最終更新日:2025年1月24日
U112
環境論
環境問題を科学的にみてみよう単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
世界的な人口の急増や科学技術の発展などにより地球温暖化が進行し、高温や台風の巨大化などの異常気象が頻発している。また、天然資源の枯渇や環境汚染、海洋や生態系が受ける影響も無視できなくなり、環境対策が世界的に求められている。環境論ではこれらの状況を幅広く概観し、その原因や対策を学習し、生活者として自分たちの日常生活を見直すことに繋がることを目指す。最終的には、科学的な考え方、論理的な思考力を身につけ、個別学問領域を超える多面的で複雑な問題の発見と解決力の育成を図る。
学習成果
リオ宣言の9項目に沿って、地球温暖化、熱帯林の減少、酸性雨、オゾン層の破壊、有害物質の越境問題、海洋汚染、野生生物の減少、砂漠化、途上国の環境問題について現状、影響、原因、対策が理解できる。また、気候変動枠組み条約、IPCCの報告書などの国際的な環境活動、省資源のための3R運動、低炭素社会、水に関する環境問題、生物多様性の保全、化学物質と環境問題、公害問題、松戸市の環境の現状などが把握できる。これらの学習の過程で、グローバルで多様な問題にも関心が高まり、多面的な洞察力が育成される。
テキスト教材
池上夏樹『環境論』(聖徳大学通信教育部)2023
参考図書
『改訂9版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト』
評価の要点
①段落、見出し、起承転結(序破急)などレポートの形式が整っていること。論点が明確で読みやすいこと。
②課題の背景を正しく理解し、問われていることを把握してレポートすべき内容を整理してあること。
③参考資料は自分の言葉で要約し、自分独自の考えを含めて解答すること。独自性を評価する。
評価方法と採点基準
①2題のレポート課題に合格後、科目終了試験を行い、それらの内容・成績で評価する。
②解答が極端に狭い範囲に限定されていないなど、内容の幅と深さのバランスにも配慮してあること。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
配布のテキストは各種の情報を元に作成、データを更新しているが、環境問題は変化が速い。よって、インターネットを活用して最新情報を収集すること。
YouTubeの動画は、文字情報のテキストと異なる利点があるので適切な検索用語を入力し、大いに活用すること。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
再生可能エネルギーについて説明し、その中であなたが特に注目する再生可能エネルギーについて意見を述べよ。
第2課題
第1設題
海洋プラスチックごみの問題点を幅広い視点で説明し、あなたが考える対策について述べよ。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
はじめに Ⅰ.環境と持続可能性 人口の増加と産業の発展が環境に及ぼす影響、有限な地球、エコロジカル・フットプリント、持続な可能な開発目標(SDGs)を学習する。 |
環境問題の全容、重要性、SDGsなどがわかる | スライド番号9~41 | |
Ⅱ.地球の誕生と地球の構造 宇宙・地球・生命の誕生とその歴史、プレート・マントル・コアの地球の内部構造、対流圏・成層圏などの地球の上空を学習し、環境との関連を知る。 |
地球や生命の誕生と歴史、地球の内部構造と上空がわかる | スライド番号42~62 | |
Ⅲ.地球環境問題 1 これまでに学んだ化学・生物などの理科の復習をしながら、各種の地球環境問題を学習する。地球温暖化の現状・原因・対策等を把握する。 |
地球温暖化の問題を中心に環境問題全般と世界的の取組みがわかる | スライド番号63~81 | |
Ⅲ.地球環境問題 2 オゾン層の破壊・海洋汚染・森林破壊・砂漠化の各環境問題について現状・原因・対策を学習し、科学的な思考力を高める。 |
個々の環境問題を理解して、日常生活を環境面から見直す | スライド番号81~92 | |
Ⅳ.地球環境問題に対する世界の取り組み 世界の取り組みの流れ、国・自治体・事業者・市民の役割、IPCC第6次評価報告書の内容を学習する。 |
企業・市民等の役割分担、IPCCの報告書がわかる | スライド番号93~131 | |
Ⅴ.地球温暖化、気候変動、気候危機 温暖化のメカニズム、CO2の温室効果、CO2の発生と吸収、異常気象・海水面の上昇・生態系・農業生産への影響を学習する。 |
温暖化のメカニズム、CO2の温室効果がわかる | スライド番号132~164 | |
Ⅵ.省資源と低炭素社会の構築 省資源、Reduce・Reuse・Recycleの3R運動、容器包装リサイクル法、都市鉱山及び低炭素社会の実現とその方策を学習する。 |
3R運動、リサイクル法、低炭素社会がわかる | スライド番号165~205 | |
Ⅶ.エネルギー、資源 化石燃料・非在来型化石燃料、各種の再生可能エネルギー及び将来が期待される新エネルギー(水素・アンモニア・合成燃料・核融合発電等)を学習する。 |
再生可能及び将来期待のエネルギーがわかる | スライド番号206~254 | |
Ⅷ.水と環境問題 地球上の水量、上下水道、水の汚染、湿原・干潟の保全(ラムサール条約)、霞提等の自然と共存する河川の治水対策を学習する。 |
水の希少性、上下水道、湿原や干潟の役割がわかる | スライド番号255~281 | |
Ⅸ.生物多様性の保全 1 アマゾン・シベリアなどの世界の森林の減少状況、森林破壊の影響(二酸化炭素の吸収量の減少や森林からの排出量の増加)を学習し、森林の重要性を認識する。 |
森林減少状況と森林破壊の影響、熱帯林の現状がわかる | スライド番号282~290 | |
Ⅸ.生物多様性の保全 2 生態系の仕組み、生物多様性、生態系サービス、生物多様性の保全、レッドリスト・レッドデータブック等生物多様性を学習し、生物多様性の重要性を理解する。 |
生態系サービスなど生物多様性の重要性がわかる | スライド番号291~307 | |
Ⅹ.化学物質と環境問題 1. 環境中の化学物質の危険性、レイチェル・カーソンの功績、生物濃縮、有害な化学物質を学習する。化学物質の知識を深めて安全な環境を守る。 |
環境ホルモン等の化学物質の危険性がわかる | スライド番号308~333 | |
Ⅹ.化学物質と環境問題 2. 化学物質の危険性、アトピーや喘息等の化学物質過敏症、重金属による土壌汚染、マイクロプラスチックによる海洋汚染を学習し、化学物質が環境に及ぼす影響を理解する。 |
化学物質過敏症、土壌汚染・海洋汚染がわかる | スライド番号333~340 | |
Ⅺ.公害防止と環境保全 四大公害事件、典型7公害の現状、ハイテク汚染、アスベストによる健康被害、環境権・環境基本法・環境アセスメントの法制度を学習する。 |
公害と環境の過去・現在、環境保全制度がわかる | スライド番号341~357 | |
Ⅻ.大気汚染と都市の環境問題 硫黄酸化物・窒素酸化物・浮遊粒子状物質・揮発性有機化合物の環境基準の達成状況、微小粒子状物質、光化学スモッグ、ヒートアイランド現象、松戸市の環境を学習する。 おわりに |
全国の大気汚染、松戸市の環境状況がわかる | スライド番号358~387 | |
試験 |