最終更新日:2024年2月26日
U160
国際関係論
欧米の国際秩序・日本の国際秩序単位条件
通信 4単位教員
履修条件
なし
到達目標
豊かな文化的教養と人間性、専門的職業人として活躍する能力を身に付けるために、「欧米の国際秩序」と「日本の国際秩序」の理解を目標とする。
学習成果
1.「欧米の国際秩序」については1均衡・協調・共同体の三つの秩序、2近代ヨーロッパの国際秩序、3世界戦争の時代、4グローバル化時代の国際秩序を理解できる。
2.「日本の国際秩序」については1明治維新後の外交理念、2帝国主義国家の誕生、3大陸国家への道、4日中戦争の思想、5太平洋戦争への道を理解できる。
テキスト教材
細谷雄一『国際秩序』(中公新書)
入江昭『日本の外交』(中公新書)
参考図書
藤原帰一『新編 平和のリアリズム』(岩波現代文庫)
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)
評価の要点
1.教科書を正確に、論理的に理解する
2.ポイントを押さえて、専門用語を使いこなし、端的に説明する
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価する
「レポート」は課題内容を正確に理解し、条件を押さえて、論理的に整合的な記述かを評価する。テキストを丸写ししただけのレポートが散見されるが、この場合は添削や評価の対象とはならない(再提出のD判定)。「科目終了試験」は設題を正確に理解し、ポイントを押さえて、過不足なく、論理的に整合的な答案かを評価する。どちらの場合も、専門的職業人として活躍する能力を身に付けているかが評価される。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
今や日本を取り巻く状況は不安定になる一方であり、履修を通じて報道に対して自らの見識を養うことを心掛けたい
レポート課題
提出数 4第1課題
第1設題
18世紀欧州の国際秩序の特徴を「均衡の体系」の考え方を用いて説明しなさい。
第2課題
第1設題
「ウィーン体制」を「均衡の体系」と「協調の体系」の考え方を用いて説明しなさい。
第3課題
第1設題
日露戦争までの日本外交の目標と進め方の特徴を述べなさい。
第4課題
第1設題
真珠湾攻撃を決定するに至った出来事と、それが起きた根拠を述べなさい。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
序章 国際秩序を考える:「勢力均衡論」と「勢力均衡論批判」の論争 近代ヨーロッパの歴史 国際秩序の基本概念 |
近代ヨーロッパの歴史での国際秩序、国際秩序の基本概念を理解できる | 序章 3〜31ペー ジ(1時間) | |
第1章ー1 均衡の体系:トマス・ホッブズの「自然状態」、「勢力均衡」 | トマス・ホッブズの「自然状態」、「勢力均衡」の考え方を理解できる | 第1章-1 34〜 54ページ(1時間) | |
第1章-2 協調の体系:「商業的社交性」の精神 | 「商業的社交性」の精神に基づく「協調」の秩序原理を理解できる | 第1章 -254〜 68ページ(1時間) | |
第1章ー3 共同体の体系:「世界市民主義」 「グローバル・コミュニティ」 |
「世界市民主義」に基づく「平和連合」の秩序原理を理解できる | 第1章 ー368〜 86ページ(1時間) | |
第2章ー1 勢力均衡の成立ー18世紀の国際秩序:勢力均衡の黄金時代 5大国が作る秩序、フランス革命戦争とナポレオン戦争 |
「協調なき均衡」としての18世紀の国際秩序を理解できる | 第2章ー1 89〜 115ページ(1時間) | |
第2章ー2 均衡による協調ーウィーン体制①:「力の均衡」と「正当性」の原理、欧州の文化的紐帯 | 安定した勢力均衡の基礎の上に立つ「ヨーロッパ協調」を理解できる | 第2章 ー2 115 〜137ページ(1 時間) | |
第2章ー2 均衡による協調ーウィーン体制②:「協調の体系」の崩壊 | 「協調の体系」の崩壊のプロセスを理解できる | 第2章 ー2 137 〜143ページ(1時間) | |
第2章ー3 協調なき均衡ービスマルク体制:国益と軍事力 | 国益と軍事力に従う「コンサートなき均衡」を理解できる | 第2章 ー3 143〜 164ページ(1時間) | |
第3章ー1 国際秩序のグローバル化:パワーバランスの変化 | 「新興国」の急速な台頭による国際秩序の質的変化を理解できる | 第3章 ー1 165〜 188ページ(1時間) | |
第3章ー2 秩序の挫折ー二度の世界大戦:「ヨーロッパ協調」の終焉 | 「ヨーロッパ協調」の終焉,「勢力均衡」から「国際共同体」への移行を理解できる | 第3章 ー2 188〜 218ページ(1時間) | |
第3章ー3 リベラルな秩序の成立ー大西洋の時代:「英語諸国民」を中核とし た国際秩序 |
「英語諸国民」を中核とした国際秩序を理解できる | 第3章 ー3 218〜 252ページ(1時間) | |
第4章ー1 恐怖から希望へー冷戦期の国際秩序①:ハルマゲドンにおびえる恐 怖の時代 |
ハルマゲドンにおびえる恐怖の時代での「長い平和」を理解できる | 第4章 ー1 253〜 276ページ(1時間) | |
第4章ー1 恐怖から希望へー冷戦期の国際秩序②:「新しいヨーロッパ」の誕生 | 「欧州共同体」の成立、ベルリンの壁崩壊以降の政治変動を理解できる | 第4章 ー1 276〜 293ページ(1時間) | |
第4章ー2「新世界秩序」の夢と挫折:湾岸戦争、「勢力均衡」への回帰9・11テロ | 「文明の衝突」が生み出す現実を理解できる | 第4章 ー2 293〜 319ページ(1時間) | |
第4章ー3 太平洋の世紀:日米中トライアングル | 国際政治の中心が大西洋から太平洋に移ることを理解できる | 第4章 ー3 319〜 342ページ(1時間) | |
序章 大国日本の苦悩:勝利の悲哀、外交原則の探求 | 国際環境の変化の下での日露戦争の勝利が生み出した日本外交の悩みを理解できる | 序章 2〜13ページ(1時間) | |
第1章 近代日本外交の源流:日本人の眼に映った欧米、近代化への努力 | 明治日本の抱いていた国際社会のイメージとそれに向けた近代化の努力を理解できる | 第1章 14〜29 ページ(1時間) | |
第2章 帝国主義国家日本の誕生①:主権線と利益線、朝鮮・台湾・中国 | 外交の基礎となる主権線と利益線の考え方、朝鮮・台湾への進出と中国への対応を理解できる | 第2章 30〜41 ページ(1時間) | |
第2章 帝国主義国家日本の誕生②:政府の現実主義、民間の理想主義 | 政府の外交理念と民間のアジア主義的外交理念を理解できる | 第2章 41〜47 ページ(1時間) | |
第3章 大陸国家への道:日本外交の孤立、アメリカの日本排斥、辛亥革命 | 米国の日本排斥の動き、中国での辛亥革命の下で日本外交が孤立して行く流れを理解できる | 第3章 48〜63 ページ(1時間) | |
第4章 転換期の日本外交①:揺れ動く世界情勢、ロシア革命、米国の理想主義 | ロシア革命、ウィルソン大統領の理想主義的外交の下で、日本外交が従来の方針の反省を迫られる状況を理解できる | 第4章 64〜78 ページ(1時間) | |
第4章 転換期の日本外交②:アジア主義と欧米協調主義 | 外交の基礎となる思想がアジア主義と欧米協調主義の鋭い対立を示していた様子を理解できる | 第4章 78〜84 ページ(1時間) | |
第5章 新秩序への模索:新しい外交理念を求めて | 幣原外交の展開と破産、田中外交への転換の流れと背景を理解できる | 第5章 85〜103 ページ(1時間) | |
第6章 日中戦争の思想①:関東軍の国防観、陸軍と海軍の違和、石原莞爾の思想 | 満州事変を指導した関東軍、その中核にいた石原莞爾の思想、海軍との大きな相違を理解できる | 第6章 104〜 113ページ(1時間) | |
第6章 日中戦争の思想②:国際連盟脱退、広田外交 | 国際連盟脱退以降の広田外交とそれへの海外の融和的対応を理解できる | 第6章 114〜 118ページ(1時間) | |
第7章 太平洋戦争への道①:アメリカと中国の反日体制、欧州情勢 | アメリカと中国の反日体制の強化、欧州でのドイツの電撃的勝利が日本外交に与えた影響を理解できる | 第7章 119〜 125ページ(1時間) | |
第7章 太平洋戦争への道②:「東亜新秩序の建設」、欧州情勢、真珠湾攻撃の決定 | 「東亜新秩序」を構想する中での欧州情勢の進展が日米対立の深化を招いたことを理解できる | 第7章 125〜 142ページ(1時間) | |
第8章 日米戦争から日米安保まで①:米ソ関係、米国の日本占領、朝鮮戦争 | 戦後の日本占領政策が米ソ関係、とくに朝鮮戦争で動いていったことを理解できる | 第8章 143〜 157ページ(1時間) | |
第8章 日米戦争から日米安保まで②:吉田外交、米中関係 | 吉田外交の考え方と中国の対米態度を理解できる | 第8章 158〜 165ページ(1時間) | |
終章 外交とは何か:日本外交の伝統、日本人の「東と西」 | 日本外交の現実主義の伝統、その下にある「東と西」の考え方を理解できる | 終 章 166〜185 ページ(1時間) | |
試験 |