最終更新日:2025年5月5日

1年次入学生:- 3年次編入学生:- 短期大学部:-
幼保特例(短大)

V028

教職概論

「教育、教職とは何か」を考える

単位条件

通信 2単位

教員

寺田 博行

履修条件

なし

到達目標

1.成長者助成の考え方について説明できる。
2.教職の意義、教育者の役割・職務内容などについて説明できる。
3.チーム学校への対応について説明できる。
4.教育者の専門性について説明できる。
 以上により、保育実践に必要な論理的思考力、判断力、表現力、他者と連携・協働する力等、理論と実践力を育成する。

学習成果

1.成長者助成の考え方について理解し、具体的な例をあげて説明することができる。
2 .教職の意義、教育者の役割・職務内容、チーム学校への対応、教育者の専門性などに関する基本的事項について理解し、具体的な例をあげて説明することができる。

テキスト教材

古橋和夫 編著『三訂 教職入門 ―未来の教師に向けて―』(萌文書林)2024年

参考図書

文部科学省『幼稚園教育要領』2017年
厚生労働省『保育所保育指針』2017年
内閣府・文部科学省・厚生労働省『幼保連携型認定こども園教育・保育要領』2017年

評価の要点

レポート、科目終了試験ではテキストの内容を理解しているかを確認する。

評価方法と採点基準

ディプロマ・ポリシーをふまえ、「評価の要点」に基づいて評価する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

レポートの提出にあたっては、分かりにくいところは図書館で調べるなどの努力をしてください。

レポート課題

提出数 2

第1課題

指定用紙をダウンロードして印刷し、解答を記入して、レポート作成にあたっての注意事項〈必読〉の「➂送付の方法」により送付してください。

横書き解答用紙あり

第1設題

空欄に入る適切な語句を下記の選択肢から選び、解答欄に書きなさい。

⑴ ルソーは( ➀ )のなかで、子どもの「自然」に基づく自然的成長主義の教育観を力強く主張した。ルソーはよく( ➁ )であるといわれる。
それは子どもを「小さな大人」としか見なかった子ども観を一変させたことにある。子どもは、それ自体、善いところの「自然」をもって生まれ、つねに創造的表現をやめない存在である。子どもの未熟さは、完成された姿から見られるべきではなく、むしろ精神のしなやかさ、発達の可能性として見ることを求めている。大人が外から子どもを「善く」しようとして早くから干渉するのは不必要であるばかりでなく、かえって有害であるとルソーは主張した。「子ども時代をだまって成熟させなさい」というルソー独自の( ➂ )である。
⑵ フレーベルは子どもの創造性を引き出すための教育的遊具として( ➃ )を考案した。
⑶ ロックは( ➄ )の中で紳士を育成する教育論を論じた。「教育で留意されなければならぬ重要なことは、どんな習慣をつけるかということである」とロックは言う。彼は、徳育、体育、知育のそれぞれのレベルで、よい習慣の形成を目指したのである。
⑷ 明治18 年、内閣制が施行され、その初代文部大臣に就任した( ➅ )は、明治19年に小学校令・中学校令・帝国大学令・師範学校令を公布し、近代学校教育制度の確立に努めた。
⑸ 幼稚園は( ➆ )で学校と定められている教育機関である。満3歳から小学校就学前までの子どもを対象としている。一方、保育所は、( ➇ )に基づく児童福祉施設である。対象とする子どもは、保護者の就労など「保育を必要とする」0歳児から小学校就学前までの乳幼児である。2006(平成18)年度からは幼稚園と保育所の機能をあわせもった( ➈ )も設置されている。
⑹ ( ➉ )は、子どもの自発的で自由な活動を尊重して保育を実践する保育形態である。したがって、自由感があり、子どもが自分の興味・関心に基づいて主体的に活動を選び、好きな場所で、好きな遊びを心ゆく⑪まで楽しむ保育といえる。
⑺ ( ⑪ )とは、教職員と専門スタッフ・地域人材などの多様な専門性をもつ人材との連携・協働による新たな学校の体制整備をめざすものである。多様な専門人材が責任を伴って学校組織に参画して校務を運営する点が、これまでの学校像との大きな違いである。
⑻ クライエントが中心となるカウンセリングを創始した( ⑫ )は、カウンセラーの態度として「無条件の積極的関心」「共感的理解」「純粋あるいは自己一致」をあげている。
⑼ 一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育が( ⑬ )である。( ⑬ )は、特定の活動や指導方法に限定されずに、さまざまな教育活動を通して実践される。また、変化する社会と学校教育との関係性をとくに意識し、実施に当たっては、社会や職業にかかわるさまざまな現場における体験的な学習活動の機会を通して行われる。
⑽ 1966 (昭和41)年には、ILO・ユネスコの共同勧告「教員の地位に関する勧告」が出されている。そこでは、「教育の仕事は専門職とみなされるべきである。この職業は厳しい、継続的な研究を経て獲得され、維持される専門的知識および特別な技術を教員に要求する公共的業務の一種である」と規定され、「すべての教員は、専門職としての地位が教員自身に大きくかかっていることを認識し、すべての専門職活動のなかで最高の水準を達成するよう努力しなければならない」としている。こうした考えは、( ⑭ )とよばれている。
⑾ 教員が国内外の大学院に在学し、専修免許状を取得する機会を拡充するため、教育公務員特例法等の一部を改正する法律(平成12年4月28日法律第52号)が制定され、( ⑮ )が創設された。この制度は2001(平成13)年度より開始されている。

<選択肢>
『エミール』  ペスタロッチ  児童福祉法  『人間の教育』  小砂丘忠義  『教育に関する考察』  管理職研修  一斉保育
子どもの発見者  学校評議員  学校教育法  スクールカウンセラー  教育令  初任者研修  パウルゼン  チームとしての学校
消極教育論  羽仁もと子  野口援太郎  積極教育論  教師専門職論  森有礼  自由保育  カール・ロジャース  キャリア教育
認定こども園  恩物  教師労働者論  学制  大学院修学休業制度

第2課題

横書き解答用紙あり

第1設題

空欄に入る適切な語句を下記の選択肢から選び、解答欄に書きなさい。

⑴ フレーベルは( ➀ )の中で、子どもの本質を神的なもの(永遠の創造性)としてとらえ、その無傷の展開を保護し助成しなければならないと主張した。
⑵ ( ➁ )によれば、子どもは「ただ白紙にすぎない」。この精神白紙説の子ども観は、人間形成における幼児期の教育(環境)の重要性を教えるものであった。
⑶ 明治5年に公布された( ➂ )から、わが国の近代的な学校制度が始まった。( ➂ )では、大学・中学・小学の三段階からなる単線型の学校体系をとった。全国を8大学区にわけ、一つの大学区に32中学区、一つの中学区をさらに210小学区として、各学区で学校を設置する計画であった。
⑷ 明治23年、( ➃  )が発布される。起草は井上毅、元田永孚らの協力による。その内容は、臣民が忠と孝をもって万世一系の天皇を助けてきたことが「国体の精華」であり、ここに「教育の淵源」があるとされた。
⑸ 幼稚園は1日( ➄ )時間の教育を標準としている。ただし、「幼児の心身の発達や季節などに適切に配慮すること」と➆されている。希望者を対象として教育時間を超え、朝・夕の( ➅ )を行うところが増えている。
⑹ 2007 (平成19)年の学校教育法改正により、校長(園長)と教頭の間に位置する新しい職位( ➆ )を設置できるようになった。( ➆ )の職務は、校長(園長)を助け、命を受けて校務(園務)をつかさどることである。( ➆ )は、教頭と同様、校長を補佐する職であるが、校務の一部を自らの責任で処理することが想定されている職であることが教頭とは異なっている。
⑺ ( ➇ )は、プレイセラピー(遊戯療法)とよばれる心理療法を開発・発展させた。プレイセラピーとは、その名のとおり、遊びを通して問題を解決しようとするものである。
⑻ 2011(平成23)年から小学校5・6年生で( ➈ )を実施している。2020年からは、小学校3・4年生で( ➈ )(年間35単位時間)を、小学校5・6年で「外国語科」(年間70単位時間)実施することにした。新たに導入された「外国語科」の「目標」は、「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、外国語による聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの言語活動を通して、コミュニケーションを図る基礎」となる資質・能力を育成することを目指すとされた。
⑼ 1998年大学入学者から、小学校および中学校の教諭の普通免許状を取得しようとする者に対して「個人の尊厳及び社会連帯の理念に関する認識を深めることの重要性」から、障害者、高齢者などに対する介護、介助、これらの方々との交流等の体験を目的として( ➉ )を義務づけた。
⑽ ( ⑪ )の第1条に示された種類の学校は「一条校」とよばれ、日本の学校制度の中心となる学校である。
⑾ 国公立学校で勤務する教員は( ⑫ )としての身分を有する。その身分については、日本国憲法や国家公務員法・地方公務員法・教育公務員特例法などの法令によって規定されている。したがって、公務員である限り、基本的には法令に基づいて職務を執り行う。
⑿ 2006(平成18)年12月15日に改正( ⑬ )が成立、同月22日に公布施行された。1947(昭和22)年に( ⑬ )が成立して以来、最初の改正であった。( ⑬ )のおもな改正点は次の4点である。ⓐ前文や第2条において、公共の精神の尊重、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成、伝統の継承といった文言が追加されたこと、ⓑ「教育の目標」(第2条)が詳細かつ具体的に示されたこと、ⓒ生涯学習(第3条)、障害者に対する教育上必要な支援(第4条2)、義務教育として行われる普通教育の定義等(第5条2および3)、大学の目的等(第7条)、私立学校の振興等(第8条)、家庭教育の目的等(第10 条)、幼児期の教育の振興等(第11 条)、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力(第13条)、教育行政における国と地方公共団体の役割分担等(第16 条2、3および4)、教育振興基本計画の策定等(第17条)などに関する条文や規定が新設されたこと、ⓓ旧法第6条における教員規定が「研究と修養」「養成と研修の充実」といった文言が加えられて独立したこと(第9条)などである。
⒀ 2005 (平成17)年12月の答申「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」では、障害の種類や程度に応じて特別な場で教育を行う従来の「特殊教育」を、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導および必要な支援を行う( ⑭ )に転換することなどが提言された。
⒁ 1989(平成元)年になって新たな研修制度が教育公務員に対して導入された。それが( ⑮ )である。この( ⑮ )は、1989(平成元)年より小学校から開始され、中学校、高等学校、特殊教育諸学校と、順次実施されるようになった。この制度の施行は、「教育公務員特例法」の第23条に新たに加えられた。( ⑮ )の目的は、実践的指導力の養成、使命感の涵養、幅広い知見の修得の3つの点にある。簡単に言えば、教職に初めてつく人間が支障なく業務を遂行するように、不安を解消し、意欲をもってその任務にあたることを狙いとしたものである。

<選択肢>
副校長(副園長) 『人間の教育』  『自由論』  教育令  教育勅語  教育基本法  学制  バージニア・アクスライン  介護等体験
初任者研修  10年経験者研修  ペスタロッチ  ロック  3  4  5  8  10   山本鼎  外国語活動  総合的な学習の時間
学校教育法  特別支援教育  教育公務員  預かり保育

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
教育・保育とは何か
「けしごむ」「かぼちゃのつるが」などの詩を用いて、教育・保育とは何かについて考える。
教育・保育の理解 2-4頁 10-12頁
三つの教育観
成長助成の教育観、伝達と形成の教育観、覚醒の教育観について学ぶ。
三つの教育観の理解 2-13頁
教職とは何か
教師としての資質能力、教師としての生活などについて学ぶ。
教職の意義
教師の役割
14-33頁
日本における教師の歴史
明治から戦後に至るまでの教師の歴史について学ぶ。
教師の歴史の理解 34-46頁
現代社会の子ども
子どもの社会的発達の過程と社会化、社会的発達環境の変容、仲間集団の現状と子どもの社会的発達、地域社会の教育力の再構成などについて学ぶ。
子ども理解 47-60頁
幼稚園・保育・認定こども園の生活と遊び①
幼稚園・保育所のクラス担任の一日と一年について学ぶ。
幼児理解
保育者の役割
62-74頁
幼稚園・保育所・認定こども園の生活と遊び②
幼稚園・保育所・認定こども園の遊びについて学ぶ。
幼児理解
保育者の役割
74-96頁
小学校での学び
小学校の役割、教員の資質、授業の見方・とらえ方などについて学ぶ。
小学校の役割
教師の役割
97-117頁
学校にかかわりをもつ人々
「チームとしての学校」の在り方などについて学ぶ。
チームとしての学校 128-141頁
カウンセリングマインド
保育者・教師の資質としてのカウンセリングマインド、保育・教育の場での対応の実際などについて学ぶ。
カウンセリングマインド 142-157頁
教師をめぐる新しい動き
教師の新たな役割、学校における社会体験とキャリア教育などについて学ぶ。
教師の責務 158-178頁
教師をめぐる法律
教育職員免許法、教師の身分と服務義務などについて学ぶ。
教育職員免許法
倫理観
180-193頁
教育改革とこれからの教師
近年の教育改革、教師をめぐる現状などについて学ぶ。
教師の責務 194-219頁
教職の専門性と研修
研修の必要性、初任者研修、管理職研修などについて学ぶ。
教職の専門性 220-235頁
まとめ
総復習
保育者・教師の役割
についての理解
上記範囲の復習
試験