最終更新日:2025年3月31日
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教育・学校心理学Ⅰ
教育・学校心理学の基礎を学び、子どもと学校を援助する単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
「教育・学校心理学」の学問的背景や特徴、子どもへの支援的な授業や個別学習支援の在り方、生徒指導・キャリア教育・メンタルヘルス教育・特別支援教育の課題と支援、チーム学校における多職種連携などについて学ぶことを目標とする。
学習成果
教育・学校心理学の理論的枠組み・課題・支援について学ぶことで、公認心理師に求めらえる実践と役割について理解し、適切な心理教育的援助に役立てることができる。
テキスト教材
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫監、小野瀬雅人編著『教育・学校心理学』(ミネルヴァ書房)2021
参考図書
水野治久・串崎真志編著『教育・学校心理学 ―子どもの学びを支え、学校の課題に向き合う―』(ミネルヴァ書房)2019
石隈利紀編『教育・学校心理学』(遠見書房)2019
評価の要点
レポート課題合格後、科目終了試験に合格すること。
レポート課題は、テキストをよく読み、教育・学校心理学に関する基本的な考え方をよく理解した上で、取り組んでください。
評価方法と採点基準
レポート課題合格後の科目終了試験で評価します。科目終了試験は、100点満点で60点以上が合格となります。
テキストを何度も繰り返し読み、しっかり復習をしてから試験を受けてください。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
テキストを繰り返して読んでください。
あわせて、テキストの最後に記載されている引用文献・参考文献を読むことで理解を深めてください。
教育・学校心理学に関する知識をただ覚えるのではなく、自分自身の小中高時代等と照らし合わせて、学習内容について熟考してください。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
【1】多様な職種によるチーム援助について、空欄に当てはまる言葉を答えてください。(※指定解答用紙を使用してください)
学校心理学では、子どもの援助資源として(①)が位置づけられている。
(① )について、まず(②)は職務としてではなく自発的に援助を行うものである。例えば、隣近所の住人や子どもの習い事の講師等が援助力として期待される。次に、(③)は心理教育的援助サービスの一部を担うものである。チーム援助において、保護者は自分の子どもの専門家として位置づけられるため、親としての役割の他に援助者の一員となる。そして、(④)は、心理教育的援助サービスを業務の一部として行うものである。主に教師は(④)にあたる。最後に、(⑤)は心理教育的援助サービスを専門的に行うものである。(⑥)等が該当する。
学校外の専門家である(⑥)は、(⑦)において、専門スタッフとして位置づけられた心理の専門家であり、公認心理師法では、(⑧)、(⑨)、(⑩)、(⑪)等が主たる業務として求められている。
また、(⑥)には、(⑫)の具体化において児童生徒の援助ニーズおよび意思の把握、援助ニーズに応じる方法を提案するとともに(⑫)の決定プロセスにおいて保護者等を心理的に援助することが求められている。
(⑬)とは、4領域(学習面、心理・社会面、進路面、健康面)における子どもへの援助と発達の促進を複数の援助者と行う形態のことである。(⑬)の形態には、校内での決定権の上位から(⑭)、(⑮)、(⑯)の3種類がある。
(⑬)では、援助者をつなぐ(⑰)が必要となり、(⑰)は多くの場合、教育相談係、生徒指導係、養護教諭、(⑥)が行う。(⑰)には、信頼関係、子どもを理解したり援助したりするための(⑱)、援助を継続できる(⑲)や、多面的な情報を集約し共通理解を促進できる(⑳)、権限、情が求めれる。
【2】心理教育的援助サービスについて、空欄に当てはまる言葉を答えてください。(※指定解答用紙を使用してください)
心理教育援助サービスの計画、実践、振り返りには(①)のモデルが有効であり、このモデルは様々な教育分野でも参照されている。(①)は、すべての子どもへの(②)、苦戦する一部の子どもへの(③)、特別な教育ニーズのある特定の子どもへの(④)から構成されている。
(④)は、(②)と(③)に加えて行い、「個別指導計画」等の作成や実施がサービスの基本となる。また、例えば、障害のある子どもへの(⑤)は、三次的援助サービスとなる。
(④)は、学級や学校だけではなく、地域の援助機関との連携で行う必要があり、援助サービスの(⑥)が重要である。
公認心理師は「支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること(公認心理師法第2条1号)」が求められており、学校教育ではこのことを(⑦)と呼ぶ。(⑦)は、子どもに提供する心理教育的援助サービスを提供するかを決めるために重要で、必要な情報は、心理社会面、(⑧)、(⑨)、(⑩)等学校全体であり、子どもの育つ環境も含む。子どもの(⑦)は、SCだけではなく、子どもに関係する教師や保護者等、チームで進める。また、子どもと(⑦)の結果を共有することで、必要な援助について子どもと一緒に検討することが可能となる。(⑦)について、(②)では、全ての子どもの援助ニーズを把握するために、発達や学校生活様子の観察、テスト、アンケート等を行う。(③)では、苦戦する子どもを発見するために、(⑪)、(⑫)等の指標の活用も有効である。(④)では、個別の(⑬)が使用されることが多い。(⑬)には、WISC-ⅤやKABC-Ⅱ等がある。(⑬)の結果を心理支援や学校教育の知識に基づき解釈することは、子どもに対するより良い援助を計画することにつながる。
第2課題
第1設題
【1】 メンタルヘルス教育について、空欄に当てはまる言葉を答えてください。(※指定解答用紙を使用してください)
(①)は、身体面の健康に対し、精神面の健康のことを示し、学校では自分自身や周囲の人々の(①)の増進に寄与できる社会人なる基盤をつくることが期待されている。学習指導要領には、小学校段階では(②)年生のカリキュラムから(①)に関わる学習が示されている。中学校段階では、主に(③)領域で(①)に関する内容が取り上げられており、精神機能と生活経験や、精神と身体について学ぶ。高校段階では、中学校段階と同様に(③)領域で、心の健康に関する知識や対処法を学ぶ。
(①)に効果的な心理教育として、(④)が効果的である。(④)は、(⑤)として学級単位で実施されたり、ニーズに合わせて少人数で実施されている。(⑤)はすべての子どもに向けた(⑥)のひとつであり、開発的生徒指導とされている。
(①)の状態に応じて、日々のストレスに適切に対処することが重要である。そのため、心理教育として(①)教育の必要性が指摘されている。(①)教育では、まず(⑦)となる事象について、次に自身の(⑧)について理解を促す。そして、(⑨)に関する介入について学習する。(⑨)にはストレス対処として(⑩)を学ぶことが含まれ、(⑩)の例として、呼吸法、漸進的弛緩法、自律訓練法が挙げられる。
また、ストレス軽減には、(⑪)も効果的である。(⑪)は、(⑫)と(⑬)に分類されており、(⑫)は具体的な助言、直接的な手助け等を指す。(⑬)は、共感的な理解や励まし等を指す。
【2】 思春期の子どもの健康問題について、空欄に当てはまる言葉を答えてください。(※指定解答用紙を使用してください)
(①)は、10代中頃から20代にかけての発症が多く、発症率は全人口の1%程度といわれている精神疾患である。症状として、感じるはずのないものを実在するかのように感じてしまう(②)や、誤った強い思い込みである(③)、考えや感情がまとまらなくなる状態の(④)、思考力や意欲、(⑤)の低下等がある。経過は、幻聴や(④)が悪化する(⑥)から、その後エネルギーが低下した時期へと続く。
(⑦)は、気分の落ち込みや(⑧)、疲労感、(⑨)の低下、(⑩)の減退等がある精神疾患である。子どもの場合は、精神症状を適切に(⑪)することが難しく、(⑫)や(⑬)等の身体的な訴えや、(⑭)の乏しさ、元気のなさ等から、気づかれることもある。発症が目立つのは、(⑮)以降で、症状が良くなったり、悪くなったりと、慢性的な経過をたどる。
(⑯)は、自分の意思に反して、不合理な考えやイメージが繰り返し浮かぶ(⑰)によって起こる不安を軽減するために、特定の行動を繰り返す(⑱)を行う精神疾患である。症状には、手が汚れていると感じて手洗いがやめられない(⑲)や鍵や電気のスイッチを何度も確認する(⑳)、自分の決めたルールで整理しないと気が済まない(㉑)等がある。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
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第1章「教育・学校心理学」のとらえ方 | 教育・学校心理学の学問的背景と特徴について知る | テキスト 第1章 pp.2-11. | |
第2章 教育・学校の組織・制度と支援の関係 | 教育機関の法律上の位置づけ・学校組織と教育関連施設について知る | テキスト 第2章 pp.12-21. | |
第3章 学習・授業の課題と支援(1) | 子どもの学業不振とアセスメントの視点について知る | テキスト 第3章 pp.22-27. | |
第3章 学習・授業の課題と支援(2) | 子どもへの支援的な授業・個別的な学習支援のあり方について知る | テキスト 第3章 pp.27-35. | |
第4章 学級経営の課題と支援 | 学校教育の問題と学級集団に起因する問題に対する支援のあり方を知る | テキスト 第4章 pp.36-49. | |
第5章 生徒指導の課題と支援 | 生徒指導の課題とSCの職務内容について知る | テキスト 第5章 pp.50-59. | |
第6章 キャリア教育の課題と支援 | キャリア教育の学校段階ごとの課題と支援について知る | テキスト 第6章 pp.60-73. | |
第7章 メンタルヘルス教育の課題と実践 | メンタルヘルス教育と支援の実践について知る | テキスト 第7章pp.74-85. | |
第8章 健康教育の課題と支援 | 学校における健康課題とその支援について知る | テキスト 第8章 pp.86-97. | |
第9章 特別支援教育の課題と支援 | 学校教育における特別支援教育と支援について知る | テキスト 第9章 pp.98-111. | |
第10章 教育・学校をめぐる新たな課題と支援(1) | 学級崩壊の問題と要求の多い保護者への対応について知る | テキスト 第10章 pp.112-117. | |
第10章 教育・学校をめぐる新たな課題と支援(2) | 子どもの貧困・児童虐待の問題について知る | テキスト 第10章 pp.117-123. | |
第11章 学校・教育システムの連携による支援 | 家庭・地域社会・学校間の連携について知る | テキスト 第11章 pp.124-135. | |
第12章 多様な職種によるチーム援助 | チーム援助について知る | テキスト 第12章 pp.136-147. | |
第13章 教育・学校心理学に基づく公認心理師に求められる実践と役割 | 心理教育的援助サービス・公認心理師に求められる役割と課題について知る |
テキスト 第13章 pp148-161. | |
試験 科目終了試験は、100点満点で60点以上が合格となります。テキストを何度も繰り返し読み、しっかり復習をしてから試験を受けてください。 |