最終更新日:2024年4月10日
T004
コミュニケーション技法(日本語)
人間関係と心理の視点からのコミュニケーション論単位条件
通信 1単位 面接 1単位教員
履修条件
特になし
到達目標
現代に至るまでのコミュニケーション学の変遷と基礎概念を学ぶことを目的とし、以下の目標を掲げる。
①単なる「思想の伝達」という視点から「真の対話と関係樹立」としてのコミュニケーション能力を身につけることができる
②日本語の特徴を踏まえて、さまざまなコミュニケーションの技法を自覚することができる
学習成果
コミュニケーションとは、表現手段のもっとも重要かつ基本的な理念ですが、それを単なる理論・心構えとして理解すると、実践力が身につかないままに終わります。大切なのは「知る」ことだけでなく「できる」ことです。そのためには具体的な目標が必要なのです。「ああいうように語りたい、ああいう会話をしたい」という目標をもつためにも、授業ではいろいろなサンプルを観察しながらその背景にある理論や留意点を探り、随時ディスカッションやワークショップなどの実践を通じて、以下の点が明らかになるよう進めていきます。
(1) 単なる知識によるコミュニケーション理論を習得だけでなく、人間関係や自己表現・自己認識に係わるコミュニケーションの本質に気づくことができる
(2)「 思想の運搬・伝達」という機械論的なコミュニケーション観ではなく、互いに共有可能な「意味場」を形成するコミュニケーション能力を培うことができる。
テキスト教材
スクーリング時にプリント配付
評価の要点
種々の知識・技法の習得だけでなく、それらがコミュニケーションの実践的な能力にどれだけおよんだかという部分も評価します。
授業内におけるいくつかの課題や、実態観察のコメントなども評価対象とします。
評価方法と採点基準
レポート・スクーリング両方が合格後、総合的に評価します。
基本的には、筆記試験によります。授業の性質上、演習や小テストも課しますが、その実施状況も評価の対象とすることがあります。
筆記試験70% 演習20% 小テスト10%
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
狭義の「国語表現法」という観点からではなく、人と人とがことばによって係わるということは、どういうことなのか、何が問題視されなければならないのか、という観点から授業に臨んでください。
レポート課題
提出数 1第1課題
スクーリング後に提出してください。
レポート課題はスクーリング受講時に出題します。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
(概説)日本語・日本人とコミュニケーションの問題 〜「コミュニケーション」の概念の確認と、日本語との関連を知る。 | 「書き言葉」「話し言葉」双方の特質と問題点を自覚することができる | 第1章・第2章 | |
「書き言葉」「話し言葉」の根本的相違について、実態観察を通じて認識する。 | 「朗読」による表現の可能性とその特質、注意点を認識することができる | 第1章・第2章 | |
「書き言葉」と「話し言葉」と双方のメリット、デメリットについて考え、その可能性と留意点を探る。 | 「書き言葉」「話し言葉」双方の特質を具体的に確認することができる | 第1章・第2章 | |
実態観察を通じて「話し言葉」をめぐる特質と諸問題を概観する。 本時は「朗読」「スピーチ」を中心とした考察をおこなう。 | 「スピーチ」による表現の可能性と、その特質、注意点を認識することができる | 配布資料 | |
実態観察を通じて「話し言葉」をめぐる特質と諸問題を概観する。 本時は「TVにおける様々な口頭表現」を中心とした考察をおこなう。 | 日頃耳にしているはずの放送メディアを通じての口頭表現について再認識できる | 配布資料 | |
実態観察を通じて「話し言葉」をめぐる特質と諸問題を概観する。 本時は「ディベート」を中心とした考察をおこなう。 | 「ディベート」による表現の可能性と、注意点を認識することができる | 第5章 | |
実態観察を通じて「話し言葉」をめぐる特質と諸問題を概観する。 本時は「フィラー」という現象に焦点を当てた考察をおこなう。 | 無意識化の「フィラー」という現象の実態と、注意点を認識することができる | 第5章 | |
実態観察を通じて「書き言葉」をめぐる特質と諸問題を概観する。 本時は「レポート・論文」という形式に焦点を当てた考察をおこなう。 | コミュニケーションにおける「需要」の側の問題を言語のレベル別に理解できる | 第3章 | |
実態観察を通じて「書き言葉」をめぐる特質と諸問題を概観する。 本時は「文学言語」という現象に焦点を当てた考察をおこなう。 | コミュニケーションにおける「需要」の側の問題を言語のレベル別に理解できる | 配布資料 | |
実態観察を通じて「書き言葉」をめぐる特質と諸問題を概観する。 本時は「言外の意味」ということに焦点を当てた考察をおこなう。 | コミュニケーションにおける「需要」の側の問題を言語のレベル別に理解できる | 第3章 | |
「伝達」という考え方……コミュニケーションをどう捉えるか、その理論モデルの考え方をいくつかの時代別に考察し、認識を深める。 | 種々のコミュニケーション理論をモデル化して具体的に自覚することができる | 第4章 | |
「共話」と「対話」……コミュニケーションをどう捉えるか、その理論モデルの考え方を いくつかの時代別に考察し、認識を深める。 |
種々のコミュニケーション理論をモデル化して具体的に自覚することができる | 第4章 | |
プロソディと文法……日本語の音声的表現面を考察し、音声表現のもつさまざまな機能と留意点について探究する。 | 日本語音声表現の可能性とその技法を身につけることができる | 配布資料 | |
言語コミュニケーション活動〜言葉のやり取り(interaction)の考察をおこなう。 | コミュニケーションにおける重要な「意味場」の概念を確認することができる | 配布資料 | |
言語による「感じる力」「想像する力」の考察を深め、コミュニケーション活動との関連性を探る。 | コミュニケーション対人関係の構築に関わる問題を理解することができる | 配布資料 | |
試験 筆記試験(選択・空所補充50%・記述50%) |