最終更新日:2025年4月9日
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教育・学校心理学Ⅱ
子どもの学びを支え、学校の課題に向き合う単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
教育の諸問題・特別支援教育・学校集団と人間関係など教育心理学に関する知識、不登校・いじめ・虐待など学校心理学に関する知識について理解し、公認心理師と求められる心理教育的援助について学ぶことを目標とする。
学習成果
子どもの学びを支えるために、また教育現場で生じうる心理社会的課題に対する援助方法を考えることができるようになる。また、より適切な心理教育的援助に役立てることができる。
テキスト教材
水野治久・串崎真志編著『教育・学校心理学 ―子どもの学びを支え、学校の課題に向き合う―』(ミネルヴァ書房)2019
参考図書
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫監、小野瀬雅人編著『教育・学校心理学』(ミネルヴァ書房)2021
石隈利紀編『教育・学校心理学』(遠見書房)2019
評価の要点
レポート課題合格後、科目終了試験に合格すること。
教育・学校心理学に関する基本的な考え方を理解できているかどうかを評価する。
評価方法と採点基準
レポート課題合格後の科目終了試験で評価します。科目終了試験は、100点満点で60点以上が合格となります。
テキストを何度も繰り返し読み、しっかり復習をしてから試験を受けてください。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
テキストを繰り返して読んでください。
あわせて、テキストの最後に記載されている引用文献・参考文献を読むことで理解を深めてください。
教育・学校心理学に関する知識をただ覚えるのではなく、自分自身の小中高時代等と照らし合わせて、学習内容について熟考してください。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
【1】特別支援教育について、空欄に当てはまる言葉を答えてください。(※指定解答用紙を使用してください)
障害を抱える子どもをめぐる状況を受け、教育体制が見直されたことにより、特別支援教育は、(①)年に正式に始動された。それまで、障害を抱える子どもたちの教育は(②)と称され、主な学びの場は、養護学校、特殊学級、通級指導教室であった。しかし、(①)年には、教育の場として(③)も含め、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う(④)へと転換が図られた。
(④)は、(③)、(⑤)、(⑥)、(⑦)において行われている。このうち、特に小・中学校において、(⑤)や(⑥)による指導を受ける子どもの増加は著しい。また、2018年からは高等学校における(⑥)による指導も開始された。高等学校では、(⑤)における学びが基本となるが、(⑥)による指導も学びの場の選択肢である。
(④)の実施においては、校内での共通理解に基づく、(⑧)の構築が不可欠であり、特別なニーズのある子どもとその担任を学校全体で支援するために、(⑨)と特別支援教育コーディネーターが重要な役割を担っている。(⑨)では、保護者や学級担任の相談窓口、対象となる子どもの実態把握、校内の教職員間での共通理解の促進、支援内容·方法の検討、学級担任のサポート、家庭や専門機関との連携等が行われる。また、一人ひとりの子どものニーズに対応した指導目標・指導内容・指導方法を盛り込んだ指導計画である(⑩)の作成も行われる。
特別支援教育を必要とする子どもたちについて、小・中学校では、(③)、(⑥)において、(⑪)、(⑫)、(⑬)等、(⑭)の子どもが在籍していることが多い。
(⑪)は、複数の状況での社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応の持続的な欠陥と、行動・興味・または活動の限定された反復的な様式の二つの領域による診断基準にもとづいて診断される。前者は、他者との(⑮)や関係の深め方、(⑯)を要する活動への理解等、社会性のつまずきが挙げられる。後者は、特定のものへの頑なな(⑰)、(⑱)に対する過敏さや無頓着さ等が挙げられる。
(⑫)では、不注意、(⑲)、(⑳)を主症状が(㉑)の場面において、(㉒)に不相応な程度、(㉓)に認められる。
(⑬)では、学習に必要な(㉔)、(㉕)、(㉖)、(㉗)の能力のうち、特定の技能の習得や使用に著しい困難がみられる。困難さから生じるつまずきは、学習への興味の有無や練習不足、(㉘)な遅れや(㉙)の問題から直接的に生じるものではない。
(㉚)は、手先や全身を使った運動において、必要な複数の動作を統合し(㉛)に身体を動かすことに、年齢不相応な(㉜)を生じる。具体的には、工作や折り紙、箸の操作、ノートテイクの遅れ、運動やスポーツが極端に不得手でぎこちないことがある。
第2課題
第1設題
【1】不登校について、空欄に当てはまる言葉を答えてください。(※指定解答用紙を使用してください)
文部科学省の定義では、不登校児童生徒は、「年間(①)日以上欠席した者のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にある者。ただし、病気や(②)な理由による者をのぞいた者」とされている。
「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題する調査」によると、不登校児童生徒は、年々増加しており、小学校に比べて(③)の不登校生徒が多い。この状況は、(④)という現状を示すものであるとされている。
不登校児童生徒が、(⑤)等の公的施設や(⑥)等の民間施設で学習活動を行ったり、(⑦)を利用した学習活動を行ったりした場合には、一定の要件を満たせば、(⑧)が指導要録上の(⑨)扱いとすることができることになっている。ただし、この場合は「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題する調査」においては、(⑩)として含まれる。一方で、校内の保健室や相談室等で過ごし、教室等で授業を受けていない状態の子どもについては、実際に登校しているため(⑪)として含まれる。
不登校の子どもは様々な葛藤を抱えており、そうした葛藤を頭痛や腹痛等の(⑫)で訴える子どももいる。心理師は、こういった訴えに対し、耳を傾け、(⑬)を育むことが支援として望まれる。また、不登校支援において、(⑭)との連携も重要であり、方法としては家庭訪問がある。
【2】いじめについて、空欄に当てはまる言葉を答えてください。(※指定解答用紙を使用してください)
いじめ防止対策推進法において、いじめは、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と(①)にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が(②)もの」と定義されている。この定義から、相手を傷つけることを意図せずに行った行為でも、行為の受け手が傷ついたのであれば、それはいじめである。
いじめによる(③)とその発生が疑われる場合には、第三者による調査のための組織である(④)が設置され、調査が行われる。(③)とは、「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は(⑤)に被害が生じた疑いがあると認められるとき」、「いじめにより当該学校に在籍する児童等が(⑥)学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められるとき」とされている。調査を行う(④)は、医師、弁護士、心理や福祉の専門家等の第三者によって構成される。
いじめの集団力動について、(⑦)(森田・清永、1994)がある。(⑦)では、いじめが(⑧)、(⑨)、(⑩)、(⑪)の四層の子どもたちが絡まり合った構造の中で起こるとされている。(⑧)はいじめている子ども、(⑨)はいじめられている子ども、(⑩)は、いじめをはやし立てたり、面白がって見ている子ども、(⑪)は、いじめを見て見ぬふりをする子どものことである。(⑪)は加害に加担することはないが加害者側に(⑫)と解釈され、結果的にはいじめを促進する。このように、いじめの状況は(⑪)の立ち振る舞いによっても左右され、(⑪)が(⑬)となりいじめに否定的な反応を示すことが重要である。
【3】 児童虐待について、空欄に当てはまる言葉を答えてください。(※指定解答用紙を使用してください)
児童虐待には、殴る、蹴る、激しく揺さぶる等の(①)、子どもへの性的行為、性的行為を見せる等の(②)、家に閉じ込める、食事を与えない等の(③)、言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的な扱い等の(④)がある。(④)には子どもの前での家族への暴力である(⑤)も含まれる。児童虐待が疑われる場合は、(⑥)において、市町村、都道府県の設置する福祉事務所もしくは(⑦)に通告することが(⑧)づけられている。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
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序章 公認心理師と学校における援助サービス | 学校現場における公認心理師の活躍について知る。 | テキスト 序章 pp.1-7. | |
第1章 教育の諸問題:多様な子どもをどう支援するか | 学校の諸問題と多様な子どもの支援について知る。 | テキスト 第1章 pp.11-26. | |
第2章 特別支援教育:エビデンスにもとづく計画的な支援と連携 | 特別支援教育を必要とする子どもたちの支援の視点について知る。 | テキスト 第2章 pp.27-42. | |
第3章 学びのプロセス:学びの本質を理解しよう(1) | 学業不信の子どもの指導について知る。 | テキスト 第3章 pp.45-58. | |
第3章 学びのプロセス:学びの本質を理解しよう(2) | やる気を高め維持するために理解すべきことを知る。 | テキスト トピックス pp.59-65. | |
第4章 学びの環境:個人と環境とのかかわりを捉える社会文化的視点 | 社会文化的理論とアクティブラーニングについて知る。 | テキスト 第4章 pp.67-82. | |
第5章 学校の集団と人間関係:みんなが楽しく過ごせる学級を目指して | 友人関係・学級集団・教師集団について知る。 | テキスト 第5章 pp.83-94. | |
第6章 不登校:登校を支える多様な支援(1) | 不登校の現状について知る。事例から学ぶ。 | テキスト 第6章 pp.97-104. | |
第6章 不登校:登校を支える多様な支援(2) | 不登校の予防と再登校の支援について知る。 | テキスト 第6章 pp.105-110. | |
第7章 いじめ:子どもたちの心を守るために(1) | いじめといじめ防止対策推進法について知る。 | テキスト 第7章 pp.111-118. | |
第7章 いじめ:子どもたちの心を守るために(2) | いじめの予防と介入について知る。 | テキスト 第7章 pp.118-126. | |
第8章 問題行動・学級崩壊・児童虐待への対応:スクールカウンセラーと教師・保護者 の連携 |
問題行動・学級崩壊・児童虐待への対応について知る。 | テキスト 第8章 pp.127-140. | |
第9章 スクールカウンセラー:スクールカウンセリングの歴史と今後に向けて | スクールカウンセリングの歴史について知る。 | テキスト 第9章 pp.141-154. | |
第10章 チームとしての学校(チーム学校)とスクールカウンセラー:心理の専門性を 発揮しながら協働するための理論と方法 |
チーム学校におけるスクールカウンセラーの援助について知る。 | テキスト 第10章 pp.155-169. | |
15回第11章 大学における学生相談:大学コミュニティで活躍するカウンセラーを目指して | 学生相談機関における業務と役割について知る。 | テキスト 第11章 pp.171-185. | |
試験 科目終了試験は、100点満点で60点以上が合格となります。テキストを何度も繰り返し読み、しっかり復習をしてから試験を受けて ください。 |