥下、唾液分泌、呼吸などを制御しており、生命維持に最も重要な機能を担っている。
4.小脳は、運動や姿勢の制御に関わっており、平衡感覚を司ったり、筋肉の緊張や協応運動に関する役割を果たしている。
5.大脳辺縁系は、情動の表出、意欲、記憶や自律神経活動に関与している。
(2)神経細胞に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.神経終末と隣接する神経細胞との接合部位をシナプスと呼ぶ。
2.活動電位は「全か無かの法則」に従う。
3.髄鞘は絶縁性が高く、軸索を伝わってきた興奮は跳躍伝導によって伝導スピードを飛躍的に増加させる。
4.非興奮時の神経細胞の細胞膜の内と外では、電荷をもつイオンの組成が異なるため、それらに挟まれた細胞膜は-70mVで分極した状態にある。
5.静止膜電位はマイナスに分極した状態であるが、興奮性シナプスによる正電荷の総和が閾値を超えると過分極が起こる。
(3)脳機能測定法に関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.脳の機能を計測、記録する手法であるEEG、MEG、PET、fMRIは、いずれも血液量の変化によって、脳の活動を測定している。
2.EEGは、脳活動に伴って誘発される電位変化を測定する。
3.MEGは、脳活動に伴って発生する微弱な磁場を測定する。
4.PETは、陽電子を放出する放射性同位体によって標識された薬品を投与し、その物質の脳組織中の濃度を時間的、空間的に計測する。
5.fMRIは、観察対象に電磁波を照射し、原子核が共鳴して放出する電磁波を画像化する。
(4)大脳辺縁系に含まれないものを一つ選べ。
1.扁桃体 2.帯状回 3.海馬 4.視床 5.乳頭体
(5)自律神経系に関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.交感神経の活動が亢進すると、血圧が上昇する。
2.副交感神経の活動が亢進すると、瞳孔が散大する。
3.脅威的状況に立ち向かうか、それともそこから逃げ去るかという身体的状態は「闘争-逃走反応」と呼ばれる。
4.生理的なストレス状態では、交感神経系の活動が亢進する。
5.自律神経系を構成する交感神経と副交感神経は、それぞれ相反する機能をもっている。

3.感覚・知覚
(1)群化の法則に該当しないものを一つ選べ。
1.近接の要因 2.類同の要因 3.図地分化 4.共通運命 5.経験の要因
(2)心理測定法に関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.調整法は実施が簡単な反面、参加者の予測や期待によって結果が左右されやすく、刺激閾の測定には向かない。
2.視力検査は、調整法の典型例である。
3.極限法は、実験実施者が一定の順序で段階的に刺激を変化させ、実験参加者に判断を求める。
4.恒常法は、実験実施者が様々な刺激量の刺激をランダムに提示する。
5.調整法、極限法、恒常法の内、参加者の予測が最も関与しないのは恒常法である。
(3)「ガ(ga)」と言っている人の顔を見ながら、「バ(ba)」の発声を同時に聞くと、「ダ(da)」と聞こえる現象を何と呼ぶか。
1.カクテル・パーティー効果 2.音の恒常性 3.二点弁別閾 4.ブーバ・キキ効果 5.マガーク効果
(4)同じ灰色でも白に囲まれれば暗く、黒に囲まれれば明るく見える現象を何と呼ぶか。
1.明るさの恒常性 2.物体同定 3.色の恒常性 4.明るさの同時対比 5.物体定位
(5)それぞれの用語とその意味の組合せとして、正しくないものを一つ選べ。
1.感覚モダリティ……質的に異なる感覚・知覚の内容
2.知覚的体制化……図として切り出された対象を、何らかの意味のあるまとまりとして知覚すること
3.多感覚相互作用……異なる感覚器官から入力されたさまざまな情報が統合され、知覚世界が作り出されること
4.絶対閾……2つの刺激が区別できるのに必要な感覚を生じさせる最小の刺激変化量
5.感覚順応……同一の刺激が繰り返されると、次第に慣れて鈍感になっていくこと

4.学習
(1)心理学で定義する「学習」に該当するものを一つ選べ。
1.発達 2.疲労 3.馴化 4.加齢 5.飲酒による行動変化
(2)研究者とその業績に関連する語の組み合わせの内、誤っているものを一つ選べ。
1.Köhler. W…….洞察学習
2.Watson, J. B…….味覚嫌悪学習
3.Thorndike, E. L…….試行錯誤学習
4.Bandura, A…….観察学習
5.Skinner, B…….オペラント条件づけ
(3)レスポンデント条件づけに関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.レスポンデント条件づけにおいて、順行条件づけは逆行条件づけよりも条件反応の獲得が良好である。
2.条件刺激に対して新たな無条件反応が獲得される手続きと現象のことを、レスポンデント条件づけと呼ぶ。
3.古典的条件づけでは、消去を行った後にしばらく時間を経過させ、改めて条件刺激を提示した際、条件反応が部分的に回復することがある。
4.条件刺激と知覚的に類似した刺激に対しても、ある程度の反応が見られる現象を般化と呼ぶ。
5.ガルシア効果は、レスポンデント条件づけで説明できる。
(4)オペラント条件づけに関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.正の強化では、反応すれば正の強化刺激(報酬)が与えられる。
2.負の強化では、反応すれば負の強化刺激(罰)が与えられる。
3.古典的条件づけと比べ、道具的条件づけでは自発的行動によって学習が成立する。
4.先行事象、行動、後続事象の3つの関係を三項随伴性と呼ぶ。
5.ある場面で強化された行動が、類似した別の場面でも起こりやすくなる現象を般化と呼ぶ。
(5)行動レパートリーの中に標的行動がない、または非常に少ない場合に用いられる、強化と消去を組み合わせた行動形成法を何と呼ぶか。
1.馴化  2.鋭敏化  3.般化  4.シェイピング  5.復元効果

第2課題

解答用紙あり

第1設題

1〜3全ての問いに答えなさい。

1.記憶
(1)Ebbinghaus, H.とその業績に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.自らが実験参加者となって記憶を初めて数量的に検討した研究者である。
2.記憶の保持について研究を行い、忘却曲線を明らかにした。
3.実験の際に記憶材料としたのは、無意味綴りであった。
4.記憶材料を憶える際に要する時間と一定の時間経過後に再学習した際に要する時間の差の割合を記憶している程度と考え、それを忘却率として算出した。
5.記憶は、「学習後、急速に忘れられ、その後の忘却は緩やか」という性質を持つ。
(2)記憶の測定法に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.一般に再認することは困難であっても再生することは容易である。
2.いくつかの単語を憶えてもらい、そのまま順序を決めずに再生させる方法を自由再生テストと呼ぶ。
3.単語の再生や再認テストは、エピソード記憶を測定するテストである。
4.いくつかの単語を順番に提示し、その後再生を求めた際、最初の方に提示した単語の再生率が高くなることを、初頭効果と呼ぶ。
5.初頭効果と新近効果を合わせて系列位置効果と呼ぶ。
(3)ワーキングメモリに関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.中央実行系は、処理資源の配分を担っている。
2.エピソディックバッファーは、長期記憶との情報のやり取りに関してはエピソードに関してのみ機能している。
3.音韻ループは音韻情報の保持と処理を行う部分である。
4.視空間スケッチパッドは、視覚的情報に関する保持と処理を行う部分である。
5.ワーキングメモリのモデルでは、中央実行系が全体をコントロールし、下位システムとして音韻ループ、視空間スケッチパッドの2つを想定している。
(4)長期記憶に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.エピソード記憶は、経験の記憶である。
2.意味記憶は、知識や概念の記憶であり、経験した時間や場所に関する情報も伴う。
3.宣言的記憶は言葉で表現することができるが、非宣言的記憶は言葉では表現できない記憶である。
4.顕在記憶は想起意識のある記憶であり、潜在記憶は想起意識のない記憶である。
5.条件づけは、非宣言的記憶に該当する。
(5)記銘時と再生時の気分が一致している場合の方が、不一致の場合よりも再生成績が良い。つまり、記銘時と再生時の環境的文脈や内的状態が記憶成績に影響を及ぼす。これを何と呼ぶか。
1.気分一致効果 2.気分依存記憶 3.プライミング 4.レミニッセンスバンプ 5.フォルスメモリー

2.言語・思考、動機づけ・感情
(1)以下の問題に対する回答として、正しいものを一つ選べ。
カードの一方の面にはアルファベット、他方には数字が書いてあります。このようなカードから4枚のカードを選び、片方の面だけが見えるように下の図のように並べました。これらのカードについて、

「もしカードの片方の面にアルファベットの母音が書いてあるならば、そのカードのもう片方の面には偶数が書いてある」という規則が成立しているかどうかを調べたい。そのためには、めくらないといけないカードはどれでしょうか。めくるカードはできるだけ少なくしてください。
1.Eのカードのみを選択する。 2.Eと2の両方のカードを選択する。 3.Eと5の両方のカードを選択する。
4.Eと2と5の3つのカードを選択する。 5.4つのカードすべてを選択する。
(2)以下の問題に対する回答として、正しいものを一つ選べ。
ある国では、女性1000人に1人の割合である病気に感染している。検査薬によって感染していれば、98%の割合で陽性反応がでる。
ただし、感染していない場合にも、1%の確率で陽性反応が出るという。さて、今一人の女性にこの検査で陽性反応が出た。この女性が感染者である確率はいくらか。
1.約0.01% 2.約1.0% 3.約8.9% 4.約9.9% 5.約11.2%
(3)問題解決の方略に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.問題解決のための一連の規則的な手続きのことをアルゴリズムと呼ぶ。
2.日常世界での問題解決においては、多くの場合、アルゴリズムよりもヒューリスティックの方が用いられる。
3.アルゴリズムはしばしば種々の認知的誤謬や歪曲をもたらすことが指摘されている。
4.さいころを3回投げた時に「2・5・3」が出た場合と「6・6・6」が出た場合では、多くの人が前者の生起確率を高く判断してしまう。これは代表性ヒューリスティックの一例である。
5.アナロジー理論とは、対象Aと対象Bが似ている時、Aが持っている特徴をBも持っていると判断する推論のことである。
(4)動機づけに関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.達成欲求、親和欲求は、二次的動機づけに関連する欲求である。
2.性的欲求、養育欲求は、一次的動機づけに関連する欲求である。
3.一次的動機づけには、個体内の生理的均衡状態であるホメオスタシス(homeostasis)を維持することなどが含まれ、最も基本的な生物学的動機づけとみなせる。
4.二次的動機づけは心理的欲求に基づき、発達の過程で獲得される。
5.二次的動機づけは内発的動機づけの定義と同意である。
(5)動機づけに関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.内発的動機づけは自発的、自律的であるのに対して、外発的動機づけは他発的、他律的である。
2.内発的動機づけは、自己有能感や自己効力感と関係している。
3.叱られることを回避する目的で行動が生起する場合は、外発的動機づけに分類できる。
4.良い成績をとって褒められることが目的で行動が生起する場合は、内発的動機づけに分類できる。
5.自己決定理論は、内発的動機づけと外発的動機づけの区分を拡張している。
(6)Maslow, A.の欲求階層説において、もっとも高次の欲求に位置づけられているものを一つ選べ。
1.安全の欲求 2.承認尊重の欲求 3.自己実現の欲求 4.愛と所属の欲求 5.生理的欲求
(7)感情体験の経路、仕組みについて述べた理論とその提唱者の組合せとして誤っているものを一つ選べ。
1.末梢起源説……Lange, C.
2.中枢起源説…Cannon, W. B.
3.ソマティック・マーカー説…LeDoux, J.
4.二要因説…Schachter, S.
5.要素処理説…Scherer, K. R.
(8)感情に関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.感情には、主観的体験、表出行動、生理的反応の3側面がある。
2.評価と適応のシステムとしての役割を担う。
3.動機づけとしての側面を有する。
4.表情は感情を反映するのみならず、文脈情報の影響も受ける。
5.感情は主に心理学の研究対象であり、脳神経科学ではほとんど扱われてこなかった。
(9)Cannon, W. B.による感情喚起の機序に関する理論について述べたものを一つ選べ。
1.感情体験は身体的変化を知覚(意識)することであり、身体的変化は感情体験に先立つ。
2.脳中枢で生じるプロセスが、末梢反応に先行する。
3.感情は、生理的変化(覚醒)とその状況の認知から成り立つ。
4.様々な感情は、顔面筋のフィードバックによって生じる。
5.感情体験は、刺激と反応の間を介在する認知的評価によって導かれた行動傾向の背景にある動機づけを意識することで生じる。
(10)下記に示した情動の喚起の機序に対応する説を一つ選べ。
・歯をむき出した猛獣を見ると、心臓の動悸が高まって冷や汗をかき、その猛獣は危険であると解釈し、「恐ろしい」という情動が喚起される。
1.James-Lange説 2.Cannon-Bard説 3.二要因説 4.要素処理説 5.心理的構成主義説

3.発達
(1)ストレンジシチュエーション法において、次に示す子どもに該当するタイプはどれか。
「母親との分離に悲しみのサインを示さない。再会時にも歓迎の意を示さない。母親への接近・接触を求めず、回避する傾向がある。」
1.Aタイプ 2.Bタイプ 3.Cタイプ 4.Dタイプ 5.A〜Dタイプのどれにも該当しない
(2)Piaget, Jの認知発達の段階に関し、正しい発達段階の順番が示されているものはどれか。
1.感覚運動期→具体的操作期→前操作期→形式的操作期
2.感覚運動期→前操作期→具体的操作期→形式的操作期
3.感覚運動期→形式的操作期→前操作期→具体的操作期
4.前操作期→感覚運動期→具体的操作期→形式的操作期
5.前操作期→感覚運動期→形式的操作期→具体的操作期
(3)子どもの発達研究において、3歳児100名を対象に認知能力や運動能力などの検査を行った。この100名に対して、3年度に再度、認知能力や運動能力の検査を行い、3歳時点のデータとの比較検討を行った。このような研究法を何というか。
1.縦断的研究 2.横断的研究 3.コホート研究 4.双生児法 5.事例研究
(4)発達理論とその提唱者の組合せとして、誤っているものを一つ選べ。
1.ライフサイクル論……Erikson, E. H.
2.社会的学習理論……Vygotsky, L. S.
3.認知発達理論(発達段階説)……Piaget, J.
4.生態学的システム論(生態学的発達理論)……Bronfenbrenner, U.
5.アタッチメント理論……Bowlby, J.
(5)人の定型的な発達に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1.生後6か月頃から、親しい人と親しくない人を区別するようになる。
2.1歳頃に、初語(初めて自発的に発する有意味な単語)を発する。
3.2歳頃から欲求に関する語を話し始め、その後、感情語や認知語を話し始める。
4.4歳頃に心の理論を獲得し、心的用語も著しく発達することで、自分や他者の心の状況を意識的に考えられるようになる。
5.5歳頃に二次的信念の理解が可能になる。

第3課題

解答用紙あり

第1設題

1〜4全ての問いに答えなさい。

1.知能
(1)知能に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.知能指数とは一般的に「精神年齢÷生活年齢×100」の値を指す。
2.偏差知能指数は、「(個人の得点-同じ年齢集団の平均)÷同じ年齢集団の標準偏差×15+100」で算出される。
3.第一次世界大戦頃、召集兵の適切な配置を決めるため個別式知能テストが広く用いられた。
4.Binet, A.は、ある個人をよりよく理解して支援することを目的に知能テストを開発した。
5.ウェクスラー式知能検査には3種類あり、いずれも個別式の検査である。
(2)知能に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.結晶性知能は、過去の学習経験から獲得されたものである。
2.結晶性知能は学校教育や文化など環境に強く影響されると考えられている。
3.結晶性知能は、新規場面への適応が必要な際に働く能力である。
4.一般知能の個人差における遺伝の効果は、50〜70%である。
5.流動性知能は、20代でピークを迎える。
(3)知能構造に関する様々な理論とその提唱者の組合せとして誤っているものを一つ選べ。
1.Gardner, H…….多重知能理論 2.Spearman, C. E…….2因子説 3.Sternberg, R. J…….鼎立理論
4.Guilford, J. P…….三層構造理論 5.Thurstone, L. L…….多因子説
2.パーソナリティ
(1)類型論の提唱者に該当しないものを一つ選べ。
1.Sheldon, W. H. 2.Kretschmer, E. 3.Eysenck, H. J. 4.Jung, C. G. 5.Spranger, E.
(2)ビッグ・ファイブの5つの因子の説明として誤っているものを一つ選べ。
1.協調性(調和性)の高さは、優しく思いやりがあり、他者の気持ちを察する傾向などに関わる。
2.誠実性(勤勉性)は、まじめな人物像を示唆するパーソナリティ特性である。
3.外向性の高さは、危険やスリルを求める傾向にもつながる。
4.開放性の低さは、思考が型にはまりがちで新しいことにあまり興味を示さない傾向を示す。
5.神経症傾向の高さは内向性や情緒不安定性とも呼ばれ、不安や心配が強く動揺しやすい。
(3)ビッグ・ファイブを測定する代表的な尺度に該当するものを一つ選べ。
1.16PF 2.YG性格検査 3.MPI 4.NEO-PI-R 5.MMPI
(4)パーソナリティ理論に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.Cloninger, C. R.は、パーソナリティを遺伝性の4つの気質的側面と、後天的な3つの性格的側面に分類した。
2.Goldberg, L. R.は、ビッグ・ファイブの考え方を提唱した。
3.Mischel, W.は、状況に左右されない安定したパーソナリティ特性の存在に疑問を投げかけた。
4.Gray, J. A.は、不安の背景に行動抑制系と行動賦活系という動機づけシステムを想定した。
5.Eysenck, H. J.は基本的なパーソナリティ次元として、外向性と神経症傾向の2次元を想定した。
(5)個人差に及ぼす遺伝と環境に関する記述として、誤っているものを一つ選べ。
1.遺伝の効果がより大きいのは、性格などのパーソナリティ次元よりも一般知能の方である。
2.双生児を対象とした行動遺伝学は、パーソナリティに対する遺伝と環境の影響を検討する方法の一つである。
3.気質は、遺伝的規定率が高い心理特性である。
4.パーソナリティは、成人期以降、社会的におおよそ望ましいとされる方向に発達する傾向がある。
5.親が持つパーソナリティ特性は、そのまま子どもに伝達される。
3.社会と個人
(1)他者の存在が及ぼす影響に関する記述として誤っているものと一つ選べ。
1.他者の存在が個人の遂行を向上させる現象のことを社会的促進と呼ぶ。
2.他者の存在が個人の遂行を抑制する現象のことを社会的抑制と呼ぶ。
3.習熟度の高い作業を行う場合には、他者の存在によって遂行が抑制される。
4.難しい課題では、他者の存在によって遂行が抑制される。
5.単純な作業では、他者の存在によって遂行が促進される。
(2)対応バイアスについて説明したものを一つ選べ。
1.状況の影響力に比較して行為者の内的属性を過大評価する傾向のこと。
2.良い出来事は自分自身の内的帰属に、反対に悪い出来事は自己責任を否定し状況に帰属する傾向のこと。
3.自分自身の行動を状況に帰属させる傾向のこと。
4.社会的カテゴリーや集団に属する人たちに対して、人々が持っている信念のこと。
5.内集団に対して高い評価を与え、好意的な態度や行動をとる傾向のこと。
(3)フリー・ライダーの発生に関連する現象を一つ選べ。
1.社会的補償 2.社会的抑制 3.社会的ジレンマ 4.社会的手抜き 5.社会的促進
(4)同調に関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.Asch, S.は自分の判断に確信を持ちうる状況でも同調が起きると考え、線分の長さを比較判断するという単純な認知課題を用い
て実験を行った。
2.同調の生じる理由の一つに、より正しい行動をとろうとして他者から得た情報を客観的事実の基準と考えることが挙げられる。
3.同調の生じる理由の一つに、自己を集団規範に従わせることによって周囲の状況に適合しようとすることが挙げられる。
4.実験のサクラの中に、1人でも正しい回答をする者がいると同調率は下がる。
5.親しい仲間同士よりも、互いに見知らぬ者同士の方が、同調圧力は強まる。
(5)以下の記述のうち、誤りのあるものを一つ選べ。
1.単純接触効果とは、特定の刺激に繰り返し何度も接触するだけで、その刺激に対する親和性を増し、好意が増大することである。
2.Dutton, D. G.と Aron, A. P.のつり橋実験で認められた錯誤帰属は、Schachter, S.の情動二要因理論を検証した。
3.Festinger, L.の提唱した認知的不協和理論は、フットインザドア・テクニックなどの販売技法に応用されている。
4.フットインザドア・テクニックは、有利な条件を提示して相手から承諾を得た後、都合の悪い条件を付加したり、有利な条件の
一部を除去したりする技法である。
5.Milgram, S.は、権威への服従に関する実験を行った。
4.心の健康と不適応
(1)心理アセスメントに関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.実証性を重んじ、行動の一般法則を見出そうとすること。
2.面接法、観察法、検査法という3つの手法がある。
3.クライエントの現状や成育歴、パーソナリティ、問題の既定因などについて、情報を取集・分析する過程のことを指す。
4.幼児など、言語で十分な情報を得ることが難しい場合には、遊び場面などの観察と、養育者の面接を並行して行うことが多い。
5.検査法では、標準化された発達検査や知能検査、性格検査などを用いて、クライエントの特徴を探る。
(2)アメリカ精神医学会が発行している「精神疾患の診断・統計マニュアル」に該当するものを一つ選べ。
1.WHO 2.ICD 3.DSM 4.APA 5.QOL
(3)人物名とその人物と関連の深い項目の組合せとして誤っているものを一つ選べ。
1.Freud, S…….精神分析療法 2.Beck, A. T…….認知療法 3.Jung, C. G…….分析心理学
4.Adler, A…….個人心理学 5.Rogers, C. R…….認知行動療法
(4)クライエント中心療法の説明として、正しいものを一つ選べ。
1.クライエント中心療法では、クライエント自身に自ら成長しようとする力と自己実現を目指す傾向が備わっているため、カウンセラー
の態度をそれほど重要視しない。
2.クライエント中心療法では、カウンセラーは、クライエントの話す内容を全て肯定することが求められる。
3.クライエント中心療法は、現在ではほとんど使われることのない技法である。
4.クライエント中心療法では、相手の言うことを一字一句もらさず、繰り返す必要がある。
5.クライエント中心療法では、病気を治すということより成長を促すことに焦点を当てている。
(5)認知理論に基づく認知療法に関する説明として、誤っているものを一つ選べ。
1.認知療法では、偏った思考に働きかけ、より前向きで現実的な考え方ができるよう援助する。
2.認知療法では、クライエントの行動よりも、ものの見方を変えることで問題解決を目指す。
3.認知療法は、学習理論に基づく。
4.近年、認知療法と行動療法を組み合わせた認知行動療法が広く用いられている。
5.認知心理学の影響を受け、1970年代ごろから広まった。
(6)ストレスに関する記述として誤っているものを一つ選べ。
1.ストレッサーとは、ストレス反応を引き起こす原因のことである。
2.Lazarus, R. Sによれば、ストレス反応を決める認知行動的要因は、認知的評定(一次的評定)とコーピング(二次的評定)である。
3.Selye, H.による汎適応症候群は、ストレッサーの影響を受けてからの時間経過によって、3段階に分けられる。
4.ストレッサーの種類には、身体的ストレッサーと心理社会的ストレッサーがある。
5.身体的疾病がストレッサーとなり、身体や治療効果にも悪影響を及ぼすことがある。
(7)アレキシサイミアについて誤っているものを一つ選べ。
1.身体症状を言葉にすることが難しい。 2.自分の感情を言葉にすることが難しい。 3.空想する力が乏しい。
4.事実の説明に感情が伴わない。 5.心身症になりやすい人の特徴を表す概念である。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
心理学の歴史と成り立ち 心理学の生い立ちと歩みに関する基礎知識 ①第1章(p.11〜26) ※文中に記載されている関連ページも含む(6時間)
心理学の歴史と成り立ち 心理学の生い立ちと歩みに関する基礎知識 ②第1章(p.9〜24) ※文中に記載されている関連ページも含む(6時間)
心理学の生物学的基盤 生物学的基盤に関する基礎知識 ①第2章(p.27〜41) (6時間)
心理学の生物学的基盤 生物学的基盤に関する基礎知識 ②第2章(p.68〜82) (6時間)
感覚・知覚 感覚・知覚に関する基礎知識 ①第3章(p.42〜55) (6時間)
感覚・知覚 感覚・知覚に関する基礎知識 ②第3章(p.38〜52) (6時間)
学習 学習に関する基礎知識 ①第4章(p.56〜69) (6時間)
学習 学習に関する基礎知識 ②第4章(p.53〜67) (6時間)
記憶 記憶の仕組みに関する基礎知識 ①第5章(p.70〜78) (6時間)
記憶 記憶の仕組みに関する基礎知識 ①第5章(p.78〜88) (6時間)
言語・思考 言語・思考に関する基礎知識 ①第6章(p.89〜100) (6時間)
言語・思考 言語・思考に関する基礎知識 ①第6章(p.100〜107) (6時間)
動機づけ・感情 動機づけ・感情に関する基礎知識 ①第7章(p.108〜119 (6時間)
動機づけ・感情 動機づけ・感情に関する基礎知識 ②第7章(p.98〜111) (6時間)
発達 発達に関する基礎知識 ①第8章(p.120〜132) (6時間)
発達 発達に関する基礎知識 ②第7章(p.112〜127) (6時間)
知能 知能に関する基礎知識 ①第9章(p.133〜138) (6時間)
知能 知能に関する基礎知識 ①第9章(p.138〜145) (6時間)
パーソナリティ パーソナリティに関する基礎知識 ①第10章(p.146〜152) (6時間)
パーソナリティ パーソナリティに関する基礎知識 ①第10章(p.152〜160) (6時間)
パーソナリティ パーソナリティに関する基礎知識 ②第10章(p.144〜158) (6時間)
社会と個人 社会と個人に関する基礎知識 ①第11章(p.161〜169) (6時間)
社会と個人 社会と個人に関する基礎知識 ①第11章(p.169〜176) (6時間)
社会と個人 社会と個人に関する基礎知識 ②第11章(p.159〜167) (6時間)
社会と個人 社会と個人に関する基礎知識 ②第11章(p.167〜174) (6時間)
心の健康と不適応 心の健康と不適応に関する基礎知識 ①第12章(p.177〜188) (6時間)
心の健康と不適応 心の健康と不適応に関する基礎知識 ②第9章(p.128~135) (6時間)
心の健康と不適応 心の健康と不適応に関する基礎知識 ②第12章(p.135~143) (6時間)
まとめ この科目で学んだことの総括 ①②テキスト全体(6時間)
まとめ この科目で学んだことの総括 ①②テキスト全体(6時間)
試験
スクーリング最終日に実施。この授業で学んだ心理学の基礎知識について試験を行う。