最終更新日:2024年12月10日
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司法・犯罪心理学Ⅱ(2024年11月16日以降)
犯罪の生物学的原因論、各種犯罪の心理、犯罪捜査、裁判と心理学単位条件
通信 2単位教員
1)担当教員変更により、シラバスの一部修正がございます。
2)テキスト教材の変更はございません。
3)設題が追加となります。
これから学習を行う方は、追加となった設題 <記述問題>指定回答用紙をダウンロードして提出してください。
今までの論述形式の設題につきましては、2024年度3月末までは引き続き受付をいたします。
また、2月以降に実施する科目終了試験につきましても、レポート課題合格が論述形式であった方、記述問題であった方でいずれの場合にも対応するかたちといたします。
・<参考>2024年11月15日までのシラバスはこちら
履修条件
なし
到達目標
犯罪の生物的生起要因と、暴力犯罪などの特定の犯罪における犯罪者の心理を理解し、なぜそれらの犯罪が起こるのかについて考えることができる。
また、犯罪捜査と裁判の現状について知り、それらにどのような問題が存在しているのかを考えることができる。
学習成果
犯罪の生物的生起要因と、暴力犯罪などの特定の犯罪における犯罪者の心理について基本的な知識を得ることができる。
また、犯罪捜査と裁判の現状について知り、問題点について自分の意見を持つことができる。
テキスト教材
越智啓太『司法犯罪心理学』(サイエンス社)2020
参考図書
法と心理学会(監)『入門 司法・犯罪心理学 理論と現場を学ぶ』(有斐閣)2022
藤田政博(編)『法と心理学』(法律文化社)2013
厳島行雄・仲真紀子・原聡『目撃証言の心理学』(北大路書房)2003
仲真紀子『子どもへの司法面接 考え方・進め方とトレーニング』(有斐閣)2016
評価の要点
各授業回の内容を十分に理解し、専門用語を適切に使用することができる。
評価方法と採点基準
レポート課題合格後の科目修了試験の得点で評価する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
まずは、指定テキスト教材をしっかりと読み、十分に内容を理解すること。
そのうえで、指定教材だけでは理解が不十分な点などについて、参考図書やインターネットで調べてみること。
インターネットで情報を検索する際は、Google ScholarやJ-STAGEなどの学術情報に特化したものを使用すること。
レポート課題
提出数 2第1課題
第一設題~第三設題どちらかを選択し、第二課題とは別々に送付してください。
2024年11月16日以降に取り組む場合、第三設題を選択してください。
第一設題~第二設題 論述問題 1200字〜1600字以内 でまとめてください。
第三設題 記述問題 指定回答用紙をダウンロードして使用してください。
第1設題
第一設題
犯罪と遺伝の関係を研究するためにはどのような方法があるか。これまでの研究結果からどのようなことがいえるか述べなさい。
第2設題
第二設題
次の非行・犯罪に関する用語のアからエまでの4つの項目のすべてについて、それぞれ簡単に説明しなさい。
ア.秩序型連続殺人と無秩序型連続殺人 イ.地理的プロファイリング ウ.黒い未亡人型連続殺人 エ.死の天使型連続殺人
第3設題
第三設題
以下の各文の空欄を、最も当てはまる語で埋めなさい。その際に、指定テキスト教材に対応する語がある場合には、
指定テキスト教材で使用されている表記をそのまま用い、日本語と英語の両方の表記が存在する場合には、日本語表記のみを解答すること。
- テロリズムとは、一般大衆の恐怖心を引き起こすことで、ある( )的目的を達成するための暴力行為を指す。
- 犯罪行動の遺伝について、特に犯罪者を輩出する家系を見つけ出すことを目的としている研究を( )と呼ぶ。
- 犯罪行動の遺伝についての研究では、遺伝規定率が高い犯罪として( )が報告されている。
- 子どもが、別居中の片親に対して、激しい誹謗中傷を繰り返す、面会を拒絶するなどの病的現象を( )と呼ぶ。
- 子どもから目撃証言を得る際に注意すべき点は、子どもの( )の高さであり、これは質問の仕方によって証言内容が変わりやすいことを意味する。
- 衝動の抑制や集中力の維持にかかわる脳部位で、ある研究では、殺人犯は一般人と比較した際に働きが弱いことが示された部位は( )である。
- 実際には罪を犯してないにもかかわらず、取調べで罪を犯したと主張することを( )と呼ぶ。
- 犯罪行動の遺伝についての研究で重要視されていた事柄のひとつとして、犯罪行動は遺伝するのか、または( )の中で学習されるのかというものがある。
- 殺人とは、( )に人を殺害する行為を指す。
- これまでの犯罪行動の遺伝についての研究では、遺伝的な素因と環境の( )によって、人間の行動が規定されると考えられている。
- 大量殺人とは、一人または複数の犯人が、( )に一つの場所で多数の人を殺害することである。
- 衝動的で抑制されていないタイプの暴力の分類において、周囲の人々からはおとなしく模範的な人物と捉えられている人が起こす暴力を( )型と呼ぶ。
- 障害や疾患のない者が酩酊状態で罪を犯したとしても、( )理論によって、裁判において責任能力がないとは判断されない。
- その集団の構成員によって、その集団の金品が盗まれることを、特に( )と呼ぶ。
- 連続殺人事件において、犯行と犯行の間の期間のことを( )と呼ぶ。
- 女性の連続殺人犯のうち、資産家と結婚し、夫を殺害してその財産を奪うタイプを( )型と呼ぶ。
- 犯罪の原因について、初めて実証的な研究を行った人物は( )とされている。
- これまでの研究において、犯罪行動に影響を与える生物学的要因として注目されることが多いのは( )である。
- 悪いことをすると怒られるという罰を受けることを理解するなど、ある行動とそれに対する反応が結びつくことを( )と呼ぶ。
- 過去に、その分泌量と攻撃性との間に強い関連があると考えられていたホルモンとして( )がある。
第2課題
第一設題~第三設題どちらかを選択し、第一課題とは別々に送付してください。
2024年11月16日以降に取り組む場合、第三設題を選択してください。
第一設題~第二設題 論述問題 1200字〜1600字以内 でまとめてください。
第三設題 記述問題 指定回答用紙をダウンロードして使用してください。
第1設題
第一設題
裁判における目撃証言の証拠能力について説明しなさい。
第2設題
第二設題
環境設計による犯罪予防について説明しなさい。
第3設題
第三設題
以下の各文の空欄を、最も当てはまる語で埋めなさい。その際に、指定テキスト教材に対応する語がある場合には、
指定テキスト教材で使用されている表記をそのまま用い、日本語と英語の両方の表記が存在する場合には、日本語表記のみを解答すること。
- 生理指標を測定する装置を用いて、被疑者が嘘をついているかを判断する一連の手続きのうち、犯人のみが知りうる情報を用いて被疑者が犯人かを識別する方法を、日本語で( )と呼ぶ。
- 物を盗む際に、盗みの際の快感を目的として盗む、盗みの衝動を抑えられないなどの特徴をもつ病気を( )と呼ぶ。
- 親権のうち、子どもの近くで子供の世話や教育をする親の権利のことを( )と呼ぶ。
- 日本の刑事裁判において、被告人の有罪が確定するまでは無罪として扱われることを( )と呼ぶ。
- スタドルニーク(2000)の少年のよる放火の分類において、家庭内問題や生活上のストレスによって精神的に追い詰められ、その表現として行われると考えられるものを、( )タイプと呼ぶ。
- 犯罪行動の遺伝について、同じ環境で育った、一卵性双生児間と二卵性双生児間の犯罪行動の類似度を比較する研究を( )と呼ぶ。
- 個人の抱える社会的不満は、その人の絶対的な生活水準よりも、その人が相対的に置かれている立場に依存しているという考え方を( )と呼ぶ。
- サイバー犯罪のうち、アクセス集中などによってサーバーに負荷をかけ、システムの利用を困難または不可能にさせるものを( )と呼ぶ。
- 2004年に日本で成立し、内部告発を行った労働者を保護する法律を( )と呼ぶ。
- FBIでは、連続殺人犯のうち、計画的に犯行を行っている者を( )と呼ぶ。
- 放火のうち、日常生活で感じる不満やストレスを発散させることを目的に行うものを、特に( )放火と呼ぶ。
- 犯罪傾向と条件づけに関するアイゼンクの理論を生理学的に裏付けた研究で使用されていた指標は( )である。
- 離婚の際に、離婚協議で話がまとまらない場合には、夫婦の一方が( )を申し立てることができる。
- 心神喪失者が欠けていると判断される責任能力のうち、物事の善悪の区別をするためのものを( )と呼ぶ。
- うつ病の原因のひとつとして考えられており、中枢神経系の情報伝達を安定化させる機能を持つとされる神経伝達物質として( )がある。
- ニューロン間の化学伝達を担い、多くの精神疾患と関連のある物質として( )がある。
- 越智・木戸(2011)の大量殺人犯の分類のうち、犯人が自殺する可能性のあるものを( )型と呼ぶ。
- 片方の親が国境を越えて子どもを連れ去った場合に、原則として子どもを元の居住国へ返還し、親子交流の機会を確保するような仕組みについて定めたものを( )と呼ぶ。
- 犯行現場の状況や犯人の行動から、犯人の属性を推定する技術を( )と呼ぶ。
- 高齢者から目撃証言を得る際に注意すべき点は、( )のエラーであり、これはその出来事がいつどこで起きたのかをおぼえていないことを意味する。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
犯罪の生物学的原因論(1)犯罪の生物学的原因論研究のはじまり | 犯罪心理学の開拓者の貢献と限界について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第1章1.1 | |
犯罪の生物学的原因論(2)犯罪と遺伝 | 犯罪の原因となる生物学的、生理学的要因を理解することができる。 | 指定テキスト教材 第1章1.2 | |
犯罪の生物学的原因論(3)ホルモンと犯罪、神経伝達物質と犯罪、脳と犯罪 | 犯罪の原因となる生物学的、生理学的要因を理解することができる。 | 指定テキスト教材 第1章1.3~1.4、1.6 | |
犯罪の生物学的原因論(4)条件づけと犯罪 | 犯罪の原因となる生物学的、生理学的要因を理解することができる。 | 指定テキスト教材 第1章1.5 | |
暴力犯罪(1)殺人・傷害 | 殺人と傷害における犯人の特性や被害者との関係などについて理解することができる。 | 指定テキスト教材 第4章4.1 | |
暴力犯罪(2)連続殺人 | 連続殺人の類型や特性について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第4章4.2 | |
暴力犯罪(3)女性による連続殺人、大量殺人、テロリズム | 女性犯罪の特性や大量殺人、テロリズムの原因について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第4章4.3~4.5 | |
窃盗・強盗・放火(1)窃盗 | 窃盗犯の種類、社会的背景を理解し、防犯対策を立てることができる。 | 指定テキスト教材 第7章7.1 | |
窃盗・強盗・放火(2)強盗 | 窃盗と強盗の共通点と相違点を理解し、防犯対策を立てることができる | 指定テキスト教材 第7章7.2 | |
窃盗・強盗・放火(3)放火、ホワイトカラー犯罪 | 放火犯とホワイトカラー犯の心理を理解し、防犯対策を立てることができる。 | 指定テキスト教材 第7章7.3~7.4 | |
犯罪捜査(1)プロファイリング | プロファイリングの理論を理解し犯罪捜査への心理学的貢献を理解することができる。 | 指定テキスト教材 第8章8.1 | |
犯罪捜査(2)ポリグラフ検査 | ポリグラフ検査の効用と限界について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第8章8.2 | |
犯罪捜査(3)目撃証言 | 目撃証言の信ぴょう性について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第8章8.3 | |
犯罪捜査(4)取調べ | これまでの取り調べ研究をふまえ、取り調べの問題点を理解することができる。 | 指定テキスト教材 第8章8.4 | |
司法・裁判 | 日本における司法・裁判制度の概要を理解することができる。 | 指定テキスト教材 第9章9.1~9.4 | |
試験 出題範囲は第1回から第15回の授業回の指定テキスト教材の学習範囲とし、選択問題、穴埋め問題、またはその両方を出題する。 |