最終更新日:2025年1月23日
U074
日本近現代文学史Ⅰ
明治から大正の文学史を具体的な文学テクストの精読を通して理解する単位条件
通信 2単位教員
履修条件
小説を読むことが好きな者。それ以外は特になし。
到達目標
明治〜大正の日本近代文学の流れがどのような進展の道筋をたどったのか、その様態のあらましを理解する。近代日本の目まぐるしく変転する社会、歴史のなかで文学はそれにどう影響され、あるいはどう抗ったか。その諸相を文学テクストを精読することによってたどり、現在の私たちの在り方をも問い直す契機としたい。
学習成果
教科書として『現代日本文学史』(笠間書院)を用い、教材の学習指導書を併用することによって、明治〜大正期の文学の流れをつかむ。学習指導書には、教科書で言及された作者・作品・文学用語等について最少限の補足解説がなされ、また文学テクストの一部が例示されている。履修者は、さらに詳しく事典等を参照し、参考書に取り上げられている研究にも触れ理解を深めていこう。また、教科書で取り上げられている文学テクストの全体を読了することに挑戦してほしい。Web上の「青空文庫」で読めるものも多い。各章末に掲げた参考課題が解けるかどうかが学習が身についたかどうかの目安となる。詳しくは、学習指導書の巻頭に記した「履修者の皆さんへ」を参照する。
テキスト教材
大久保典夫他編『現代日本文学史』(笠間書院)
『近代・現代文学史I』(聖徳大学通信教育部)
参考図書
学習指導書の各章末を参照のこと。
評価の要点
・レポート評価の要点
1.課題について充分理解されていること。
2.文学史の知識が適切に論理展開されていること。
3.「履修と学習の手引」(聖徳大学通信教育部)所収の「レポートについて」に掲げられている注意事項が守られていること。
⒋ 該当する小説テクストを自身で読み込んでいること。
・試験評価の要点
1.教科書の内容がきちんと理解されていること。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価する。
レポートは、上記「評価の要点」がクリアーされているか、文学史的知識に基づき、合理的な結論が導き出されているか、それを総合的に判断して評価する。
試験評価も同じです。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
レポートは小論文形式となる。文学史的知識をもとに、適切に論拠をテクストから引用しつつ論述する。
各章ごとに、教科書を読み、学習指導書を手引きとして実際に作品テクストを読み、参考書等を参照しつつ課題を解いて行くことを繰り返すのは、かなりタフな学習となろう。しかし、自身に課した困難は確実に豊かな収獲、自己の成長をもたらす。コスパ、タイパを超えた文学の深みにどうか積極的に取り組んでください。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
明治期に成立した「小説」とは何か。坪内逍遥『小説神髄』により定義付けした上で、その「小説」が具現化された様態を実作の一部を例示しつつ明らかにしなさい。
第2課題
第1設題
次の設問から一つを選び、テクストから適切に引用しつつ設定された課題を論じなさい。それぞれのテクストはWeb上の「青空文庫」で読むことができます。
①夏目漱石『夢十夜』から「第六夜」「第七夜」を読み、「第七夜」において「一人の女」が「しきりに泣いていた」理由を考えつつ、これらのテクストが西洋化、近代化にどう対峙しようとしているか論じよ。
②谷崎潤一郎「秘密」における主人公「私」と田山花袋「少女病」の「杉田古城」のセクシュアリティを比較して論じよ。
備考・補足
← 表が横スクロールします →
授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
はじめに | 学習方法の基本を身につけることができる。 | 学習指導書「履習者 の皆さんへ」 | |
明治文学の流れI「文明開化」 | 「文明開化」の態様が理解できる。 | 教科書p.3 | |
明治文学の流れII「近代の目ざめ」 | 「近代の目ざめ」の態様が理解できる。 |
教科書p.8 | |
明治文学の流れIII「近代への方途」 | 「近代への方途」の態様が理解できる。 | 教科書p.13 | |
明治文学の流れIV「幻の『近代』」 | 「幻の『近代』」の態様が理解できる。 | 教科書p.18 | |
大正文学の流れⅠ「耽美派の文学」 | 「耽美派の文学」の態様が理解できる。 | 教科書p.22 | |
大正文学の流れⅡ「『白樺』の人たち」 | 「『白樺』の人たち」の態様が理解できる。 |
教科書p.27 | |
大正文学の流れⅢ「『奇蹟』派、『新思潮』派、そして新現実主義など」 | 「『奇蹟』派等」の態様が理解できる。 | 教科書p.30 | |
大正文学の流れIV「明治作家の成熟」 | 「明治作家の成熟」の態様が理解できる。 | 教科書p.35 | |
大正文学の流れV「民衆・労働者・農民の中へ」 | 「民衆・労働者・農民の中へ」の態様が理解できる。 |
教科書p.39 | |
自然主義文学と私小説Ⅰ「自然主義文学運動の勃興」 | 「自然主義文学の勃興」の態様を理解できる。 | 教科書p.45 | |
自然主義文学と私小説Ⅱ「自然主義文学の確立」 | 「自然主義文学の確立」の態様が理解できる。 | 教科書p.50 | |
自然主義文学と私小説Ⅲ | 「私小説」 「私小説」の態様が理解できる。 | 教科書p.57 | |
まとめⅠ | 明治・大正文学の流れをつかむことができる。 | 教科書p.3〜59 | |
まとめⅡ | 同上 | 同上 | |
試験 |