最終更新日:2024年2月26日
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感情・人格心理学Ⅰ
自分を知る・他人を知る単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
心理学全般が取り扱う“心とは何か?” というテーマに、人間が持つ一貫した物事の受け取り方や行動の傾向を表す性格(人格)という考え方からアプローチするのが人格心理学である。人間は一人一人外見が異なるように内面や性格も違う。そうした個性的な行動や感情の受け取り方に注目して、その背景にある要因について明らかにする。
本科目には実践的な面接講義も開講されている。多様な価値観や情報が混在する現代社会の中では自分で自分自身を守る必要がある。そのために必要な感情・人格の特徴やスキルとは何か、知識と実践の双方で学ぶことができる。
学習成果
人間の「精神構造」を明らかにする研究がパーソナリティ理論として実を結んでいる。また「胎児から死まで」のライフサイクルにおける感情・パーソナリティの発達的側面についても理解を深める。そのことにより、人間の誕生から最期まで、人生に起きる様々な出来事(ライフイベント)について解説してくれる。感情・人格の成長はもちろん、様々な社会問題、性格の分析と自己受容など性格の特徴や構造、自分の価値とは何かなどの自己意識について、その形成メカニズムを説明してくれる。また、自己を表現する感情メカニズムや機能についても深く理解を進める。その結果、自分や他者を理解するようにできることになるとともに、社会における諸問題についても考える視点が身につく。
なお、感情・人格心理学Ⅱにおいて、感情・人格心理学Ⅰにおいて学んだ各種の理論に基づいた心理検査やアサーショントレーニングも実施する。この科目のメインである「自己を知る・他人を知る」理解を一層深める機会となるので受講を推奨する。
テキスト教材
1.横田正夫・津川律子編『ポテンシャルパーソナリティ心理学』(サイエンス)
2.『人格心理学』(聖徳大学通信教育部)
3.大平英樹編著『感情心理学・入門』(有斐閣アルマ)
評価の要点
感情・人格心理学の歴史と主要な理論について、教科書を読んだだけの理解になっていないか、レポート課題の内容を評価する。さらに、面接講義を受講する際に必要な基本的な理解をしているか評価する。また、能動的な学習を促進するために、教科書以外のレポート作成に使用した参考文献をしっかりと記載してあることも評価の対象とする。
評価方法と採点基準
成績評価は、レポート合格後の科目終了試験で評価する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
人は一見してバラバラな行動をしているようであっても、人柄や個性が際立つものである。こうした個人差などはパーソナリティと呼ばれている。パーソナリティの理解は「自分を知る」と同時に「他者を知る」ことである。まず、一歩立ち止まって自分を振り返ってみることを始めてください。
レポート課題
提出数 2第1課題
⚠️手書きでレポートを提出する場合は各1課題ずつ別々のレポート用紙に分けて提出してください。
⚠️Webで提出する場合には、各1課題ずつ別々に文字数を3200字とし、設問①②と入力してください。
第1設題
設問①②共に解答しなさい(①②各1600字、本文の書き始めに①、②と番号を明記すること。行を空ける必要はありません。
①ビッグ5理論は、パーソナリティを類型または特性のどちらと捉えるかを論じなさい。
②アサーティブ行動は健康なパーソナリティが顕在化したものであるとした時、この立場を裏づける理論的根拠について論じなさい。
第2課題
⚠️手書きでレポートを提出する場合は各1課題ずつ別々のレポート用紙に分けて提出してください。
⚠️Webで提出する場合には、各1課題ずつ別々に文字数を3200字とし、設問①②と入力してください。
第1設題
設問①②共に解答しなさい(①②各1600字、本文の書き始めに①、②と番号を明記すること。行を空ける必要はありません。
①感情の理論にはどのようなものがあるのか日常的な具体例を使ってまとめよ。
②感情の機能を説明したうえで、感情が有害か無害かについて日常的な具体例を使ってまとめよ。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
感情・人格心理学とは 人格・性格・気質・パーソナリティ等の用語の使用に対する理解ができる。 心理学における感情の定義について理解する。 |
人格心理学の概念が理解できる。 人格という用語が定義できる。 |
1.第1章・60分 3.序章・30分 | |
パーソナリティへのアプローチ パーソナリティ表現としての感情のメカニズムについて理解する。 パーソナリティの分類方法についてどのようなものがあるかを理解する。 |
パーソナリティのアプローチ法が理解できる。 パーソナリティの分類法について分かる。 |
1.第1章~第2章 ・60分 3.第2章・60分 | |
パーソナリティの分類法のうち、最も古くから利用されている、類型論的分類法についてどのような理論があり、その理論の根拠を理解する。 パーソナリティの類型論について、それぞれの特徴を理解する。 |
類型論的分類について理解できる。 類型論の各理論の説明ができる。 |
1.第2章・120分 | |
パーソナリティの分類法のうち、特性論について理解する。 パーソナリティの特性論構築に必要不可欠な因子分析について理解する。 |
特性論について理解できる。 因子分析について理解できる。 |
1.第3章・60分 | |
パーソナリティのビッグファイブ理論が出てきた背景と、その位置づけを理解し、説明できるようになる。 パーソナリティの「人間-状況」論について理解する。 |
ビッグファイブ理論について理解できる。 パーソナリティにおける状況について理解できる。 |
1.第3章・120分 | |
パーソナリティの分類法のうち、構造論について理解する。 パーソナリティの構造論の各理論を理解する。 |
構造論について理解できる。 構造論の各理論が説明できる。 |
1.第4章・120分 | |
自分という意識である自己意識について、自我と自己という観点から理解できる。 | 自己意識について理解できる。 | 1.第6章・60分 | |
パーソナリティの発達について理解する。 発達段階におけるパーソナリティの特徴が理解できる。 それに伴う感情の発達における変化についても理解する。 |
各発達段階におけるパーソナ リティ・感情の特徴が分かる。 |
1.第5章・120分 | |
パーソナリティの性差について。 感情の性差についても理解する。 |
パーソナリティ・感情の性差 が理解できる。 |
1.第5章・60分 | |
パーソナリティの測定法。テストの定義や基準の理解できる。 パーソナリティの測定法のうち、質問紙法についてその特徴が理解できる。 |
パーソナリティ検査の定義が分かる。 質問紙法について理解できる。 |
1.第10章・120 分 | |
パーソナリティの測定法のうち、作業検査法についてその特徴が理解できる。 パーソナリティの測定法のうち、投影法についてその特徴が理解できる。 |
作業検査法について理解できる。 投影法について理解できる。 |
第10章・120分 | |
感情・認知の自己表現としてのアサーションが理解できる。 アサーション行動における自分の傾向が理解できる。 アサーショントレーニングでの自己表現を通じて自己理解と他者理解を深める。 |
アサーションの概念が理解でき、自己理解と他者理解を深める。 | 自己学習・120分 | |
パーソナリティ障害・気分(感情)障害について、ICDやDSMでどのような行動がパーソナリティ障害・気分(感情)障害と診断されているかを理解する。 パーソナリティ障害・気分(感情)障害について、最新の脳科学的観点から考察できるようになる。 |
パーソナリティ障害・気分(感情)障害の診断と行動が理解できる。 | 1.第9章・120分 | |
タイプA性格を代表とする、パーソナリティと疾患の関連について理解する。パーソナリティとストレスについて | パーソナリティと疾患・パーソナリティとストレスの関連について理解できる。 | 1.自己学習・60分 | |
試験 パーソナリティは変化するのか?について脳機能的な観点から考える。 人間の行動と脳変容について。 感情と脳機能について理解する。 |
パーソナリティの可変性について及び感情と脳機能について考えられる。 | 1.自己学習・30分 3.第2章~第3章・ 60分 |