最終更新日:2024年4月5日

1年次入学生:4年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
心理・福祉学部 心理学科

P024

学校臨床心理学

教育・学校心理学の理論を学び、子どもと学校を援助する

単位条件

通信 4単位

教員

藤原 あやの

履修条件

なし

到達目標

理論として、「教育・学校心理学」の意義、子どもの発達課題、スクールカウンセリングの枠組み、学校教育に関連する領域、心理教育的援助サービスについて学ぶことを目標とする。そして、実践としての子どもと学校の具体的な問題の理解と援助として、発達障害の子どもの困難さと援助、不登校の子どもの理解と援助、いじめに関する理解と援助、非行に関する理解と援助、学校全体の緊急支援と危機支援について学ぶことを目標とする。

学習成果

教育・学校心理学の理論的枠組みを学ぶことで、子どもと学校を援助する実践の場でのより適切な心理教育的援助に役立てることができる。

テキスト教材

石隈利紀編『教育・学校心理学』(遠見書房)2019

参考図書

水野治久・串崎真志編『教育・学校心理学 ―子どもの学びを支え、学校の課題に向き合う―』(ミネルヴァ書房)2019

評価の要点

レポート課題合格後、科目終了試験に合格すること。
教育・学校心理学に関する基本的な考え方を理解できているかどうかを評価する。

評価方法と採点基準

レポート課題合格後の科目終了試験で評価する。科目終了試験は、100点満点で60点以上が合格。テキストを何度も繰り返し読み、レポート課題をしっかり復習してから試験を受けること。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

・テキストを何度も繰り返して読むこと。
・テキストの各章で記載されている推薦図書や引用文献を積極的に読んでみることをお勧めする。

レポート課題

提出数 4

第1課題

第1課題を提出するときは[Ⅰ]と[Ⅱ]の両方を一緒に出してください。

横書き解答用紙あり

第1設題

[Ⅰ]と[Ⅱ]の両方に答えなさい。
※[Ⅰ]と[Ⅱ]の両方合わせて第1課題です。

[Ⅰ]次の文章の(  )に当てはまる言葉をいれてください。

1.子どもと学校教育をめぐる変化は、第一に( 1 )。第二に、( 2 )。第三に、( 3 )。
2.教育心理学は、( 4 )ための学問である。教育心理学は、( 5 )という学問的な目的と( 6 )という実用的な目的をもつ。
3.学校心理学は、学校教育の一環として( 7 )を支える学問体系である。
4.心理教育的援助サービスは、「( 8 )活動」と定義される。
5.教育心理学と学校心理学は、どちらも( 9 )として( 10 )を支えることをめざし、多くの共通領域をもっている。
7.教育心理学と学校心理学に違いは、教育心理学は( 11 )も対象とすること、学校教育に限らず( 12 )を扱うことに対し、学校心理学は、( 13 )に焦点を当てていることである。
7.発達とは、( 14 )過程である。都築(2000)は、人間の発達をとらえるとき、( 15 )、( 16)、( 17 )から見ることが重要であり、子ども一人ひとりにおいて、この3つの力動的関係によって( 18 )は異なるとしている。
8.発達において、( 19 )、( 20 )、そして個性として理解できるもの、というそれぞれを詳細に検討することは、子どもの( 21 )する上でも大切なことである。
9.ピアジェの認知発達理論において、誕生から1歳半、2歳の発達の時期を( 22 )といい、循環反応、( 23 )、( 24 )などの認知
機能が獲得される。1歳半から2歳〜6、7歳の発達の時期を( 25 )という。( 25 )は、( 26 )思考期(2〜4歳頃)と( 27 )思考期(4〜7歳頃)の2つに分けられる。
10.アニミズムとは、例えば「葉っぱが、かさこそお話しているね」というように、( 28 )傾向をいう。
11.自己中心性とは、空間内で視点を移動すると、ものの見方が変わるということを十分に理解できないために、( 29 )ことをいう。また、( 30 )傾向を中心化という。
12.ピアジェの認知発達理論において、6、7歳から11、12歳の発達の時期を( 31 )という。この時期に、数・量・重さなどについて、見かけの形態が変化しても足したり取り去ったりしなければ数・量・重さは変わらないという( 32 )が獲得される。( 32 )が成立するのは、( 33 )(元に戻すと同じになる)、( 34 )(ある側面が他のある側面を補う)、( 35 )(その物体に何かを加えたり除いたりしないので同じ)を理解できるようになるからである。
13.ピアジェの認知発達理論において、11、12歳〜の発達の時期を( 36 )といい、子どもは具体的な現実に縛られずに、( 37 )に考えることができるようになる。
14.フロイトの精神分析理論の特徴は、心の働きとして( 38 )を重視したこと、( 39 )の存在を仮定したこと、( 40 )を重視したこと、があげられる。フロイトは、心を意識、( 41 )、( 42 )の3つの領域に分け、この3つが関連し合いながら機能していると考えた。その後、心的装置を発表し、心は( 43 )、自我、( 44 )の3領域から成るとした。
15.フロイトによる人格の発達理論は、心のエネルギー源である( 45 )を性衝動ととらえ、人格発達はこの( ㊺ )の発達に関すると考え、( 46 )期、( 47 )期、( 48 )期、( 49 )期、( 50 )期の5段階に分けている。
16.エリクソンの心理・社会的発達理論の主な特徴として以下があげられる。
・個体の発達は常に社会との( 51 )の中で起こるものとし、( 52 )側面を重視した。
・誕生から死まで人間は( 53 )と考え、そのプロセスを( 54 )(人生周期)と呼んだ。
・人間の発達に( 55 )の概念を取り入れて前段階の( 56 )を達成して、次の段階に進むと考えた。
・人間の一生は8つの漸成的発達に分かれ、各段階には固有の発達段階があり、そこであらわされる葛藤を( 57 )と呼んだ。
17.マーラーの分離-固体化理論において、分離-固体化期は、分化期、練習期、( 58 )、( 59 )の獲得の4つに分かれる。
18.「心の理論」とは「ある人が、自分や他者に心的状態を帰属する」こととされ、相手の心、信念や欲求、情動や意図などを、( 60 )能力に関する理論である。
19.児童期において、子どもが社会性を十分身に付けることができないまま小学校に入学した結果、他児との関わりができず、集団生活になじめないなどの「( 61 )」問題が顕在化することがある。
20.発達障害圏の子どもは、教師や他児からの叱責や避難を受ける体験が自信喪失、劣等感や被害的感情などを引き起こすことになり、そうした状態が繰り返され継続することによって、不登校、引きこもり、うつ病、非行などを呈する( 62 )を起こしやすい。

[Ⅱ]【パソコン印字可】以下の教育課題のうち一つを選択し、現状とその対応としてどのようなことが行われているかについて概説してください。【800字程度】
1.いじめ
2.不登校
3.学級崩壊
4.発達障害の子どもの指導・支援

第2課題

いずれか1設題を選択

横書きパソコン印字可
[1600]

第1設題

チーム学校の活動の中核となる「チーム援助」とはいかなるものか、また「チーム援助」の進め方について説明してください。

第2設題

3段階の心理教育的援助サービスについて説明してください。

第3課題

第3課題を提出するときは[Ⅰ]と[Ⅱ]の両方を一緒に出してください。

横書き解答用紙あり

第1設題

[Ⅰ]と[Ⅱ]の両方に答えなさい。
※[Ⅰ]と[Ⅱ]の両方合わせて第1課題です。

[Ⅰ]次の文章の(  )に当てはまる言葉をいれてください。

1.発達障害援助法によれば、発達障害とは「( 1 )症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、( 2 )障害、( 3 )障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発言するもの」と定義される。
2.注意欠如・多動性障害(ADHD)は、( 4 )症状、多動性/( 5 )性の症状のいずれかまたは両方が( 6 )持続しており、こうした症状が( 7 )から現れ継続する障害である。
3.ADHDは、不注意症状を主とする( 8 )型と多動性/衝動性の症状を主とする( 9 )型に分けられる。( 9 )型は、幼少期に劣悪な養育環境にある場合、二次的並行障害として( 10 )障害(ODD)、( 11 )障害(CD)へと高率に展開することが知られている。こうした展開は( 12 )障害(DBD)マーチと呼ばれる。
4.学校場面におけるADHDの支援として、以下のことがある。
・音(廊下側の席、窓側の席)、( 13 )、温度など、注意を妨げる要因に配慮する。
・目と目を合わせて、( 14 )がこちらに向いていることを確認してから、はっきり、大きな声で、( 15 )話す。
・( 16 )に負担をかけすぎないように、指示は( 17 )、わかりやすく行う。
・指示どおりの作業ができているか、( 18 )する。
5.自閉症スペクトラム障害(ASD)は、( 19 )および( 20 )における持続的障害であり、( 21 )様式の行動、興味、活動を特徴とする。
6.ASDの行動特性として以下のようなものがある。
・周りの人が困惑するようなことも、( 22 )で言ってしまう。
・友達のそばにいるが( 23 )で遊んでいる。
・特定の分野の知識を蓄えているが、( 24 )であり、意味をきちんとは理解していない。
・ある行動や考えに( 25 )ことによって、簡単な日常の活動ができなくなることがある。
・( 26 )な日課や手順があり、( 27 )を嫌がる。
・含みのある言葉の本当の意味が分からず、( 28 )にうけとめてしまうことがある。
7.ASDの( 29 )が理解できない、文脈が読めない(計画性、予測性)、自分の感情を上手に( 30 )といったことが、対人トラブルを生じさせ、そうしたことの繰り返しが( 31 )の低下や予測性への不安をまねき、結果的に不安、( 32 )性の問題や( 33 )といった不適応行動が生起する。
8.ASDの支援として、チームティ―チング(TT)、ボランティアを活用した本児の感情を他者に伝える( 34 )を用いた支援、時間割の授業と授業の間に行うことを具体的に示した( 35 )の作成、感情の高ぶりを抑えるための( 36 )の設置と活用、( 37 )を高めるための心の交流やカウンセリングなどが有効である。
9.( 38 )とは、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの能力の習得に著しい困難を示す状態を指すものであり、背景に( 39 )における何らかの機能障害があることが推定されている。
10.発達障害の心理教育的支援における留意点は、以下のようなものがある。
・( 40 )に立って障害の影響を理解する。
・子どもとその環境との( 41 )の観点から、障害の影響について予測的に思考する。
・困難場面においては、問題の整理を助ける( 42 )な提案を行う。
・スケジュールの確認など、子どもの自発性を重視しつつ( 43 )した支援を行う。
・得意なこと、できることを( 44 )、支援において積極的に活用し、( 45 )を高める。
・保護者からの相談においては、( 46 )を十分理解し、子どもの理解を深めるための助言、指導その他の援助を行う。
・教育、医療、福祉などの専門家間の連携を図るために、( 47 )の結果を積極的に活用する。
11.インテーク面接において、発達障害の場合、その背景に( 48 )要因があると考えられることから、( 49 )履歴の聞き取りが特に重要となる。
12.学校教育における子どもの心理教育的援助サービスに関するアセスメントを、( 47 )といい、「援助の対象となる子どもが問題に取り組むうえで出会う問題や危機の状況についての( 50 )を通して、心理教育的援助サービスの方針や計画を立てるための資料を提供するプロセスである」と定義される。
13.文部科学省による不登校児童生徒の定義は、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために、年間( 51 )日以上欠席した者のうち、病気や( 52 )な理由による者をのぞいたもの」である。
14.いじめ防止対策推進法第2条によるいじめの定義は、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と( 53 )にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が( 54 )もの」であり、起こった場所は( 55 )とされている。

[Ⅱ]【パソコン印字可】危機的な出来事に遭遇し学校コミュニティが機能不全の状態に陥った場合、あなたがSC (スクールカウンセラー)ならばどのような対応をしますか。論じてください。事例を挙げて論じてもよい。【800字程度】

第4課題

いずれか1設題を選択

あなたがSC(スクールカウンセラー)ならばどのような対応をしますか。事例を挙げて論じてください。

横書きパソコン印字可
[1600]

第1設題

いじめを受けている児童生徒への支援

第2設題

不登校の状態にある児童生徒の母親への支援

第3設題

発達障害が疑われる児童生徒への支援

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
教育・学校心理学の意義(1) 子どもと学校教育の今、教育心理学と学校心理学 第1章 P11〜P21
教育・学校心理学の意義(2) 教育分野の業務について 第1章 P21〜P26
子どもの発達課題への取り組みの理解と援助(1) 発達とは、発達の基礎理論(1) 第2章 P27〜P31
子どもの発達課題への取り組みの理解と援助(2) 発達の基礎理論(2) 第2章 P31〜P35
子どもの発達課題への取り組みの理解と援助(3) 各年齢段階における発達的特徴と課題 第2章 P35〜P41
子どもの教育課題への取り組みの援助(1) 教育臨床課題の現状と対応 第3章 P42〜P50
子どもの教育課題への取り組みの援助(2) 教師のメンタルヘルスと不祥事の問題 第3章 P50〜P54
スクールカウンセリングの枠組み(1)
子どもの「心の問題」の構造、SCによる援助の構造 第4章 P55〜P58
スクールカウンセリングの枠組み(2) 典型的な事例を通して 第4章 P58〜P65
子どもの多様な援助者とチーム学校(1) 子どもの多様な援助者、チーム学校を支えるチーム援助(1) 第5章 P66〜P69
子どもの多様な援助者とチーム学校(2) チーム学校を支えるチーム援助(2) 第5章 P70〜P74
子どもの多様な援助者とチーム学校(3) 専門スタッフとしてSCに期待されること 第5章 P75〜P78
3段階の心理教育的援助サービス(1) 学校心理学の3段階の援助サービス 第6章 P79〜P85
3段階の心理教育的援助サービス(2) 学校における3段階の援助サービスの実際 第6章 P85〜P88
まとめ この科目で学んだことの総括 第15章 P194~P196
発達障害の理解と援助(1) 発達障害とは、学校場面における発達障害の支援 第7章 P91〜P97
発達障害の理解と援助(2) 発達障害のインテーク面接の留意点と心理検査の活用 第7章 P97〜P104
不登校の理解と援助(1) 不登校の理解 第8章 P105〜P109
不登校の理解と援助(2) 不登校への援助 第8章 P110〜P115
いじめの理解と援助(1) いじめとは何か、日本の学校でのいじめの実態 第9章 P116〜P121
いじめの理解と援助(2) いじめ役割の関連要因、いじめ被害の影響 第9章 P121〜P124
いじめの理解と援助(3) いじめ防止対策推進法、いじめの予防教育、事後対応 第9章 P124〜P129
非行の理解と非行をする子どもの援助(1) 非行等の状況、非行をする子どもの定義、非行と学校心理学 第10章 P130〜P136
非行の理解と非行をする子どもの援助(2) チーム学校と非行をする子どもへの対応、事例検討 第10章 P137〜P143
学校における危機対応(1) 学校の危機、学校危機をもたらす出来事、学校危機への個人や学校コミュニティの反応 第11章 P144〜P148
学校における危機対応(2) 学校における危機対応発展過程、学校における危機対応、学校緊急支援の実際、これからの学校危機対応 第11章 P148〜P158
学級づくりの援助 ― スクールカウンセラーの役割を中心に 安全・安心の学級風土、学級の荒れへの対応 第12章 P159〜P170
学校づくりの援助 学校づくり、チーム学校、学校のアセスメン ト、学 校 の 協力・連携の促進 第13章 P171〜P181
地域ネットワークづくりの援助 コミュニティワーカーとしての役目、連携事例、子どもたちの援助ニーズに応じる関係機関とその機能 第14章 P182〜P192
まとめ この科目で学んだことの総括 第15章 P197〜207
試験
科目終了試験は、100点満点で60点以上が合格となります。テキストを何度も繰り返し読み、レポート課題をしっかり復習してください。