最終更新日:2025年2月1日

1年次入学生:- 3年次編入学生:- 短期大学部:2年
短期大学部 保育科

N177

教育制度論

教育法規から学ぶ教育制度

単位条件

通信 2単位

教員

中村 裕

履修条件

なし

到達目標

1.教育制度に関する基礎用語の意味、概念を理解する。
2.日本における教育制度について広く学び、その特徴を理解する。
3.日本の教育制度における教育課題について学び、それに対する自分の考えを持つ。
4.以上を通じて、日本の教育制度に関する知識を習得し、保育者としての基礎能力を身につける。

学習成果

1.教育制度に関する基礎用語の意味、概念について簡単な説明ができる。
2.日本の教育制度に関する法規について簡単な説明ができる。
3.日本における学校制度の概要を理解しその課題について述べることができる。
4.日本における教育行財政制度の概要を理解しそれに対する自分の考えを述べることができる。
5.設定された課題についてレポートの問いへ回答することができる。

テキスト教材

藤井穂高 ・滝沢潤 (編著)『教育法規・教育制度・教育経営 (新・教職課程演習)』協同出版

参考図書

参考図書の指定はしません。ただし、教育に関する著作は、すべて教育制度との関わりを持ちます。今日の教育制度の問題を知る上であらゆるメディアにおける情報は有用です。適時目を配り教育制度について考える糧としてください。

評価の要点

成績評価は、科目終了試験の評点をもとに行います。その要点は、テキストの学習を通じて、受講生が、上記の到達目標を達成できたか否か、具体的には、教育制度や学校制度に係る基礎用語の意味、概念を十分理解できたか否かです。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価します。
成績評価は、科目終了試験の評点をもとに行います。受験資格は、レポート課題に合格した者へ与えられます。
レポート課題は、テキストの重要事項に関する空欄補充です。レポート課題の評価は本科目の成績には反映されません。
科目終了試験は、レポート課題をより高度に設定した内容から構成されます。出題形式としては、空欄補充問題が中心となります。答案は、何度目の受験であっても初回と同じ基準で採点します。合格時の評点がこの科目の評価になります。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

テキストを繰り返しよく読むことを心がけてください。読みながら、自分の使いやすいように印をつけたり、関連文献を調べてみて分かったことをテキストに書き込んだりするといいでしょう。そのようにして、自分だけのテキストを作りながら勉強を進めます。試験に備えての勉強は、レポートで問われた事項を中心に、テキストをより深く読み込み、日本における教育制度や学校制度の基礎やそれをめぐる課題へ照準を合わせるとよいでしょう。

レポート課題

提出数 2

第1課題

Web提出可解答用紙あり

第1設題

下の括弧に当てはまる用語を指定用紙に記入しなさい。用語についてはテキストに準拠して記すこと。また、必ず該当するテキストのページも記すこと。

・日本国憲法は、すべての人間が生まれながらにして有する基本的人権を国民に保障することを明文化している。国民の教育を受ける権利は第( ① )条において国民の基本的人権の一つとして規定されている。
・法律主義のもと制定された( ② )法は、憲法により教育のあり方の基本を定めることに代えて、日本の教育および教育制度全体を通じる基本理念と基本原理を宣明している。
・日本における成文法相互の効力を支える基礎原則として、形式的効力(上位法)優先の原則、護法優先の原則( ③ )優先の原則がある。
・児童の権利に関する条約(こどもの権利条約)は、第( ④ )条第1項において「締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成する」とし、初等教育の義務無償などを定める。
・日本国憲法における「教育を受ける権利」の意義づけについて、一般に( ⑤ )説、生存権説、公民権説の③説が挙げられる。
・2016年に制定されたいわゆる教育機会確保法は、( ⑥ )児童生徒の教育機会の確保など、普通教育を十分に受けていない者に対する支援等を総合的に推進することを目的としている。
・教育の義務性について、日本の教育法制における義務の担い手は保護者、地方自治体、事業者であり、子ども自身は教育を受ける( ⑦ )を負わない。
・日本における教育の無償制の範囲について、教育基本法は国公立義務教育諸学校における( ⑧ )の無償を定めている。
・日本国憲法、教育基本法に定められる教育の中立性として、具体的には( ⑨ )における中立性という三つが挙げられる。
・日本の学校体系は、戦前の系統性が強固な複線型学校体系から、すべての者が同じ学校系統に就学・進学し得る( ⑩ )型学校体系へ移行した。
・1945年の終戦後、日本における公教育の原理的な転換が図られた。1947年に、日本国憲法、教育基本法とともに、これらの理念を学校教育制度において実現すべく( ⑪ )法が制定された。
・幼児教育について、2015年に( ⑫ )新制度が開始された。この新制度のもとでの主たる幼児教育・保育の担い手は、幼稚園、保育所、( ⑬ )、( ⑭ )保育の四つである。
・義務教育として行なわれる普通教育の目的について、教育基本法第5条第2項は、個人の能力の伸長、社会における自立性の基礎の育成、「( ⑮ )の形成者として必要とされる基本的な資質を養うこと」を定める。
・2016年に一条校へ加えられた( ⑯ )学校は、「心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施すこと」を目的とする(学校教育法第49条の2)。
・( ⑰ )校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする(学校教育法第72条)。
・学校教育法第3条は、「学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない」と定める。これはいわゆる( ⑱ )基準であり、学校設置に最低限必要な基準とされる。
・学習指導要領は、学校の教育課程の基準として文部科学大臣が告示する。今日その法的性格は、大綱的基準であるとともに( ⑲ )基準でもあると解されている。
・教科書は、文部科学大臣の( ⑳ )を経た教科用図書または文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を指す。

第2課題

Web提出可解答用紙あり

第1設題

下の括弧に当てはまる用語を指定用紙に記入しなさい。用語についてはテキストに準拠して記すこと。また、必ず該当するテキストのページも記すこと。

・学校教員は,免許法により授与される各相当の免許状を有する者でなければならず,いわゆる「( ① )主義」が採られている(免許法第3条第1項)。当該主義が採られている趣旨は,教職の専門性に由来する。
・日本の教員養成は主に大学で行なわれている。この養成は、教員養成系大学や教育学部だけでなくその他の大学や学部においても可能である。これは教員養成の( ② )制という。
・公立学校の教員採用は、都道府県または指定都市教育委員会により競争試験ではない( ③ )として行なわれている。
・教員の研修のうち、法令上の実施義務が課せられるものを法定研修という。具体的には、「( ④ )研修」と「中堅教諭等資質向上研修」が該当する。
・公立学校教員の服務上の義務について、勤務時間を拘束する職務上の義務と、勤務時間外も拘束する( ⑤ )上の義務がある。後者には、信用失墜行為の禁止や、政治的行為の制限などが含まれる。
・学校経営について、学校教育法第37条が「( ⑥ )は、校務をつかさどり、所属職員を監督する」と定めるとおりその主体は⑥である。
・学校組織は、狭義には教職員が協力して共通の目標を達成するために学習指導や生徒指導などを行う組織である。近年では、学校の教職員だけでなく、( ⑦ )や地域住民も含めて学校組織と捉えられることが多い。
・学校安全の領域は、「生活安全」、「交通安全」、「( ⑧ )安全」の三つに分類される。学校安全は、児童生徒等の安全を確保するための環境を整えるだけでなく、児童生徒等が自ら安全に行動し他者や社会の安全に貢献できる資質能力を育成することも含まれる。
・地方教育行政の組織及び運営に関する法律に根拠をおく( ⑨ )は、保護者や地域住民から構成され、校長が作成する学校運営の基本方針を承認すること、学校運営に関する意見を教育委員会又は校長に述べること、教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることを主たる役割とする。
・国の教育行政を担う中心組織である文部科学省は、教育の振興、( ⑩ )の推進、学術の振興、科学技術の総合的振興、スポーツ・文化に関する施策の総合的推進、宗教に関する行政事務の履行などを任務とする。
・( ⑪ )は、教育基本法第17条の規定に基づき、教育の振興に関する施策の総合的で計画的な推進を図るため、教育の振興に関する施策についての基本的な方針および講ずべき施策などついて政府が定めなければならない基本的な計画である。
・1948年に成立した教育委員会法により、戦前の国家主義的・中央集権的教育行政を改革し、教育行政の民主化・地方分権化と、一般行政からの独立を実現する具体的組織として教育委員会が成立した。しかし、この仕組みは奏功せず、1956年に教育委員会法は廃止された。今日の教育委員会制度は、同年に制定された( ⑫ )を根拠とする。
・2015年の法改正による教育委員会制度の変革の一つに、首長と教育委員会が教育政策について協議・調整する「( ⑬ )」を全地方自治体に設置することがある。
・従来、多くの自治体において教育委員会が通学区域を設定し、保護者・子どもへ指定している。この就学先指定の原則のもとで、保護者の意見を参照して市町村教育委員会が子どもの就学校を指定することを広義の( ⑭ )制という。
・日本の教育財政は、一般財源から予算化された後、配分・支出する機能が一般的になっている。これに対して、教育の質的向上に係る教育財政の財源に充てる目的税として「( ⑮ )税」を制度化する国もある。
・日本では、憲法に定められる地方自治の原則に基づき、学校に係る経費は、法令に特別な定めのある場合を除いて、学校の設置者が負担することになっている。これを「( ⑯ )」主義という。
・2014年から導入された( ⑰ )制度は、2020年に新たなシステムに変更された。具体的には、年収590万円未満世帯の私立高等学校在籍者への支給額が引き上げられ、私立高等学校の無償化がなされた。
・「生涯学習」という言葉は、1965年にユネスコ本部が開催した「成人教育推進国際委員会」において「( ⑱ )」によって提唱された概念に端を発すとされる。
・戦前戦後の社会教育の変化について、釈迦教育関連法規は、第一に、社会教育の主体が政府ではなく( ⑲ )であること、第二に、⑲に社会教育を行う自由が与えられたことを示す。
・社会教育は、社会教育法のほか、( ⑳ )第12条でも規定されている。

備考・補足

← 表が横スクロールします →

授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
テキストの序文、第1章Q1~Q3を読み、教育制度を支える教育法規の基本について学ぶ。                                                                                                                                        読解力 序文、PP.8-19.
テキスト第1章Q4~Q6を読み、人間の、特に子どもの教育を受ける権利の保障について学ぶ。 読解力 pp.20-29.
テキスト第1章Q7~Q11を読み、教育制度を支える基礎原理について学ぶ。 読解力 pp.30-46.
テキスト第2章Q12~Q16を読み、学校制度の基礎ならびに幼児教育制度・義務教育制度について学ぶ。 読解力 pp.48-69
テキスト第2章Q17~Q22を読み、義務教育後の教育制度について学ぶ。 読解力 pp.70-89.
テキスト第2章Q23~27を読み、学校制度を支える諸基準について理解を深める。 読解力 pp.90-106.
テキスト第3章Q28~Q32を読み、教育内容行政について学ぶ。 読解力 pp.106-128.
テキスト第4章Q33~Q35を読み、教員の養成・採用制度について学ぶ。 読解力 pp.130-141.
テキスト第4章Q36~Q39を読み、教員の研修・評価制度ならびに教員の職務について学ぶ。 読解力 pp.142-158.
テキスト第4章Q40~42を読み、教員をめぐる近年の動向について学ぶ。 読解力 pp.159-167.
テキスト第5章Q43~Q46を読み、学校経営および学校組織について学ぶ。 読解力 pp.170-175
テキスト第5章Q47~Q49を読み、学校の管理やその近年の動向について学ぶ。 読解力 pp.176-187.
テキスト第6章Q50~Q54を読み、教育行政制度の基礎について学ぶ。 読解力 pp.190-205.
テキスト第6章Q55~Q58を読み、教育財政制度の基礎について学ぶ。 読解力 pp.206-218.
テキスト第7章Q59~Q62を読み、社会教育・生涯学習制度について学ぶ。 読解力 pp.220-235.
試験
15回の授業終了後、総復習としての科目終了試験があります。