最終更新日:2024年3月5日
P009
心理学研究法
実証的研究の基礎知識を理解し、研究を立案する力を身につける単位条件
通信 4単位教員
履修条件
なし
到達目標
本授業における到達目標は以下の3つである。
1. 人の心の働きやしくみ等、心理学的な研究方法を身につけ、物事の真意を検証する実証的態度を身につける。
2. 日常生活における未解決の課題について心理学的研究法を用いて、解決案を提案する力を身につける。
3. 心理学の研究法の基礎的な知識を用いて、自己の考えを明確に説明する情報リテラシーを身につける。
学習成果
本授業では、心理学の研究法についての基本的な知識が身につくこと、ある研究目的を検証するにはどのような研究方法が適切かを考えられる
ようになることを学習成果とする。具体的には、以下の4つすべてが達成されているかどうかを学習成果として判断する。
1. レポート課題や試験において、心理学研究法の基礎的な知識及びスキルについて適切に説明できる。
2. レポート課題や試験において、心の働きを科学的に検証する方法を提案できる。
3. レポート課題や試験において、心理学的研究法を用いて、曖昧な心の働きを明確な概念として定義し、他者にも理解できる指標で測定する方法を説明できる。
4. レポート課題や試験において、研究倫理を遵守し適切な手法で心理データを測定する方法を提案し、自分の考えを適切なソフトウェア(ワードソフトなど)を活用しながら説明することができる。
テキスト教材
高野陽太郎・岡隆編『心理学研究法―心を見つめる科学のまなざし』補訂版(有斐閣アルマ)2017
松井豊『三訂版 心理学論文の書き方 卒業論文や修士論文を書くために』(河出書房新社)2022
参考図書
吉田寿夫『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』(北大路書房)1998
評価の要点
心理学研究法の基礎的な知識及びスキルについて理解し、適切に説明できることを評価する。
評価方法と採点基準
〈レポート〉
レポート課題の意図を正しく理解し、教科書の抜き書きではなく、自分で正しい具体例などを用いて説明していることを評価する。なお、レポートに適した文体や構成がとられていない場合は減点となる。いずれも心理学研究「執筆・投稿の手びき」(日本心理学会のHPから閲覧可能)に則るため、各自必ず参照すること。
〈試験〉
用語や概念の定義、それぞれの関係性を深く理解していることを評価する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
・心理学の研究法に関する基礎知識を身につけることが重要である。
・心理学の研究計画を立てる際には、実際に先行研究を調べることや、心理学統計法の基礎知識があることが求められる。関連書籍や論文を参照するなど、積極的に理解を深めること。
レポート課題
提出数 4第1課題
Webレポート「S-kip」での提出を推奨
第1設題
以下のキーワードをすべて用いて、「心理学の研究で実証が重要である理由」を説明しなさい(キーワードを用いる順番や回数は自由)。
〈キーワード〉 【①因果関係】 【②相関関係】 【③実験的研究】 【④観察的研究】
〈注意点〉キーワードは、【 】で囲った状態で本文中に含めること(Web提出・郵送提出共通)。郵送で提出する場合は、キーワードを蛍光ペンで塗りつぶす等して、キーワードの箇所をわかりやすくすること。対応していないレポートは再提出となる場合がある。
第2課題
Webレポート「S-kip」での提出を推奨
第1設題
以下のキーワードをすべて用いて、「独立変数の手続き化の方法」を説明しなさい(キーワードを用いる順番や回数は自由)。
〈キーワード〉 【①概念的独立変数】 【②純化】 【③多重操作】 【④概念的従属変数】
〈注意点〉キーワードは、【 】で囲った状態で本文中に含めること(Web提出・郵送提出共通)。郵送で提出する場合は、キーワードを蛍光ペンで塗りつぶす等して、キーワードの箇所をわかりやすくすること。対応していないレポートは再提出となる場合がある。
第3課題
Webレポート「S-kip」での提出を推奨
第1設題
調査法、観察法、検査法、面接法のそれぞれの研究方法の概要、他の研究法と比較した際の長所と短所を説明しなさい。研究計画を立てる際に、どのように研究法を選択するべきかについても言及しなさい。
第4課題
Webレポート「S-kip」での提出を推奨
第1設題
以下の研究テーマ①、②のどちらかを選び、因果関係を明らかにする心理学の研究計画を立てなさい。
①「暴力的な場面にたくさん触れると、その人の攻撃性は高まるのか」
②「同じ内容でも伝え方が異なると、聞き手が受ける印象も異なるのか」
研究計画書は以下の構成とすること。記述例はテキスト2を参照すること。
・目的 ・方法 ─参加者 ─要因計画 ─手続き ・結果の予測 ・考察
〈注意点〉研究計画は、以下の条件を必ず満たすこと。満たされていない場合、減点または再提出となる。
・因果関係を明らかにできる計画になっている(相関関係は因果関係ではない)。
・仮説および考察に実験の内容や結果から、どのような心理学的解釈が可能なのかが含まれている。
・従属変数と対応した適切な分析方法を選択している。
・剰余変数の統制のために工夫した点が含まれている。
・実験室での個別実験が想定されている。
・教科書で例として使われている研究内容とは異なる、オリジナルの研究仮説を立てている。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
科学と実証 | 心理学研究法の基礎 知識 研究における倫理の 知識 |
①1章 | |
実験と観察 | 心理学研究法の基礎 知識 研究における倫理の 知識 |
①2章 | |
実験と観察 | 心理学研究法の基礎 知識 研究における倫理の 知識 |
①2章 | |
実証の手続き | 心理学研究法の基礎 知識 研究における倫理の 知識 |
①3章 | |
実証の手続き | 心理学研究法の基礎 知識 研究における倫理の 知識 |
①3章 | |
独立変数の操作 | 心理学研究法の基礎 知識 研究における倫理の 知識 |
①4章 | |
独立変数の操作 | 心理学研究法の基礎 知識 研究における倫理の 知識 |
①4章 | |
従属変数の測定 | 心理学研究法の基礎知識 研究における倫理の知識 |
①5章 | |
従属変数の測定 | 心理学研究法の基礎知識 研究における倫理の知識 |
①5章 | |
剰余変数の統制 | 心理学研究法の基礎知識 研究における倫理の知識 |
①6章 | |
剰余変数の統制 | 心理学研究法の基礎知識 研究における倫理の知識 |
①6章 | |
さまざまな実験法 | 心理学研究法の基礎知識 研究における倫理の知識 |
①7章 | |
さまざまな実験法 | 心理学研究法の基礎知識 研究における倫理の知識 |
①7章 | |
心理学に特有な問題 | 心理学研究法の基礎知識 研究における倫理の知識 |
①9章 | |
心理学に特有な問題 | 心理学研究法の基礎知識 研究における倫理の知識 |
①9章 | |
調査法 | 調査法の基礎知識 | ①10章 | |
調査法 | 調査法の基礎知識 | ①10章 | |
観察法 | 観察法の基礎知識 | ①11章 | |
観察法 | 観察法の基礎知識 | ①11章 | |
検査法 | 検査法の基礎知識 | ①12章 | |
検査法 | 検査法の基礎知識 | ①12章 | |
面接法 | 面接法の基礎知識 | ①13章 | |
面接法 | 面接法の基礎知識 | ①13章 | |
研究の実施手順 | 研究遂行の基礎知識データを用いた実証的な思考方法 |
①14章 | |
結果の解釈 | 研究遂行の基礎知識データを用いた実証的な思考方法 | ①15章 | |
統計的分析 | 研究遂行の基礎知識データを用いた実証的な思考方法 | ①16章 | |
研究報告の重要性 | 研究遂行の基礎知識データを用いた実証的な思考方法 | ①17章 | |
研究計画の立案 | 研究計画書、研究論文の作成方法 | ②1〜3章 | |
研究計画の立案 | 研究計画書、研究論文の作成方法 | ②4章 | |
研究計画の立案 | 研究計画書、研究論文の作成方法 | ②5〜7章 | |
試験 全ての回が出題範囲となる。「評価方法と採点基準」の欄も参照すること。 |