最終更新日:2024年2月26日
P008
人格心理学
自分を知る・他人を知る単位条件
通信 2単位 面接 2単位教員
履修条件
2つのレポート課題を提出後にスクーリングを受講すること。
到達目標
心理学全般が取り扱う“心とは何か?” というテーマに、人間が持つ一貫した物事の受け取り方や行動の傾向を表す性格(人格)という考え
方からアプローチするのが人格心理学である。人間は一人一人外見が異なるように内面や性格も違う。そうした個性的な行動や受け取り方に注
目して、その背景にある要因について明らかにする。
本科目には実践的な面接講義も開講されている。多様な価値観や情報が混在する現代社会の中では自分で自分自身を守る必要がある。そのために必要な性格の特徴やスキルとは何か、知識と実践の双方で学ぶことができる。
この科目はディプロマ・ポリシーに該当している。
学習成果
人間の「精神構造」を明らかにする研究がパーソナリティ理論として実を結んでいる。そこで、フロイトなどの代表的理論について学ぶ。また「胎児から死まで」のライフサイクルにおけるパーソナリティの発達的側面についても理解を深める。
人格心理学は人間の誕生から最期まで、人生に起きる様々な出来事(ライフイベント)について解説してくれる。性格はいつ決定するのか、反抗期や自立は子どもの性格にどのような変化を与えるのかなど性格の成長はもちろん、不登校などの社会問題、性格の分析と自己受容など性格の特徴や構造、自分の価値とは何かなどの自己意識について、その形成メカニズムを説明してくれる。また、自己を表現する感情についても合わせて理解を進める。その結果、自分や他者を理解するようにできることになるとともに、社会における諸問題についても考える視点が身につく。
テキスト教材
1.横田正夫・津川律子(編)『ポテンシャルパーソナリティ心理学』(サイエンス)
2.『人格心理学』(聖徳大学通信教育部)
参考図書
スクーリングの際に、最新の知見・研究を随時紹介する。
評価の要点
人格心理学の歴史と主要な理論について、教科書を読んだだけの理解になっていないか、レポート課題の内容を評価する。さらに、面接講義を受講する際に必要な基本的な理解をしているか評価する。
評価方法と採点基準
成績評価は、提出されたレポートとスクーリングにより総合的に評価する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
人は一見してバラバラな行動をしているようであっても、人柄や個性が際立つものである。こうした個人差などはパーソナリティと呼ばれている。パーソナリティの理解は「自分を知る」と同時に「他者を知る」ことである。まず、一歩立ち止まって自分を振り返ってみることを始めてください。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
ビッグ5理論は、パーソナリティを類型または特性のどちらと捉えるかを論じなさい。
第2課題
第1設題
アサーティブ行動は健康なパーソナリティが顕在化したものであるとした時、この立場を裏づける理論的根拠について論じなさい。
備考・補足
← 表が横スクロールします →
授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
人格心理学とは | 人格心理学の概念が理解できる。 | 第1章・60分 | |
人格・性格・気質・パーソナリティ等の用語の使用に対する理解ができる。 | 人格という用語が定義できる。 | 第1章・60分 | |
パーソナリティへのアプローチ パーソナリティ表現としての感情のメカニズムについて理解する。 |
パーソナリティのアプローチ法が理解できる。 | 第2章・60分 | |
パーソナリティの分類方法についてどのようなものがあるかを理解する。 | パーソナリティの分類法について分かる。 | 第2章・60分 | |
パーソナリティの分類法のうち、最も古くから利用されている、類型論的分類法についてどのような理論があり、その理論の根拠を理解する。 | 類型論的分類について理解できる。 | 第2章・60分 | |
パーソナリティの類型論について、それぞれの特徴を理解する。 | 類型論の各理論の説明ができる。 | 第2章・60分 | |
パーソナリティの分類法のうち、特性論について理解する。 | 特性論について理解できる。 | 第3章・60分 | |
パーソナリティの特性論構築に必要不可欠な因子分析について理解する。 | 因子分析について理解できる。 | 第3章・60分 | |
パーソナリティのビッグファイブ理論が出てきた背景と、その位置づけを理解し、説明できるようになる。 | ビッグファイブ理論について理解できる。 | 第3章・60分 | |
パーソナリティの「人間-状況」論について理解する。 | パーソナリティにおける状況について理解できる。 | 第3章・60分 | |
パーソナリティの分類法のうち、構造論について理解する。 | 構造論について理解できる。 | 第4章・60分 | |
パーソナリティの構造論の各理論を理解する。 | 構造論の隔離損が説明できる。 | 第4章・60分 | |
自分という意識である自己意識について、自我と自己という観点から理解できる。 | 自己意識について理解できる。 | 第67章・60分 | |
パーソナリティの発達について理解する。 | 発達についてのプロセスが理解できる。 | 第5章・60分 | |
発達段階におけるパーソナリティの特徴が理解できる。それに伴う感情の変化についても理解する。 | 各発達段階におけるパーソナリティの特徴が分かる。 | 第5章・60分 | |
パーソナリティの性差について。 感情の性差についても理解する。 |
パーソナリティの性差が理解できる。 | 第8章・60分 | |
パーソナリティの測定法。テストの定義や基準の理解できる。 | パーソナリティテストの定義が分かる。 | 第10章・60分 | |
パーソナリティの測定法のうち、質問紙法についてその特徴が理解できる。 | 質問紙法について理解できる。 | 第10章・60分 | |
パーソナリティの測定法のうち、作業検査法についてその特徴が理解できる。 | 作業検査法について理解できる。 | 第10章・60分 | |
パーソナリティの測定法のうち、投影法についてその特徴が理解できる。 | 投影法について理解できる。 | 第9章・60分 | |
自己表現としてのアサーションが理解できる。 | アサーションの概念が理解できる。 | 自己学習・60分 | |
アサーション行動における自分の傾向が理解できる。 | 自己理解を深める | 自己学習・60分 | |
アサーショントレーニングでの自己表現を通じて自己理解と他者理解を深める。 | 自己理解と他者理解を深める。 | 自己学習・60分 | |
パーソナリティ障害について、ICDやDSMでどのような行動がパーソナリティ障害と診断されているかを理解する。 | 第9章・60分 | ||
パーソナリティ障害について、最新の脳科学的観点から考察できるようになる。 | パーソナリティ障害の脳機能の特徴が分かる。 | 第9章及び自己学 習・60分 | |
タイプA性格を代表とする、パーソナリティと疾患の関連について理解する。 | パーソナリティと疾患の関連が理解できる。 | 第9章・60分自己 学習・60分 | |
パーソナリティとストレスについて | パーソナリティとストレスの関連について理解できる。 | 自己学習・60分 | |
パーソナリティは変化するのか?について脳機能的な観点から考える。 | パーソナリティの可変性について考えられる。 | 自己学習・60分 | |
人間の行動と脳変容について。 感情と脳機能について理解する。 |
行動によって脳は変化するかが分かる。 | 自己学習・60分 | |
人格心理学のまとめ | これまでの内容を踏まえ人格についてまとめられる。 | ||
試験 スクーリング最終日に実施。 評価方法に関しては、「評価方法と採点基準」や「履修上の注意事項や学習上の助言」などを参考にしてください。 |