最終更新日:2025年1月16日
Q014
児童発達評価論
学校における一般的な教育評価と特別なニーズの児童生徒のアセスメントの方法単位条件
通信 2単位教員
この科目は「学校心理士」の資格取得に必要な科目(5.心理教育的アセスメント領域)です。
履修条件
なし
到達目標
テキストによる学習を通して、①一般的な教育評価についての重要事項(絶対評価と相対評価、形成的評価と総括的評価、個人内評価など)、②学級・学校のアセスメントについての重要事項(学級風土や学級の居心地のよさなど)、②特別なニーズのある児童生徒のアセスメントについての重要事項(WISC-Ⅳ等による認知面のアセスメント、KABC-Ⅱ等による認知や学力のアセスメントなど)を習得する。〈ディプロマポリシーとの関連性〉
1)児童について多角的に考察(ここでは心理・教育的アセスメント)することができる能力・態度を身につける。
2)児童教育学・児童心理学にまたがる専門知識(ここでは教育評価)を習得している。
学習成果
(1)一般的な教育評価についての重要事項を述べることができる。
(2)学級・学校のアセスメントの重要性を述べることができる。
(3)特別なニーズのある児童生徒のアセスメントにおける代表的な検査の活用法の基礎的な事項を述べることができる。
テキスト教材
基本文献
1.橋本重治原著・応用教育研究所改訂版編集『教育評価法概説』(図書文化)2003
2.上野一彦他責任編集『特別支援教育の理論と実践(第3版)Ⅰ概論・アセスメント』(金剛出版)2018
参考図書
参考文献
田中耕治編『よくわかる教育評価〔第2版〕』(ミネルヴァ書房)2010
評価の要点
レポート作成にあたっては、基本文献1で、学校における教育評価と、知能検査など学童期に用いられる各種検査の基礎事項を読み、それに基づいてレポートを1本作成します。その後、基本文献2で、発達障害のある子ども達の特性を理解したうえで、学習に困難を示す子どもを対象にするような認知や学力のアセスメントについてレポートを1本作成します。レポートでは、基本文献のどの頁を引用したかを本文中に明らかにしてください。他の文献を利用しなくてもよいですが、した場合は、当然、引用の出典を明らかにしてください。
評価方法と採点基準
レポート課題に合格した後、科目終了試験を受験し、その評価が60点以上であれば単位の認定となります。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
テキストを1章ずつ読み進めていく形でシラバスができています。15時間をまんべんなく割り振って学習していきましょう。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
小学校、中学校、高等学校のいずれかの教科のいずれかの単元における指導目標を整理し、それにしたがってペーパーテストを作成しなさい。図表を用いてもよい。そしてそのテストは、どのような手法を利用しているか(客観式や論文体など)、なぜそのようにしたか、また、どのような観点でどのようなつまずきが予想されるかなど、そのテストを実態把握に利用する方法について説明もしなさい。また、基本文献の文章を必ず引用し、その引用部の後ろに(基本文献1、○頁参照)などと、引用部を明らかにしてください。
第2課題
第1設題
基本文献2のB-4の学力アセスメントについて、重要な点を落とさずに要約しなさい。また、用語の説明など、その章に書いていないことも書き足して下さい。図表は入れず、文章のみで作成すること。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
教育評価の意義と歴史 教育評価の機能、目的を理解し、その変遷について学ぶ。 評価・測定・アセスメントといった用語の意味を捉える。 |
教育評価の歴史や関連用語について知識を得る。 | 基本文献1・第1章 | |
教育評価の領域と手順 教育評価の手順と方法について、概観する。 |
教育評価のための様々な手段について知識を得る。 | 基本文献1・第2章 | |
絶対評価と相対評価 絶対評価と相対評価のそれぞれの長所と短所を知る。 |
絶対評価と相対評価の差異を説明できる。 | 基本文献1・第3章 | |
資料収集のための技法(1)テスト法 客観テスト、論文体テスト、問題場面テストなどテスト法の種類を概観する。 |
各テスト法の長所や短所を説明できる。 | 基本文献1・第4章 | |
資料収集のための技法(2)教師自作テストと標準検査 集団基準準拠と目標基準準拠の標準検査の作り方と結果解釈法の基礎知識を得る。 |
各方法の長所や短所を説明できる。 | 基本文献1・第5章 | |
資料収集のための技法(3)観察法・評定法その他 観察法、評定法など、ペーパーテストでない資料収集の種類を知る。また、学級のアセスメントに通ずる人間関係の把握の方法も知る。 |
各方法の長所や短所を説明できる。 | 基本文献1・第6章 | |
学習評価の手順真 診断的評価・形成的評価・総括的評価の違いと使い分けについて具体例をもとに整理する。 |
各評価法の位置づけを説明できる。 | 基本文献1・第7章 | |
学習評価の実際 観点別評価の原理と方法について、具体例を通して学ぶ。 学業不振や学習障害の判断の方法についての基礎知識を得る。 |
観点別評価の原理と方法について説明できる。 | 基本文献1・第8章 | |
知能・適性の評価 知能検査・適性検査の代表的なものについての基礎知識を得る。 |
知能検査・適性検査の基礎知識を得る。 | 基本文献1・第9章 | |
性格・行動・道徳の評価 性格検査法や行動・道徳の評価法の基礎的な知識を得る。 |
性格・行動・道徳についても評価できることを知る。 | 基本文献1・第10章 | |
発達障害の理解 通常学級における発達障害のある児童の特性について概要を知る。また医療が教育に提供できることとできないことを整理する。 |
発達障害の基礎知識を得る。 | 基本文献2・A-1〜A-3 | |
発達障害児の心理教育的アセスメントの目的 発達障害児を理解し、よりよい支援をするため心理教育的アセスメントをどう進めていくか、目的・プロセス・倫理について整理する。 |
心理教育的アセスメントの重要事項を知る。 | 基本文献2・B-1、B-5 | |
知能検査の概要 WISC-Ⅳ知能検査に関する用語、特に指標得点の意味について知る。 WISC-Ⅳ知能検査の各下位検査の測定している能力について知る。 |
WISC-Ⅳ知能検査の概要に関する知識を得る。 | 基本文献2・B-2 | |
知能検査結果解釈の基礎 WISC-Ⅳ知能検査の結果解釈の流れと留意点について知る。 |
WISC-Ⅳ知能検査の結果解釈に関する知識を得る。 | 基本文献2・B-2 | |
心理検査の活用-知能検査と学力検査等の組み合わせ 知能検査と学力検査、行動観察や背景情報を組み合わせて総合解釈し、指導方針を立てるまでの流れを整理する。 |
包括的なアセスメントの方法の概略を知る。 | 基本文献2・B-4、B-5 |