最終更新日:2025年1月23日

1年次入学生:1年 3年次編入学生:3年 短期大学部:-
文学部 文学科

U069

日本文学概説Ⅱ

日本近現代文学精読

単位条件

面接 2単位

教員

野本 聡

履修条件

小説を読むことが好きな者。それ以外は特になし。

到達目標

日本近現代文学史ⅠⅡで触れた小説テクストを従来とは異なる視角で精読する。文学テクストを創造的に読む研究姿勢を身につけることを到達目標とする。

学習成果

単にストーリーを読むだけでなく、その細部に注目する読解方法、テクストをコンテクスト(社会状況)に差し戻して読む視角、テクストを現在の視点で読む批評的読解。以上の三点の研究の視角が学習成果として身に付く。

テキスト教材

スクーリング時のテキストについては別途お知らせします。

参考図書

スクーリング授業においてその都度指示する。

評価の要点

スクーリング授業で扱ったテクストについてレポートを執筆する。独自の視点でテクストを論じることができるかが評価の要点となる。

評価方法と採点基準

1 タイトルの新奇性 2 文学史的知識の妥当性 3 コンテクストとテクストとの関係への理解 4 論理構成、表記、表現の適正 5 独自の視点からの解釈
以上、5点を採点に際し考慮する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

テクストの精読を心掛ける。テクストをそのまま受け入れるのではなく、疑問を提起する読解を目指す。受講前にテクストを読了していることを前提として授業を進める。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
夏目漱石『夢十夜』「第三夜」 テクストを精読するとは? 配布プリント
森鷗外「高瀬舟」 テクストを読みかえるとは?
田山花袋「少女病」 都市、鉄道、セクシュアリティ
谷崎潤一郎「秘密」 浅草というトポスと視覚装置
樋口一葉「たけくらべ」 彼女の本当の名前は?
芥川龍之介「藪の中」 テクストが決して語らなかったこととは?
葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」 プロレタリア文学は現在に継続する
横光利一「春は馬車に乗って」 「彼」は「彼女」に何と言えばよかったのか?
梶井基次郎「檸檬」 高村光太郎から米津玄師へ、レモンの詩学
江戸川乱歩「押絵と旅する男」 光学器械と浅草十二階
堀辰雄「水族館」 1920年代、都市モダン文学の発見
萩原朔太郎「死なない蛸」「殺人事件」 インターテクスチャリティという視角
中島敦「山月記」 テクストにどう介入するか、あるいは誤読の可能性
小川洋子「果汁」 不可視の主題をどう炙り出すか
村上春樹「かえるくん、東京を救う」 あらためて、テクストを精読するとは?
レポート執筆

スクーリング受講についての準備物・連絡事項

開講前にテクストプリントを配布する。読了のうえ、授業に参加すること。

オンライン授業ではあるが、チャット機能を使って受講者の意見の表明を求める。積極的な発言を期待する。