最終更新日:2024年4月5日
N181
子ども家庭福祉
児童家庭福祉の枠組みから保育をとらえる単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
(1)目的
児童家庭福祉の一分野としての位置づけから、保育士の役割を捉える力が身についている。
(2)授業構成と到達目標
1.児童家庭福祉の意義と歴史的変遷をふまえたうえで、制度や実施体系等について理解し説明することができる。
2.児童家庭福祉と保育との関連性及び児童の人権について理解し説明することができる。
3.児童家庭福祉の現状と課題を学び、動向と展望について理解し説明することができる。
学習成果
1.児童家庭福祉の基本的知識を身につけ、子どもと家庭を多角的に捉えることができる
2.児童家庭福祉に関連するニュースや新聞に関心をもち、子どもの権利擁護における課題を探求することができる。
3.基本的知識をふまえて、児童家庭福祉に関し、他者に対して説明することができる。
テキスト教材
喜多一憲監修・堀場純矢編『みらい×子どもの福祉ブックス
評価の要点
本科目は、社会的な問題として児童家庭福祉にまつわるものを取り扱う科目である。したがって、教科書等だけの学習では完結できない部分が
あり、広く児童家庭福祉をめぐる社会情勢に関心を持ち、それに対する考えをまとめることを求めるので、注意されたい。
評価方法と採点基準
試験における得点をもとに評価を行う。また試験を受けるためにはレポート課題をクリアしなければならないことを注意されたい。
試験については、論述問題を含むため、文章構成力等も採点の対象となるので留意すること。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
子ども虐待や保育所の待機児童等、児童を取り巻く環境について、教科書を中心に新聞、法令等を踏まえて学修を行うこと。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
1 次のカッコにあてはまる語句を指定用紙に記しなさい。なお、用語については、教科書に準拠しているので留意すること。
・( 1 )は15〜49歳までの女性の年齢別出生率の合計であり、1人の女性が生涯に産む子どもの数の平均を表している。
・日本では子どもの福祉に関連して1947 (昭和22)年に( 2 )が定められた。これは子どもの福祉に関する基本的法律で、以後、社会情勢に合わせる形で改正が繰り返され現在に至っている。
・1834年、イギリスで制定された新救貧法では、「救済される貧民の生活水準は」、自力で生活するもののそれを上回ってはならない」とする( 3 )の原則がうたわれた。
・1909年、アメリカで開催されたホワイトハウス会議では、「( 4 )は文明の最高の創造物」として子どもにとって家庭で生活することの重要性が主張された。・社会福祉行政に関する国の中枢的な行政機関は( 5 )である。
・児童福祉法に基づき設置される( 6 )は、子どもに関する専門的な相談に応じ、場合によっては子どもを保護し、里親委託や児童福祉施設入所措置などを行う。
・我が国の少子化対策は1994(平成6)年発表の( 7 )からスタートした。
・子どもの健全育成とは子どもの可能性を伸ばし、身体的・精神的・社会的に( 8 )にかかわる取り組みのことである。
・母子保健法では乳幼児を対象とした健康診査の実施を( 9 )に義務付けている。
・ひとり親家庭の貧困率は常に( 10 )割を超えている。
・子ども虐待は子どもの( 11 )を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与える行為である。
・子どもの面前で行われるDVは子どもへの( 12 )虐待にあたる。
・( 13 )とは、要保護児童を乳児院、児童養護施設などの児童福祉施設で養育することである。
・( 14 )とは、保護者に代わる養育者の家庭で要保護児童を養育することで、里親とファミリーホームがある。
・バンク・ミケルセンは、障がいがある人も献上シュアと同様の生活ができるように支援するべきという( 15 )を提唱した。
・特別支援学校や、特別支援学級に通う障がいがある子どもには( 16 )が行われている。
・( 17 )では、家庭や学校などの環境上の理由によって社会生活への適応が困難となった子どもを入所・通所させ、心理治療や生活指導等を行う。
・( 18 )では、非行少年および家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する子どもを入所もしくは通所させて、必要な指導等を行い、その自立の支援等を行う。
・児童相談所に配置される( 19 )は、子ども虐待などの専門的な相談対応などの役割を担っている。
・児童家庭福祉分野における問題解決にあたっての( 20 )は子どもやその家族であり、支援を行うものではない。
第2課題
手書き可
第1設題
1 我が国において、少子・高齢化、家族規模の縮小等の社会的な変化が「子育てをしている家庭」にどのような影響を与えるか論じなさい。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
児童家庭福祉と保育1 「児童福祉の理念と概念」をふまえ、児童福祉の一分野としての保育について考える。 |
少 子 高 齢 化、未 婚化・晩婚化、孤立化への考察 | (90分) 児童と子どもを取り まく現状について確 認する。 p10-28 | |
児童家庭福祉と保育2 「児童の人権擁護と児童家庭福祉」について学び、子どもの権利擁護における保育者の役 割を理解する。 |
子どもの人権、子どもの権利条約、権利擁護、専門性への考察 | (90分) 子どもの権利擁護に ついて確認する。 p29-42 | |
現代社会における児童家庭福祉の意義と歴史的変遷1 イギリス・アメリカにおける児童家庭福祉の歩みについて理解する。 |
子どもに対する考え方の変遷 | (90分) ベヴァリッジ報告の 意義を確認する。 p43-50 | |
現代社会における児童家庭福祉の意義と歴史的変遷2 我が国における児童家庭福祉の歩みについて理解する。 |
民間篤志家による取り組みと戦後の取り組みの違いへの考察 | (90分) 戦前と戦後の取り組 みの違いを確認す る。 p50-58 | |
児童家庭福祉の制度と実施体系1 児童家庭福祉にかかわる法体系がどのように整備されているか理解する。 |
各種法律の役割の考察。 | (90分) 児童家庭福祉関連法 体系を確認する。 p59-65 | |
児童家庭福祉の制度と実施体系1 「行財政と実施機関」「児童福祉施設等」について学び、制度と実施体系を理解する。 |
行財政や実施機関に関する考察。 | (90分) 児童家庭福祉関連の 機関を確認する。 p65-74 | |
子育て支援と保育施策1 現在実施されている子育て支援・次世代健全育成施策について理解する。 |
少子化に対する施策の動向への考察 | (90分) 子育て支援サービス を確認する p75-81 | |
子育て支援と保育施策2 保育施策について理解する。 |
保育所の役割に関する考察 | (90分) 保育サービスを確認 する p81-92 | |
母子保健施策とひとり親家庭への福祉施策 母子保健と児童の健全育成、多様な保育ニーズへの対応について学び、現状と課題を理解する。 |
ひとり親家庭の現状と課題の考察 | (90分) 母子保健の必要性を 確認 p92-108 | |
子ども虐待とDV問題 子ども虐待の現状、DV問題との因果関係を理解する。 |
家庭内暴力の影響への考察 | (90分) 虐待の子どもの発達 への影響の確認 p109-128 | |
社会的養護の必要性 施設養護・家庭養護の違いを理解し、現状と今後の方向性を理解する。 |
児童養護施設の現状への考察 | (90分) 入所理由の確認 p129-142 | |
障がいがある子どもへの福祉施策 障がいがある子どもへの支援施策を理解する。 |
障がい児施設への考察 | (90分) 障がい児、障がいの 意味的理解と確認 p143-155 | |
心理治療の必要性や非行問題を抱える子どもへの支援 児童心理治療施設、児童自立支援施設の役割を理解する。 |
環境と子どもの発達に関する考察 | (90分) 障がい児、障がいの 意味的理解と確認 p156-168 | |
児童家庭福祉の専門職と連携 専門職にはどのようなものがあるかを理解し、連携の必要性を理解する。 |
連携の困難さへの考察 | (90分) ソーシャルワークの 意義的理解 p169-180 | |
これからの児童家庭福祉 「次世代育成支援と児童家庭福祉の推進」「保育・教育・保健・医療等との連携とネットワー ク」にみられる児童家庭福祉の動向と展望を理解する。 |
地域社会への理解 | (90分) ソーシャルワークの 意義的理解 p165-176を中心 に全体を振り返り。 | |
試験 100満点のうち、60点以上を合格とする。 |