最終更新日:2024年4月16日

1年次入学生:4年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
心理・福祉学部 心理学科

P021

ストレス心理学

ストレスについての理解を深める

単位条件

通信 2単位 面接 2単位

教員

山﨑 美佐子

履修条件

レポート2課題を提出後、スクーリングを受講すること。

到達目標

この科目は、心理学科のディプロマポリシーの教育目標「心の働きと多様性を学び、人間を複眼的に見ることによって、広い視野を育成する」、学修成果「心理学の基礎領域を幅広く学び、人の心の仕組みを科学的に捉えることができる」と関連し、ストレス研究の歴史的な経緯、ラザラスの心理学的ストレスモデル、ストレス過程に影響するソーシャル・スキルおよびソーシャル・サポートについて理解すること、職場におけるストレスの諸要因について理解し心理学的な介入について検討すること、ストレスの心理学的な測定方法を理解すること、を目標とする。

学習成果

(1) これまでのストレス研究を概観でき、心理学史の流れに沿って説明することができる。
(2) ラザラスの心理学的ストレスモデルを説明することができ、自らの生活体験において応用できる。
(3) ソーシャル・スキルおよびソーシャル・サポートの概念を説明することができ、自らの生活体験において応用できる。
(4) 職場におけるストレスの諸要因について説明でき、これらを踏まえた心理学的な介入方法を提案できる。
(5) ストレスの心理学的な測定方法の理解を踏まえたうえで、この領域の研究論文を正しく読み解き、解釈することができる。

テキスト教材

小杉正太郎『ストレス心理学ー個人差のプロセスとコーピング』(川島書店)(ISBN978-4-7610-0756-0)

参考図書

R・S・ラザルス、S・フォルクマン(共)本明・春木・織田監訳『ストレスの心理学ー認知的評価と対処の研究』(実務教育出版)(ISBN978-4-7889-6070-1)
谷口弘一・福岡欣治編『対人関係と適応の心理学』(北大路書房)(ISBN4-7628-2527-1)

評価の要点

レポート課題の評価とスクーリング時の試験によって評価する。レポート課題2回(各回2題ずつ、計4題)。

評価方法と採点基準

レポート、スクーリング両方が合格後、総合的に評価する。
レポートは、ストレス研究の経緯、心理学的ストレスモデル、ソーシャル・スキルおよびソーシャル・サポート等について、教科書の記載の正確な理解を基準に、参考書等による学習の上積みの程度によって加点する。
スクーリング時の試験は、職場におけるストレスの諸要因について理解および心理学的な介入について検討する力を評価する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

通信課題は教科書全体が範囲となるような出題する。まずは教科書を使って独習し、通信課題に取り組むこと。スクーリングでは復習を兼ねて、要所について講義する。
通信課題は教科書の丸写しではなく、理解した内容を自分の言葉で記述するよう心がけること。

レポート課題

提出数 2

第1課題

⚠通信2単位/面接2単位。通信2単位分のレポートを提出した後、スクーリングを受講して下さい。
⚠Webで提出する場合には、各1課題ずつ別々に文字数を1600字とし、設題12と入力してください。

横書きパソコン印字可Web提出可
[各800]

第1設題

2つの設問とも答えなさい。(各800字程度、本文の書き初めに1, 2を明記すること。)
1  生理学・疫学的ストレスモデルと心理学的ストレスモデルについて、①代表的な研究例を挙げ、②それぞれの特徴と相違点、③両者の関連についてまとめなさい。
2 ラザラスのストレスモデルについてその概要を説明しなさい。

第2課題

⚠通信2単位/面接2単位。通信2単位分のレポートを提出した後、スクーリングを受講して下さい。
⚠Webで提出する場合には、各1課題ずつ別々に文字数を1600字とし、設題12と入力してください。

横書きパソコン印字可Web提出可
[各800]

第1設題

2つの設問とも答えなさい。(各800字程度、本文の書き初めに1,2を明記すること。)
1 ストレスとソーシャル・スキルおよびソーシャル・サポートとの関連についてまとめなさい。
2 ストレスと心身症の関連についてまとめなさい。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
ストレス研究の流れ(1)
セリエの汎適応症候群を中心に、生理学的・疫学的ストレスモデルを学習する。
生理学・疫学ではストレスがどのように研究されてきたかを説明できる。
教科書p.1-12を精読する。90分
ストレス研究の流れ(2)
心理学的ストレス研究の草分けとして、パソビッツによる一連の研究を学習する。
心理学史の中でストレスが研究されるようになった経緯を説明できる。 教科書p.13-20を精読する。90分
ストレス研究の流れ(3)
ラザラスが心理学的ストレスモデルに至る前段階の研究として、代理ストレス研究を学習する。
生理学・疫学と心理学のストレスに対する視点の違いを説明できる。
教科書p.20-28を精読する。90分
ストレス研究の流れ(4)
ラザラスが心理学的ストレスモデルを提唱する前の研究スタイルのうち、ストレスを刺激として定義する入力型アプローチについて学習する。
入力型アプローチの問題点を指摘できる。 教科書p.31-33を精読する。90分
ストレス研究の流れ(5)
ラザラスが心理学的ストレスモデルを提唱する前の研究スタイルのうち、ストレスを結果ないし反応として定義する出力型アプローチについて学習する。
出力型アプローチの問題点を指摘できる。 教科書p.33-34を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(1)
ラザラスの心理学的ストレスモデルの概要について学習する。
ラザラスの心理学的ストレスモデルの概要と特徴を説明できる。 教科書p.34-37を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(2)
ラザラスによる潜在的ストレッサーの概念について学習する。ストレス・イベント尺度を体験する。
ラザラスがなぜ潜在的ストレッサーという用語を用いたかを説明できる。 教科書p.107-112を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(3)
認知的評定過程のうち脅威性の認知について学習する。
ストレス過程の中の一次的評定の位置づけを説明できる。 教科書p.37-40を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(4)
認知的評定過程のうち対処可能性の認知について学習する。
ストレス過程の中の二次的評定の位置づけを説明できる。
教科書p.40-42を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(5)
ストレス・コーピングの概念について学習する。
ストレス・コーピングとは何かに説明できる。 教科書p.42-44を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(6)
ストレス・コーピングの分類について学習する。ストレス・コーピング尺度を体験する。
ストレス・コーピングの分類の種類を知り、相互の関係を説明できる。 教科書p.45-48 教科書p.116-121を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(7)
ストレス・コーピング方略の組み合わせについて学習する。
コーピング方略の組み合わせについて状況との関連から説明できる。 教科書p.48-51を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(8)
ストレス・コーピングのコストについて学習する。パス解析およびパス図の見方について
学習する。
コーピングの効果とコストの関連をパス図を使って説明できる。 教科書p.51-54を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(9)
ストレス反応のうち、生理的反応が生じる仕組みについて学習する。
ストレスによって生理的な反応が生じる仕組みを説明できる。 教科書p.123-130を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(10)
ストレス反応のうち、感情や思考など心理的反応について学習する。
心理的なストレス反応を測定し、解釈することができる。 教科書p.102-107を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(11)
ストレス反応のうち、行動的反応について学習する。ストレス反応尺度を体験する。
行動的なストレス反応を測定し、解釈することができる。 教科書p.102-107 教科書p.187-190を精読する。90分
ラザラスの心理学的ストレスモデル(12)
ストレス反応に影響する諸要因について学習する。
ストレス反応に対する諸要因の影響について統計的な解釈ができる。 教科書p.59 教科書p.66-68 教科書p.107-121を精読する。90分
ソーシャル・スキル(1)
ソーシャル・スキルの定義について学習する。
ソーシャル・スキルについてその発想の背景を含めて説明できる。 教科書p.59-62を精読する。90分
ソーシャル・スキル(2)
ソーシャル・スキルの構成要素について学習する。
ソーシャル・スキルの構成要素を列挙し、説明できる。
教科書p.62-64を精読する。90分
ソーシャル・スキル(3)
ソーシャル・スキル・トレーニングについて学習する。
ソ ー シ ャ ル・ス キル・トレーニングの方法を説明することができる。 教科書p.64-65を精読する。90分
ソーシャル・サポート(1)
ソーシャル・サポートの定義について学習する。
ソーシャル・サポートとは何かについて説明することができる。 教科書p.74-79を精読する。90分
ソーシャル・サポート(2)
心理学的ストレスのプロセスにおけるソーシャル・サポートの影響について学習する。
ストレスへのソーシャル・サポートの直接効果と緩衝効果を説明する。 教科書p.79-82を精読する。90分
職場と心理学的ストレス(1)
職場ストレスの諸要因について学習する。
職場ストレスに影響する諸要因を列挙することができる。 教科書p.176-179を精読する。90分
職場と心理学的ストレス(2)
職業性ストレスモデルについて、その研究史とともに学習する。
NIOSH職業性ストレスモデルについて説明することができる。 教科書p.180-187を精読する。90分
職場と心理学的ストレス(3)
職務満足感と職業性ストレスとの関連について学習する。
職務満足感と職業性ストレスとの関連について説明することができる。 教科書p.84-94を精読する。90分
職場と心理学的ストレス(4)
職業性ストレスへの心理学的な介入について学習し、具体的な介入方法を検討する。
職業性ストレスへの心理学的な介入について提案することができる。 教科書p.190-192を精読する。90分
ストレスと心身症(1)
ストレスが身体的反応を生じさせ、疾患へと至るプロセスについて学習する。
ストレスが身体反応を生じさせる過程を説明することができる。 教科書p.124-130を精読する。90分
ストレスと心身症(2)
心身症の定義について学習し、心身症に対する心理学的なアプローチについて検討する。
心身症の定義を正しく説明することができる。 教科書p.131-135を精読する。90分
心理学的ストレスの測定(1)
心理尺度を用いた心理学的ストレスの測定法を学習し、尺度の信頼性と妥当性について復習する。
尺度の信頼性と妥当性を正しく説明することができる 教科書p.97-102を精読する。90分
心理学的ストレスの測定(2)
心理学的ストレスを測定するための心理尺度を比較し、それらの特徴について学習する。
目的に応じた測定尺度を使用し、心理学的ストレスを測定できる。 教科書p.102-121を精読する。90分
試験
スクーリング時に、学習内容の理解を踏まえて、自らの生活体験への応用する力を評価するための試験を実施する。