最終更新日:2024年4月19日

1年次入学生:3年 3年次編入学生:3年 短期大学部:-
文学部 文学科

U072

日本古典文学史Ⅰ

上代文学の流れ

単位条件

通信 2単位

教員

諸井 彩子

履修条件

なし

到達目標

日本の古典文学のうち、発生から延暦13年(794)平安遷都までの上代文学を対象とする。古事記・日本書紀・万葉集や、最古の漢詩集の懐風藻および日本霊異記などの説話集に触れ、作品の特徴を理解するとともに、日本の古典文学の流れの中でいかなる意味を有するのかを理解できる。
※ 本科目は、文学に関する学問領域の基礎的な知識及び専門能力を身につけ、主体的に課題を解決できるという、文学部文学科のディプロマポリシーに関連する。

学習成果

・上代における古事記・日本書紀・万葉集・懐風藻・日本霊異記といった一つ一つの作品の特徴・特質を理解し、自ら表現することができる。
・日本古典文学史全体の流れをつかみ、日本文学に関する深い教養を身につけることができる。
・日本古典文学に対する自らの見解をもち、表現することができる。

テキスト教材

①辻英子編『奈良・平安時代文学史Ⅰ』(聖徳大学通信教育部)
②金井清一他編『年表資料 上代文学史』(笠間書院)

参考図書

上記の辻テキストの各章あるいは末尾に提示されている。

評価の要点

レポートは、教材の内容の理解度だけでなく、テーマ設定と結論の妥当性、参考文献の活用の有効性(特に、丸写ししていないか、引用元を明記しているか)を重視する。試験は、基礎的理解度と教材の内容を正確に把握しているかを重視する。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価する。
レポートにおいては、参考文献の丸写しや引用元の明記のないものは、合格基準を満たさないことに注意すること。試験は、基礎知識が定着しているか、作品の特徴の理解が十分であるか、という点を基準に採点する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

古事記・日本書紀・風土記・万葉集といった主要作品について、テキストに載っている部分はもちろん、それ以外の部分も参考書を利用して読んでおくことが望ましい。レポートでは、文章表現の正確さを錬磨し、参考文献の引用のルールを守ること。

レポート課題

提出数 2

第1課題

いずれか1設題を選択。

※レポート作成上の注意
・和歌を挙げる場合は、巻と歌番号を明記し、何からの引用であるか注として明示すること。
・テキストをはじめ、諸論文・研究書を参照してよいが、表現を利用する場合は何からの引用であるか明示すること。明示なく引用するのは盗用となり、合格基準を満たさない。

縦書きパソコン印字可
[2000]

第1設題

『古事記』と『日本書紀』には、共通しながらも細部では異なる、あるいは一方にあるが他方にはないエピソードがある。その一つを取り上げ、相違点を指摘した上で、どうしてそのような相違がみられるのかについて、『古事記』『日本書紀』の特徴をふまえて考察しなさい。

第2設題

『風土記』について、関心のある箇所を一つ取り上げ、『古事記』『日本書紀』『万葉集』のいずれか一つ以上に触れつつ、具体的に論じなさい。

第2課題

いずれか1設題を選択。

※レポート作成上の注意
・和歌を挙げる場合は、巻と歌番号を明記し、何からの引用であるか注として明示すること。
・テキストをはじめ、諸論文・研究書を参照してよいが、表現を利用する場合は何からの引用であるか明示すること。明示なく引用するのは盗用となり、合格基準を満たさない。

縦書きパソコン印字可
[2000]

第1設題

『万葉集』について、時代区分を示した上で、そのうちの一つあるいは二つの期を取り上げ、社会背景に言及しつつ、その期の特徴について代表的な作品を挙げながら具体的に説明しなさい。

第2設題

『万葉集』の防人歌、あるいは東歌のいずれかについて、代表的な作品を挙げながら、その特徴について説明しなさい。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
日本文学史の史的区分 日本文学の流れが理解できる 上代~近現代の日本 文学の流れ
上代歌謡①(不定型詩・奇数句形式・片歌) 上代の歌謡について理解できる 不定型詩・奇数句形 式・片歌
上代歌謡②(短歌・五七調・長歌・仏足石歌) 上代の歌謡について理解できる 短歌・五七調・長歌・仏足石歌
古事記 編纂の目的と特徴が理解できる テキスト1『古事記』 の世界
日本書紀 編纂の目的と特徴が理解できる テキスト1『日本書 紀』
風土記 編纂の目的と特徴が理解できる 常陸国風土記と出雲 国風土記
祝詞 言霊信仰について理解できる テキスト2259~ 261頁
万葉集第1期(人麻呂以前) 時代背景と和歌の特徴が理解できる テキスト123~27 頁
万葉集第2期(天武天皇・大津皇子) 時代背景と和歌の特徴が理解できる テキスト127~34 頁
万葉集第2期(人麻呂の時代) 時代背景と和歌の特徴が理解できる テキスト134~37 頁
万葉集第3期(憶良・旅人・虫麻呂) 時代背景と和歌の特徴が理解できる テキスト137~43 頁
万葉集第4期(大伴坂上郎女・家持) 時代背景と和歌の特徴が理解できる テキスト143~48 頁
万葉集の東歌と防人歌 時代背景と和歌の特徴が理解できる テキスト149~50 頁
懐風藻 作品の特徴が理解できる テキスト151頁
日本霊異記 作品の特徴が理解できる テキスト153~57 頁
試験
筆記試験。重要事項をしっかり理解し、作品の特徴を文章としてまとめる表現力を培っておくこと。