最終更新日:2026年4月2日
D032
公的扶助論
生存権保障と生活保護法単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
社会福祉士、精神保健福祉士等の社会福祉の専門職に求められる公的扶助(生活保護制度)の基礎的な知識を身に付ける。
社会福祉士、精神保健福祉士試験に合格するために必要な公的扶助(生活保護制度)の基礎的知識を身に付ける。
学習成果
生活保護法の解釈・運用の基本となる国家責任の原理、無差別平等の原理等の4つの基本原理、生活保護法を具体的に実施する際の申請保護の原則、基準及び程度の原則等の4つの保護の原則を理解できる。
生活扶助を基本とする保護の種類とその内容について理解できる。
不利益変更の禁止・公課禁止等の被保護者の権利、譲渡禁止・届出の義務等の被保護者の義務及び不服申立制度について理解できる。
テキスト教材
『最新・はじめて学ぶ社会福祉 17 貧困に対する支援』(ミネルヴァ書房)
評価の要点
・レポート評価
レポートの第1課題は基礎的知識を問う。上記の参考書、WEBの情報で答えられる。75%の正解で合格とする(60%ではない)。第2課題は要約が適切か(40%)、意見があるか(40%)、表現が適切か(20%)で評価する。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価します。
レポート、試験共に、90点以上 S
80点〜89点 A
70点〜79点 B
60点〜69点 C
59点以下 D(不合格)
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
社会福祉士試験や精神保健福祉士試験に合格するためには、内容の基礎的理解が何よりも大切ですので、乱読を避けテキスト中心の学習に心掛けて下さい。
また、テキストは、執筆者が推敲を重ねて説明していますので、内容だけでなく表現方法についても学んで下さい。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1課題と第2課題のレポート作成形式が異なります。
第1設題
大問Ⅰ
問1 生活保護法に関する次の記述のうち,正しいものを 2 つ選びなさい。(第36回社会福祉士国家試験)
1 保護が実施機関の職権によって開始されることはない。
2 保護は,生活困窮に陥った原因に基づいて決定される。
3 最低限度の生活を保障することを目的としている。
4 自立の見込みがあることを要件として,保護を受けることができる。
5 自立を助長することを目的としている。
問2 生活保護の実施機関に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
1 都道府県知事は,生活保護法に定めるその職権を,知事の管理に属する行政庁に委任することはできないとされている。
2 社会福祉主事は,生活保護法の施行について,都道府県知事又は市町村長の事務の執行を代理する。
3 民生委員は,生活保護法の施行について,市町村の補助機関として位置づけられている。
4 保護の実施機関は,要保護者が急迫した状況にあるときでも,職権を用いて保護を開始することはできないとされている。
5 保護の実施機関は,被保護者が保護を必要としなくなったときは,速やかに,保護の停止又は廃止を決定しなければならない。
問3 生活福祉資金貸付制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
1 実施主体は,国である。
2 市町村社会福祉協議会を通じて借入れを申し込むことができる。
3 資金の貸付けを受けるに当たって,公共職業安定所(ハローワーク)で求職活動を行うことが要件とされている。
4 総合支援資金については,貸付けを受けるに当たって,生活保護の申請をすることが要件とされている。
5 緊急小口資金については,貸付けを受けるに当たって,連帯保証人を立てることが要件とされている
問4 生活保護法上の保護施設に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
1 保護施設は,救護施設,更生施設,宿所提供施設の 3 種類に分類される。
2 救護施設を経営する事業は,第二種社会福祉事業である。
3 特定非営利活動法人は,保護施設を設置することができる。
4 救護施設は,身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて,生活扶助を行うことを目的とする保護施設である。
5 更生施設は,身体上又は精神上の理由により養護及び生活指導を必要とする要保護者を入所させて,生業扶助を行うことを目的とする保護施設である。
問5 生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 生活困窮者自立相談支援事業は,委託することができないとされている。
2 生活困窮者自立相談支援事業と生活困窮者家計改善支援事業は,必須事業である。
3 子どもの学習・生活支援事業は,全ての都道府県,市町村に実施の責務がある。
4 生活困窮者一時生活支援事業は,生活困窮者に対し,生活に必要な資金の貸付けのあっせんを行うものである。
5 生活困窮者就労準備支援事業は,雇用による就業が著しく困難な生活困窮者に対し,就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行うものである。
問6 生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 生業扶助には,高等学校等就学費が含まれる。
2 生活扶助は,衣食住その他日常生活の需要を満たすために必要なものを給付する。
3 教育扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。
4 介護扶助は,原則として金銭給付によって行うものとする。
5 葬祭扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。
問7 生活保護法が規定する基本原理・原則等に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
1 この法律により保障される最低限度の生活は,国民一般の平均的な資産基準によって決定される。
2 保護を申請できるのは,要保護者及びその扶養義務者に限られている。
3 保護は,厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし,そのうち金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行う。
4 保護は,要保護者の年齢別,性別,健康状態等に関して,世帯の実際の相違を考慮することなく一定の必要の基準に当てはめて行う。
5 保護は,親族を単位としてその要否を定める。
問8 事例を読んで,Q市福祉事務所のH生活保護現業員(社会福祉士)がJさんに対して行う説明として,最も適切なものを 1つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
〔事 例〕
Jさん(41 歳)は,近所のスーパーマーケットで働きながらアパートで高校生の長男と二人で暮らしていたが, 2 年前に病気によって仕事を辞めることになり,妹から仕送りを受けていた。しかし仕送りは約半年で途絶えてしまい, 1 年前から生活保護を受給することになった。通院を続けたことで, 1 か月前から病状が大分良くなり,現在は医師から就労できる状態であると診断され,アパートが手狭になったことから長男と共に転居することも考えている。
1 妹からの仕送りが再開した場合,世帯の収入として認定されることはない。
2 長男がアルバイトをした場合,世帯の収入として認定されることはない。
3 就労した場合,保護が廃止されずに就労自立給付金を毎月受給できる。
4 住宅扶助の基準額を超える家賃の住宅に転居する場合,生活困窮者住居確保給付金を毎月受給できる。
5 医師から就労可能であると診断されても,直ちに保護が廃止されるわけではない。
問9 生活保護法で規定されている被保護者の権利及び義務に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
1 被保護者は,保護金品を標準として租税その他の公課を課せられることがある。
2 被保護者は,既に給与を受けた保護金品を差し押さえられることがある。
3 被保護者は,保護を受ける権利を譲り渡すことができる。
4 被保護者が能力に応じて勤労に励むことを怠っていると認められる場合,被保護者は受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない。
5 急迫の場合等において資力があるにもかかわらず保護を受けた場合,被保護者は受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない。
2問10 「生活保護の被保護者調査(平成30年度確定値)」(厚生労働省)に示された, 2018年(平成30年度)における生活保護受給者の動向に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 被保護実人員(保護停止中を含む)は,1995年度(平成7年度)の時点よりも増加 している。
2 保護率(人口百人当)は,16.6%である。
3 保護開始の主な理由は,「傷病による」の割合が最も多い。
4 保護廃止の主な理由は,「働きによる収入の増加・取得・働き手の転入」の割合が 最も多い。
5 保護の種類別にみた扶助人員は,住宅扶助よりも教育扶助の方が多い。
問11 生活保護法に定める不服申立てに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 不服申立てが権利として認められたのは,旧生活保護法(1946(昭和21)年)制定時においてである。
2 審査請求は,市町村長に対して行う。
3 審査請求に対する裁決が50日以内に行われないときは,請求は認容されたもの とみなされる。
4 当該処分についての審査請求を行わなくても,処分の取消しを求める訴訟を提起 することができる。
5 再審査請求は,厚生労働大臣に対して行う。
問12 生活保護法が規定する基本原理・原則に関する次の記述のうち,正しいも のを1つ選びなさい。
1 すべて国民は,この法律及び地方公共団体の条例の定める要件を満たす限り,この法律による保護を受けることができる。
2 必要即応の原則とは,要保護者の需要を基とし,そのうち,その者の金銭又は物 品で満たすことのできない不足分を補う程度において保護を行うことをいう。
3 民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は,すべてこの法律に よる保護に優先して行われる。
4 保護の決定は,生活困窮に陥った原因に基づいて定められている。
5 行政庁が保護の必要な者に対して,職権で保護を行うのが原則とされている。
問13 生活保護法における補足性の原理の説明として,適切なものを1つ選びなさい。 (第32回介護福祉士試験)
1 国の責任において保護を行う。
2 全ての国民に無差別平等な保護を行う。
3 健康で文化的な生活を維持できる保護を行う。
4 資産・能力等を活用した上で保護を行う。
5 個人または世帯の必要に応じて保護を行う。
問14 貧困及びニードのとらえ方に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 タウンゼント(Townsend,P.)は、貧困者には共通した「貧困の文化(culture of poverty) 」があることを明らかにした。
2 リスター(Lister,R.)は、「ノーマティブ・ニード」に加えて、「フェルト・ニード」を提案した。
3 ルイス(Lewis,O.)は、「相対的剥奪」の概念を精緻化することで、相対的貧困を論じた。
4 ブラッドショー(Bradshaw,J.)は、絶対的貧困・相対的貧困の二分法による論争に終止符を打つことを目指した。
5 スピッカー(Spicker,P.)は、「貧困」の多様な意味を、「物質的状態」、「経済的境遇」及び「社会的地位」の三つの群に整理した。
国27-22
問15 貧困と失業の指標に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 労働力調査は、就業・不就業の実態を明らかにするために行われる調査であり、5年に一度、国勢調査に併せて、厚生労働省が実施している。
2 労働力調査における「完全失業者」とは、仕事がないために仕事をしなかったものの、仕事があればすぐ仕事に就ける状態にあり、調査期間中に仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた者をいう。
3 2012(平成24)年6月の労働力調査によれば、完全失業者数は24か月以上連続して増加し、完全失業率は10%を超えた。
4 国際比較に用いられる相対的貧困率とは、「国民生活基礎調査」に基づき、可処分所得の平均値の半分に満たない人々の割合をいう。
5 「厚生労働白書」(平成24年版)によれば、わが国の相対的貧困率はOECD加盟国のなかで最も低いグループに属するが、2009(平成21)年までの5年間は上昇傾向にある。
問16 我が国の公的救済制度の変遷に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。1 救護法は、失業による困窮を対象から除外している等、救済の対象となる者の範囲が制限されていた。
2 第二次世界大戦後の混乱期に、従来の救済制度では対応できないため、当面の救済措置として生活困窮者緊急生活援護要綱が定められた。
3 旧生活保護法は、要保護者に対し無差別平等に国家責任によって保護を行うことを初めて明文化した。
4 旧生活保護法では、生活扶助、住宅扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の6種類がなされた。
5 新生活保護法で、初めて不服申立制度を法律に明文化した。
問17 生活保護制度に関する次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい。
1 憲法第25条で規定される国民の最低生活を保障するとともに,自立の助長を目的とする。
2 保護の要否を判定するため,いわゆる資産調査や所得調査が行われる。
3 保護の対象は,他制度の諸給付を受給していない者とされている。
4 保護費は,全額公費負担である。
5 当該世帯につき認定した最低生活費と収入充当額との対比で保護の要否や程度を 決定する。
問18 児童扶養手当に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。(第36回社会福祉士国家試験)
1 生活保護を受給していることが支給要件である。
2 児童扶養手当法における児童とは,障害がない子どもの場合,18 歳到達後の最初の 3 月 31 日までの間にある者をいう。
3 児童扶養手当は児童手当と併給できない。
4 支給額は,世帯の収入にかかわらず一定である。
5 父子世帯は,支給対象外となる。
問19 生活保護に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 同一の住所に住み生計を同じくしている者は、原則として同じ世帯員として取り扱われ、世帯員全体での保護の要否、程度が判定される。
2 生活保護は、最低限度の生活の保障とともに、自立助長をも目的としている。
3 被保護者に勤労収入がある場合、社会保険料、交通費などの実費控除はできるが、就労に必要な経費については控除できない。
4 生活保護は日本国民にしか適用されないが、在日外国人には、国民に対する取り扱いに準じて必要な保護が行われる。
5 要保護者が年金など他の法律や施策を利用できる場合は、生活保護はその不足分だけを補う給付をする。
問20 生活保護を担当する現業員が,受付・面接の段階で留意すべきことを述べた次の記述のうち,適切でないものを一つ選びなさい。
1 利用者の状況を聞く場合,最低限のプライバシーに触れねばならないことがある。
2 利用者の不安・緊張の解消・緩和のためには,現業員の自己紹介も有効である。
3 利用者には正確に理解してもらう必要があるので,難解であっても法律用語はそのまま使う。
4 相手の状況・感情などを受け入れながら,主訴を明確にしていく。
5 申請意思のある人のみを対象とするのではなく,広く生活問題の相談を受け入れる。
朝日訴訟に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。1 1957(昭和32)年、保護基準が「憲法第25条に違反する」と訴えた裁判である。
2 訴訟中に、朝日さんは「朝日の当たる家」に住み始めた。そのため、保護を廃止された。
3 朝日氏は最高裁判所に上告し、勝訴を勝ち取り終結した。
4 訴訟中に、生活扶助基準の算定方法の変更、および生活保護費の引き上げが行われた。
5 朝日氏の死後、その養子が保護請求権を相続した。敗訴したが相続は認められた。
問22 我が国の公的扶助の歴史に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 明治7年の恤救規則は、人民相互の情誼により、隣保相扶を旨としており、対象を限定し生活困窮者に援助を行った。
2 戦前の救護法(昭和4年)では、在宅での救助(居宅保護)を原則とし、救護機関を知事とし、方面委員を補助機関とした。
3 戦後、日本政府は「生活困窮者緊急生活援護要綱」を発表した。これは既存の救済に関する諸法律 を活用し、既存の方面委員などの機関を利用して、救済にあたろうとするものであった。
4 戦後、GHQ(連合国総司令部)は「社会救済に関する覚書(SCAPIN775)」を日本政府に宛て、①無差別平等の原則、②公私分離の原則、③国家責任の原則、④救済の総額に制限を設けない、など戦後日本の公的扶助や社会福祉における方針を示した。
5 明治後期、1890年「窮民救助法案」が帝国議会に提出されたが、貧困は個人の責任であり、惰民を養成することにつながるとして、救護法の成立にいたるまで、後の法案も含めてすべて不成立に終わっている。
問23 旧生活保護にかんする次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 旧生活保護法では、住宅扶助など、7つの扶助が制定された。
2 旧生活保護法において、我が国の公的扶助の歴史上、初めて保護請求権が認められた。
3 申請保護の原則は,旧生活保護法が制定されてから今日まで一貫して法の上でも明示されている考え
方である。
4 旧生活保護法では、民生委員は補助機関として福祉事務所長の業務を助けるものとされた。
5 旧生活保護法では、無差別平等の原則がかかげられたが、「就労を怠る者」や「素行不良な者」に対する欠格条項は残っていた。
問24 公的扶助と社会保険に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 公的扶助では個別の事情に応じた給付を行うため実施機関に裁量の余地が認められているが、社会保険では画一的な給付のため実施機関に裁量の余地はほとんどない。
2 公的扶助では税が財源のため資力調査を前提とした上で本人の自己負担がないが、社会保険では本人の保険料の拠出という形で自己負担が課せられる。
3 公的扶助は救貧原因の如何を問わず困窮の事実によって行われ救貧的であるが、社会保険は保険事故の発生という特定の限定的な貧困原因に対応する制度なので防貧的である。
4 公的扶助の給付財源は国及び地方公共団体の一般財源に基づくが、社会保険は保険料が中心でそれに国庫負担が加わる。
5 公的扶助の給付はすべて無制限で受けられるが、社会保険の受給期間はあらかじめ限定されている。
問25 次の文章は、ある弁護士による意見である。( )に入れる用語の組み合わせとして適切なものを選びなさい。なお、厚生労働省への批判が含まれるので、このような問題は国家試験では出題されない。
「生活保護の( )とは、生活保護の窓口が相談者に対して、「持ち家は生活保護を受けられない」「仕事をしているなら申請しても許可されない」「親族への扶養照会は絶対」「若いから働ける」など、さまざまな声かけで生活保護の申請をさせないようにする行為のことです。生活保護の費用は国と自治体から出せれますが、自治体の財政負担軽減や事務手続きの負担軽減のために行われます。しかし、保護の申請は国民の権利ですから、水際作戦自体は違法行為です。
これらが行われる根拠は、厚生労働省が1961年に出した通称「( )通知」にあります。これは暴力団などへの不適切な給付を避けるため、いわゆる「適正化」を推進するものでした。しかし本来の適正化ではなく、必要な人にまで保護を抑制する多くの事例を生じさせました。近年でも、2024年の桐生市や2006年の北九州市など、水際作戦による不適切行為が多数行われてきました。
水際作戦の対策としては、「生活保護の条件を把握する」「申請時に録音する」「付き添いを頼む」などが考えられます。特に、最適なのは弁護士の付き添いです。申請をスムーズに行い、生活の安定を目指しましょう。」
1 A水際作戦 B123号
2 A適正化 B38号
3 A公民権運動 B776号
4 A水際作戦 B38号
5 A適正化 B123号
大問Ⅱ
問1 生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。(第36回社会福祉士国家試験)
1 生活扶助の第 1 類の経費は,世帯共通の費用とされている。
2 住宅扶助には,住宅の補修その他住宅の維持のために必要な経費が含まれる。
3 介護扶助には,介護保険の保険料が含まれる。
4 医療扶助によって,入院中の被保護者に対して入院患者日用品費が支給される。
5 出産扶助は,原則として現物給付によって行われる。
問2 現行の生活保護法に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。(第35回社会福祉士国家試験)
1 生活保護は,日本国憲法第 21 条が規定する理念に基づいて行われる。
2 生活保護が目的とする自立とは,経済的自立のみを指している。
3 能力に応じて勤労に励み,支出の節約を図り,生活の維持及び向上に努めなければ,保護を申請できない。
4 補足性の原理によって,扶養義務者のいる者は保護の受給資格を欠くとされている。
5 保護の基準は,保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって,これを超えないものでなければならない。
問3 事例を読んで,生活困窮者を対象とした自立相談支援機関で相談に当たっているD相談支援員(社会福祉士)のこの段階における対応として,適切なものを2つ選びなさい。(第34回社会福祉士国家試験)
〔事 例〕
Eさん(45 歳,女性)から相談窓口に,「毎日不安でたまらない。どうしたらよいか」という電話があり,その結果,来所面接となった。Eさんは独身で,兄弟はおらず,両親を 15 年前に相次いで亡くしている。高校卒業後,様々なパートタイムの勤務をしたが長続きはせず,現在は失業中である。軽度のうつ病のため通院しており,主治医からは時間をかけて治療していきましょうと言われている。両親の没後,古い家を相続して住んではいるが,一時,収入があると,物を購入することがやめられず,家中が物で溢れている。既に,手持ちの資金が底をついており,就労を考えたこともあるが,勤務先でのつらい体験が思い浮かび,何事をするにも自信が持てない。また,友人など周囲に相談できる人はほとんどおらず,孤立感を感じている。
1 生活困窮者一時生活支援事業の利用を勧める。
2 生活福祉資金貸付制度の利用を勧める。
3 債務処理に詳しい司法の専門家と連携を取る。
4 Eさんの症状を把握するため,Eさんの了解を得て,通院先の病院と連携を取る。
5 地域での孤立感を軽減するため積極的にボランティア活動へ参加することを提案する。
問4 福祉事務所の組織及び運営に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選 びなさい。
1 都道府県及び市(特別区を含む)は,条例で,福祉事務所を設置しなければならない。
2 都道府県知事は,生活保護法に定める職権の一部を,社会福祉主事に委任することができる。
3 生活保護の現業を行う所員(現業員)は,保護を決定し実施することができる。
4 福祉事務所の指導監督を行う所員(査察指導員)及び現業を行う所員(現業員)は, 生活保護法以外の業務に従事することは禁止されている。
5 福祉事務所の長は,高度な判断が求められるため社会福祉士でなければならない。
問5 生活保護法が規定する基本原理・原則に関する次の記述のうち,正しいも のを1つ選びなさい。(第32回社会福祉士国家試験)
1 日本国憲法第26条に規定する理念に基づく。
2 保護は,世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。
3 保障される最低限度の生活とは,肉体的に生存を続けることが可能な程度のものである。
4 生活困窮に陥った年齢によって,保護するかしないかを定めている。
5 生活保護の基準は,厚生労働省の社会保障審議会が定める。
問6 生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。 (第32回社会福祉士国家試験)
1 生活扶助は,衣料品費,食料品費,葬祭費などを給付する。
2 教育扶助は,高等学校の就学に係る学用品費について給付する。
3 住宅扶助は,家賃等のほか,補修その他住宅の維持に必要なものを給付する。
4 医療扶助は,原則として金銭給付によって行うものとする。
5 出産扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。
問7 福祉事務所の組織及び設置に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選 びなさい。(第32回社会福祉士国家試験)
1 福祉事務所の現業を行う所員(現業員)の定数については,生活保護法で定めている。
2 市が設置する福祉事務所の社会福祉主事は,生活保護法の施行について,市長の事務の執行を補助する。
3 福祉事務所の指導監督を行う所員(査察指導員),現業を行う所員(現業員),事務 を行う所員はいずれも社会福祉主事でなければならない。
4 福祉事務所の長は,厚生労働大臣の指揮監督を受けて,所務を掌理する。
5 福祉事務所に置かれている社会福祉主事は,25歳以上の者でなければならない。
問8 低所得者の支援を行う組織や制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。(第32回社会福祉士国家試験)
1 福祉事務所未設置町村は,生活困窮者及びその家族等からの相談に応じ,生活困 窮者自立相談支援事業の利用勧奨等を行う事業を行うことができる。
2 生活困窮者自立相談支援事業の相談支援員は,社会福祉主事でなければならない と社会福祉法に定められている。
3 民生委員は,地域の低所得者を発見し,福祉事務所につなぐために市長から委嘱 され,社会奉仕の精神で住民の相談に応じる者である。
4 住宅を喪失した人への支援策として,無料低額宿泊所は全ての市町村が設置しな ければならない。
5 生活困窮者一時生活支援事業は,生活保護の被保護者が利用する事業である。
問9 福祉事務所の就労支援員の業務に関する次の記述のうち,最も適切なもの を1つ選びなさい。 (第32回社会福祉士国家試験)
1 公共職業安定所(ハローワーク)への同行支援
2 障害者雇入れ計画の策定指導
3 健康管理の指導
4 職業能力開発促進法に基づく公共職業訓練
5 職場適応のためのジョブコーチ支援計画の策定
問10 生活保護法が規定する基本原理,原則に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(第28回社会福祉士国家試験)
1 すべて国民は,この法律及び地方公共団体の条例の定める要件を満たす限り,この法律による保護を受けることができる。
2 この法律による保護は,要保護者の年齢別,性別,健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して,有効且つ適切に行われる。
3 この法律は,地方公共団体が生活に困窮するすべての住民に対し,必要な保護を行い,その自立を助長することを目的としている。
4 生活保護の基準は,最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって,且つ,これをこえるものでなければならない。
5 この法律は,生活困窮に陥った原因によって,保護するかしないかを定めている。
(第28回社会福祉士国家試験)
問11 生活保護法における扶養義務者に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(第28回社会福祉士国家試験)
1 近年の法改正により,保護の開始の決定をしようとするときは,一定の扶養義務者に対する書面による通知を行う仕組みが導入された。
2 保護の実施機関は,家庭裁判所の審判を経ずに,直系血族及び兄弟姉妹以外の者に扶養義務を負わせることができる。
3 保護は,要保護者,その扶養義務者又はその他の親族の申請に基づいて開始される。
4 夫婦間と子の老親に対する関係は,生活保護法の規定に基づき,その他の範囲に比べて強い扶養義務が課せられている。
5 被保護者に対して扶養義務者が扶養の義務を履行しないとき,国は,その費用の全部又は一部を,その扶養義務者から徴収することができる。
(第28回社会福祉士国家試験)
問12 事例を読んで,Gさんの保護を行う実施機関として,最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回社会福祉士国家試験)
〔事 例〕
単身のGさんは,非正規雇用でP市の会社で働いていたが雇用期間が満了し,それまで住んでいたQ市のアパートを退去した。1 か月後,野宿をしていたR市にある河川敷で体調をくずし倒れた。通報によりS市の医療機関に救急搬送され入院した。Gさんは,T市に住民登録をしているが,医療費と生活費の捻出が困難な状況にある。
1 P市の実施機関である。
2 Q市の実施機関である。
3 R市の実施機関である。
4 S市の実施機関である。
5 T市の実施機関である。
(第28回社会福祉士国家試験)
問13 我が国の公的扶助の歴史に関する次の記述のうち( )に用語を入れた場合、適切な組み合わせはどれか。
明治7年の恤救規則は、人民相互の情誼により、隣保相扶を旨としており、対象を限定し生活困窮者に援助を行った。明治後期、1890年「窮民救助法案」が帝国議会に提出されたが、貧困は( A )の責任であり、惰民を養成することにつながるとして、救護法の成立にいたるまで、後の法案も含めてすべて不成立に終わっている。
戦前の救護法(昭和4年)では、在宅での救助(居宅保護)を原則とし、救護機関を( B )とし、方面委員を補助機関とした。
戦後、( C )は「生活困窮者緊急生活援護要綱」を発表した。これは既存の救済に関する諸法律を活用し、既存の方面委員などの機関を利用して、救済にあたろうとするものであった。
これに対し、( D )は「社会救済に関する覚書(SCAPIN775)」を( C )に宛て、①無差別平等の原則、②公私分離の原則、③国家責任の原則、④救済の総額に制限を設けない、など戦後日本の公的扶助や社会福祉における方針を示した。
(組み合わせ)
A B C D
1 社会 知事 日本政府 GHQ(連合国総司令部)
2 個人 市町村長 日本政府 GHQ(連合国総司令部)
3 社会 日本政府 都道府県知事 GHQ(連合国総司令部)
4 個人 社会福祉主事 GHQ(連合国総司令部) 日本政府
5 個人 市町村長 民生委員 日本政府
問14 生活保護法における被保護者の権利及び義務に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。(第28回社会福祉士国家試験)
1 被保護者は,保護を受ける権利を相続させることができる。
2 被保護者が急迫の場合等で資力があるにもかかわらず保護を受けたときであっても,その受けた保護金品に相当する金額の範囲内の金額を返還する義務はない。
3 国民健康保険料(税)の滞納を理由とする保護金品の差押えは許されている。
4 保護の実施機関は,保護施設に入所中の被保護者が,保護施設の管理規程に従わ
ない場合には,保護の変更,停止又は廃止をすることができる。
5 被保護世帯の高校生のアルバイト収入は,届出の義務はない。
(第28回社会福祉士国家試験)
問15 ホームレスの実態と支援に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。(第28回社会福祉士国家試験)
1 「平成24 年ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)によれば,収入のある仕事に就いている者は全体の3 割程度である。
2 「平成24 年ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)によれば,路上生活をしている者の約半数が30 歳〜50 歳までの者である。
3 「ホームレス自立支援法」による支援を受けている者は,生活保護法による保護を受けることはできない。
4 「ホームレス自立支援基本方針」(厚生労働省,国土交通省)に基づき,国は,ホームレスの支援に向けて実施計画を策定しなければならない。
5 ホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター事業)は,生活困窮者自立支援法に基づく事業(一時生活支援事業)に移行された。
(注)1 「ホームレス自立支援法」とは,「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」のことである。 2 「ホームレス自立支援基本方針」とは,「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」のことである。
問16 生活保護法に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 法第1条には、国が生活に困窮するすべての国民に対して最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することが法の目的として規定されている。
2 法第2条に規定されている「無差別平等に」とは、保護を要する状態に立ち至った原因の如何や、社会的な身分や信条などにより優先的又は差別的に取り扱われることはないということである。
3 法第3条には、この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならないと規定されている。
4 法第4条には、保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われると規定されている。
5 法第4条に規定されている「扶養義務者」とは、絶対的扶養義務者を指し、相対的扶養義務者は含まれない。
問17 低所得者の状況などに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさ い。( 第31回社会福祉士試験)
1 「平成26年全国消費実態調査 所得分布等に関する結果」(総務省)によると,1999年(平成11年)から2014年(平成26年)にかけて,貧困かどうかを判断する貧困線(等価可処分所得の中央値の半分の額)が上昇している。
2 「平成26年所得再分配調査報告書」(厚生労働省)によると,2002年(平成14年)から2014年(平成26年)にかけて,所得再分配後のジニ係数は上昇傾向にある。
3 「平成28年度被保護者調査」(厚生労働省)によると,2012年度(平成24年度)から2016年度(平成28年度)にかけて,世帯類型別被保護世帯数のうち母子世帯の割合は上昇している。
4 「平成29年度医療扶助実態調査」(厚生労働省)によると,医療扶助受給者の入院に係る傷病分類別構成割合のうち最も多いのは精神・行動の障害である。
5 「生活困窮者自立支援制度における支援状況調査集計結果(平成29年度)」(厚生労働省)によると,新規相談受付件数は年間30万件を超えている。
問18 現行の地方公共団体の事務に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(30回社会福祉士試験)
1 地方公共団体の事務は,機関委任事務,法定受託事務,自治事務の3つに分類される。
2 生活保護の決定事務は,法定受託事務である。
3 社会福祉法人の認可事務は,自治事務である。
4 児童扶養手当の給付事務は,自治事務である。
5 養護老人ホームへの入所措置は,機関委任事務である。
問19 日本における社会保険と公的扶助の性質・機能の違いに関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 社会保険は原則として金銭給付により行われ, 公的扶助は原則として現物給付により行われる。
2 社会保険は保険料の拠出を給付の前提とし, 公的扶助は事前の納税を給付の前提としている。
3 社会保険では個別の事情に応じた給付が行われるのに対し, 公的扶助では最低限度の生活を保障するために定型的に一律の給付が行われる。
4 社会保険は貧困に陥った後に給付が開始され, 公的扶助は貧困に陥らないように事前に支給される。
5 社会保険では保有する資産に関係なく給付が行われるが, 公的扶助では資産調査を経て給付が行われる。
問20 生活扶助に関する次の記述について、正しいものを2つ選びなさい。
1 生活扶助の基準生活費は、居宅を基本とし、第1類と第2類の経費に各種の加算を加えたものである。
2 生活扶助の第1類の基準額は、年齢別、性別、所在地域別に定められており、所在地域は市町村を単位として3級地6区分で設定されている。
3 生活扶助の第2類の基準額は、世帯人員別、所在地域別に定められ、冬季には市町村を単位とした6区分で設定されている地区別冬季加算が加わる。
4 入院患者日用品費は、入院患者の一般生活費であり、年齢別、地域別に設定されている。
5 介護施設入所者基本生活費は、介護施設に入所している者の一般生活費であり、生活扶助として全国一律に設定されている。
問21 生活保護法における保護施設に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 救護施設は、住居のない要保護者に対し、住宅扶助を行っている。
2 授産施設は、困窮のため最低限度の生活を維持できない女性の分べんに対し、出産扶助を行っている。
3 更生施設は、入所者に対し、自立に向けた技能を修得させなければならない。
4 宿所提供施設は、第二種社会福祉事業であるため、民間企業でも設置することができる。
5 医療保護施設は、要保護者の終の住処として、緩和ケアを提供している。
問22 生活保護の世帯類型(2019年4月時点)の説明として、誤っているものを1つ選びなさい。
1 高齢者世帯 :男女とも70歳以上(平成17年3月以前は、男65歳以上、女60歳以上)の者のみで構成されている世帯か、これらに18歳未満の者が加わった世帯
2 母子世帯 :死別・離別・生死不明及び未婚等により現に配偶者がいない65歳未満の女子と 18歳未満のその子(養子を含む)のみで構成されている世帯
3 障害者世帯 :世帯主が障害者加算を受けているか、障害・知的障害等の心身上の障害のため働けない者である世帯
4 傷病者世帯 :世帯主が入院(介護老人保健施設入所を含む。)しているか、在宅患者加算を受けている世帯、若しくは世帯主が傷病のため働けない者である世帯
5 その他の世帯:上記以外の世帯
問23 イギリスにおける福祉政策の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。(第31回社会福祉士国家試験)
1 エリザベス救貧法(1601年)により,全国を単一の教区とした救貧行政が実施された。
2 労役場テスト法(1722年)は,労役場以外で貧民救済を行うことを目的とした。
3 ギルバート法(1782年)は,労役場内での救済に限定することを定めた。
4 新救貧法(1834年)は,貧民の救済を拡大することを目的とした。
5 国民保険法(1911年)は,健康保険と失業保険から成るものとして創設された。
問24 アマルティア・センに関する次の記述の空欄に入る用語の組み合わせとして正しいものはどれか。
アマルティア・センは、財を与えることよりも、本人が実際に生を選択できる「選択機会」を重視
した。センは自由を「本人が価値をおく理由のある生を生きられること」と定義し「( A )的自由」
と呼んでいる。それを得るために人びとは努力する。センは、財を用いて何かを成し遂げる能力
を( B )(潜在能力と訳される)と呼んだ。貧困はその能力の欠如としてとらえられるが、本人が
達成しようと思ったらできる点、すなわち( B )自体はあるが不十分なら努力すればよい。しか
し、本人が達成しようと思っても達成できない点、すなわち達成のための( C )が不足している
こと、外的要因で阻害されているなら、単なる財の給付では解決できない、とされる。
(組み合わせ)
A B C
1 福祉 ケイパビリティ 努力
2 経済 エンパワメント 努力
3 選別 ヂィーセントワーク 努力
4 福祉 ケイパビリティ 手段
5 経済 エンパワメント 手段
問25 生活保護の現状について、次のカッコの適切な組み合わせを1つ選びなさい。
生活保護費約3兆円のうち、医療扶助の費用は生活保護費の( A )を占め、うち医科の入院医療費が全体の55.7%(2013年)と大きく、医療扶助による入院患者は、1か月平均の42.9%が( B )であり多数となっている。人数では7.1%入院患者に、医療扶助費全体の55%余(約2分の1)が使われている。日本は、世界でも突出して( B )のベッド数と入院患者数が多い国であり、長期入院が生活保護費を上昇させている。すなわち、生活保護費のうち、3兆円×( A )×(2分の1)の費用が( B )の費用となっている。(なお、この問題には、厚生労働省への政策的批判が含まれている)
A B
1 4分の1 循環器系(心疾患等)
2 3分の1 循環器系(心疾患等)
3 4分の1 精神科(統合失調症等)
4 3分の1 精神科(統合失調症等)
5 2分の1 精神科(統合失調症等)
第2課題
第1課題と第2課題のレポート作成形式が異なります。
第1設題
次のいずれかの文献について、要約と意見を分けて述べよ。レポート冒頭に、使用した文献の著者「タイトル」を記せ(ない場合は大幅な減点となる)。
(課題名には、以下の下線部を書けばよい。〇〇著「タイトル」出版社、出版年──要約と意見>
1.稲葉剛「閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション」朝日新書、2020年。
2.村田らむ「ホームレス消滅 生活保護を選ばない彼らの生き方」幻冬舎、2018年。
3.生活保護問題対策全国会議編、尾藤廣喜「生活保護なめんな ジャンパー事件から考える」あけび書房、2017年。
4. 山中正則 (著)「自治体の生活保護担当になったら読む本」、学陽書房、2025/4/18。
5.宮本太郎「社会的包摂の政治学」ミネルヴァ、2013年。半分の要約でよい。
6.山田 清機 (著)「寿町のひとびと 」、朝日文庫、2024/1/10、415ページ、半分以上の要約でよい。.
7.菊池 馨実「社会保障再考 〈地域〉で支える」岩波新書、2019年。
8.藤田 孝典「貧困クライシス 国民総「最底辺」社会 」毎日新聞出版、2017年。
9.石井 光太 「本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式 」、文春文庫、2022/11/8
10.藤田 孝典「続・下流老人 一億総疲弊社会の到来」朝日新書、2016年。
11.ブレイディみかこ「 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から」みすず書房、 2017年。
12.樋口 耕太郎 (著)「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」、光文社新書、2025年。
14.全国公的扶助研究会 (監修), 吉永純 (編集, 著), 衛藤晃 (編集, 著)「Q&A 精神に困難を抱える人への生活保護実践(上)――精神障害者保健福祉手帳、疾患と障害、課題類型に対する支援」、明石書店、2025/11/17。
15.中村 淳彦「同人AV女優 貧困女子とアダルト格差 」、祥伝社新書、2023/3/1。
16.岩田正美「貧困の戦後史」筑摩選書、2017年。
17.週刊SPA!編集部 特殊詐欺取材班 (編集) 「「ルフィ」の子供たち 」、扶桑社BOOKS新書、2024年。
18.西田芳正・妻木進吾・長瀬正子著「児童養護施設と社会的排除-家族依存社会の臨界」解放出版社、2011年。
19.小林 美穂子 (著), 小松田 健一 (著)「桐生市事件: 生活保護が歪められた街で」、血弊社、2025/3/28。
20.京都新聞取材班 (著)「自分は「底辺の人間」です 京都アニメーション放火殺人事件」、講談社、2025/7/9。
21.長田 龍亮「潜入 生活保護の闇現場 」ナックルズ選書、2016年。
22.保坂 渉 池谷 孝司「子どもの貧困連鎖」新潮文庫、2015年。
23.結城 康博・佐藤 純子・本多 敏明 著「新・よくわかる福祉事務所のしごと」ぎょうせい、2013年。
24.好井 裕明「排除と差別の社会学 新版」有斐閣選書、2016年。
25.村田らむ (著)「ホームレス消滅」、幻冬舎新書、2020年。
26.青砥 恭「ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所」ちくま新書、2009年。
27.飯島 裕子「ルポ 若者ホームレス 」ちくま新書、 2011年。
28.山中正則 (著) 「福祉知識ゼロからわかる! 生活保護ケースワーカーの仕事の基本」、学陽書房、2023年。
29.埋橋孝文編著(橘木俊詔・宮本太郎監修)「生活保護」ミネルヴァ書房、2013年。
30.鈴木 亘 (著) 「経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録」、東洋経済新報社、2016/10/7。
31.眞鍋彰啓編「弁護士とケースワーカーの連携による生活保護の現場対応Q&A 」、民事法研究会、2025年
備考・補足
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| 授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
| 公的扶助の概念 公的扶助の概念と生活保護法 |
公的扶助の予備的基礎知識 | 第1章 第1・2節、 第3章第2節 予習目安時間60分 | |
| 生活保護法の目的と基本原理 憲法25条の生存権保障と生活保護法および国家責任の原理 |
生存権の具体的内容についての基礎知識 | 第4章第1節 予習目安時間60分 | |
| 生活保護法の基本原理と保護の原則 無差別平等の原理、保護の補足性の原理等、申請保護の原則、基準および程度の原則等 |
生活保護法の解釈運用の原理・原則の基礎知識 | 第4章第1節 予習目安時間60分 | |
| 生活保護の種類と生活扶助 単給と併給、金銭給付と現物給付および生活扶助の内容 |
保護の共通事項と生活扶助の基礎知識 | 第4章第2節 予習目安時間60分 | |
| 教育、住宅、医療扶助 教育、住宅、医療扶助の具体的内容 |
教育、住宅、医療扶助の基礎知識 | 第4章第2節 予習目安時間60分 | |
| 介護、出産、生業、葬祭扶助 介護、出産、生業、葬祭扶助の具体的内容 |
介護、出産、生業、葬祭扶助の基礎知識 | 第4章第2節 予習目安時間60分 | |
| 被保護者の権利及び義務 不利益変更の禁止、公課禁止等の権利、譲渡禁止、届出義務、費用返還等の義務 |
被保護者の権利・義務についての基礎知識 | 第4章第4節 予習目安時間60分 | |
| 不服申立と訴訟 不服申立と行政不服審査法および行政事件訴訟法 |
不服申立の手続きについての基礎知識 | 第4章第5節 予習目安時間60分 | |
| 生活保護の財源と予算 生活保護費の性格と国家予算 |
生活保護費と国家予算についての基礎知識 | 第4章第6節 予習目安時間60分 | |
| 最低生活保障水準と生活保護基準 最低生活保障水準の考え方 生活保護基準の考え方 |
貧困の絶対的・相対的水準についての基礎知識 | 第5章第1節・第2節 予習目安時間60分 | |
| 生活保護基準の実際 生活保護基準と保護の程度、保護の要否認定 |
生活保護の実際の運用についての基礎知識 | 第5章第1〜4節 予習目安時間60分 | |
| 被保護人員および被保護世帯数 被保護人員と被保護世帯数の推移 被保護世帯類型の種別と推移 |
統計から見た生活保護の実態についての基礎知識 | 第6章第1節 予習目安時間60分 | |
| 保護の開始・廃止の動向 生活保護の開始・廃止の理由別状況 |
生活困窮の実態に関する基礎知識 | 第6章第2節 予習目安時間60分 | |
| 医療扶助・介護扶助の動向 医療扶助、介護扶助の推移 |
医療扶助と介護扶助の実態に関する知識 | 第6章第3節 予習目安時間60分 | |
| 低所得者対策の概要 生活保護自立支援法の概要 生活福祉資金貸付制度 |
低所得者対策について予備的基礎知識 | 第7章第1〜4節 予習目安時間60分 | |
| 試験 社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験に準ずる、主として5択形式の問題を25問出題する。60%以上の正答で合格とする。 |