最終更新日:2024年2月28日

1年次入学生:4年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
心理・福祉学部 心理学科

P005

心理学史

心理学を歴史から理解する

単位条件

通信 4単位

教員

神谷 志歩

履修条件

なし

到達目標

現在の心理学は、哲学、生理学、生物学、物理学、情報科学、認知科学などの多くの分野の知見と時代精神と相互作用しながら発展した学際的学問である。本講義では、多岐にわたる心理学の発展を、歴史的事実をふまえつつ追い、その成り立ちを理解することを目的とする。心理学に関する他の講義を横糸とするならば、心理学史はそれらを時間的な観点という経糸で整理し直す科目と言える。単に心理学者個々人のエピソードを追うのではなく、理論や概念が現在の形になるまでどのような経緯を経たのかを、体系的に理解することが期待される。

学習成果

・心理学史上の代表的な人物について、その主要な学問的主張・業績が説明できるようになる。
・上述の内容が、どのような背景で生み出されたか、その歴史的関係が説明できるようになる。
・さらに、ある理論や概念が、その後の心理学の発展にどのような影響を及ぼしたか、具体的な変遷を説明できるようになる。
・心理学の周辺領域、ならびに心理学以外の周辺分野との関連性を理解し、学問としての広がりを説明できるようになる。

テキスト教材

サトウタツヤ・高砂美樹『流れを読む心理学史―世界と日本の心理学(有斐閣アルマ)』(有斐閣)2003

参考図書

大山正『心理学史―現代心理学の生い立ち(コンパクト新心理学ライブラリ)』(サイエンス社)2010

評価の要点

レポート、科目終了試験ともに、学習成果で述べた内容が適切に表現されているかに重きが置かれる。「心理学史」とう科目の性質をふまえ、設題を良く読み適切に答えることが肝要となる。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価する。
レポートでは、必要な字数内で各設題に対する答えが、バランスよく述べられているかが重要なポイントの一つである。関連する内容をすべて盛り込もうとする必要はないが、必要な理論や概念を説明したうえで、その変遷を論理的に述べてあるかは特に重視する。なお、Web上の情報やテキストの丸写しであると判断される場合、厳粛に対処する。
科目終了試験でも注意点は同様である。基本的に論述問題で構成されるため、設題に適切に答えることはもとより、単なる箇条書きや全体の論理性が著しく損なったものではないか、といった点も重視する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

心理学がどのように成立したのか、そして現在はどのような形をとっているのかを、これまでの学んだ内容を整理するつもりで学習を進めて欲しい。そのため、参考文献としてこれまでに読んだ教科書をはじめとしたすべての書籍が活用できる。すでに学習した内容を、億劫がらずに再確認することで、学習内容の理解・整理を図って欲しい。

レポート課題

提出数 4

第1課題

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600]

第1設題

ゲシュタルト心理学の基本的考え方と、現在の「知覚心理学」「認知心理学」以外に与えた影響を説明せよ。

第2課題

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600]

第1設題

進化論が心理学に与えた影響を説明せよ。

第3課題

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600]

第1設題

行動主義の特徴を説明せよ。またそれに対するどのような批判が成されたのかを詳細に述べよ。

第4課題

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600]

第1設題

心理学は「知能」をどのように扱ってきたか。それを測定する方法と問題点も含め、述べよ。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
心理学史の方法論(1) 心理学史を学ぶに当たり、異なる3つの観点を整理する テキスト P.2〜9
心理学史の方法論(2) 心理学史を学ぶに当たり、異なる3つの観点を整理する テキスト P.2〜9
心理学前史(1) 哲学・生理学・進化論が心理学に及ぼした影響を理解する。 テキスト P.10〜19
心理学前史(2) 哲学・生理学・進化論が心理学に及ぼした影響を理解する。 テキスト P.10〜19
精神物理学とヴントの実験心理学(1) 精神物理学が実験心理学を中心にどのような影響を与えたか学習する テキスト P.20〜23
精神物理学とヴントの実験心理学(2) 心理学の創始者とされるWundtがどのように心理学を成立させたのか理解する。 テキスト P.24〜29
ドイツにおける学派(1) ライプツィヒ学派の考えを理解する テキスト P.30〜34
ドイツにおける学派(2) ヴュルツブルク学派の考えを理解する テキスト P.30〜34
アメリカの心理学(1) ヨーロッパとアメリカ、それぞれにおける心理学の相違を理解する。 テキスト P.35〜42
アメリカの心理学(2) 機能主義の考え方について理解する。 テキスト P.35〜42
20世紀の心理学(1)-行動主義(1) 行動主義の成立とその展開について理解する。 テキスト P.44〜50
20世紀の心理学(1)-行動主義(2) 行動主義の成立とその展開について理解する。 テキスト P.44〜50
20世紀の心理学(2)-ゲシュタルト心理学(1) ゲシュタルト心理学の成立とその影響を理解する。 テキスト P.51〜57
20世紀の心理学(2)-ゲシュタルト心理学(2) ゲシュタルト心理学の成立とその影響を理解する。 テキスト P.51〜57
まとめ これまでの内容を振り返り、特に時系列的観点から学習内容の整理を行う。 テキスト P.2〜57
20世紀の心理学(3)-精神分析(1) フロイトの精神分析成立について理解する テキスト P.58〜64
20世紀の心理学(3)-精神分析(2) フロイトの影響について、その後の展
開を理解する。
テキスト P.58〜64
20世紀の心理学(4)-認知心理学(1) 認知心理学の成立と展開について理解する テキスト P.65〜69
20世紀の心理学(4)-認知心理学(2) 認知心理学の成立と展開について理解する テキスト P.65〜69
20世紀の心理学(5)-ヒューマニスティック心理学(1) ヒューマニスティック心理学成立の背景について理解する。 テキスト P.70〜69
心理学と社会の関わり(1) 心理学が周辺領域ならびに社会とどのように関わるのかを概観し、その影響範囲を把握する。 テキスト P.76〜130
心理学と社会の関わり(2) 心理学が周辺領域ならびに社会とどのように関わるのかを概観し、その影響範囲を把握する。 テキスト P.76〜130
心理学と社会の関わり(3) 心理学が周辺領域ならびに社会とどのように関わるのかを概観し、その影響範囲を把握する。 テキスト P.76〜130
心理学と社会の関わり(4) 心理学が周辺領域ならびに社会とどのように関わるのかを概観し、その影響範囲を把握する。 テキスト P.76〜130
心理学と社会の関わり(5) 心理学が周辺領域ならびに社会とどのように関わるのかを概観し、その影響範囲を把握する。 テキスト P.76〜130
日本の心理学史 日本における心理学の発展について理解する。 テキスト P.130〜160
心理学史における個人差と知能(1) 個人差と心理学がどう取り扱ってきたのか、歴史と現状を把握する。 テキスト P.161〜188
心理学史における個人差と知能(2) 個人差と心理学がどう取り扱ってきたのか、歴史と現状を把握する。 テキスト P.161〜188
心理学史の現状と展望 心理学史の現状と展望を概観する テキスト P.190〜201
まとめ これまでの内容を振り返り、特に時系列的観点から学習内容の整理を行う。 テキスト P.2〜201
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