最終更新日:2024年2月26日
D100
社会福祉行財政論
福祉行財政の枠組みと、専門職の役割について理解する単位条件
通信 2単位教員
履修条件
特になし
到達目標
社会福祉士の業務では、制度や法的な解釈の基礎となる福祉行財政について理解することは必須のことである。利用者の多様なニーズに対応していくために、制度の大もととなる行財政の仕組みについて広範な知識を身につけることを学習の到達目標とする。
具体的には、(1)福祉の行財政の実施体制(国・都道府県・市町村の役割、国と地方の関係、財源、組織及び団体、専門職の役割を含む)について理解できる、(2)福祉行政の実際について理解できる、(3)福祉財政に関する枠組みを学び、その実際について理解できる、(4)福祉行政の組織や専門職の概要について理解できる、の4点を具体的な到達目標とする。
学習成果
学習の成果として、次のことが達成できるようにする。
①福祉の行財政の実施体制(国・都道府県・市町村の役割、国と地方の関係、財源、組織及び団体、専門職の役割を含む。)について説明することができる
②福祉行政の枠組みを理解し、国及び地方行政における実際について説明することができる
③福祉財政の枠組み概要を説明することができる
④福祉行政組織の役割や福祉専門職の役割について理解し、説明できる
テキスト教材
社会福祉士養成講座編集委員会『新・社会福祉士養成基礎講座10福祉行財政と福祉計画 第5版』(中央法規)2017(最新版を教材として用います)
参考図書
蟻塚昌克著『入門 社会福祉の法制度(第3版)』(ミネルヴァ書房)
評価の要点
課題レポートを提出し、レポートに合格した後、科目終了試験にて60点以上を取得した者を合格とする。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価します。
第1課題については、わが国の現在の福祉財政がどのような特徴があるのかを把握する事が重要である。特に国の財政規模やその特徴を見る場合、「社会保障関係費」と「社会保障給付費」の2つの取り方があるが、両者の違いやその特徴をおさえること。併せて、地方自治体財政における財政の状況について概観し、国の状況との類似・相違点についてまとめをして欲しい。
第2課題については、わが国の社会福祉の制度体系が社会福祉基礎構造改革によってどのように変化したのか、その変化の状況が基礎構造改革以前のものとそれ以後のものでどのように異なるのか、違いを明記すること。特に、措置・契約制度や行政と民間セクターの比較、また市町村の権限の拡大などをキーワードとして、設題に答えること。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
自分が住んでいる地域や、生まれた地域などの福祉行政の仕組みや財政の規模、特徴について、実際に調べて欲しいと思う。福祉サービスの提供にあたっては、やはりこうした公的な機関の役割が大きいことは否定できない。実際の仕組みを理解することを、念頭に置いて欲しい。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
現在のわが国における、福祉財政の特徴について説明しなさい。その際、国と地方自治財政の状況について、その特徴を記すこと。さらにそうした状況について、あなたの感想をまとめなさい。
第2課題
第1設題
社会福祉基礎構造改革によって、社会福祉の制度体系はどのように変化したのか。その特徴を、基礎構造改革以前との比較の中で説明しなさい。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
ソーシャルワークにおいて、福祉行財政に関する知識が必要であることを認識する | 地方自治体や行政組織についての基本的な理解 | ||
福祉と制度(社会福祉の概念、社会福祉の定義・思想等の変遷、社会福祉の制度の変化とその理由) | 福祉を実現するための主体の理解と行財政の実施体制に関する知識修得 | 教科書 第1章第1節 | |
福祉の法制度の展開①(戦前の慈善事業と戦後の社会福祉体制) | 福祉行財政の実施体制に関する理解① | 教科書 第1章第2節 1・2・3 | |
福祉の法制度の展開②(福祉関係八法改正以降の制度理解) | 福祉行財政の実施体制に関する理解② | 教科書 第1章第2節 4・5 | |
福祉行政の概要①(行政制度の骨格について理解する) | 福祉行政の骨格についての知識の理解 | 教科書 第2章第1・2節 | |
福祉行政の概要②(福祉行政の組織について理解する) | 国・地方自治体の福祉行政の実施体制についての理解 社会福祉基礎構造改革についての理解 |
教科書 第2章第3・4節 | |
福祉行政の組織・団体と専門職の役割①(相談過程と相談体制) | 福祉実践機関における相談体制についての理解 | 教科書 第4章 第1・2・3節 | |
福祉行政の組織・団体と専門職の役割②(福祉事務所ほか) | 福祉行政の第一線機関である事務所における相談体制の実際 | 教科書 第4章第4節 1・2 | |
福祉行政の組織・団体と専門職の役割③(身体障害者更生相談所ほか) | 福祉行政の第一線機関である事務所における相談体制の実際 | 教科書 第4章第4節 3・4・5 | |
福祉行政の組織・団体と専門職の役割④(地域包括支援センターほか) | 相談機関である各センターの実際業務について | 教科書 第4章第5・6節 | |
福祉財政についての理解①(国と地方自治体の財政の理解) | 福祉財政の実施体制についての理解 | 教科書 第3章 第1・2・3節 | |
福祉財政についての理解②(福祉サービス利用者の費用負担) | サービス利用者の利用方法と負担についての理解 | 教科書 第3章第5節 | |
福祉財政についての理解③(民間福祉事業における財源と調達方法) | 民間の社会福祉財源についての理解 | 教科書 第3章第4節 | |
実践事例から見る福祉行財政(実際の運営組織に関する学習) | 福祉行財政の実施体制の理解 | 参考書や資料など | |
福祉行財政に関する知識理解のまとめ | 学習成果であげた項目についての確認 | ||
試験 |