最終更新日:2025年4月15日
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産業・組織心理学Ⅰ
産業・組織場面のできごとを心理学的に理解する単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
産業・組織心理学は、産業・組織における人の心理的な問題を明確にし、解決するための知識や理論を追求し、提供する。産業・組織心理学Iでは、主に「働くこと」と「働く人への支援」について、具体的に理解し、考察する。
自分自身が生き抜いていくため、あるいは組織の問題を解決するため、あるいは心理的な支援を要する他者の助けとするために、産業・組織心理学の知見を活用できる、ということを到達目標とする。本科目は聖徳大学のディプロマポリシー「3」に該当する。
学習成果
①歴史的な視点から産業・組織心理学全般の理解を深め、産業・組織心理学をとりまく現状について考察できる(1回)。
②組織、組織における労働契約・法規を知り、支援に役立てることができる(2~3回)。
③産業・組織におけるキャリア、ワーク・モティベーション、リーダーシップ、メンタルヘルス、安全衛生について理解し、考察できる(4~9回)。
④産業・労働分野の心理学的支援を知り、この分野における公認心理師の立場と役割について考察できる(10~15回)。
テキスト教材
加藤容子・三宅美樹編著『産業・組織心理学 個人と組織の心理学的支援のために』(ミネルヴァ書房)
参考図書
山口裕幸・高橋潔・芳賀繁・竹村和久『経営とワークライフに生かそう!産業・組織心理学エッセンシャルズ(改訂版)』(有斐閣アルマ)2020
評価の要点
レポート課題や試験では、字数制限の9割以上を目標にまとめること。なお、出題されたテーマをよく理解した上で、自分の言葉で簡潔に述べること。箇条書きは不可とする。学習内容を理解し、自分の考えを文章でどの程度正確に、適切に、説得力をもって論じられるかどうかで評価する。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価する。レポート課題を提出、合格後、試験を受けること。最終評価は試験によって行う。レポート課題では、出題されたテーマについて考察すること。また、テキストだけに頼るのではなく、自分で他の参考文献に当たるなどしてまとめること。科目終了試験では、設問内容に合わせた解答を作るよう心がけること。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
レポート、試験ともに字数制限を守ること。テキストや参考文献から引用、参考にする場合は、方法・ルールについて確認の上、適切に行うこと。
レポート課題
提出数 2第1課題
いずれか1設題選択(選択した設題のみ「課題内容」に記載すること)。
第1設題
日本では、労働力となる15歳以上の人口が2017年ごろから減少している。この問題について、労働力の変化の観点から自分で「論点」をさらに絞り込んで論じなさい(論点を明示すること、レポートの最後は考察でまとめること)。
第2設題
あなたが興味のある人物のライフストーリーを調べ、それについてライフキャリアの諸概念を用いて論じなさい(論点を明示すること、レポートの最後は考察でまとめること、テキスト第3章「考えてみよう」改変)。
第3設題
チームの連携について、テキスト第6章では「誰が何をできるのか」「誰が何を知っているのか」の共通認識がお互いの信頼感につながると定義されている。これにもとづき、あなたが所属するチームの課題や作業手順を明確にしてみよう(過去に所属していた、または仮に所属したとして、でも可)。その上で、自分及びチームメンバーの役割や責任の範囲などについて、自分で論点を設定して論じなさい(論点を明示すること、レポートの最後は考察でまとめること、テキスト第6章「考えてみよう」改変)。
第2課題
いずれか1設題選択(選択した設題のみ「課題内容」に記載すること)。
第1設題
とある事業所に天井高4m広さ50㎡の部屋があった。この部屋にはキャビネットや机などがあり、50㎥を占めている。労働安全衛生法により、①この中で事務作業をしてもよい人数は何人までだろうか。インターネットで「事務所」「衛生規則」などのキーワードを調べた上で説明しなさい。また、②事務所における作業環境基準においてはじめて知ったことを簡略にまとめ、その内容について労働災害の観点から論じなさい(①、②の間に改行は不要。レポートの最後は考察でまとめること、テキスト第8章「考えてみよう」改変)。
第2設題
事業場の中に設置された相談室をイメージした際、どのような相談室であれば自ら利用してみようと思うだろうか。設置場所、広さ、部屋の空間レイアウト、照明、開室時間、窓口の対応、相談員など、多くの視点から考えて論じなさい(論点を明示すること、レポートの最後は考察でまとめること、テキスト第9章「考えてみよう」改変)。
第3設題
あなたが企業内心理職として健康管理センターに配置された場合、従業員のメンタルヘルスの保持・増進のためにどのような対策に取り組むと効果的だと考えられるだろうか。そして、安心して働ける職場環境をどのように整備しるとよいのだろうか。自分で論点を設定して論じなさい(論点を明示すること、レポートの最後は考察でまとめること、テキスト10章「考えてみよう」改変)。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
産業・組織心理学の意義と方法 | 産業・組織心理学の概要がわかる | 序章90分 | |
組織とはー組織の運営・管理と組織ー個人の心理学的アセスメント | 組織の運営・管理と組織と個人の関係を理解する | 1章90分 | |
組織における労働契約・法規―産業・労働分野の基本となる法とは | 組織における労働契約について理解する | 2章(1~6) 90分 | |
キャリアー働く人々を理解・支援するための理論と概念 | キャリアについて理解する | 3章(7~11) 90分 | |
ワーク・モティベーションと組織コミットメントー個のパフォーマンスを支えるもの | ワーク・モチベーションと組織のつながりについて理解する | 4章90分 | |
リーダーシップー集団活動への効果的な影響力のために | リーダーシップと組織について説明できる | 5章90分 | |
職場の人間関係-人と人をつなげて組織を支えるもの | 職場の人間関係について理解する | 6章90分 | |
職業性ストレスとメンタルヘルスー働く人のストレスとの付き合い方を理解する | 社会の変化とメンタルヘルスについて理解する | 7章90分 | |
作業と安全衛生―生産活動にかかわる人を支える | 作業と安全衛生について理解する | 8章90分 | |
産業・組織心理臨床の実際-「働くこと」を心理学的に支援するための活動(1) | EAPて理解するとメンタルヘルスケアについて理解する | 9章1、2、3 90分 | |
産業・組織心理臨床の実際-「働くこと」を心理学的に支援するための活動(2) | 連携と協働、危機介入について理解する | 9章4、5 90分 | |
産業精神保健ー産業・労働分野における公認心理師の立場とその役割 | 産業精神保健ついて理解する | 10章90分 | |
ストレスチェック制度ーメンタルヘルス不調の未然防止のために | ストレスチェック制度を理解する | 11章90分 | |
多様性に配慮した支援ーあらゆる人がいきいきと働くために | 多様性に配慮した支援について理解する | 12章90分 | |
組織開発ー学びと変容のプロセス | 組織開発について理解する | 13章90分 | |
試験 科目終了試験は、以上のテーマの中から出題します。 |