最終更新日:2026年4月13日

1年次入学生:3年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
児童学部 児童学科

C213

子ども家庭支援論

子ども家庭支援の方法としての相談援助を考える

単位条件

通信 1単位 面接 1単位

教員

小田桐 忍

履修条件

なし

到達目標

現代の家族は多様な問題を抱えている。従って、相談支援の専門職には、それらの問題を個別に理解し対応することが求められる。そのためには、親と子の関係性をしっかり見直し理解して当該家族(以下「クライアント」)を支援できなければいけない。とは言え、本科目の受講者の皆さん(以下「皆さん」)は、既に自身の職場や家庭や仲間との関係の中で(自身は気づかずに)支援という行為を実践しているかもしれない。本科目の履修を通して、そうした皆さんの身辺で皆さん自身がこれまで実践してきた支援において、必要とされる知識・技術・方法を改めて学び直すと同時に、皆さんに実践力を身につけていただく機会になることが期待される。(下線は本科目の担当者(以下「小職」)があえて施した。なぜなら日頃から人間関係を円滑に動かすために皆さんがこれまで実践してきたことについて、本科目はそれを再認識する場になるのだから。)なお、本科目は、授業終了後にスクーリング受講確認試験を実施する。

学習成果

・相談支援を必要とするクライアントとは誰(どんな人)なのかを理解し、相談援助に必要な専門的知識・技術・方法を用いて、クライアントに必要な支援を提供できる。
・現代の家族が抱える多様な問題を解明し、前述の知識・技術・方法を活用して、それらを適切な方向に導くことができる。

テキスト教材

笠師千恵・小橋明子著『相談援助・保育相談支援』(中山書店)(以下「テキスト」)

参考図書

テキストだけではまだ勉強が不十分だと思われる場合:大学図書館や公共図書館に行ってみましょう。相談・援助・支援・技術など、キーワードを入力し、検索して、情報が出てきた図書を実際に手にとって、目次と「はしがき」か「あとがき」をチェックしてください。その上で、皆さんにとって有益と感じられる図書に出会えば、それが皆さんの参考図書になります。ここで小職の拙い経験を申し上げることを御容赦ください。かかる図書の閲覧には、皆さんの大切な資金を運用して購入するのではなく、まずは実際に図書館から借用してみて、その上で何としても必要なとき、購入の判断をなされていただきたく存じます。老教員の小職は人生をかけて(「私財をなげうって」の意味)図書を購入し、大学から借用した研究室の書棚に配架して、ひとり悦に入っていました。ところが、退職する段になると、それらの処分に苦慮し、家族まで巻き込んで迷惑をかけてしまったのです。それでも処分できずに、狭いわが家(集合住宅の一室、いわゆる「3LDK」)のかつての子ども部屋(小職は家庭ではいつも食事が終った後にテーブルを片付けてから、そこでノートパソコンを開いていましたが、今では子どもが家を出たので、子どもの机と空きスペースを使わせてもらっています。)に(3辺の合計が120cmサイズの)段ボールを6箱ほど持ち込むことが許可されました。最近はそんなかつての子ども部屋の手足を伸ばすことのできないスペースで、身体を丸めて仕事をしています。図書を買い続けた人間の末路がそこにあります。御笑覧後は、皆さんもどうぞお気をつけくださいますよう祈念致します。

評価方法と採点基準

・レポート課題の場合
テキストの吟味熟読ができているかどうかについて、皆さんから提出されたレポート課題を通して評価する。なお、レポート課題の問題は全てテキストから作成する。
・スクーリング受講確認試験の場合
授業に参加して、テキストの要点を把握できているかどうかについて、また読む側を想定して、丁寧な論述がなされているかどうかについて、授業終了時に実施する受講確認試験を通して評価する。なお、受講確認試験の問題は全てテキストから作成する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

・学業と職業の両立を目指す皆さんの健闘を祈念します。
・テキストは付せんなどを使用して、どこに何が書かれているのか注意しながら、講読してください。

レポート課題

提出数 1

第1課題

Web提出可解答用紙あり
[本文に指示あり]

第1設題

Ⅰ・Ⅱ両方の問いに答えなさい。(出題範囲:授業回数第1回から第15回まで)

[Ⅰ]説明文(1)~(40)を読んで、その説明が正しい場合は「○」を、説明が誤っている場合は「×」を解答欄に記入しなさい。なお、「説明が正しい」とはテキストの中で説明している通りの内容であることを指す。(40問×2点)

説明文

(1)コミュニケーションとは、言語のメッセージの交換を通して、意思や意味を相互に伝え理解し合うことである。コミュニケーションは対話の基礎である。

(2)「ノーマルな生活状態にできるだけ近づいた生活をつくり出すこと」を意味するノーマライゼーションは、施設の中で人間的な扱いを受けずに暮らすことを余儀なくされていた知的障害児・者の生活を改善と施設の改革を訴えるために、スウェーデン人のバンク‐ミケルセンが用いた言葉である。

(3)ソーシャルワークの原則の「クライエントを個人として捉える」では、援助者は利用者の感情に対する感受性をもち、利用者の感情を理解した上で適切に反応する。

(4)リッチモンドは、専門職としてのケースワークの誕生・専門職化に最も大きな貢献をした。彼女は、慈善組織協会の友愛訪問員として働いた経験から、この活動の教育訓練やそのための教育機関を設立する必要性を説き、現在の社会福祉専門職の教育システムにつながる土台を築いた。

(5)コーズアドボカシーとは、援助者が利用者の立場に立ち、利用者の権利としてのサービス活用の支援を通して、利用者の利益や生活の安定につなげていく活動である。

(6)コミュニティワークは、小集団に対する援助の方法と技術を指し、小集団の特質を問題解決に活用する方法である。

(7)フェルト・ニーズとは、専門家や研究者が、専門的な立場からみて「望ましい」基準を満たしていないと判断した場合のニーズである。

(8)明治期の社会福祉活動として、1887年、石井亮一による孤児教育会(後の岡山孤児院)、1899年、留岡幸助による巣鴨家庭学校の創設などが挙げられる。

(9)ケースアドボカシーとは、利用者の立場から見える法制度やサービスの不十分な点について、その改善・開発を社会や行政に働きかけていく活動である。

(10)ソーシャルワークの展開過程は、ケース発見から始まる。ケース発見とは、援助者が利用者の中に発見した問題状況を利用者に認識してもらうことをいい、援助につながる入口の段階である。

(11)保育士による相談援助は「施設を利用する子どもと保護者、および地域の子育てに関連する」生活支援に関する総合的調整・相談対応をその内容とすることが考えられる。

(12)ソーシャルワークの原則の「クライエントの感情表現を大切にする」では、利用者の失敗や弱さをきちんと理解し、それらに審判を下したり、一方的に非難しない。援助者の役割は援助をすることである。

(13)権利擁護(アドボカシー)の基本は利用者主体である。そこでは、本来、利用者自身がその権利を主張していけるように支援していくことが目指される。

(14)動作と心理状態について、眉間のしわは悲しみを、鼻のしわは軽蔑を表現する。

(15)動作と心理状態について、手を握るは不満、警戒を、緩慢な動作は怒り、攻撃姿勢を表現する。

(16)ソーシャルワーカーの仲介機能とは、施設内における利用者に対する生活全体の直接援助を指す。

(17)リラベリングとは、家族内において否定的な意味づけがなされている関係性を、別の枠組みからとらえ、関係性や関係性の意味づけに変化をもたらそうとするかかわりである。

(18)国際ソーシャルワーカー連盟によれば、ソーシャルワークは「人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人びとがその人格と相互に影響し合う接点」に介入する。

(19)エコマップとは、基本的に三世代以上の家族メンバーとその人間関係を盛り込んだ家系図のことをいう。

(20)マズローは、ヒューマンニーズの構造として、①生理的ニーズ、②安全へのニーズ、③所属・愛情へのニーズ、④自尊・尊重のニーズ、⑤自己実現へのニーズ、以上の5点を挙げている。

(21)フォーマルな社会資源とは、親族、近隣、友人、知人、ボランティアなどの援助が該当する。

(22)児童扶養手当は、「父と生計を同じくしていない児童」だけが対象となる。

(23)虐待の場合、保護者はほとんど支援を求めてこない。それは、保護者が虐待を「しつけ」の一環として考えていたり、また虐待と気づいても支援を求めたくない保護者もいるからである。

(24)児童虐待をしてしまう保護者は、さまざまな葛藤や困難を抱えているため、自らの行為が虐待に当たることを気づいていない、あるいは認めないことがある。

(25)主任児童委員は、1994年に創設された制度である。当該委員は、地域担当の児童委員と一体となって活動する。特に、児童福祉関係機関や教育機関、地域の児童健全育成に関する団体との連絡調整を取るなどのパイプ役としての役割を持っている。

(26)放課後児童クラブは、昼間、保護者のいない家庭の小学校低学年児童、その他の健全育成を必要とする児童を対象として、放課後健全育成事業を実施する。

(27)地域子育て支援センターは、2003年の改正児童福祉法で市町村事業となった。そこでは、保育士が中心的な役割を果たし、育児不安などの相談、親子の触れ合いの場づくりや育児情報などを提供している。

(28)インフォーマルな社会資源とは、制度化された専門職者や行政機関、法律や制度に基づいて提供される行政サービス、民間企業などのサービスが該当する。

(29)厚生労働省の「保育所保育指針解説書」によれば、「保育指導」とは、「児童の保護者に対する指導」を指し、「子どもの保育の専門性を有する幼児保育者が保育に関する専門的知識・技術を背景に、子育てに関する相談・援助」を行うことである。

(30)保育士は、保護者とのよい関係づくりのために、保護者の不安を受け止め、よくやれているところを認め、また子どもの成長する姿を発見し、伝えることが大切である。

(31)2008年、改正児童福祉法では、新たな子育て支援事業として、①こんにちは赤ちゃん事業、②地域子育て支援拠点事業、③一時預かり事業、以上の養育支援事業が加えられた。

(32)2010年、人口変動に伴って家族形態も変化した。顕著な特徴として、ひとり暮らし世帯、ひとり親世帯、三世代世帯が増加傾向にあることが挙げられる。

(33)特別児童扶養手当等の支給に関する法律では、①精神または身体に障害のある18歳未満の子どもを養育する者への手当、②精神または身体に重度の障害のある子ども本人への手当、③精神または身体に著しく重度の障害のある18歳以上の者への手当、以上の三つに手当が区分されている。

(34)家庭的保育事業は、2010年4月から国の制度となった。保育士や研修を受けた人が自宅で主に3歳未満児を保育する。それは個人で保育するため保育者自身が病気の場合や通常保育以外の対応を要する場合は実施が難しい。

(35)DVとは、夫婦間において、夫から妻に対して行使される身体的暴力を言う。子どもへの影響も大きいと目されている。

(36)発達障害者支援法によれば、発達障害児とは、「発達障害を有するために日常生活又は社会生活に制限を受ける」20歳未満の者をいう。

(37)育児グループは、親たちが自主的に運営している場合がほとんどである。参加する子どもは、幼稚園就園前の0~3歳児が多い。医師や看護師などがグループづくりや運営の手伝いをしているところもある。

(38)ネットワークとは、何らかの生活上の課題を抱えた個人や家族が安心した生活を行うために、地域に網の目のようにはりめぐらされた人間関係を活用した支援組織のことをいう。

(39)道徳は、人間の良心に基づき、そのおかれている社会や特殊性を超えて、普遍的に人としての正しい行為や正義の価値観を意味している。

(40)近年、男女雇用機会均等法が浸透してきたことや、育児休業制度の普及により、結婚や妊娠による離職は減少し、共働き世帯は増加している。

解答欄

(1) (2) (3) (4) (5)
(6) (7) (8) (9) (10)
(11) (12) (13) (14) (15)
(16) (17) (18) (19) (20)
(21) (22) (23) (24) (25)
(26) (27) (28) (29) (30)
(31) (32) (33) (34) (35)
(36) (37) (38) (39) (40)

 

[Ⅱ]次の説明文を読んで、空欄①~④に入る最も適切な用語を解答欄に書き込みなさい。なお、「最も適切な用語」とは、テキストの中で使用するものとする。(4問×5点)

説明文

(1)①          とは「同じ目的をもつ複数の人及び機関が協力関係を構築して目的達成に取り組むこと」であり、「協働を実現するための過程を含む手段的懸念」が②          である。

(2)児童虐待の防止等に関する法律には、虐待の種類として、③          的虐待(生命に危険のある暴行など)、性的虐待、心理的虐待、④          (子どもの健康・安全への配慮を怠っていること)が挙げられている。

解答欄

①     (漢字二文字)

②     (漢字二文字)

③     (漢字二文字)

④     (カタカナ五文字)

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
テキスト7ページから19ページまでを読了後、皆さんが子ども家庭支援で求められる「相談援助」を社会福祉の観点から考察しましょう。エコシステム、ストレングス、エンパワーメント、アドボカシーなどについて、インターネットで検索してみましょう。 相談援助と権利擁護の理解力 左記の通り
テキスト20ページから31ページまでを読了後、ソーシャルワークの定義、体系、歴史について学習しましょう。その上で、ソーシャルワークの指針となる理念(ノーマライゼーション、自己決定、利用者本位)について把握しましょう。なお、バンクミケルセン(テキスト26ページ)は、デンマーク人である。 ソーシャルワークに関する考察力 左記の通り
テキスト33ページから52ページまでを読了後、相談援助の対象と展開過程について考察しましょう。併せて、マズロー(人名)とラポール(用語)についてもインターネットなどで検索してみましょう。 相談援助に関する考察力 左記の通り
テキスト53ページから71ページまでを読了後、バイスティック(テキストの表記に順ずる)の7原則、非言語コミュニケーションについて考察しましょう。その上で、日常の中で非言語的行動を観察してみましょう。 非言語コミュニケーションに対する洞察力 左記の通り
テキスト72ページから83ページまでを読了後、相談援助のための実践アプローチについて考えてみましょう。その上で、スーパービジョンについてインターネットなどで検索してみましょう。 相談援助の仕方の理解力 左記の通り
テキスト85ページから103ページまでを読了後、相談援助の具体的展開について検討してみましょう。その上で、相談援助における記録、協働と連携について検討してみましょう。 相談援助に関する説明力 左記の通り
テキスト105ページから113ページまでを読了後、scene1~scene6について吟味検討してみましょう。皆さんは援助者として本事例と取り組んでください。 事例に関する分析力 左記の通り
テキスト114ページから121ページまでを読了後、scene1~scene6について吟味検討してみましょう。皆さんは援助者として本事例と取り組んでください。 事例に関する分析力 左記の通り
テキスト122ページから126ページまでを読了後、scene1~scene3について吟味検討してみましょう。皆さんは援助者として本事例と取り組んでください。 事例に関する分析力 左記の通り
テキスト133ページから149ページまでを読了後、保育相談支援について検討してみましょう。その上で、家族の変化についてインターネットなどで検索してみましょう。 保育相談支援に関する理解力 左記の通り
テキスト151ページから163ページまでを読了後、子どもの最善の利益と児童虐待について理解を深めましょう。その上で、case1~case3について吟味検討してみましょう。皆さんは保育者として本事例と取り組んでください。 子どもの最善の利益に関する理解力 左記の通り
テキスト164ページから181ページまでを読了後、子育て支援(特に、保護者支援)について理解を深めましょう。その上で、case4~case13について吟味検討してみましょう。皆さんは保育者として本事例と取り組んでください。 保護者の養育能力に関する支援力 左記の通り
テキスト183ページから199ページまでを読了後、保護者支援における保育者の役割について考察してみましょう。その上で、保護者支援の進め方についてインターネットなどで検索してみましょう。 保護者支援における保育者の役割に関する理解力 左記の通り
テキスト201ページから212ページまでを読了後、保育所以外の児童福祉施設、障害児施設、保育所における保育相談支援について考察してみましょう。その上で、case1~case2について吟味検討してみましょう。皆さんは保育者として本事例と取り組んでください。 保育相談支援の応用力 左記の通り
テキスト213ページから230ページまでを読了後、地域における子育て支援としての保護者の保育相談支援について考察してみましょう。その上で、case3~case6について吟味検討してみましょう。皆さんは保育者として本事例と取り組んでください。なお、case3はcase3-1とcase3-2から構成されています。 保育相談支援の応用力 左記の通り
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