最終更新日:2024年5月23日

1年次入学生:1年 3年次編入学生:3年 短期大学部:-
図書館司書(大学)
文学部 文学科

J107

図書館文化史

書物と図書館の歴史を概観する

単位条件

通信 2単位

教員

松井 勇起

履修条件

なし

到達目標

図書と図書館の歴史を学習することによって、図書の持つ意義、図書館の歴史的な役割を知り、今日の図書館がどの様にして形成されたのか?を考察して、司書としての図書と図書館に対する理解を深める。

学習成果

図書と図書館の歴史を知ることによって、今日の図書館の本質やそのサービスがどの様な歴史的背景を持っていたのか説明できる。

テキスト教材

小黒浩司編著『図書・図書館史(JLA図書館情報学テキストシリーズIII−11)』(日本図書館協会)

参考図書

今まど子編著『図書館情報学基礎資料』(樹村房)
前川恒雄・石井敦著『図書館の発見』新版(NHKブックス)(NHK)

評価の要点

レポート、科目終了試験ともに、①司書として必要な専門的知識を正確に習得できているか、②図書館が発展してきた歴史的背景を踏まえて考えを深めることができたか、という観点を評価の基本とします。なお、レポートにおいては、参考文献を必ず参考文献欄に列挙し、インターネットを利用した場合は、HPの名称、URLの表示、閲覧日時を明記のこと。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価します。
レポートでは、①課題を正確に捉えているか、②テキスト以外に複数の文献を収集し読み込んでいるか、③自分の言葉で論述しているか、④論理的な文章であるか、⑤図書館の歴史についてどれだけ理解を深めることが出来たか、の5つの観点から評価します。
科目終了試験では、①専門的知識が正確に習得できているか、②図書館の歴史について理解を深めているか、③論述の論旨は明快か、という観点から評価します。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

インターネットの利用を禁止はしませんが、学習やレポート課題に取り組む際には、最寄りの図書館を利用して、実際の図書館のイメージを育てるように努めて下さい。そうすれば学習内容の理解が深まるでしょう。また資格科目ですので、基本事項を正確に覚えることも大切です。
テキストの熟読とともに、参考文献を中心により多くの文献を読み込むことで図書館の歴史を考えましょう。

レポート課題

提出数 2

第1課題

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600]

第1設題

戦後(1945年以降)、日本の公共図書館が急速に発展したのはいつ頃からか。また発展した要因についても論じなさい。

第2課題

(注)
1.内容構成について
a)序(はじめに)の部には、課題選択の理由を加えること。
b)本文は内容に応じて章に分け、適宜見出し(項目)を立て、テーマにそって論理的に展開すること。
c)終わりに、レポートのまとめ、反省点などを書くこと。
d)参考・引用文献は、レポート末尾(参考文献欄)に書誌データを添えて記載すること。
2.次のものはレポートとはみなされないので注意すること。
a)自分の説(考え)と他の参考・引用文献とを区別していないレポート。
b)他の文献の引用・紹介のみに終始するレポート。

いずれか1設題を選択

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600]

第1設題

日本における図書館法成立の経緯を説明しなさい。

第2設題

紙登場以前の記録メディアの変遷と書物の形態変化について説明しなさい。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
記録メディアの歴史:紙以前の記録メディア
情報の記録化と記録メディアの関係を学習します。
紙以前の記録メディアについて理解を深める。
UNIT1
記録メディアの歴史:紙の登場
製紙技術の発明、改良とその伝播がどの様な影響を与えたのか学習します。
記録メディアとしての紙の意義を説明できる。
UNIT2
記録メディアの歴史:図書の形態史
書物の形態変化がなぜ起きたのか学習します。
記録メディアと書物の形態変化の相関性について説明できる。 UNIT3
記録メディアの歴史:印刷術の登場と種類
印刷術の誕生から大量印刷までの歴史を概観し、印刷術が書物に及ぼした影響を学習します。
図書の歴史における印刷の意味を説明できる。 UNIT4〜6
記録メディアの歴史:新聞・雑誌の歴史
新聞や雑誌の歴史を学習し、記録メディアとしての意義を理解します。
新聞や雑誌の存在意義を記録メディアの歴史を踏まえて説明できる。 UNIT7
近代のマスメディア
日本における近代マスメディアの歴史を学習します。
明治期のマスメディア発展の歴史を説明できる。 UNIT8
メディアの多様化
紙・印刷以外の各種記録メディアの誕生と現代に繋がる歴史を学習します。
近代誕生の新しいメディアについてその歴史を説明できる。 UNIT9〜10
図書館の歴史:世界:古代・中世・近世の図書館
メソポタミアから古代地中海世界、イスラーム世界、ヨーロッパ世界における図書館の歴史を概観します。
世界史における図書館の歴史の概要を説明できる。 UNIT11〜13
図書館の歴史:世界:公共図書館の誕生と近代の図書館
市民社会の成立と公共図書館の誕生を学習します。
公共図書館誕生の歴史的背景を説明できる。 UNIT14〜15
図書館の歴史:日本:前近代の図書館(文庫)
古代から江戸時代までの日本の文庫の歴史を概観します。
日本における前近代の図書館(文庫)の歴史の概要を説明できる。
UNIT16
図書館の歴史:日本:近代図書館の誕生
明治から大正期にかけての近代図書館の歴史を概観します。
日本における明治以降の近代図書館の歴史の概要を説明できる。 UNIT17〜18
図書館の歴史:日本:戦時下の図書館
治安維持法による思想統制から戦争中における図書館活動について学習します。
言論統制下における図書館の実態を説明できる。 UNIT19
図書館の歴史:日本:戦後の図書館(民主主義と図書館)
占領期から図書館法公布、中小レポート、日野市立図書館の実践まで
民主主義社会の成立と図書館の使命を説明できる。 UNIT20〜21
図書館の歴史:日本:公立図書館の発展
『市民の図書館』から図書館づくり住民運動、現在の図書館まで学習します。
公共図書館の発展の歴史的背景を説明できる。 UNIT22〜23
図書館の歴史:日本:子どもと読書・図書館
学校図書館、児童サービスを中心に学習しす。
学校図書館や子どもと読書をめぐる諸活動について説明できる。 UNIT24
試験
科目終了試験を行います。出題範囲はテキスト全体です。内容は①専門的知識の確認(選択、穴埋め、論述) ②図書館と書物の歴史に対する理解度を試す論述です。専門的知識については、用語を正確に憶えることが求められます。
※ レポート執筆にあたっては、内容に応じて章に分けると良いでしょう。また字数制限のあるレポートですから、引用は必要最小限に。
その引用で何を言いたいのか、かならず自分の言葉で説明するようにしましょう。