最終更新日:2024年4月8日
U075
日本近現代文学史Ⅱ
明治〜大正文学の流れ単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
明治〜大正の近代文学の流れがどのような進展の道筋をたどったのか、その様態のあらましを理解する。近代日本の目まぐるしく変転する世を生きぬいた先人の「生」の諸相を学ぶことによって、我々は多くの示唆を受けることができる。
学習成果
教科書として『現代日本文学史』を用い、教材の学習指導書を併用することによって、明治〜大正期の文学の流れをつかんでもらいます。学習指導書には、教科書で言及された作者・作品・文学用語等について最少限の補足解説がなされ、また直接作品の一部が例示されています。履修者は、さらに詳しく事典等を参照し、参考書として取り上げられているものにも触れて理解を深めて欲しいと思います。また、教科書で取り上げられている作品をなるべく多く直接読んで欲しいとも思います。一般図書館でも多く収蔵されているテクストについての注記も施してあります。各章末に掲げた参考課題が解けるかどうかが学習が身についたかどうかの目安となるでしょう。詳しくは、学習指導書の巻頭に記した「履修者の皆さんへ」を読んでください。この学習により、明治〜大正期文学の流れが理解できます。
テキスト教材
大久保典夫他編『現代日本文学史』(笠間書院)
『近代・現代文学史I』(聖徳大学通信教育部)
参考図書
学習指導書の各章末を参照のこと。
評価の要点
・レポート評価の要点
1.課題について充分理解されていること。
2.きちんとした論理が展開されていること。
3.「履修と学習の手引」(聖徳大学通信教育部)所収の「レポートについて」に掲げられている注意事項が守られていること。
・試験評価の要点
1.教科書の内容がきちんと理解されていること。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価します。
レポートは、上記「評価の要点」がクリアーされているか、そして合理的な結論が導き出されているか、そのできばえで評価します。
試験評価も同じです。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
レポートは小論文です。論の展開にあたり、きちんと論拠を明示し、客観論理に徹し、誰をも納得させる結論を導き出して下さい。
各章ごとに、教科書を読み、学習指導書を手引きとして実際に作品を読み、参考書等を参照しつつ参考課題を解いて行くことを繰り返すのは、かなりタフな学習です。しかし、かけた苦労だけ確実に豊かな収獲がもたらされます。どうか積極的に取り組んでください。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
文学史の流れの中で、「新感覚派」が出現した必然性について、具体的な作品・作家に触れつつ述べなさい。
第2課題
第1設題
次の設問から一つを選び、テクストから適切に引用しつつ設定された課題を論じなさい。それぞれのテクストはWeb上の「青空文庫」で読むことができます。
①プロレタリア文学の代表作、葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」を読み、テクストが描く労働者の身体の特徴を指摘し、「松戸与三」が「女工」に返事を書くとしたらどのような内容か、あるいは返事を書かなかったとすればその理由を述べよ。
②プロレタリア文学の代表作、小林多喜二『蟹工船』を読み、その修辞、比喩表現に着目し、同時代の新感覚派(横光利一など)のテクストと比較しその相同性や差異について述べよ。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
昭和文学の流れⅠ「昭和文学の出発と形成」 | 「昭和文学の出発と形成」が理解できる。 | 教科書p.63 | |
昭和文学の流れⅡ「昭和文学の素地と環境」 | 「昭和文学の素地と環境」を理解できる。 | 教科書p.74 | |
モダニズム文学の系譜Ⅰ「外来文化の受容の転換期」「『ハイカラ』から『モダン』へ」 | 「外来文化の受容の転換期」他を理解できる。 | 教科書p.76 | |
モダニズム文学の系譜Ⅱ「新感覚派」 | 「新感覚派」を理解できる。 | 教科書p.80 | |
モダニズム文学の系譜Ⅲ「新興芸術派」 | 「新興芸術派」を理解できる。 | 教科書p.83 | |
モダニズム文学の系譜IV「『詩と詩論』から新心理主義へ」 | 「『詩と詩論』から新心理主義へ」を理解できる。 | 教科書p.86 | |
プロレタリア文学の展開Ⅰ「『種蒔く人』と『文芸戦線』」 | 「『種蒔く人』と『文芸戦線』」を理解できる。 | 教科書p.91 | |
プロレタリア文学の展開Ⅱ「ナップの結成とコップへの再編成」 | 「ナップの結成とコップへの再編成」を理解できる。 | 教科書p.96 | |
転向と文芸復興Ⅰ「転向者の文学」 | 「転向者の文学」を理解できる。 | 教科書p.104 | |
転向と文芸復興Ⅱ「文芸復興とその文学」 | 「文芸復興とその文学」を理解できる。 | 教科書p.111 | |
戦時下の文学Ⅰ「日本浪漫派」 | 「日本浪漫派」を理解できる。 | 教科書p.117 | |
戦時下の文学Ⅱ「作家の従軍、文学報国会の結成」 | 「作家の従軍、文学報国会の結成」を理解できる。 | 教科書p.119 | |
昭和二十年代の文学Ⅰ「戦後派文学と無頼派」 | 「戦後派文学と無頼派」を理解できる。 | 教科書p.130 | |
昭和二十年代の文学Ⅱ「民主主義文学の運動」 | 「民主主義文学の運動」を理解できる。 | 教科書p.143 | |
昭和二十年代の文学Ⅲ「新文学への発展」 | 「新文学への発展」を理解できる。 | 教科書p.145 | |
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