最終更新日:2024年4月9日

1年次入学生:- 3年次編入学生:- 短期大学部:2年
短期大学部 保育科

N038/N166

教育原理Ⅰ/教育原理

歴史に学ぶ

単位条件

通信 2単位

教員

中村 裕 寺田 博行

履修条件

なし

到達目標

1.教育学の基礎用語の意味、概念を理解する。
2.教育をめぐる古今東西の思想に学び、教育とは何かという問いに対して自分の考えを持つ。
3.日本における学校教育の歴史を知り、現代の教育課題を大きな時間の流れの中で捉える。
4.以上を通じて、保育・幼児教育に関する専門知識を習得し、保育者としての情熱・使命感・責任感を身につける。

学習成果

1.教育学の基礎用語の意味、概念について、簡単な説明ができる。
2.古今東西の著名な教育思想家について、それぞれの生きた時代、その人間観と教育観について簡単な説明ができる。
3.日本における明治維新以降の学校教育の歴史の概略を述べることができる。
4.教育を歴史的に捉えることの必要性について、自分の考えを述べることができる。
5.設定された2つの課題について、合格水準のレポートをまとめることができる。

テキスト教材

佐藤順一著『教育原理』(聖徳大学短期大学部通信教育部)

参考図書

指定はしませんが、日本や西洋における教育の歴史や教育思想などについて述べた著作や、今日の教育問題を取り上げた書物は、すべてこの科目の参考書になります。今日の教育問題を知る上で新聞やテレビ等の報道特集は役に立ちます。目を配りましょう。

評価の要点

成績評価は、科目終了試験の評点をもとに行います。その要点は、テキストの学習を通じて、受講生が、上記の到達目標を達成できたか否か、具体的には、教育に係る基本原理および事項、特に、教育学における重要人物の思想や事績を理解できたか否かです。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価します。
成績評価は、科目終了試験の評点をもとに行います。受験資格は、第1課題、第2課題に合格した者へ与えられます。
第1課題は、テキスト前半の重要事項に関する空欄補充です。第2課題は、二つの設問のうち一つを選び2,300~2,400字にまとめるレポートです。課題1,2の評価は成績には反映されません。
科目終了試験は、テキストの内容について、特に、教育学における重要人物の思想や事績などの理解度を問います。出題形式としては、空欄補充問題が中心となります。答案は、何度目の受験であっても初回と同じ基準で採点します。合格時の評点がこの科目の評価になります。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

テキストを繰り返しよく読むことを心がけてください。読みながら、自分の使いやすいように印をつけたり、関連文献を調べてみて分かったことをテキストに書き込んだりするといいでしょう。そのようにして、自分だけのテキストを作りながら勉強を進めます。試験に備えての勉強は、西欧の教育思想史と日本の近代以降の教育史において、注目度の高い社会・時代の教育の在り方、高名な人物の人間観と教育観、法令や出来事等に照準を合わせるとよいでしょう。

レポート課題

提出数 2

第1課題

⚠第1課題と第2課題を別々に提出すること。

解答用紙あり

第1設題

下の括弧に当てはまる用語を指定用紙に記入しなさい。なお、用語についてはテキストに準拠して記すこと。また、必ず該当するテキストのページも記すこと。
・古代ギリシャのスパルタでは、子どもは( ① )の共有物であり、ある年齢から親のもとを離れて1の学校で教育を受けた。
・古代ギリシャのアテナイでは、( ② )という教師集団が現れ、雄弁をもって学芸を盛んにした。
・相手自身の思考を助けるソクラテスの教育方法は、一般に「( ③ )」という名で知られている。
・アリストテレスは、人間を「( ④ )生物」としてとらえ、公共の生活のうちに人間の善は実現されると考えた。
・ローマでは、学生は高等教育の予備的教養として( ⑤ )を学んだ後、修辞学校においてより高度な弁証法や倫理学等が学んだ。
・中世ヨーロッパでは、市民階級によって組織された同業者組合「( ⑥ )」が自らの学校を形成するようになった。
・コメニウスは、主著『( ⑦ )』によって、あらゆる人間に対して教育することが重要であると説き、近代の教育制度の原型を構想したことから、「( ⑧ )」とよばれる。
・ロックは、人間は( ⑨ )の状態で生まれ、その後の教育によって形作られると考えた。
・( ⑩ )の人間観・教育観は、主著『( ⑪ )』の冒頭「造物主の手を出るときすべては善いものであるが、人間の手にかかってすべてがだめになる」という一文に端的に表れている。また、同書が従来の子ども観を転換させたことは、教育史上「( ⑫ )」といわれている。
・( ⑬ )は、主著『( ⑭ )』の冒頭において、「玉座の上にあっても木の葉の屋根の蔭に住まっても同じである人間、その本質から見た人間、いったい彼は何であるか」と述べた。
・⑬は、教育の可能性は、外部からのはたらきかけでなく、幼児の内側から自然なものとして育つものと考えた。この児童観こそ、その後の教育史家から「( ⑮ )の原理」とよばれる近代教育思想の根幹をなすものである。また、このように子ども自身の具体事物による直接経験、創意・自発性を尊重した彼の教育観は、一般に「( ⑯ )主義」といわれる。
・フレーベルは、幼児の( ⑰ )や創造性を認め、それらが十分に発達できるよう( ⑱ )することが教育であると考えた。
・いわゆる産業革命期に、オーウェンは、人間の性格が( ⑲ )によって形成されると考え、子どものための学校として( ⑳ )を創設した。

第2課題

手書きまたはパソコンでの印字可

設題1〜2より1題選択

Web提出可
[2400]

第1設題

テキストをよく理解した上で、教育とは何かを論じなさい。

第2設題

テキストをよく理解した上で、日本の教育は、戦前と戦後ではどのように変わったかを論じなさい。
(注)
1.科目終了試験について
●科目終了試験は1年に数回実施されます。各回とも主に問題文の空欄を補充する同一の形式となります。
●出題範囲は使用テキスト(佐藤順一著『教育原理』)の全体にわたっています。試験の設問は、試験回数により異なる場合があります。
●試験では、履修者がこの科目を受講して学んだことを評価します。具体的には、教育学における重要人物の思想や事績などの理解度を問うことになります。
●テキストは、古今東西の教育思想(史)と日本の近代学校の歴史を主な内容としています。
●著者は、教育思想については、代表的な思想(家)とその時代背景を述べています。日本の近代学校史については、重要な教育法制とその整備を促した時代の姿、活躍した人々の教育観を中心に述べています。
●この科目のシラバスは、そのようなテキストの構成を意識して書かれていますので、まず、シラバスにそってテキスト全体を読み通して下さい。
●受験に備えての勉強は、教育思想史と日本の近代教育史において、注目度の高い社会・時代の教育のあり方、人物の教育観、法令や出来事等に照準を合わせて進めましょう。
●レポート課題2には設問が2題あります。受講生には、そのうち1題を選んで、2,300〜2,400字でまとめたものを提出してもらっています。2題のどちらを選んでも、レポートを作成する過程がそのまま科目終了試験の受験準備になります。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
1.テキスト(佐藤順一著『教育原理』)の「はじめに」(3−4頁)を読み、このテキストの特色を理解したうえで、テキストの記述にそって「教育とは何か」について学びます。 読解力 序章第1節
2.「善さ」をめぐる問題に焦点を合わせながら、人間観の3類型について学びます。 読解力 序章第2節
3.古今東西に様々な人間観と教育観があったことを学びます−(1)古代社会、中世時代 読解力 第1章
4.古今東西に様々な人間観と教育観があったことを学びます−(2)ルネッサンス期 読解力 第2章
5.コメニウス、ルソーの人間観の新しさについて理解を深めましょう。 読解力 第3章
6.ペスタロッチ、フレーベルらの教育事業とそれを支えた人間観について学びます。 読解力 第4章
7.オーエンらの社会と人間形成をめぐる思索を学びます。 読解力 第5章
8.デューイの人間観と教育観について学びます。 読解力 第5章
9.モンテッソーリ、シュプランガーらの人間観・教育観について学びます。 読解力 第5章
10.日本における学校教育の歴史を学びます(1)近代学校制度樹立期−学制・学校令と教育勅語 読解力 第6章第1,2節
11.日本における学校教育の歴史を学びます(2)大正期の教育革新 読解力 第6章第3節
12.日本における学校教育の歴史を学びます(3)昭和前期−戦争と教育 読解力 第6章第4節
13.日本における学校教育の歴史を学びます(4)戦後教育改革 読解力 第7章第1,2節
14.日本における学校教育の歴史を学びます(5)高度経済成長と教育 資料探索・読解力 探して読む
21世紀の教育課題−関心のある事柄について調べてみましょう。 資料探索・読解力 探して読む
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