最終更新日:2026年2月20日

1年次入学生:3年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
心理・福祉学部 社会福祉学科

D057

公衆衛生学

単位条件

通信 2単位

教員

山内 武紀

履修条件

なし

到達目標

公衆衛生学は健康を維持するための技術や制度を対象とする学問ですが、社会福祉学の学習・実践にあたってはそれらの技術や制度を理解・習得する必要があります。そして、それを踏まえて「社会福祉学と公衆衛生学の関係」や「公衆衛生学を取り巻く医学およびその他の関連領域との関係」を理解することを目標とします。

学習成果

衛生学は個人衛生であり、公衆衛生学は集団としての衛生であると捉えることもできますが、実際には両者を区別することは容易ではありませんし、実際的でもありません。ここでは「衛生学・公衆衛生学」という教科書を使い、どちらかといえば公衆衛生学らしい章を学びます。これらの課題について、社会福祉学との関連性を考えながら勉強していただきます。
第1章: 衛生学および公衆衛生学の意義
第2章: 健康
第6章: 精神保健:精神の健康と精神障害
第7章: 母子保健
第8章: 学校保健
第9章: 成人・高齢者保健
第12章: 疫学

テキスト教材

財団法人東洋療法学校協会編『衛生学・公衆衛生学』(医歯薬出版)

参考図書

厚生統計協会編『国民衛生の動向(最新版)』(財団法人厚生統計協会)(毎年9月に最新版が刊行される)

評価の要点

・レポート評価の要点
公衆衛生学の中でもとりわけ社会福祉学と強く関連する分野について記述式で出題します。
問題によっても異なりますが、キーワードが含まれているか、読みやすく、わかりやすく書かれているかなどを評価の視点とします。

・試験評価の要点
選択問題と記述式の組み合わせで出題します。
公衆衛生学の基本的事項を理解しているかどうかを問う問題を中心にします。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価します。
レポート課題に合格した後、科目終了試験を受験し、その評価が60点以上であれば単位の認定となります。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

(1)教科書をよく読むこと、そしていきなり覚えようとするのではなく、よく理解することに努めて下さい。
(2)世の中のことに関心を持って下さい。種々のメディアから情報を取り入れ、世の中にはどのような健康問題があるのか、それに対して社会はどのように対処しているのかを読み取って下さい。
(3)場合によっては、現実にとられている対策とは異なった意見を持つことも大切です。

レポート課題

提出数 2

第1課題

⚠課題の転記は不要です。

Web提出可

第1設題

①〜③全てに答えなさい。

① 予防は公衆衛生において重要な概念である。WHOによる健康の定義を述べた上で、3段階の予防の考え方について例を挙げて【400字程度】で説明せよ。

 

② 次の文章の(1)から(10)に適切な語句を記入せよ。

精神保健は心の病を防ぎ、心の健康を保持増進するための、様々な知識、技術、活動を包括したものと考えられる。精神的健康の特徴として、「精神の働きに調和と一貫性がある」、「自分をありのままに理解できる」、「社会性がある」、「(1)」の4点がよく挙げられる。現代は変化の激しいストレス社会であるため厚生労働省の(2)によると、2020年における精神障害の受療率は年々緩やかな増加傾向にあり、高血圧性疾患に次ぐ第2位である。

精神障害の診断基準としては米国精神医学会が作成した(3)がよく用いられるが、精神保健においても予防という観点が重要である。例えば職場におけるメンタルヘルスについては、2015年から常時50人以上の労働者を使用する事業者には(4)と面接指導が義務付けた。今後の課題としては自殺、発達障害、依存症への対策などがある。自殺については2006年に(5)が施行された。自殺者の多くが精神疾患に罹患していたことが推測されており、適切な精神保健医療福祉サービスの提供が重視されている。発達障害については2005年に(6)が施行され、早期発見の重要性や行政の責務などが明確になった。アルコールへの依存については2014年に(7)が施行され、アルコールによる健康障害に対して総合的な対策を実施することとなった。なお、同法に基づき厚生労働省は2024年に(8)を公表した。

精神障害を発症した者については、精神障害者の地域生活への移行促進等を趣旨とした(9)改正が2013年に成立し、2014年より施行された。精神障害者に対する医療等については、任意入院や医療保護入院を含む(10)、通院医療、デイ・ケア医療などが提供されており、いずれの場合にも種々の機関、職種がかかわって取り組んでいくことが重要である。

 

③ 次の文章の(1)から(10)に適切な語句を記入せよ。

一組の男女が家庭をつくり、子を産み育てることは社会の存続にとって必要不可欠なことである。そのため、多くの国・民族では母子保健のサービスが提供されており、わが国においては母子保健サービスとして、思春期から妊娠、出産および育児にいたるまで包括的な事業が提供されている。

妊娠・出産は正常な生理的現象であるが、その過程で命を落とすこともある。わが国の(1)は第一次世界大戦後著しく減少したが、2021年の時点では出生10万対2.6と他の先進諸国と比較しても同水準まで低下している。しかし、産科的塞栓症など死亡の原因となりうる疾患が伴う可能性のあることを忘れてはならない。また、児の方に着目すると生まれた子ども1,000人のうち1年未満に死亡する子どもの数を意味する(2)は大正時代には160を超えていたにもかかわらず、2022年の時点では1.8と世界的にも低水準である。

母子保健に関する市町村や保健所によるサービスは(3)法に基づいて提供される。これらのサービスには先天異常などの早期発見に有効な(4)、乳児・1歳6か月児・3歳児の(5)などが含まれる。

わが国における少子化の主たる原因として、晩婚化と未婚率の上昇が大きいと考えられている。1999年には子育て支援の充実を図る新エンゼルプランが策定され、子ども・子育て応援プランを経て、2010年には4つの柱の政策を盛り込んだ子ども・子育てビジョンが示された。また、2012年に成立した(6)に基づいた制度により、認定こども園の整備などが図られた。2020年には第4次の(7)が閣議決定され、少子化対策が進められている。21世紀の母子保健の主要な取り組みを推進する国民運動計画である(8)は2001~2014年の取り組み期間を終えたが、約8割の項目に改善がみられたとされている。これを踏まえて実施された健やか親子(第2次)は2025年以降に最終評価が取りまとめられることとなっている。児童を保護する取り組みも徐々に進んでいる。児童虐待とは保護者によって18歳未満の児童に加えられる行為であり、身体的虐待・性的虐待・心理的虐待・ネグレクトの4つに分類される。子どもに対する虐待は死亡などの重大な結果を引き起こしやすく、心身への影響も大きいことから、2000年に(9)が施行され、虐待を受けた子どもを発見した者に対して速やかに通告する義務を課す等の施策が推進されている。

なお、胎生期は感受性が高いことも広く知られるべき知識である。過去には母体のつわり防止の目的で(10)を服用したところ、児に四肢の先天異常が発生した事例も知られている。他にも妊娠中の喫煙、飲酒、食品中の化学物質などにより胎児が影響を受けることも報告されている。したがって、妊娠時から胎児の健康について考慮すべきである点も忘れてはならない。

第2課題

⚠課題の転記は不要です。

Web提出可

第1設題

①〜③全てに答えなさい。

① 公衆衛生学では教科書の第8章で学校保健について学んだ。この章から得た知識を今後、自身の業務等にどのように活用していくことが可能か【400字程度】で意見を述べよ。

 

② 次の文章の(1)から(10)に適切な語句を記入せよ。

誕生から現在に至るまでの生活習慣と遺伝的素因が複雑に関連して加齢による効果と相まって発症する疾患を現在では(1)と呼ぶ。2023年の時点で(1)のうち死亡率の第一位を占めるのは(2)であり、第二位は(3)である。他の死因も合計すると、生活習慣病による死亡は全体の5割以上と考えられている。このような状況に対し、2000年に21世紀に向けた新たな健康づくりのために健康日本21が策定されたが、設定していたすべての数値項目を達成できなかった。現在では健康日本21(第3次)が2024年から開始されている。直接の死因とはなりにくいものの、死亡リスクを大きく高める生活習慣病として(4), (5)が知られている。(4)は食塩摂取量との関連が知られており、40代後半から受療率が急激に上昇する。(5)には生活習慣と無関係に発症する病型も知られているが、生活習慣との関連が強い病型の方がわが国には多く、(5)が強く疑われる者は約1,000万人いるとする推計もある。

わが国では高齢化が進展しており、2042年には高齢化のピークを迎えると推計されている。高齢者の保健福祉対策を担う主な法律に(6), (7)がある。(6)は2008年4月から施行された法律で40歳から74歳を対象としており、同時に施行された後期高齢者医療制度が75歳以上を対象としているのと対照的である。(6)では特定健康診断・特定保健指導が義務付けられており、健康診断の結果からリスク要因の重複の程度により動機付け支援や積極的支援が実施される。(7)は1967年に制定された法律で高齢者の健全で安らかな生活が保障されることを目的の一つとしている。また、介護に関連する現行の法律である(8)は2000年4月に施行された。これは介護サービスにかかわる給付と負担を行うための制度を支える法律であり、被保険者は40歳以上の者であり、40歳以上65歳未満の(9)と65歳以上の(10)に分けられるが、基本的には被保険者の状態により種々のサービスや給付が受けられる。

 

③ 次の文章の(1)から(10)に適切な語句を記入せよ。

疫学は一般的に「疾患の分布を考慮して病気の原因を探る」学問だと考えられている。疫学は大きく2つに分けることができ、疾患の分布などを調査観察する(1)、疾患の原因を探る(2)などがあり、特に(2)についてはいくつかの研究デザインがある。すでに発症した者と対照者について、ある要因に曝露(ばくろ)された者の割合を比較する(3)と観察期間を設定して疾患の発生率などを比較する(4)が代表的な例である。(3)では(5)を推定することが多いのに対し、(4)ではリスク比を算出することが多い。疾病の頻度の測定に使われる代表的な指標として(6), (7)が知られている。簡潔に述べると、前者はある一定期間中に新たに発生した病気(新規症例)の割合をあらわすのに対し、後者はある一時点で疾病に罹患している(治療中含む)人の割合をあらわす。疫学的な因果関係を判断する基準として9つの基準があり、高い相対危険のような(8)、動物実験などによる同じ結果が存在するという(9)などがあるが、一部を除いてこれらはすべて経験的に考案されており、あくまでも(10)を判断するための目安である。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
衛生学および公衆衛生学の意義 公衆衛生学とその歴史について説明できる P1~8
衛生学および公衆衛生学の意義 公衆衛生学の活動と意義について説明できる P8~9
健康 健康の概要について説明できる P11~17
健康 健康管理について説明できる P18~40
母子保健 母子保健の意義について説明できる P163~164
母子保健 母体の健康、乳幼児の健康について説明できる P165~168
母子保健 母体保護と家族計画について説明できる P169~172
学校保健 学校保健の意義、学校保健とその構造について説明できる P173~176
学校保健 保険教育、保健管理、学校において予防すべき感染症、学齢期の健康状態について説明できる P177~188
成人・高齢者保健 成人・高齢者保健の意義、加齢と老化について説明できる P189~192
成人・高齢者保健 生活習慣病の特徴と対策について説明できる P193~201
成人・高齢者保健 高齢者の保健福祉対策介護保険、難病対策の現状について説明できる P202~206
疫学 疫学の概念と意義について説明できる P249~250
疫学 疾病の頻度の測定、疫学調査研究の段階と実例について説明できる P251~258
まとめ 公衆衛生学の全体像を説明できる
試験