最終更新日:2024年4月9日

1年次入学生:- 3年次編入学生:- 短期大学部:2年
短期大学部 保育科

N031

乳児保育Ⅰ

1人ひとりを大切にする保育を考える

単位条件

通信 1単位 面接 1単位

教員

小原 貴恵子

履修条件

事前レポート課題(1課題)を提出してから、スクーリングを受講すること。

到達目標

1.乳児保育の意義・目的を理解し、説明することができる。
2.3歳未満児の発育・発達の特性を学び、健やかな成長を支える保育者の援助を理解する。
3.乳児保育における配慮の実際について理解し、技術の基本を習得する。

学習成果

1.乳児保育の重要性について、子どもと養育者の立場を理解し、説明することができる。
2.生活や遊びのなかから1人ひとりの子どもに応じた援助方法を理解し、実践に活かすことができる。
3.3歳未満児にとっての安全で快適な環境について理解し、説明することができる。

テキスト教材

加藤敏子編著『乳児保育〜一人一人を大切に〜』第3版(萌文書林)2019
厚生労働省『保育所保育指針 解説書 平成30年』(フレーベル館)2018

評価の要点

1.3歳未満児の発達の基本を理解し、年齢ごとの援助について説明することができる。
2.スクーリングでのグループワークに主体的に参加し、自身の役割を果たすことができる。

評価方法と採点基準

通信科目・面接科目の両方を受講後、総合的に評価します。
・評価の要点に基づいた内容について評価します。
・スクーリングの出席と試験。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

乳児の発達や特性について意欲的に理解する姿勢を求めます。
日頃から子どもの問題に関心を示し、ニュースや新聞に目を通すことを望みます。

レポート課題

提出数 1

第1課題

⚠️通信1単位のレポートを提出した後、スクーリング受講となります。

解答用紙あり

第1設題

①次の乳児保育について誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.乳児の成長発達は、個人差月齢差が大きいため、個人を尊重しその子にあった援助をしなければならない。
イ.乳児の育つ保育環境は重要であるが、人的環境は特に大きくは影響しない。
ウ.乳児の個性や家庭環境を踏まえて、健やかでくつろげる室内環境を整えていくことが必要である。
エ.児童福祉法第4条で乳児とは「満1歳に満たない者」と定義されている。
オ.全国的に待機児童が多く、国、地方自治体、保育施設ではその解決に向けてさまざまな対策をしている。

②乳児保育の歴史について誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.保育ニーズが高まり1968年(昭和43年)に東京都公立保育園がモデル園となり0歳児保育に取り組んだ。
イ.1969年(昭和44年)に厚生省(当時)が0歳児保育を認可して全国で開始された。
ウ.1975年(昭和50年)義務教育諸学校及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦(現看護師)、保母(現保育士)等の育児休業に関する法律が制定された。
エ.1994年(平成6年)当時の文部・厚生・労働・建設各省より「今後の子育て支援施策の基本的方向について」(エンゼルプラン)が策定された。
オ.2001年(平成13年)育児休業法が全職種の女性に適用された。

③保育の歴史において誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.1948年(昭和23年)戦後まもなく児童福祉法が施行され、ここに保育所の目的や公的責任が示された
イ.1951年(昭和26年)5月5日に児童憲章が制定され、すべての児童の福祉が守られることとなった。
ウ.1965年(昭和40年)保育所保育の基本である保育所保育指針が刊行された。
エ.1989年(平成元年)合計特殊出生率の1,57ショックを受けて、少子化対策が策定された。
オ.1994年(平成6年)に批准された児童の権利に関する条約の中で、児童は人として尊ばれる・社会の一員として重んじられる・よい環境の中で育てられるという児童に対する正しい観念が確立された。

④認可外保育施設について誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.駅型保育所は駅ビルや駅周辺に保育室があり、駅を使って通勤する保護者にとって便利である。
イ.事業所内保育所は職場内に設置され、従業員の仕事と育児の両立支援に役立っている。
ウ.院内保育は子どもが病気の時に医療的なケアをしながら預かる保育施設である。
エ.認証保育所は国ではなく自治体が認証した保育所であり、A型とB型がある。
オ.ファミリーサポートセンター事業は乳幼児や小学生を対象とし、保護者の急な残業時など地域に応じた支援事業が展開されている

⑤認可保育施設におけるサービスについて誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.労働基準法で定められている産後4週間の新生児期を過ぎた29日目からの保育を産休明け保育という。
イ.一時預かり事業は保護者の急な病気などの事由で日中保育されない子どもへの保育を行う事業である。
ウ.病後児保育は病気回復期の子どもに対して行う保育で保育士のほか看護師などの医療職の配置している。
エ.夜間の保育ニーズに対応するべく22時までの夜間保育を実施している。
オ.1974年(昭和49年)より保育所における障害児保育に対する予算化がなされた。

⑥保育所について誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.児童福祉法39条「保育所は、保育を必要とするその乳・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設とする」と規定されている。(2015年改正)
イ.保育所は児童福祉施設の通所施設の一つである。
ウ.保育園と保育所は異なる施設である。
エ.保育所では保育士1名に対して0歳児おおよそ3名の保育をすることとなっている。
オ.乳児を入所させる保育所では乳児室またはほふく室、医務室、調理室、便所を設けることが義務付けられている。

⑦乳児院について正しい記述を一つ選びなさい。
ア.乳児院は児童福祉法第36条に規定された施設である。
イ.乳児院は家庭で生活できない幼児を預かり養育する居住型児童福祉施設である。
ウ.保育所保育指針の設備及び運営に関する基準によって、面積や設備が規定されている。
エ.乳児院の入院(入所)理由は保護者の虐待、母親の疾病、生活の困窮、父、母、両親の死亡、受刑などさまざまである。
オ.2004年(平成16年)児童福祉法改正により必要に応じて新生児の0歳児の利用が可能になった。

⑧家庭的保育事業について正しい記述を一つ選びなさい。
ア.家庭的保育事業は子どもの家庭で保育者があたたかな雰囲気を作り保育をすることである。
イ.2008年(平成20年)児童福祉法で法制化され保育所の保育の補完的役割を担っている。
ウ.グループ型の家庭的保育者1人と補助者2人いれば9人まで保育が可能である。
エ.保育士の資格を有していなければ家庭的保育者になることはできない。
オ.家庭的保育は大都市およびその周辺の自治体における乳児を預かる制度である。

⑨認定こども園について誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.認定こども園には幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型4つの型がある。
イ.認定こども園は、就学前の子どもたちに幼児教育と保育を提供する機能を持ち合わせている。
ウ.認定こども園は、地域における子育て支援を行う機能を持ち合わせている。
エ.現在、認定こども園は、地方裁量型認定こども園教育・保育要領が内閣府、厚生労働省、文部科学省から告示され示されている。
オ.認定こども園は、保護者が働いている、いないにかかわらず入園できる。

⑩3歳未満児の身体的発育について正しい記述を一つ選びなさい。
ア.妊娠7週頃の身長は約2.5cm、体重は約4gくらいである。
イ.生後1年間が身長・体重なども最も著しい発育をし、身長は1.5倍、体重は4倍以上になる。
ウ.生後6〜7か月未満で60%以上の子がひとりおすわりをし、生後7〜8か月未満で約50%の子がはいはいをする。
エ.握り反射、パビンスキー反射、吸てつ反射、モロー反射、自動歩行などの原始反射が生後6か月頃から現れ、生後1年くらいまで見られる。
オ.乳幼児期に大人との温かく、親密で裏切られることのない触れ合いを通して愛着関係が築かれるので、できるだけ多くの大人と接して愛着関係を築くことが大切である。

⑪新生児期の子どもの姿及び保育者の関わりについて誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.WHO(世界保健機関)の定義によると生後28日を新生児期という。
イ.生まれたばかりの乳児は1日のほとんど約19時間〜20時間程度眠って過ごす。
ウ.昼夜関係なくおおよそ3時間ごとに睡眠と目覚めを繰り返している。
エ.新生児の過ごす室内環境として室温は25度に保つことが望ましい。
オ.新生児の時期は大人と一緒の入浴は避け、ベビーバスなどで沐浴を行う。

⑫生後1〜2か月の子どもの姿及び保育者の関わりについて誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.体重は1日におおよそ30g前後増加し、体が丸みをおびてくる。
イ.昼夜の区別がついてきて夜にまとめて5〜6時間継続して眠るようになる。
ウ.汗をかくことから頭、顔、脇などに湿疹ができることがある。
エ.この時期には情緒的な満足感から現れるほほえみである生理的微笑が見られる。
オ.保育者は子どもの個人差を忘れず、子どもが機嫌よく過ごせ、授乳、睡眠、排せつのリズムを整えていくことが重要である。

⑬3〜5か月の子どもの姿及び保育者の関わりについて誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.生後3か月頃には体重が生まれた時のおおよそ2倍程度になる。
イ.この頃になると自分の手をじっと見る、ガラガラなどの玩具を握って口に入れるなどして遊ぶ。
ウ.寝返りができるようなるとベッドからの転落などの危険があるので気を付ける。
エ.生後5か月、体重7kgを目安に離乳食を開始するが、それに向けてスープなど準備食を始める。
オ.保育者との一対一の時間を大事にし、おんぶや抱っこなどスキンシップを図っていくことが大切である。

⑭6か月から9カ月の子どもの姿及び保育者の関わりについて誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.お座りができるようになるがまだ安定が悪いのであまり座らせないようにして見守っていく。
イ.多方向からの寝返りができるようになり、寝返りで移動をするようになる。
ウ.ずりばい、四つ這い(はいはい)、高ばいなどできるようになり、移動手段が増える。
エ.信頼できる人との結びつきの表れとして人見知りをするようになる。
オ.「いないいないばあ」は、やりとりを楽しみながら行っていくことで言葉の興味にもつながる。

⑮10か月〜1歳3か月の子どもの姿及び保育者の関わりについて誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.生後1年で身長は95cm、体重は9kgとなる。
イ.テーブルなどにつかまっての、つかまり立ちや伝い歩きなどが始まり歩行につながっていく。
ウ.ママ、パパ、マンマなどの一語文を話したり、名前を呼ばれると返事をしたり、手をあげたりする。
エ.歩行が始まると少しの段差や物につまずくなど危険が増えるので、安全に留意した環境を設定する。
オ.指先の力がつき、玩具をしっかり握る小さなものをつまんだり穴に入れたりなど遊びの幅が広がる。

⑯1歳3か月〜2歳未満の子どもの姿及び保育者の関わりについて正しい記述を一つ選びなさい。
ア.1歳6か月を過ぎると法律上、幼児になる。
イ.離乳の完了、歩行の完成、言葉の完成、探索活動などがみられる。
ウ.クレヨンで丸や四角など形を描く、乗り物玩具に乗って遊べるようになる。
エ.子どもが何かを話そうとしているときには、先に言って子どもの言葉を助けるようにする。
オ.1歳6か月頃より発語が盛んになり、「マンマ、食べる」「ママ、ちょーだい」など二語文になってくる。

⑰2歳〜3歳未満の子どもの姿及び保育者の関わりについて誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.脳は成人の4/5 くらいに成長し、乳歯が生えそろう。
イ.保育の場では集団の活動が多くなるので、慣れていけるように個別よりも集団活動を多く取り入れていく。
ウ.自己主張が激しくなり、大人の手伝いを嫌がり、「いや」「だめ」「自分で」を連発する。
エ.運動機能や指先の機能が発達し、同時に生活面においても少しずつ自分のことができるようになってくる。
オ.子どもが自分でやろうとしているときには「早く」という言葉は避け、ゆっくりと見守る。

⑱0〜3歳未満児の遊びについて誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.大人との触れ合いの遊びを中心にさまざまな感覚や運動機能が発達する遊びを取り入れていくようにする。
イ.首がすわるまでの(3〜4か月)頃までは、大人があやすことが主な遊びである。
ウ.首がすわってくる(3〜5か月)頃は、吊り玩具や握り玩具を用意し見る、握る、なめるなどの遊びである。
エ.はいはいの頃は、ボールなど玩具は危ないので玩具よりも、はいはいができるスペースを用意する。
オ.1歳頃になると食べ物を食べる真似などのふり遊び、2歳頃になると見立て遊びなどができるようになる。

⑲乳児を取り巻く保育の環境について誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.一人の保育者が継続的に関わることで子どもは特定の保育者を安心できる存在として受け入れていく。
イ.3歳未満児の保育は複数担任で保育をすることが多いので、保育者同士の連携が大切である。
ウ.保育室は日当たりがよく、風通しのよい部屋が望ましいが、室温を保つため換気はしない方が良い。
エ.保育は集団であるが、できるだけ一人一人の発達や個性に合わせた個別保育を基本とする。
オ.午睡から目覚めたときは優しく声をかけ、検温や着替えをする中で健康状態の把握をする。

⑳保育の計画と記録について誤っている記述を一つ選びなさい。
ア.保育の計画は子どもの姿や実態に合った生活が展開できるよう立案することが大切である。
イ.全体的な計画は保育所生活のその年齢の育ちの道筋を示すものであり、担任同士で十分に話し合い作成する。
ウ.指導計画は全体的な計画に基づき具体的なねらいや内容、環境構成、子どもの活動、援助などを盛り込む。
エ.連絡帳は保護者と保育者が子どもの生活を伝えあうことによって相互理解につながり、信頼関係を結ぶことができる。
オ.発達の記録や保育歴を記入する児童票(児童原簿)は保育所での在籍期間、また退所後も6年間を目途に保管が義務付けられている。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
〈ガイダンス(乳児保育とは)〉
「乳児をとりまく現状」について理解する。
乳児保育の概念 保育所保育指針の参照
〈乳児保育の意義①〉
「乳児保育の意義と目的」について理解する。
乳児保育の重要性 テキストの再読
〈乳児保育の意義②〉
「乳児保育の歴史的変遷」について学ぶ。
乳児保育史 居住地域の保育所について考える
〈乳児保育の意義③〉
「乳児保育における養護と教育」について学ぶ。
乳児の養育 保育所保育指針の熟読
〈乳児保育の現状①〉
「乳児保育と子育て家庭の現状」について理解する。
現代の育児環境 子どもに関する記事の参照
〈乳児保育の現状②〉
「保育所等の児童福祉施設での乳児保育」について学ぶ。
乳児保育資源 居住地域の児童福祉施設について考える
〈3歳未満児の発育と発達①〉
「乳児期の発達の特性」について理解する。
愛着形成など テキストの再読
〈3歳未満児の発育と発達②〉
「1歳以上3歳未満児の発達の特性」について理解する。
主体的活動など 母子手帳から自身の幼少期を考える
〈3歳未満児の発育と発達③〉
「3歳未満児の生活と遊びの環境」について学ぶ。
生活の流れ保育環境 商業施設等の環境を考える
〈3歳未満児の発育と発達④〉
「受容的・応答的な関わりと主体性を尊重した保育」について学ぶ。
心身の健康
情緒の安定
乳児と養育者を観察する
〈3歳未満児の発育と発達⑤〉
「乳児保育の指導計画と評価の特徴」について理解する。
指導計画
個別・集団
長期・短期
計画の種類についてテキストを熟読する
〈乳児保育における連携と協働①〉
「保育者間の連携・協働と、養育者との連携・協働」について学ぶ。
職員と養育者の関係性 実際の現場における 連携・協働を考える
〈乳児保育における連携と協働②〉
「地域の保育資源や自治体との連携・協働」について学ぶ。
地域子育て支援 居住地域の自治体と育児について考える
〈乳児保育のまとめ①〉
「3歳未満児が遊ぶ手作り玩具の作成・発表」から対話的に学ぶ。
乳児保育での遊びの配慮事項 乳児からの評価について考える
〈乳児保育のまとめ②〉
「3歳未満児とふれあう遊びの検討・発表」から対話的に学ぶ。
乳児保育での遊びの意義 乳児からの評価について考える
試験