最終更新日:2025年2月21日
K018
英語科教育法Ⅰ
「教える」を学ぶ ー 英語教師への第一歩単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
英語教師としての基礎力を養い、効果的な指導の土台を築く。本講義では、英語教育の理論と実践を結びつけ、指導者として必要な知識とスキルを身につけることを目指す。受講生は、授業設計や教室英語の基礎を学び、英語を「教える」視点を養う。
学習成果
本講義を通じて、受講生は以下の能力を身につけ、英語教師としての基礎的な知識と視点を養い、実践への第一歩を踏み出す。
1)英語教育の意義と役割を理解し、効果的な指導とは何かを考えられるようになる。
2)英語を学ぶ目的や指導者としての責任を意識し、学習者の成長を支える姿勢を養う。
3)学習指導要領の基礎を把握し、英語教育の方針や目標を具体的に理解した上で、4技能5領域(speaking [interaction & presentation], writing, reading, listening)を統合した授業展開の基礎を理解する。
4)英語教育の最新の動向を知り、指導に必要な知識を身につける。
5)学習者の視点に立った指導を意識し、多様な学習者のニーズを理解し、かつ彼らの困難を予測し、適切なサポートのあり方を考えられる。
テキスト教材
望月昭彦・久保田章・磐崎弘貞他『新学習指導要領にもとづく英語科教育法第3版』(大修館書店) 2018
参考図書
川崎芳人他『総合英語Evergreen』(いいずな) 2017
金谷憲(編)『英語授業ハンドブックDVD付き』(中学編・高校編あり)(大修館) 2009
文部科学省『学習指導要領(英語編)』(中学校・高校あり) 平成29年3月告示
評価の要点
・教科書を読むことで、教室内タスクの背景にある理論・目的を理解していること。
・メタ言語を使っての説明(いわゆる文法説明)と共に、実践力の基礎となる英語発信力(特にレポートにおけるwriting)も考慮する。
・受講生が自分の強みや課題を理解できるよう、具体的なフィードバックを提供する。
評価方法と採点基準
レポート課題に合格後、科目終了試験を受験して、その評点に基づき評価します。
S: 90点以上の特に優秀な成績
A: 80点から89点の優れた成績
B: 70点から79点の中程度の成績
C: 60点から69点の合格最低限の成績
D: 60点未満は不合格
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
(1)レポートにおいては本授業の教科書の内容に沿った解答が求められます。
(2)実習における辞書を使った語彙指導を前提に、レポート作成においても英語辞書を適切に参照してください。
(3)剽窃(AI作成文章を含む)によるレポート提出は不可です。
レポート課題
提出数 2第1課題
レポート課題を作成する際、次の点に注意すること。
(1)原則としてWebで提出すること。
(2)教科書の関連章に沿った内容で解答すること。
第1設題
1) 語彙コロケーションと文法的コロケーションとは何かを、次の設問(2)の文章の単語以外を例に挙げて簡潔に定義してください。
第2設題
2) 以下の文章を読み、設問に答えて下さい。
To Our Future Generations
On March ll, 20L2, there was a special violin performance in the city of Rikuzentakata. The audience listened closely to the sound of the violin. Some people were in tears. That violin was very special to everyone there. It was made by Nakazawa Muneyuki, a famous violin maker. After the Great East Japan Earthquake hit Japan in 20L1, he wondered how to help as a craftsperson. Then he came up with an idea. It was to make violins from driftwood of the disaster.
Though it was not easy to make a violin from driftwood, Nakazawa created some beautiful violins. They have a gentle sound with the power to heal people. They have been passed around to many musicians. More than 500 musicians have played the violins so far. Millions of people have listened to them at concerts or on TV not only in Japan, but also around the world.
“I want our future generations to play the violins, too,” said Nakazawa. “I want them to pass on the memories.”
(New Horizon III, p. 117)
設問:要約や再話を前提とした場合、重要と思われるコロケーションや定型表現を全部で8個(分類不要)を抜き出し、その日本語訳も付けて下さい。その場合、動詞句は不定形(=原形)で示し、文法的コロケーションには、記号ABCを使用してください (ABは目的語となる名詞に用い、Cは補語に使用)。表現によっては語彙コロケーションとも文法的コロケーションとも解釈できますから、より適切な方で提示してください(通常は語彙コロケーションとしての提示が有効)。
例:use a dictionary 辞書を引く、be interested in A (Aに興味を持っている)、seem C(Cのように見える)
第3設題
3) Focus on Form, Focus on FormS, Focus on Meaningの違いを簡潔にまとめなさい。
第4設題
4) 「情報格差を利用したタスク」とは何かを説明し、それがコミュニケーションとどのようにつながるかについても言及しなさい。
第2課題
レポート課題を作成する際、次の点に注意すること。
(1)原則としてWebで提出すること。
(2)次のビデオを見た上で解答すること。
「授業ココミテ!中2英語/宇佐市立西部中学校 後藤 知子 指導教諭」
第1設題
本ビデオはリスニングを主体とした授業内容で、そのポイントは以下です。
1) 目的を持たせた上での聞く活動の展開
2) 複数の単元を通した聞くことの指導
3) 学習者用デジタル教科書の効果的な活用
設問:上記3つのポイントは具体的にはどうことで、授業内でどのような工夫がなされているかを説明しなさい。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
オリエンテーションと第1章 英語教育の現状 | 本科目の概要(教科書、課題、成績評価基準など)、英語教育の現状 | 予習(60分):シ ラバスの確認、および第1章 | |
第2&3章 英語の国際化と学習指導要領 | 英語の国際化の背景理解と新学習指導要領のポイント | 予習(60 分):第 2&3章 | |
第4&5章 学習者と英語教員 | 学習者要因の理解と教師に求められる資質の理解 | 予習(60 分):第 4&5章 | |
第6&7章 小学校英語教育と英語教授法 | 小学校英語教育開始の波形、Focus on Formの理解 | 予習(60 分):第 6&7章 | |
第8章 第二言語習得と英語教育 | 第二言語習得理論の理解 とその意義 |
予習(60 分):第 8章 | |
第9章 コミュニケーション能力の育成 | コミュニケーション能力を構成する下位能力の理解 | 予習(60 分):第 9章 | |
第10章 リスニング指導 | リスニング指導のおけるポイントと同化現象 | 予習(60 分):第 10章 | |
第11章 スピーキング指導 | スピーキングのおける対話と発表 | 予習(60 分):第 11章 | |
第12章 リーディング指導 | リーディングにおけるプロセスの理解とその指導 | 予習(60 分):第 12章 | |
第13章 ライティング指導 | 第二言語習得理論の理解 英語教師としての素地 |
予習(60 分):第 13章 | |
第14&15章 ティームティーチングと評価 | 効果的なティームティーチング、英語能力の適切な評価方法 | 予習(60 分):第 14&15章 | |
第16&17章 ICTとe-learning、教材研究 | 4技能育成へのICT & AIの活用、教材研究の手法とは何か | 予習(60 分):第 16&17章 | |
第18章 文法指導 | Focus on Formにおける効果的な文法指導とコミュニケーションへの橋渡し | 予習(60 分):第18章 | |
第19章 語彙と辞書指導 | 語彙指導におけるコロケーションの重要性と辞書での検索 | 予習(60 分):第 19章 | |
第20章 授業運営と教育実習 | 教育実習準備と何が求められているか | 予習(60 分):第 20章 | |
筆記試験 |
教科書ならびにレポート課題を通して理解した英語教育に関する問題 | 60分予定 |