最終更新日:2026年3月30日

1年次入学生:2年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
心理・福祉学部 社会福祉学科

D090

社会学

現代社会を社会学で読み解く

単位条件

通信 2単位

教員

山田 等

履修条件

なし

到達目標

①社会学の基礎的概念を理解する。
② 社会現象には、家族、学校、企業、地域社会、国際関係など、あらゆるものが含まれる。社会学は多様な視点から社会現象を考察する。その視点を理解し、自らで社会現象を考察できる能力を身につける。
③社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験に対応できる能力を身につける。

学習成果

①社会学の基礎的概念を理解する。
② 常識とは異なる視点で、社会現象を見られるようになる。代表的な社会学者の常識とは異なる視点の例をあげる。G・H・ミードの「自我論」。ゴッフマンの「察しの良い無関心」。ミルズの「動機の語彙」。リースマンの「敵対的協力」。マートンの「相対的不満」「予言の自己成就」。バダンテールの「母性愛の神話」。ベッカーの「ラベリング理論」。学生はこれらの原典、あるいは「命題コレクション 社会学」を参考にして勉強してほしい。
③国家試験には、得点をあえてとらせない難問・奇問が含まれる。それらを除いた問題を解けるようにする。

テキスト教材

東京リーガルマインドLEC総合研究所公務員試験部著『本気で合格!過去問解きまくり!社会学』(東京リーガルマインド)2019
※上記のテキストを配本しますが、各出版社から出ている社会福祉士・精神保健福祉士向けのテキストを各自で用意して使用してもかまいません。

参考図書

1.作田啓一・井上俊編『命題コレクション 社会学』(筑摩書房)
2.『公務員試験ウォーク問過去問題集8社会学』(東京リーガルマインド)
3.各出版社から出ている『国家試験用のワークブック』(どれでもよい)
4.『社会学文献辞典』(弘文堂)
5.『社会学』(へるす出版)『社会学』(へるす出版)

評価の要点

第1課題は基礎的知識を理解しているかを確認する。第2課題は関心のあるテーマについてよく考えられているかをみる。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価する。
 第1課題は基礎的知識を問う。上記の参考書、WEBの情報で答えられる。75%の正解で合格とする(60%ではない)。第2課題は要約が適切か(40%)、意見があるか(40%)、表現が適切か(20%)で評価する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

試験では、社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験に準じて、主として5択形式の問題を出す。学生は、国家試験を受けない学生も、国家試験の過去問題、各種模擬問題を繰り返し解いて、誤った文章などは正しい文章を作って覚えておくこと。これが究極の試験対策である。

レポート課題

提出数 2

第1課題

第1課題と第2課題のレポート作成形式が異なります。

Web提出可解答用紙あり

第1設題

大問Ⅰ
問 1 持続可能な開発目標(SDGs)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 1989 年にアメリカのオレゴン州で策定された,行政評価のための指標である。
2 生活に関する八つの活動領域から構成された指標である。
3 貧困に終止符を打つとともに,気候変動への具体的な対策を求めている。
4 1995 年より毎年各国の指数が公表されている。
5 貨幣換算した共通の尺度によって,一律に各指標を測定する。

問2 社会変動の理論に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 ルーマン(Luhmann, N.)は,社会の発展に伴い,軍事型社会から産業型社会へ移行すると主張した。
2 テンニース(Tonnies, F.)は,自然的な本質意志に基づくゲマインシャフトから人為的な選択意志に基づくゲゼルシャフトへ移行すると主張した。
3 デュルケム(Durkheim, E.)は,産業化の進展に伴い,工業社会の次の発展段階として脱工業社会が到来すると主張した。
4 スペンサー(Spencer, H.)は,近代社会では適応,目標達成,統合,潜在的パターン維持の四つの機能に対応した下位システムが分出すると主張した。
5 パーソンズ(Parsons, T.)は,同質的な個人が並列する機械的連帯から,異質な個人の分業による有機的な連帯へと変化していくと主張した。

問3 社会階層と社会移動の諸概念に関する次の記述のうち,最も適切なものを            1 つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
1 純粋移動とは,あらかじめ定められたエリートの基準に見合う者だけが育成され,エリートとしての地位を得ることをいう。
2 構造移動とは,産業構造や人口動態の変化によって社会的地位の移動を余儀なくされることをいう。
3 業績主義とは,本人の努力によって変更することができない要素によって社会的地位が与えられることをいう。
4 属性主義とは,個人の能力や成果に応じて社会的地位が与えられることをいう。
5 世代間移動とは,一個人の一生の間での社会的地位の移動のことをいう。

問4 都市化の理論に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 フィッシャー(Fischer, C.)は,都市の拡大過程に関して,それぞれ異なる特徴を持つ地帯が同心円状に構成されていくとする,同心円地帯理論を提起した。
2 ワース(Wirth, L.)は,都市では人間関係の分節化と希薄化が進み,無関心などの社会心理が生み出されるとする,アーバニズム論を提起した。
3 クラッセン(Klaassen, L.)は,大都市では類似した者同士が結び付き,ネットワークが分化していく中で多様な下位文化が形成されるとする,下位文化理論を提 起した。
4 ウェルマン(Wellman, B.)は,大都市では,都市化から郊外化を経て衰退に向かうという逆都市化(反都市化)が発生し,都市中心部の空洞化が生じるとする,都市 の発展段階論を提起した。
5 バージェス(Burgess, E.)は,都市化した社会ではコミュニティが地域や親族な どの伝統的紐帯(ちゅうたい)から解放されたネットワークとして存在しているとする,コミュ ニティ解放論を提起した。
問5 次のうち,コンパクトシティに関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回社会福祉士国家試験)
1 出身地域の異なる外国人住民の多様なコミュニティから形成される都市
2 拡散した都市機能を集約させ,生活圏の再構築を図る都市
3 文化や芸術,映像などの産業をまちづくりの中核に据える都市
4 先端技術産業を軸として,地方経済の発展を目指す都市
5 世界中の金融・情報関連産業が集積する都市
問6 日本における性同一性障害や性的指向・性自認に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。( 第31回社会福祉士国家試験)
1 文部科学省の「いじめの防止等のための基本的な方針」(2017年(平成29年)改定)には,性的指向・性自認に係る児童生徒への対応が盛り込まれている。
2 法務省の「性的指向及び性自認を理由とする偏見や差別をなくしましょう」という 啓発活動では,LGBTという表現は使われていない。
3 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律により,本人の自己申告で性別の取扱いの変更が認められるようになった。
4 性的指向・性自認への理解を求める取組は,地域共生社会の実現という政策課題には当てはまらない。
5 同性婚のための手続が民法に規定されている。
(注) LGBTとは,(Lesbian,Gay,Bisexual,Transgender)の頭字語である。
問7 2012年(平成24 年)以降の日本の労働市場等に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。(第30回社会福祉士試験)
1 完全失業率は5%台で推移している。
2 男女とも非正規雇用労働者数が増加している。
3 有効求人倍率でみた労働の需要と供給は,均衡的に推移している。
4 同一労働同一賃金の原則が適用されている。
5 男女間の賃金格差は大きくなっている。

問8 社会理論における行為に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(29回社会福祉士国家試験)
1 行為とは,行為者自身にとってどのような意味を持つかとは無関係に,他者から観察可能な振る舞いを意味する。
2 伝統的行為とは,行為対象に対して直接の感情や気分によって行われる振る舞いを意味する。
3 価値合理的行為とは.過去の経験に基づき諸個人の内に身についた知覚・思考・実践行動を生み出す性向を意味する。
4 行為の意図せざる結果とは、ある意図によって行われた行為自体が,思わぬ影響をもたらすことを意味する。
5  コミュニケーション的行為とは,他者の選択を計算に入れながら,あるいは他者の選択に影響を与えることによって,自己の目的の実現を目指すものを意味する。

問9 雇用・就労に関連する用語の説明として,正しいものを1つ選びなさい。(第28回)
1 ワーク・ライフ・バランスとは,定年退職後に安定的な生活を図ることをいう。2 ニートとは,就労に向けて職業準備中の若年者のことをいう。
3 ホワイトカラー・エグゼンプションとは,事務職の労働時間の厳格な制限のことをいう。
4 ディーセント・ワークとは,働きがいのある人間らしい仕事のことをいう。
5 ワーキングプアとは,就労できないために貧困状態になることをいう。

問10 次の記述のうち,ライフサイクルについての説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第36回社会福祉士国家試験)
1 個人の発達の諸段階であり,生物学的,心理学的,社会学的,経済学的な現象がそれに伴って起きることを示す概念である。
2 生活を構成する諸要素間の相対的に安定したパターンを指す概念である。
3 社会的存在としての人間の一生を,生まれた時代や様々な出来事に関連付けて捉える概念である。
4 個人の人生の横断面に見られる生活の様式や構造,価値観を捉えるための概念である。
5 人間の出生から死に至るプロセスに着目し,標準的な段階を設定して人間の一生の規則性を捉える概念である。

問11 社会的役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 役割距離とは,個人が他者からの期待を自らに取り入れ,行為を形成することを指す。
2 役割取得とは,個人が他者との相互行為の中で相手の期待に変容をもたらすことで,既存の役割期待を超えた新たな行為が展開することを指す。
3 役割葛藤とは,個人が複数の役割を担うことで,役割の間に矛盾が生じ,個人の心理的緊張を引き起こすことを指す。
4 役割期待とは,個人が他者からの期待と少しずらした形で行為をすることで,自己の主体性を表現することを指す。
5 役割形成とは,個人が社会的地位に応じた役割を果たすことを他者から期待されることを指す。

問12 他者や社会集団によって個人に押し付けられた「好ましくない違いを表わす 印(しるし)」に基づいて,それを負う人々に対して様々な差別が行われることをゴッフマン(Goffman, E.)は指摘した。次のうち,この「好ましくない違いを表わす印」を示す概念として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
1 自己成就的予言
2 マイノリティ
3 スティグマ
4 クレイム申立て
5 カリスマ

問13 「令和元年版少子化社会対策白書」(内閣府)に示された合計特殊出生率に関 する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 日本の合計特殊出生率は,1975年(昭和50年)以降2.0を下回っている。
2 日本の1999年(平成11年)の合計特殊出生率は1.57で,それまでの最低値で あった。
3 日本の2017年(平成29年)の合計特殊出生率は,2005年(平成17年)のそれより も低い。
4 イタリアの2017年の合計特殊出生率は,フランスのそれよりも高い。
5 韓国の2017年の合計特殊出生率は,日本のそれよりも高い。

問14 次のうち,直系家族制についての記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回社会福祉士国家試験)
1 複数の子どもが,結婚後も親と同居することを原則とする。
2 夫婦の結婚とともに誕生し,一方の死亡によって家族が一代限りで消滅する。
3 跡継ぎとなる子どもの家族との同居を繰り返して,家族が世代的に再生産される。
4 離家した子どもの生殖家族が,親と頻繁な交際や相互援助を行う。
5 親の死亡をきっかけに,財産を均分相続し家族が分裂する。

問15 次の記述のうち,ハーディン(Hardin, G.)が提起した「共有地の悲劇」に関する説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 協力してお互いに利益を得るか,相手を裏切って自分だけの利益を得るか,選択しなければならない状況を指す。
2 財やサービスの対価を払うことなく,利益のみを享受する成員が生まれる状況を指す。
3 協力的行動を行うと報酬を得るが,非協力的行動を行うと罰を受ける状況を指す。
4 それぞれの個人が合理的な判断の下で自己利益を追求した結果,全体としては誰にとっても不利益な結果を招いてしまう状況を指す。
5 本来,社会で広く共有されるべき公共財へのアクセスが,特定の成員に限られている状況を指す。

問16 2012年(平成24 年)以降の日本の労働市場等に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。(第30回社会福祉士試験)
1 完全失業率は5%台で推移している。
2 有効求人倍率でみた労働の需要と供給は,均衡的に推移している。
3 男女とも非正規雇用労働者数が増加している。
4 同一労働同一賃金の原則が適用されている。
5 男女間の賃金格差は大きくなっている。

問17 次の記述のうち,ウェルマン(Wellman, B.)のコミュニティ解放論の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第36回社会福祉士国家試験)
1 特定の関心に基づくアソシエーションが,地域を基盤としたコミュニティにおいて多様に展開しているとした。
2 現代社会ではコミュニティが地域という空間に限定されない形で展開されるとした。
3 人口の量と密度と異質性から都市に特徴的な生活様式を捉えた。
4 都市の発展過程は,住民階層の違いに基づいて中心部から同心円状に拡大するとした。
5 アメリカの 94 のコミュニティの定義を収集・分析し,コミュニティ概念の共通性を見いだした

問18 次のうち,マートン(Merton, R.K.)が指摘したアノミーに関する記述と して,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ある現象が解決されるべき問題とみなす人々の営みを通じて紡ぎ出される社会状態を指す。
2 下位文化集団における他者との相互行為を通じて逸脱文化が学習されていく社会状態を指す。
3 文化的目標とそれを達成するための制度的手段との不統合によって社会規範が弱まっている社会状態を指す。
4 他者あるいは自らなどによってある人々や行為に対してレッテルを貼ることで逸脱が生み出されている社会状態を指す。
5 人間の自由な行動を抑制する要因が弱められることによって逸脱が生じる社会状 態を指す。

問19 イリイチ(Illich.I.)によるシャドウ・ワークに関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 経済不況の続く社会では,人々は生活のためにシャドウ・ワークと呼ばれる第二の仕事を夜間にせざるを得なくなる。
2 表舞台に立つ派手な職業ではないシャドウ・ワークは,労働条件の厳しい低い賃金の仕事である。
3 本業に自己充実感を持てない人は,シャドウ・ワークと呼ばれる副業によって自己実現を図る。
4 産業社会にとって必要不可欠だが,賃金が支払われない労働のことを,シャドウ・ワークと呼ぶ。
5 シャドウ・ワークは,職業としての社会的評価は低いが,社会にとってはなくてはならないものである。

問20 情報化とは、情報そのものが生産・販売・消費の対象となる「産業の情報化」と、組織にコンピュータ・システムが導入され組織自体が変化していく「組織の情報化」がある。情報化社会に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。 産業社会の特徴。1 パーソンズは、『脱工業社会の到来』のなかで、①技術革新に寄与する「理論的知識」の重要性、②生産や雇用において知識やサービスにかかわる文化が大きくなることを指摘した。これは情報社会の特徴である。
2 カナダのマクルーハンは「メディアはマッサージである」として、メディアはそれ自体の独自の性質によって、個人の感覚や意識を癒す効果があると述べた。
3 オングは、文字を使用する以前の社会を「一次的な声の文化」と呼び、グーテンベルグによる印刷機の発明が「文字の文化」を発展させ、19世紀以降、電信・電話といった「二次的な声の文化」がつくりだされた、と述べた。
4 アメリカのリップマンは、『世論』(1922)で、現代人は、現実環境と区別される、マス・メディアによって媒介される環境イメージに適応し生活しており、そのことが現実環境に対する誤解や不適応を招くこともある、と指摘した。こうした環境をかれは、「擬似環境」と名づけた。
5 ガンパートは、携帯電話の発達などによって、いわば「いつでも、瞬時に、どこからでも、どこへでも、何でも」送受信できるコミュニケーションが可能になるとして、これを「地図にないコミュニケーション」の実現と述べている。

問21 近代家族に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1 近代家族は、社会の発展に伴って、前近代家族が担ってきた多様な機能を次第に外部
組織に委譲するようになりつつあり、現代社会においては、子どもの社会化の機能は、
すべて学校にゆだねられている。
2 近代家族では、個人の私的な欲望や期待・願望の実現に関する機能が増大しており、
個人の基本的な満足と充実感は、外部の公的世界から隔絶された私的領域である家族
生活の中で充足される。
3 G・P・マードックはその著書『社会構造』において、家族の形態を核家族・複婚家
族・拡大家族の三つ分け、このうち核家族は、未開社会には存在しない近代社会のみ
に見られる形態であるとして、家族は未開社会の原初的な形態から単線的に進化して
きたと論じた。
4 G.P.マードックにより提唱された核家族は、未開社会においては存在しないため、人類に普遍的な社会集団とはいえない。
5 G.P.マードックは、一夫多妻や一妻多夫などの複式の結婚に基づく複婚家族と、親子関係の延長拡大により成立する拡大家族をともに核家族とは関連性のない異質な家族形態として分類した。

問22 消費行動・文化に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。現代社会論②
1 実際には経済力がないのに、経済力があるかのように見せかけて、社会的名声を獲得しようと
する行動をT.ヴェブレンは誇示的消費と呼んだ。彼は、匿名性の高い都市社会においては、互いに他人の経済力を正確に知ることはできないから、没落した有閑階級が誇示的消費によって社会的名声を維持していると批判した。
2 大量生産社会においては、製品規格化され画一的になるため、個性的な消費が困難になる。
しかし、画一的な消費に満足できない消費者は、小さな差異に敏感になり、少しだけ他者と差別化を図ろうとする。D.リーマンは『孤独な群衆』において、内部志向型人間の持つこのような消費者心理を「限界的差異化」と呼んだ。
3 豊かな社会においては、様々な様式で消費への欲望がかき立てられる。マス・メディアに接触することで消費の欲望がかき立てられることを、J.デューゼンベリーは「デモンストレーション効果」と呼んだ。これに対し、友人や隣人など、身近な人の消費行動に接して消費の欲望がかき立てられることを、J.ガルブレイスは「依存効果」と呼んだ。
4 高度情報社会においては、価値の源泉はもはやモノではなく、音楽や画像などの情報である。このような情報の持つ価値をJ.ボードリヤールは「記号価値」と呼び、記号価値を消費することを「記号消費」と呼んだ。自動車のグレードや装飾品のブランドは記号である。
5 上流階級の趣味は「洗練」されているが、下層階級の趣味は「低俗」であるというように、趣味にも階層による差異がある。このような現象に注目したオルティガは出身階層における文化資本の違いが趣味にみられるような審美的な感覚にまで影響を及ぼし、ハビトゥスの形成を通じて社会階層が文化的に再生産されていると論じた。

問23  自殺に関する近年の動向について、誤っているものはどれか。
1  平成28年4月1日に施行された改正自殺対策基本法の新しい理念と趣旨に基づき、学際的な観点から関係者が連携して自殺対策のPDCAサイクルに取り組むためのエビデンスの提供や、民間団体を含めた地域の自殺対策を支援していくため、「自殺総合対策推進センター」が設けられた。
2  自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤立・孤独」を防ぎ、支援することが重要である。「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことをいう。「自殺対策基本法」では、多くの人にゲートキーパーとしての意識を持ってもらい、専門性の有無にかかわらず、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくことが自殺対策につながるという考え方が反映されている。
3  「自殺総合対策大綱(平成19年6月8 日閣議決定)」においては、9つの当面の重点施策の一つとしてゲートキーパーの養成を掲げ、かかりつけの医師を始め、教職員、保健師、看護師、ケアマネージャー、民生委員、児童委員、各種相談窓口担当者など、関連するあらゆる分野の人材にゲートキーパーとなってもらえるよう研修等を行うことが規定されている。
4  自殺対策基本法第四条では、「事業主は、国及び地方公共団体が実施する自殺対策に協力するとともに、その雇用する労働者の心の健康の保持を図るため必要な措置を講ずるよう努める
ものとする。」と規定されている。
5 自殺対策のひとつとして、地方自治体によって営まれているいのちの電話(日本いのちの電話連盟)が、深い悩み・つらさを抱えて誰にも相談出来ずに自殺を考えるほどになっている人の話を聞くための電話を設けて、24時間受け付けている。「いのちの電話」が設置されている地域では、そうでない地域と比べ、男性・女性とも自殺率が有意に下がっている。

問24 逸脱論として妥当なものはどれか。
1 ストウファーは、逸脱の原因は、その人が置かれた境遇の劣悪さによるものではなく、むしろ、ある事柄に関する理想と社会における現実とのギャップに起因すると考え、この格差を「スティグマ」と呼んだ。
2 ゴフマンは、差別の分析を通して、「相対的剥奪」の概念を提起した。ゴフマンによれば、それはある社会における好ましくない違いであり、この違いを持つ者への敵意が正当化されたり、当人の危険性や劣等生が説明され、その結果さまざまな差別が行われるとした。
3 ガーフィンケルは、逸脱は、個人の属性に起因するものではなく、社会集団が、これを犯せば逸脱者になるような規則を設け、それを特定の人々に適用して、彼らを「アウトサイダー」として扱うことにより生じると主張した。
4 サザーランドは、ビジネスや専門的職業に従事する人々による犯罪を分析し、名望ある社会的地位の高い人々が、職業上の地位を利用するなどした犯罪や違法な行動を「ホワイトカラー犯罪」と定義した。サザーランドの研究によって、犯罪は下層階級に集中して発生するという通念が否定された。
5 トマスとズナニエツキは、急激な産業化や、文化の異なる国への移住等の生活環境の変化が契機となって、伝統的価値や規則を学習する機会が失われたり、新たな文化に接して人間の価値観が混乱したりすると、それまで従ってきた行動規範が個人に与える影響力減退し「アノミー」が生じると主張した。

問25 相対的剥奪/相対的不満(relative deprivation)に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 相対的剥奪とは、貧困理論で、P.B.タウンゼントが提出した概念である。
2 相対的剥奪とは、社会で慣習になっているか、広く是認されている生活を営むのに必要な生活資源を欠いている状態である。
3 相対的剥奪とは、社会システム論でパーソンズが唱えた概念である。
4 相対的不満とは、人が自分の置かれている状態を、絶対的な水準ではなく、準拠集団との比較において劣っていると感じている状態である。
5 相対的不満は、マートンが準拠集団論の一部として位置づけ発展させたものである。

大問Ⅱ
問 1 次のうち,人々が社会状況について誤った認識をし,その認識に基づいて行動することで,結果としてその認識どおりの状況が実現してしまうことを指す概念として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第36回社会福祉士国家試験)
1 予言の自己成就
2 創発特性
3 複雑性の縮減
4 ホメオスタシス
5 逆機能

問2 次の記述のうち,ヴェーバー(Weber, M.)の合法的支配における法の位置づけとして,最も適切なものを 1つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 法は,被支配者を従わせ,超人的な支配者の権力を貫徹するための道具である。
2 法は,伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するための道具である。
3 法は,支配者の恣意的な判断により定められる。
4 法は,神意や事物の本性によって導き出される。
5 法は,万民が服さなければならないものであり,支配者も例外ではない。

問3 社会的行為に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
1 パーソンズ(Parsons, T.)は,相互行為における無意識的,習慣的な行為に着目し,そうした行為において利用される個人の文化的な蓄積を「文化資本」と呼んだ。
2 ハーバーマス(Habermas, J.)は,個人に外在して個人に強制力を持つ,信念や慣行などの行為・思考の様式,集団で生じる熱狂などの社会的潮流を「社会的事実」と呼び,社会学の固有の領域を定式化した。
3 ブルデュー(Bourdieu, P.)は,相互行為が相手の行為や期待に依存し合って成立していることを「ダブル・コンティンジェンシー」と呼んだ。
4 ヴェーバー(Weber, M.)は,社会的行為を四つに分類し,特定の目的を実現するための手段になっている行為を「目的合理的行為」と呼んだ。
5 デュルケム(Durkheim, E.)は,言語を媒介とした自己と他者の間で相互了解に基づく合意形成を目指す行為を「コミュニケーション的行為」と呼んだ。

問4 社会集団などに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回社会福祉士国家試験)
1 準拠集団とは,共同生活の領域を意味し,地域社会を典型とする集団を指す。
2 第二次集団とは,親密で対面的な結び付きと協同によって特徴づけられる集団を 指す。
3 内集団とは,個人にとって嫌悪や軽蔑,敵意の対象となる集団を指す。
4 ゲマインシャフトとは,人間が生まれつき持っている本質意志に基づいて成立する集団を指す。
5 公衆とは,何らかの事象への共通した関心を持ち,非合理的で感情的な言動を噴 出しがちな人々の集まりを指す。

問5 次のうち,「囚人のジレンマ」に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回社会福祉士国家試験)
1 合理的な仕組みに対して過剰な執着を持つ状況を指す。
2 一定期間,閉鎖的・画一的に管理された場所で生活する状況を指す。
3 協力し合うことが互いの利益になるにもかかわらず,非協力への個人的誘因が存在する状況を指す。
4 二つの矛盾した命令を受けているため,そのいずれも選択することができない状況を指す。
5 非協力的行動を行うと罰を受け,協力的行動を行うと報酬を得ることで,協力的行動が促される状況を指す。

問6 「平成30年労働力調査年報」(総務省)に示された,過去5年間の日本の失業等の動向に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(第32回社会福祉士国家試験)
1 若年層の完全失業率は,上昇傾向にある。
2 「若年無業者」の若年人口に対する割合は,5%台で推移している。
3 自発的な離職者数は,増加している。
4 女性の完全失業率は,男性の完全失業率よりも一貫して高い。
5 男女共に完全失業率は,低下している。
(注)「若年無業者」とは,15~34歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者を指す。

問7 社会的行為の主観的意味を理解することを通して,その過程及び結果を説明しようとする考え方を表す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。( 第31回社会福祉士国家試験)
1 合理的選択理論
2 主意主義的行為
3 理解社会学
4 コミュニケーション的行為
5 社会システム論

問8 人口に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(第31回社会福祉士国家試験)
1 人口転換とは,「多産多死」から「少産多死」を経て「少産少死」への人口動態の転換を指す。
2 世界人口は,国連の予測では,2020年以降減少すると推計されている。
3 第二次世界大戦後の世界人口の増加は,主に先進諸国の人口増加によるものである。
4 日本の人口は,高度経済成長期以降,減少が続いている。
5 人口ボーナスとは,人口の年齢構成が経済にとってプラスに作用することをいう。

問9 ネットワーキングに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選べ。(第29回社会福祉士国家試験)
1 静態的な概念である。
2 既存の所属や地域の制約の中で展開する。
3 特定の強力なリーダーに導かれる。
4 日常的な結び付きを無意図的に繰り返し使用する。
5 日標と価値を共有する。

問10 社会的ジレンマに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(第28回社会福祉士国家試験)
1 企業などで生産された財やサービスが貨幣換算されないために,国家のGDPに含まれないことを「外部不経済」という。
2 犯罪容疑者である共犯者が,逮捕されていない主犯者の利益を考えて黙秘する結果,自分が罪をかぶることを「囚人のジレンマ」という。
3 社会にとって有用な資源へのアクセスが特定の人に限られていることを「共有地の悲劇」という。
4 ある財やサービスの対価を払うことなく,利益のみを享受する人のことを「フリーライダー」という。
5 協力的行動の妨害に与える報酬のことを「選択的誘因」という。

問11 次のうち,信頼,規範,ネットワークなどによる人々のつながりの豊かさを表すために,パットナム(Putnam, R.)によって提唱された概念として,正しいものを 1 つ選びなさい。(第36回社会福祉士国家試験)
1 ハビトゥス
2 ソーシャルキャピタル(社会関係資本)
3 文化資本
4 機械的連連帯
5 外集団

問12 次の記述のうち,ラベリング論の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 社会がある行為を逸脱とみなし統制しようとすることによって,逸脱が生じると考える立場である。
2 非行少年が遵法的な世界と非行的な世界の間で揺れ動き漂っている中で,逸脱が生じると考える立場である。
3 地域社会の規範や共同体意識が弛緩することから,非行や犯罪などの逸脱が生じると考える立場である。
4 下位集団における逸脱文化の学習によって,逸脱が生じると考える立場である。
5 個人の生得的な資質によって,非行や犯罪などの逸脱が生じると考える立場である

問13 次のうち,標準的な段階設定をすることなく,社会的存在として,個人がたどる生涯の過程を示す概念として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 家族周期  2 ライフステージ  3 コーホート  4 ライフコース  5 生活構造

問14 ゴッフマン(Goffman,E.)に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 ゴッフマンによれば、他者との相互行為状況において、人は他者を観客として役を演じている演技者である。その演技(相互行為儀礼)を通して、印象操作などをしている。そうして、体面の維持や秩序の維持がなされているだという。
2 ゴフマンは、『スティグマの社会学』で、ある人が他の人びとと異なっていることを示す好ましくない相違を「スティグマ(烙印)」と呼び、それをもとに差別が生じることを示した。
3 ゴッフマンは、『集まりの構造』で、人は一般に他者の行為に関心を持つのに、他者の行為にまったく関心を示さない(例えば道で苦しんでいる人に関心を示さない)現代人のあり方を「察しのよい無関心(儀礼的無関心)」と呼んだ。
4 ゴフマン(Goffman,E.)による「役割距離」とは、他人の期待と少しずらしたかたちで行動することを意味する。
5 ゴッフマンは、人が行為をするとき、他者を意識し、人前で悲しみを押し殺したりすることを「感情操作」と呼んだ。

問15 ジンメルの社会学的立場に関する記述として、次のうち妥当なのはどれか。
1 彼は、社会はその諸要素の相互作用において成立するとする機能的社会観から、社会を実在とする総合社会学の社会実在論を批判した。
2 彼は、近代社会の性格とそのたどるべき運命を、有名な2つの概念を用いて説明した。この意志的社会関係にかかわる二分法は、後の社会学における集団類型論に大きな影響を与えた。
3 彼の社会学の特徴は、資本主義的な自由競争の原理がもたらした崩壊の危機を、社会進化論と社会有機体論によって救おうとするものであった。
4 彼は、近代国家のはらむ問題と矛盾を見抜き、それを解決する実践的意図のもとに社会の構成原理と発展原理とを見いだすべく、総合的社会理論の樹立と体系化に努めた。
5 彼は、社会的事実を超個人的実在として特徴づけ、それ自体を全体的な「もの」として外部から客観的に考察すべきであるとする方法論的主義を説いた。

問16 パーソンズに関する記述のうち、正しいものはどれか、1つ選べ。1 アメリカ社会の統合性よりも変動性に注目したT.パーソンズは、労働者階級の勢力伸張に照応して、アメリカ文化は変動していくとした。
2 T.パーソンズによれば、現代社会における家族は、子供を社会的な人間に育て上げていく、いわゆるパーソナリティの社会化の機能をもはや果たしえず、主に学校などの教育集団にその大部分を依存する傾向が顕著であるとされる。
3  T.パーソンズの提唱した「創発特性」とは、社会システムが新しい環境の変動に適応する中で、社会の均衡状態が一時的に崩れた後、新たな均衡状態に回復する過程で出現してくる構造的特徴を意味する。
4 パーソンズは、リントンの概念を踏襲し、社会体系の人員配分の型をあらわすパターン変数として、属性主義、業績主義を定式化した。行為者本人への志向を行為達成の成果(能力など)の評価によって決める価値を業績主義、行為達成と無関係な属性(血縁、出身階級など)へと方向づける価値を属性主義としている。
5 M.ウェーバーは,利害と理念とを行為の対立的範疇としてとらえた。このような発想は,行為の一般理論を提起したT.パーソンズにも継承されている。すなわち,パーソンズは,行為を欲求の充足とともに価値の実現を指向するものとする。そのために,パーソンズは,代表的な功利主義者として位置付けられる。

問17 以下の文の彼とは誰か。
彼は、フランスの哲学者で、1960年代に構造主義の代表的思想家として注目された。『狂気の歴史』『監獄の誕生』『性の歴史』『知の考古学』『言葉と物』を著した。近代社会を管理社会とみる視点を提示した。彼は、『狂気の歴史』で、狂気が、医学・司法などの近代理性によって抑圧されていく過程をあきらかにした。彼は、『監獄の誕生』で、「監獄」が近代社会における管理のあり方を典型的に示し(例えば、「一望監視システム」)、それが軍隊、病院、学校、福祉施設にも及んでいるとした。
1 アドルノ
2 フーコー
3 ブルヂュー
4 バルト
5 ウェーバー

問18 次の文章は、キューブラー・ロスが、末期患者との対話を通してえた、『死ぬ瞬間』、過程についての心理学的記述である。(  )に入る組み合わせとして妥当なものを選びなさい。
末期の病気であることを知らされた時に、先ず生じるのが①「(  )」である。「そんなわけがない」「何かの間違いだと」その告知を否定するのである。次に、つまり病気の現実を直視した時に生ずるのが、②「怒り」や憤りや恨みや羨望などである。「なんであいつじゃなくて、私なんだ」という言葉になって発現する。そのあと、患者は死や苦痛(大きな手術など)を先延ばしするため、③(  )を講じる。死が避けられぬ
ものであるのなら、「娘の結婚式まで延命させてほしい」とか、寄付などの善い振る舞いをするから特別な配慮をしてくれ、というものです。いかなる方法も通用せず、自身の末期状態を受け入れざるを得なくなった時、人は④(  )状態に陥る。それは、万策尽き可能性を失ったということだけでなく、身体の衰弱や経済的な圧迫、失われていく容姿や友人たちや、ささやかな快楽(例えば食事)の喪失など、様々なものを
失っていく中で生じる。上述の段階を経て、最後に運命を素直に受け入れる⑤「受容」の段階に達する。すべての闘いは終わり、怒りや羨望や悲しみは消え、自分の死を静かに見つめる休息の時を迎える。テレビやラジオは消され、訪問者の数や時間を制限し、有意義なコミュニケーションは、ただ沈黙だけとなる。
1 受容・抑うつ・拒否   2抑うつ・悲しみ・受容  3 拒否・取引・諦観
4 拒否・取引・抑うつ    5需要・取引・抑うつ

問19 「平成28 年国民生活基礎調査」(厚生労働省)における65 歳以上の者のいる
世帯の世帯構造のうち,世帯数の多い上位2つを選びなさい(第30回社会福祉士試験 社会理論と社会システム=社会学  答1・2)
1 単独世帯
2 夫婦のみの世帯
3 親と未婚の子のみの世帯
4 三世代世帯
5 その他の世帯

問20 現代社会における人々の働き方に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 成果主義とは,終身雇用制のもとで,長期間にわたるその人の会社への貢献を多方面から幹部が判断し,賃金や昇進の処遇に反映させる仕組みのことである。
2 非典型雇用とは,労使協定に基づいて,仕事の進め方や時間配分について労働者に任され,みなし労働時間をもって働いたものとする専門職の働き方のことである。
3 フリーターとは,学校に通うことや職業訓練を受けることもなく,雇用機会を得られずに家事手伝いに従事する低年齢の若者層のことである。
4 ワーク・ライフ・バランスとは,男性・女性共に,仕事と家事,出産・育児や介護などとの両立を図って,多様な働き方・生き方を目指そうとする考え方のことである。
5 均等処遇とは,職業労働の影に隠れて見えにくい家事労働を正当に評価して,家族生活の安定に向けて性別役割分業の適切な改善を目指すことである。
問21 「男女雇用機会均等法」におけるセクシュアルハラスメント及び「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」におけるパワーハラスメントに関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。
1 職場におけるセクシュアルハラスメントは,業務を遂行する事業所内で起きたことを対象とするので,事業所外の行為は対象とならない。
2 事業主がセクシュアルハラスメント防止対策を講ずべき対象の労働者には,受け入れている派遣労働者は含まれない。
3 セクシュアルハラスメントの相談対応では,相談者と行為者の主張の不一致や,事実関係の確認が十分にできない場合であっても,第三者からの聴取は禁じられている。
4 職場におけるパワーハラスメントには,上司から部下に対する行為だけでなく,同僚間,あるいは部下から上司に対して行われるものも含まれている。
5 職場におけるパワーハラスメントの予防や解決に当たっては,職員問で自発的に解決すべきものなので,事業主の関与は避けた方がよいとされている。
(注)1 「男女雇用機会均等法」とは,「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」のことである。
2 「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」とは,「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」において平成24年3月15日に取りまとめられた提言のことである。

問22 1970年代以降の都市のあり方に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。
1 先進国の都市では人口や雇用の減少,財政の危機などによって都市の衰退が問題となり,それまでの都市化現象から過剰都市化現象への移行が注目されている。
2 資本や情報の国際的移動を結節するグローバル都市では,そのグローバルな活動を担う管理職・専門職が増加し,低賃金移民労働者が減少する。
3 持続可能な社会を目指す視点から都市のあり方が問い直されており,都市形態の側面からは,中心市街地の活性化を図るコンパクトシティが提起されている。
4 脱工業化社会の到来を契機に登場してきたテクノポリス構想では,都市の発展は固有の文化や住民の創造性によってもたらされると説いている。
5 都市住民の生活が高度な情報科学技術に条件づけられている情報都市では,空間の制約を受けない社会関係が発達し,次第に都市間のヒエラルヒーが消滅する。

問23  限界集落の概念として次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
1 集落が集落として成り立つ最低限の人口増加率を維持している地域社会のことをいう。
2 過疎化による人口減少の結果,65 歳以上の高齢者が過半数を占め,もはや集落を維持していくことが困難な状態にある地域のことをいう。
3 週末や祭礼の際に家族や親族が集まってくる都市近郊の地域のことをいう。
4 都市化によって人口の増加する都市とも,過疎化によって人口の減少する村落ともいえないような地域のことをいう。
5 地方自治体としての基本的な機能が果たせなくなることが,将来にわたって見込まれるような小規模な自治体のことをいう。

問24 沖縄県の面積は日本の国土面積に対し占める割合は1%以下である。にもかかわらず、沖縄県に存在する在日米軍基地の面積は大きい。 在日米軍専用施設面積は、日本の国土全体に存在する在日米軍基地のおよそ何パーセントを占めているか。次の中から選びなさい。
1 35%  2 55%  3 65%  4 75%  5 85%

問25 日本国憲法の基本的人権に関する最高裁判所の判断についての次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 公務員には争議権がある。
2 永住外国人には生活保護法に基づく受給権がある。
3 生活保護費を原資とした貯蓄等の保有が認められることはない。
4 嫡出子と嫡出でない子の法定相続分に差を設けてはならない。
5 夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は違憲である

第2課題

第1課題と第2課題のレポート作成形式が異なります。

横書きパソコン印字可Web提出可
[1500〜2000]

第1設題

次のいずれかの文献について、要約と意見を分けて述べよ。レポート冒頭に、使用した文献の著者「タイトル」を記せ(ない場合は大幅な減点となる)。大部の場合、「半分の要約でよい」とする図書がある。文字数は、1500字以上、2000字以内とする。
(課題名には、以下を書けばよい。〇〇著「タイトル」出版社、出版年──要約と意見。

1.打越正行「ヤンキーと地元」筑摩書房、2018年。
2.エリザベス・フロック (著), 西川 美樹 (翻訳), 吉田 恵里香 (その他) 「“女は自衛しろ”というならば――女性による反撃は正当か? 」、明石書店、2025年。445ページ。2750円。半分の要約でよい。
3.富永京子「なぜ社会は変わるのか はじめての社会運動論」、講談社現代新書。
4.山田圭一「フェイクニュースを哲学する 何を信じるべきか」、岩波新書、2025年。
5.荻上 チキ・栗原 俊雄著 「大日本いじめ帝国-戦場・学校・銃後にはびこる暴力」、中央公論新社、2025/7/8
6.鳥井一平「国家と移民」、集英社新書、2025年。
7.渡辺靖「白人ナショナリズム」中公新書、2019年。
8.西崎文子「アメリカにおけるリベラルな伝統」、岩波文庫、1650円。
9.毛受敏浩「移民が導く日本の未来 ポストコロナと人口激減時代の処方箋」明石書店、2020年。
10.金大治朋子「『イスラエル人』の世界観」、毎日新聞社、2025年。
11.朝日新聞「女子組」取材班 著「オトナの保健室 セックスと格闘する女たち」集英社、2018年。
12.森千香子「排除と抵抗の郊外 フランス<移民>集住地域の形成と変容」、東京大学出版会、2016年。316ページ、半分の要約でよい。
13.丸山里美「女性ホームレスとして生きる――貧困と排除の社会学」2019年。
14.赤坂憲雄・小熊英二編著「「辺境」からはじまる 東京/東北論」明石書店、2014年。
15.杉浦孝宜「高校中退」宝島社新書、2013年。
16.松嶋秀明「少年の『問題』/「問題」の少年 逸脱する少年が幸せになるということ」新曜社、2019年。
17.国際問題研究会「二重国籍と日本」ちくま新書、2019年。
18.山田昌弘「底辺への戦争」朝日新書、2017年。
19.藤井誠二「沖縄アンダーグラウント 買収買いを生きた者たち」講談社、2018年。
20.松岡亮二「教育格差」ちくま新書、2019年。
21.上間陽子「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」、ちくま文庫、10年後を加えた決定版。
22.横山勲「過疎ビジネス」、集英社文庫、2025年。
23.工藤保則ほか、「<オトコの育児>の社会学」ミネルヴァ、2016年。
24.山崎勝之「自尊感情革命 なぜ、学校や社会は「自尊感情」がそんなに好きなのか?」福村出版、2017年。
25.京郷(キョンヒャン)新聞ジェンダー企画班「私たちは寧氏がないだけで仕事してこなかったわけじゃない 韓国、女性たちの労働生活史」、大和書房、2420円。
26.江澤隆輔「先生も大変なんです いまどきの学校と教師のホンネ」岩波書店、2020年。
27.斎藤環「中高年ひきこもり」幻冬舎新書、2020年。
28.堀川 惠子「透析を止めた日」、講談社、2024/11/14。
29.本田由紀『「家庭教育」の隘路—子育てに強迫される母親たち』勁草書房、2008年。
30.本田由紀『学校の「空気」』岩波書店、2011年。
31.西山誠子「生きとし生けるもの 入管ウォッチャー15年の面会報告」、風媒社、2025年。
32.水谷 修 (著)「もうすぐ死に逝く私から いまを生きる君たちへ 夜回り先生 いのちの講演 」、‎ 鳳書院、2022/9/9
33.中西新太郎「若者は社会を変えられるか?」かもがわ出版、2019年。
34.川名晋史「在日米軍基地」、中公新書、2025年。
35.
36.岡真理「ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義」、大和書房、2925年。
37.A. R. ホックシールド「管理される心―感情が商品になるとき」世界思想社、2000年。
38.武井 麻子「ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか―感情労働の時代」、大和書房、2006年。
39.竹中 均「自閉症の社会学―もう一つのコミュニケーション論」世界思想社、2008年。
40.伊藤 智樹「ピア・サポートの社会学―ALS、認知症介護、依存症、自死遺児、犯罪被害者の物語を聴く」2013年。
41.崎山 治男・佐藤 恵・三井 さよ「“支援” の社会学―現場に向き合う思考」2008年。
42.佐倉 智美「性同一性障害の社会学」現代書館、2006年。
43.坂爪真吾「セックスと障害者 (イースト新書) 新書」2016年。
44.坂爪真吾「性風俗のいびつな現場」、ちくま新書」(風俗と福祉)2016年。
45.今井 悠介「体験格差」、講談社現代新書、2024/4/18。
46.中村 英代『摂食障害の語り―「回復」の臨床社会学』(日本社会学会奨励賞)新曜社、2011年。
47.関水徹平 (著)「「ひきこもり」経験の社会学」左右社、2016年。
48.金満里「生きることのはじまり」、人々舎、2021年。劇団「態変」の主宰者。
49.藤村正之・浅野智彦・羽渕一代(編集)「現代若者の幸福―不安感社会を生きる」半分の要約でよい。恒星社厚生閣、2016年。
50.松原文枝「刻印」、KADOKAWA,2025年。1870円。満州開拓団でソ連兵に差し出された女性の話。
51.杉山麻里子「ルポ 同性カップルの子どもたち アメリカ「ゲイビーブーム」を追う」岩波書店、2016年。
52.田野大輔「ファシズムの教室 なぜ集団は房総するのか」大槻書店、2020年。
53.高橋絵里香「ひとりで暮らす、ひとりを支える」青工社、2019年。
54.山田 英世「J・デューイ (Century Books―人と思想)」清水書院、2016年。
55.宮本 節子「AV出演を強要された彼女たち」ちくま新書、2016年。
56.内田良「学校ハラスメント 暴力。セクハラ・部活動――なぜ教育は『行き過ぎる』か」、朝日新書、2019年。875円。
57.岡田 美智男「弱いロボット (シリーズ ケアをひらく)」医学書院、2012年。
58.坂爪真吾「「身体を売る彼女たち」の事情 ──自立と依存の性風俗」ちくま新書、2018年。
59.深沢正雪「『勝ち組』異聞」無明舎出版、2019年。
60.森田ゆり「体罰と戦争」かもがわ出版、2019年。
61.高橋陽一「くわしすぎる教育勅語」太郎次郎社エディダス、2019年。
62.里見繁「冤罪 女たちのたたかい」インパクト出版会」2019年。
63.上野千鶴子「おひとりさまの最期」朝日新聞出版、2015年。
64.上野 千鶴子 (編集)「脱アイデンティティ」勁草書房、2005年。
65.上野千鶴子「女ぎらい」朝日文庫、2018年。
66.上野 千鶴子「発情装置 新版」岩波現代文庫、2015年。
67.上野 千鶴子「サヨナラ、学校化社会」ちくま文庫、2008年。
68.吉田ルイ子「ハーレムの熱い日々」講談社文庫、1970年。
69.藤原 正範「少年事件に取り組む:家裁調査官の現場から」岩波新書、2006年。

備考・補足

← 表が横スクロールします →

授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
社会学の成立。コント、ジンメル、デュルケムらの概念の理解。 左記の知識 左記
社会的行為論。ヴェーバーらの概念の理解。 左記の知識 左記
自我の社会性。G・H・ミード、クーリーらの概念の理解。 左記の知識 左記
集団論。テンニース、マッキバーらの概念の理解。 左記の知識 左記
組織、官僚制論。メーヨー、ヴェーバーらの概念の理解。 左記の知識 左記
家族論。パーソンズ、P・タウンゼントらの概念の理解。 左記の知識 左記
ジェンダー論。イリイチ、上野千鶴子らの概念の理解。 左記の知識 左記
地域社会論。シカゴ学派、奥田道大らの概念の理解。 左記の知識 左記
階級・階層論。マルクス、ミルズらの概念の理解。 左記の知識 左記
文化論。ベネディクト、リントンらの概念の理解。 左記の知識 左記
大衆社会論。アドルノ、フロム、リースマンらの概念の理解。 左記の知識 左記
消費社会論。ヴェブレン、ボードリヤールらの概念の理解。 左記の知識 左記
管理社会論。フーコーの概念の理解。 左記の知識 左記
社会的逸脱論。ベッカー、マートンらの概念の理解。 左記の知識 左記
新聞等による最近の社会事象の理解。格差論、ニート論など。 左記の知識 左記
試験 社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験に準ずる、主として5択形式の問題を25問出題する。60%以上の正答で合格とする。