最終更新日:2024年8月22日

1年次入学生:3年 3年次編入学生:- 短期大学部:-
文学部 文学科

U129

古典哲学・思想Ⅱ

哲学の基礎

単位条件

通信 2単位

教員

松浦 高志

履修条件

なし

到達目標

哲学は古代ギリシアとともに始まり、西洋哲学の歴史はプラトンの脚注に過ぎない、とも言われる。ソクラテスのなかにすべてがある、とは、プラトン自身の言葉だが、ソクラテスを知ることにより物事を深く考え、主体的に行動しようとする態度が身につくようになると期待される。

学習成果

1.哲学の原点を知ることができる。
2.哲学とは何かを知ることができる。
3.哲学する、習慣が身につく。
4.日常の現実が哲学の場であることに気づく。
5.日々の行動を自省するようになる。

テキスト教材

シュヴェーグラー『西洋哲学史(上巻)』(岩波書店)2005

参考図書

アリトテレス、出隆訳『形面上学(上)』(岩波書店)
原佑、井上忠他著『西洋哲学史』(東京大学出版会)

評価の要点

物事の本質にどれだけ迫っているかが問われる。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価する。
考えようとする姿勢を大事にする。
レポートにおいては、表現の奥行と独自の視点を重視する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

日常生活の中で、「哲学する習慣」を身につけてほしい。
雨音からも、犬のあくびからも、哲学は始まる。

レポート課題

提出数 2

第1課題

横書きパソコン印字可
[1600]

第1設題

あなたは、古典哲学をなぜ学ぼうとするのか。あなたが、そこから得たい、あるいは得られると期待することについて、自由に記述しなさい。

第2課題

横書きパソコン印字可
[1600]

第1設題

古典哲学を学んでいる中で、あなたが発見したこと、また、事前の予想に反したことについて自由に記述し、そこから何を学びつつあると考えるか、書きなさい。

備考・補足

← 表が横スクロールします →

授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
哲学史の概念 振り返る力 PP.21〜34
タレス
万物の根源は水、と語り、アリストテレスに最初の哲学者とされる。
根源への目覚め PP.35〜36
アナクシマンドロス
万物の根源を「限りのないもの」とし、その根源を「アルケー」(始まり)と呼んだ。
限界への気づき PP.37〜36
ピュタゴラス
ピュタゴラスの定理で知られるこの人は、万物の根源を数とする神秘主義であった。
数への目覚め PP.40〜45
パルメニデス
「あるはある、ないはない」の有名な言葉を残した。万物の根源を「存在」に求めた。
存在への理解 PP.48〜51
ヘラクレイトス
「万物は流転する」と考え、生成の哲学を考えた。「同じ川には二度入れない」の逆説で知られる。
変化への理解 PP.55〜60
エンペドクレス
万物の根源を「土、水、空気、火」の四元素として、愛がそれらを結合させ、憎しみがそれらを分離する、と考えた。
愛の力 PP.61〜64
デモクリトス
万物の根源を分割できない原子とした。これをアトムと呼び、空虚な空間がそのまわりを満たしている、と考えた。
分析力 PP.65〜69
アナクサゴラス
万有の存在・生成原理として「ヌース」を立てた。現代で言えば、物理学的・機械論的な見方で森羅万象を説明した。
洞察力 PP.70〜74
ソフィスト
詭弁家と訳される人たちで、金銭をもらって富裕な市民の子弟たちを教育した。
ものの見方 PP.75〜87
ソクラテス1
問答法によって人々に「善く生きること」の大切さを説き、「無知の知」に悟る。
気づく力 PP.88〜93
ソクラテス2
若者を悪く導き、神を信じない、として、アテナイの人々に裁判をかけられ、死刑となる。
生き方の基本 PP.93〜108
プラトン
ソクラテスを主人公とする数々の対話篇を書いて師の教えを伝え、自らは、イデア論と想起説を考えるに至る。
想う力 PP.118〜168
アリストテレス
「人は生まれながらに知ることを欲する」「人間は理性的動物である」などの名言でおなじみの「万学の祖」。
人を知る力 PP.171〜215
まとめ
古典哲学の教えがいかに現代社会にとって、学ぶべきことが多いかを、改めて確認する。
古典の力 PP.21〜215
試験