最終更新日:2024年6月20日
W005
発達支援場面研究
配慮を要する子どもと「寄り添い、工夫し、専門家と連携する」力の育成単位条件
面接 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
インクルーシブ保育・教育の基礎知識として、事例検討を通して「現場で生きる学び」にすべく次のことを目標とします。
(1)子どもと関わる職種において必要となる、障害等のために配慮を要する子どもに対する理解や支援の基本を理解し、代表的な事例に即して本人・保護者の困り感の解決策を説明できる。
(2)通常の学級に在籍する発達障害やその周辺の幼児・児童の特性に応じた基礎的な教具・教材を作成することができる。
(3)インクルーシブ教育・保育を実現するための、クラス経営や環境構成の方法について、原則的なことを計画できる。
学習成果
事例検討から、具体的に教育・保育の現場での支援方法を学ぶことで、次のような人材育成を目指しています。
(1)配慮を要する子どもやその保護者の困り感に寄り添い、どのような配慮があれば希望する活動が実現できるか共に考える、また、家庭と専門家とのパイプ役になる。
(2)子どもの特性を観察から捉える方法を習得し、その特性に合った遊具・教具・教材や環境構成を実際に工夫し試す。
(3)配慮を要する子どもとその周りの子ども達の間の良好な関係性構築について、専門家の意見も聞きながら、具体的な手立てをPDCAサイクルで実行していく。
テキスト教材
スクーリング科目なので配本をしませんが、次の教材を使用予定です。
テキスト1:聖徳大学特別支援教育研究室『一人ひとりのニーズに応える保育と教育(改訂3版)』(聖徳大学出版会)2023
テキスト2:聖徳大学児童学部児童学科『新しい児童学への招待』(聖徳大学出版会)2022
評価の要点
受講生自身が今後出会いそうな子ども達と捉え、障害児や「気になる子」と言われる子ども達に対してどのように配慮したらよいか、子どもの特性・保護者の願い・教室環境・専門家の意見など幅広い視野から考える癖をつけることが、複数の事例を扱う中でできるようになるかが最も重要な観点です。
評価方法と採点基準
各担当教員の最後に振り返りテスト(授業中に学んだことを記述する)をし、それらの評価を総合して試験に替えます(80%)。
また、授業中の発言など、普段点も考慮します(20%)。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
3日間連続の集中授業となるため、集中授業の前日までの日々に、テキストを読む等の予習をして3日分しておきましょう。授業ではなるべく事例検討(ディスカッション)や実技(手話等)・制作(PCを用いた簡単な教材づくり)等の演習をしたいため、用語についての説明は既に教科書での予習ができているという前提で省略する可能性があります。スクーリングでは、様々な背景のある受講生どうしのディスカッションでとても視野が拡がります。是非楽しく学びましょう。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
特別支援の教育・保育の歴史 | 特別支援教育・保育の歴史についての基礎知識 | 予習20分: テキスト1の第1章を 熟読 | |
障害児のライフステージにおける本人・保護者への支援(就学・進学・就労) | 障害児のライフコースの基礎知識・保護者の願いに寄り添おうとする態度 | 予習10分: テキスト2のp.50-51 を熟読 | |
ことばに困難のある子どもへの具体的支援法1: 言語聴覚士ではないスタッフにできる対象児への支援 |
言語障害児への心理的支援の基本 | 予習15分: テキスト1のp.185- 198を熟読 | |
聞こえに困難のある子どもへの具体的支援法2: クラスメートに教えたい手話等のコミュニケーション手段 |
聴覚障害児への心理的支援の基本 | 予習15分: テキスト1のp.54-61 を熟読 | |
児童発達支援・放課後等デイサービスの実際:専門家による支援を知る | 療育の知識と基本的技能 | 予習20分: テキスト1のp.244- 253、105-107、 テキスト2のp.45を 熟読 | |
発達の遅れや偏りのある幼児への具体的支援法1:障害児保育の基本 | 発達の遅れや偏りのある幼児への支援方法 | 予習15分: テキスト1のp.210- 220を熟読 | |
発達の遅れや偏りのある幼児への具体的支援法2:巡回心理相談の実際 |
発達を支援する他機関・他職種との連携の理解 | 予習10分: テキスト2のp.74を 熟読 | |
インクルーシブ保育の実現の方法1:集団での遊びの工夫 | 周りの子どもと一緒の保育における遊びの工夫 | 予習10分: テキスト2のp.52-53 を熟読 | |
インクルーシブ保育の実現の方法2:保育における環境構成 | 周りの子どもと一緒の保育における環境構成 | 予習15分: テキスト1のp.220- 223を熟読 | |
医療と保育(病棟保育・病児保育・アレルギー対応・医療的ケア等) | 病気や医療的ケアの子どもの保育のあり方 | 予習15分: テキスト2のp.58-63 を熟読 | |
学習面で著しく苦戦する小学生への支援1:子どもの特性理解の方法 | 学習困難児の行動観察による実態把握の方法 | 予習20分: テキスト1のp.226- 235を熟読 | |
学習面で著しく苦戦する小学生への支援2:特性に合わせた教材作成 | 学習困難児の認知面での強い力を活かした教材を考案する力 | 予習15分: テキスト1のp.156- 164を熟読 | |
行動面で著しく苦戦する小学生への支援:応用行動分析の基礎知識 | 応用行動分析の基礎知識を事例に応用する力 | 予習15分: テキスト1のp.167- 170を熟読 | |
小・中学校における合理的配慮(特にICT活用を中心に)と学習のユニバーサルデザイン | 合理的配慮に関する基礎知識・子どもの困り感を共に乗り越えようとする態度 | 予習15分: テキスト1のp.235- 238を熟読 | |
模擬カンファレンス(学習面で著しく苦戦する小学生の保護者や専門家との合理的配慮ミーティングのロールプレイ) | 様々な視点からの意見を幅広く受け入れる協調性と、これまでに学んだことを総動員して問題を解決しようとする課題解決力 | 予習10分: テ キ ス ト1のp.96 、 152を熟読 | |
試験 評価方法と採点基準参照。 |