最終更新日:2024年3月5日

1年次入学生:2年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
文学部 文学科

U191

漢文講読Ⅰ

日本人の愛した詩人、白居易

単位条件

通信 2単位

教員

荒井 礼

履修条件

なし

到達目標

専門的職業人として必要になる、日本の文化に対する知識と能力を身につけることを目標にする。
①漢文に適切な訓点を付け、正確に訓読できるようになること。
②漢文の背景についての知識を応用して、内容理解に繋げられること。
③日本文学と文化に深い影響を与えた白居易について理解を深めること。

学習成果

訓点を適切に施して漢文を訓読し、文章を正しく理解できるようになる。
旧字体と新字体を対応させ、支障なく読解できるようになる。
白居易を通じて中国文化と日本文化の関わりを学び、日本に対して古来から中国文化の与えた影響の深さを理解した上で今後の漢文読解に繋げることができるようになる。

テキスト教材

①川合康三訳注『白楽天詩選』上(岩波文庫)(岩波書店)2011
②川合康三訳注『白楽天詩選』下(岩波文庫)(岩波書店)2011

参考図書

古田島洋介・湯城吉信『漢文訓読入門』(明治書院)2011
岡村繁編『白氏文集』(新釈漢文大系)(明治書院)1988-2018
神鷹徳治『白氏文集は〈もんじゅう〉か〈ぶんしゅう〉か』(游学社)2012
川合康三『白楽天──官と隠のはざまで』(岩波新書)(岩波書店)2010
花房英樹『白楽天 人と思想87』(清水書店)2016
静永健『漢籍伝来 白楽天の詩歌と日本』(勉誠出版)2009
下定雅弘『白楽天の愉悦―生きる叡智の輝き』(勉誠出版)2006

評価の要点

・レポート第1課題では、訓点を正しく付けられるかを評価します。
・ レポート第2課題では、テキスト②巻末の解説や参考書を踏まえた上で、自身の考えを根拠をもって述べられているかを重視します。
その際に、根拠として原典を引いている(白文もしくは書き下し)ことが条件になります。
・科目終了試験では、訓点と白居易の詩の内容について問います。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価します。
・レポート第1課題では、正しく返り点、送り仮名、連続符号が付けられているかを評価します。
・ レポート第2課題では、テキスト②巻末の解説や参考書を踏まえた上で、原典を論拠にして自身の考えを説得力をもって述べられているかを評価します。
・科目終了試験では、書き下しの訓読に従って返り点、送り仮名、連続符号を付ける問題、および白居易の詩の内容と受容について問います。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

・ レポート第1課題にあたっては、テキスト(教科書)の指定ページを用いて行って下さい。漢文訓読法や訓読記号については参考書の『漢文訓読入門』を参照して下さい。

レポート課題

提出数 2

第1課題

課題ごとに提出方法が異なります。第1課題と第2課題は別々に提出してください。


【テキスト①p185〜187・p288のコピーを貼付したもの】
テキストの該当ページをコピーし、解答を記入して、本誌巻頭の「その他のレポート送付について」(巻頭⑥頁)により送付してください。

縦書き手書きのみ

第1設題

テキスト①のp185〜187(李夫人)、p288(琵琶引序)をコピーし、訓読に従って白文に訓読記号と送り仮名を記入しなさい。
ただし、訓読は現代仮名遣いで表記されているため、歴史的仮名遣いに直して記入すること。

第2課題

課題ごとに提出方法が異なります。第1課題と第2課題は別々に提出してください。

横書きパソコン印字可
[1600]

第1設題

テキスト②巻末の解説を参考にして、白居易の詩の流行の理由とそれに対する批判について述べなさい。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
白居易の文学
解説を読み、白居易の受容について学ぶ(レポート2に関係)
白居易の受容の広がりを理解できる テキスト② p.355-369
白居易の作品と表現
解説を読み、白居易の表現の特徴について学ぶ(レポート2に関係)
白居易の受容の広がりを理解できる テキスト② p.369-385
白居易の生涯
解説を読み、白居易の生涯とその時代について学ぶ
白居易の受容の広がりを理解できる テキスト② p.386-406
白居易の作品:新楽府①
新楽府の序と七徳舞を読み、意味を理解する
新楽府の創作意図を理解できる テキスト① p.106-122
白居易の作品:新楽府②
上陽白髪人を読み、意味を理解する(レポート1に関係)
上陽白髪人の風刺を理解できる テキスト① p.126-135
白居易の作品:新楽府③
新豊折臂翁を読み、意味を理解する
新豊折臂翁の風刺を理解できる テキスト① p.144-157
白居易の作品:新楽府④
牡丹芳を読み、意味を理解する
牡丹芳の風刺を理解できる テキスト① p.171-180
白居易の作品:新楽府⑤
売炭翁を読み、意味を理解する
売炭翁の風刺を理解できる テキスト① p.180-185
白居易の作品:新楽府⑥
李夫人を読み、意味を理解する
李夫人の風刺を理解できる テキスト① p.185-193
白居易の作品:新楽府⑦
采詩官を読み、意味を理解する
新楽府の創作意図を理解できる テキスト① p.207-213
白居易の作品:友を思う
「初与元九別後」詩および「八月十五日夜」詩、夢微之を読み、親友の元稹との交際を考える
元稹を思う白居易の信条を読み解ける テキスト① p.230-241
白居易の作品:琵琶引①
琵琶引の序を読み、内容を理解する
琵琶引の内容を理解できる テキスト① p.288-290
白居易の作品:琵琶引②
冒頭から「唯見江心秋月白」までを読み、内容を理解する
琵琶引の内容を理解できる テキスト① p.290-297
白居易の作品:琵琶引③
「沈吟放撥挿絃中」から「夢啼粧涙闌干」までを読み、内容を理解する
琵琶引の内容を理解できる テキスト① p.297-301
白居易の作品:琵琶引④
「我聞琵琶已嘆息」から末尾まで、および解説を読んで内容を理解する
琵琶引の内容を理解できる テキスト① p.301-307
試験