最終更新日:2024年4月5日
U156
心理学入門
心理学の基礎を学ぶ単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
心理学を学ぶ基礎段階として、日常生活で身近に感じる疑問や心理学的問題を通して、心理学にはどのような分野があるかを学び、また、それぞれの分野で重要とされる基本的な知識を理解することを目指す。
学習成果
心理学にはどのような分野があるか理解できる。また、それぞれの分野で重要とされる基本的な知識を理解できる。
テキスト教材
サトウタツヤ・渡邊芳之 『心理学・入門-心理学はこんなに面白い』(有斐閣アルマ)2011
評価の要点
・課題の得点および科目終了試験点により評価する。
・人名や専門用語は正確に記述すること。
・科目終了試験は論述中心であるため、そのつもりで準備しておくこと。
・テキストに記述されている、心理学の基本的な知識を正しく理解できていることに重点を置き評価する。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価する。
・レポートでは、設問を正しく理解し、過不足なく答えているかを評価する。
・科目終了試験では、テキストに記述されている、心理学の基本的な知識を正しく理解できているか、要点を的確に文章表現できているかに重点を置き評価する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
・まずは指定のテキストをよく読んでレポート課題に取り組んでください。その際、心理学にはどのような分野があるか、また、各分野で重要とされる概念(専門用語)や人物について、理解するようにしてください。
・科目終了試験へのテキストやノートの持ち込みはできません。科目終了試験を受けるにあたっては、教科書を繰り返し読み、要点をノートに書いてまとめるなどを通して、心理学の各分野において重要とされる基礎的な概念(専門用語)や人物を文章で説明できるようにしてください。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
臨床心理学、性格と個人差、社会的行動、発達心理学
1.臨床心理学に関して、空欄にあてはまる語を答えなさい。
(1)心理的苦痛を抱えている人の苦痛を除去するための介入方法を[(1)]と呼ぶ。
(2)精神分析の創始者とされるのは[(2)]である。(※人名を答えなさい。)
(3)人が経験する苦痛や苦悩を「行動」としてとらえて、その改善や消去を目指す療法を[(3)]と言う。
(4)マズローの欲求の階層モデルにおいて、他の欲求の階層の蓄積の上にある、一番上位の欲求は[(4)]の欲求である。
(5)心理的苦痛や行動の消去よりも自己成長を重視し、「カウンセリング」という語を用いたのは[(5)]である。(※人名を答えなさい。)
2.性格と個人差に関する次の記述が適切であれば○、そうでなければ×で答えなさい。
(1)特性論とは、人間の性格をいくつかのタイプに分類して、その人の性格がどのタイプにあてはまるかということから性格を記述しようとする枠組みのことである。
(2)特性論の考え方に基づいているビッグファイブは、「神経症傾向」「外向性」「開放性」「調和性」「誠実性」の5次元から性格を記述しようとするものである。
(3)性格の中でも先天的・生得的で、新生児にも見られるような行動の個人差をパーソナリティと呼ぶ。
(4)血液型と性格には関連があることが心理学的に証明されている。
(5)ゴルトンは、性格を生み出す心理学的なしくみを分析する学問としてのパーソナリティ心理学を提唱し、はじめて心理学を重要な研究対象と位置づけた。
3.社会的行動に関して、空欄にあてはまる語を答えなさい。
(1)[(1)]とは、他者や自分の行動の原因についての認知の働きである。
(2)他者の態度を変容させ、結果として社会的行動を変化させるために行われるコミュニケーションのことを[(2)]コミュニケーションと言う。
(3)集団のルールに合わせて自分の行動を変える行動を[(3)]行動と言う。
(4)傍観者効果の原因は、「責任の分散」と「[(4)]」だといわれる。
(5)[(5)]とは、その人の外見的特徴、肩書きや出身地などの属性から性格を推測することである。
4.発達心理学に関する次の記述が適切であれば○、そうでなければ×で答えなさい。
(1)シュテルンが唱えた輻輳説とは、発達において遺伝的要因よりも環境的な要因の影響を重視する説である。
(2)愛着とは親と子の間に形成される緊密かつ情緒的な関係のことである。
(3)エリクソンの発達段階において、青年期の発達課題は「勤勉性」の獲得である。
(4)他人の心の働きを推測する枠組みを心の理論と言い、ストレンジ・シチュエーション法は「心の理論課題」の代表的なものである。
(5)ピアジェの認知発達段階において、具体物を扱う限りにおいては論理的思考が可能になる段階のことを前操作的段階と言う。
第2課題
第1設題
心理学的アセスメント、知覚・認知・記憶、行動と学習、心理学の歴史、心理学の未来
1.心理学的アセスメントに関して、空欄にあてはまる語を答えなさい。
(1)[(1)]とは、そのアセスメントが対象となる心理学的概念を本当に測定できていることを指す。
(2)1930〜1940年代にアメリカで開発され、偏差知能指数が用いられている知能検査は、[(2)]型知能検査である。
(3)曖昧な絵や図形、あるいは曖昧な言葉や文字などを対象者に示して、それらに対する反応から、その人の性格や欲求、心の問題をとらえようとする検査を[(3)]法検査と言う。
(4)内田クレペリン精神検査は、性格検査の中で[(4)]法という種類に属する。
(5)[(5)]とは、複数の検査を並行して実施し、それらの結果を総合して判断することである。
2.知覚・認知・記憶に関する次の記述が適切であれば○、そうでなければ×で答えなさい。
(1)感覚情報をもとに、自分の周囲にある環境のもつ特徴や、環境の中の事物や事物の特徴を知ることを認知と言う。
(2)認知のバイアスのうち、先入観や信念に合った事実だけを知覚・記憶し、そうでない事実を無視してしまうような傾向を確認バイアスと言う。
(3)記憶は、感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3種類に大きく分けられ、長期記憶はさらに宣言的記憶と手続き的記憶に分けられる。
(4)記憶の再生と再認において、再認はできなくても再生はできることが多くある。
(5)幾何学的錯視などに代表される錯覚は、単なる知覚の「間違い」ではなく、自然な環境の中で私たちが適切な行動をし、適応していくために進化してきたことを示すものである。
3.行動と学習に関して、空欄にあてはまる語を答えなさい。
(1)学習しなくても生まれつき身についている行動のことを[(1)]行動と言う。
(2)行動が刺激に誘発されるレスポンデント条件づけに対し、生き物が自発する行動が学習されるしくみをオペラント条件づけと名づけたのは[(2)]である。(※人名を答えなさい。)
(3)[(3)]とは、他者(他の個体)の行動を観察することで、それと同じ行動ができるようになることであり、バンデューラらによっ
て研究が進められた。
(4)レスポンデント条件づけにおいて、条件刺激とよく似た刺激に対しても条件反応が生じるようになることを[(4)]と言う。
(5)膝を叩くと足が跳ね上がる、明暗に合わせて瞳孔が開閉するなどの行動は[(5)]と呼ばれる。
4.心理学の歴史および心理学の未来に関する次の記述が適切であれば○、そうでなければ×で答えなさい。
(1)心理学では、ヴントがライプツィヒ大学で心理学実験室を整備し、その実験室が大学から認められた1879年を近代心理学成立の年としており、ヴントは「近代心理学の父」と呼ばれている。
(2)ゲシュタルト心理学の研究者は、意識のような曖昧で目に見えない現象よりも、行動に注目することで人間を研究しようとした。
(3)社会心理学において、アメリカのジェームズは、自己を「I」と「me」の2つの側面から考えることを提唱し、この考え方は現代に至るまで、自己を心理学的に考えるときの重要な概念になっている。
(4)20世紀の心理学では遺伝・環境論争が激しく行われていた時期があったが、現代では「遺伝か環境か」ではなく「遺伝も環境も」という考え方が主流であり、遺伝と環境が絡み合って心理や行動がつくられるしくみを解明することが求められている。
(5)心理学におけるプロセス志向では、質的研究よりも量的研究を重視する。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
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心理学のテーマは無限(心理学って何だ?) | 心理学で扱われるテーマの把握 | 序章 p.1〜17(6時間) | |
悩みを抱える人を助ける(臨床心理学) | 臨床心理学に関する基礎知識 | 第1章 p.21〜46(6時間) | |
悩みを抱える人を助ける(臨床心理学) | 臨床心理学に関する基礎知識 | 第1章 p.21〜46(6時間) | |
性格は変えられるか(性格と個人差の心理学) | 性格と個人差に関する基礎知識 | 第2章 p.47〜68(6時間) | |
身近な人や社会との関係(社会的行動の心理学) | 社会的行動に関する基礎知識 | 第3章 p.69〜90(6時間) | |
身近な人や社会との関係(社会的行動の心理学) | 社会的行動に関する基礎知識 | 第3章 p.69〜90(6時間) | |
人が生まれてから死ぬまで(発達心理学) | 発達心理学に関する基礎知識 | 第4章 p.91〜126(6時間) | |
人が生まれてから死ぬまで(発達心理学) | 発達心理学に関する基礎知識 | 第4章 p.91〜126(6時間) | |
心を測る(心理学的アセスメント) | 心理学的アセスメントに関する基礎知識 | 第5章 p.127〜148(6時間) | |
世界をどうとらえるか(知覚・認知・記憶の心理学) | 知覚・認知・記憶に関する基礎知識 | 第6章 p.149〜166(6時間) | |
あなたはなぜそのように行動するのか(行動と学習の心理学) | 行動と学習に関する基礎知識 | 第7章 p.167〜192(6時間) | |
あなたはなぜそのように行動するのか(行動と学習の心理学) | 行動と学習に関する基礎知識 | 第7章 p.167〜192(6時間) | |
心はどう探求されてきたか(心理学の歴史) | 心理学の歴史に関する基礎知識 | 第8章 p.193〜210(6時間) | |
心理学はこれからどうなるか(心理学の未来) | 心理学の未来に関する基礎知識 | 第9章 p.211〜234(6時間) | |
まとめ | この科目で学んだことの総括 | ||
試験 テキストに記載されている、心理学の基本的な知識に関する内容 |
テキスト全体(6時間) |