最終更新日:2024年4月18日
B012
児童学概論
子ども研究の “新しい” 総合化への道を探求する単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
本科目の目的は、児童学について総合的・体系的に検討し直し、もって児童学の意義を理解することである。到達目標(授業構成を含む)は、以下の通りである。
(1)児童学を心理的・思想的に学習することにより、児童学の深淵な学問性を理解することができる。
(2)児童学を法律的・制度的に考察することにより、児童が全ての法制の基本であることを認識することができる。
(3)児童学を政策的・施設的に検討することにより、児童を取り巻く現代的な環境について把握することができる。
(4)児童学の現状及び課題について問題視することにより、次世代に対する私たちの責任を自覚することができる。
(5)児童学を聖徳大学で修得することにより、建学の理念としての「和」の精神に到達することができる。
学習成果
本科目の学習成果は、以下の通りである。
(1)歴史と思想を客観的に評論できる視座を獲得することができる。
(2)法律と制度を利用して自分自身や周囲の人びとのより良い生活に寄与することができる。
(3)児童が置かれている現状を把握し改善するためのリーダーになることができる。
(4)児童の最善の利益とは何かを常に考える将来の主権者になることができる。
(5)児童学を介して聖徳大学の建学の理念をより良く理解することができる。
テキスト教材
聖徳大学児童学部児童学科『新しい児童学への招待』(聖徳大学出版会)2022
評価の要点
・レポート課題の場合
教科書の吟味熟読ができているかどうかについて、提出されたレポート課題を通して評価する。
・科目終了試験の場合
教科書を吟味熟読し、要点を暗記できているかどうかについて、また採点する側を想定し、丁寧な論述がなされているかどうかについて、レポート課題合格後の科目終了試験を通して評価する。
評価方法と採点基準
本学のディプロマ・ポリシーをふまえ、「評価の要点」に基づいて評価・採点する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
仕事と勉学の両立を目指す同志の皆さんの健闘を祈念します。
教科書は付せんなどを使用して楽しく講読してください。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
Ⅰ・Ⅱ両方の問いに答えなさい。(出題範囲:教科書第1章から第5章まで)
(1) 2017年に改訂した学習指導要領においては、各教科等において、古典など我が国の言語文化、県内の主な文化財や年中行事の理解、我が国や郷土の音楽、( ① )、武道、和食や和服などの指導を充実することにした。
(2) 幼稚園教育要領解説には、「幼児期において自然のもつ意味は大きく、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる経験を通して、
幼児の心が安らぎ、豊かな感情、( ② )、思考力、表現力の基礎が培われることを踏まえ、幼児が自然との関わりを深めることができるように工夫すること」と述べられている。
(3) 幼稚園教育要領解説には、「行事の指導に当たっては、幼稚園生活の自然の流れの中で生活に変化や潤いを与え、幼児が( ③ )に楽しく活動できるようにすること」と書かれている。
(4) 舞踊家であるルドルフ・ラバンは、時間、力、空間の「動きの三要素」を尺度とし(舞踊、演劇、仕事の動作)、動きを( ④ )に捉えた。
(5) 危機管理とは、「人々の生命や心身等に危害をもたらす様々な危険が防止され、万が一、事件・事故が発生した場合には、被害を( ⑤ )にするために適切かつ迅速に対処すること」である。
(6) 幼稚園教育要領解説には、「遊びの本質は、人が( ⑥ )の事物や他の人たちと思うがままに多様な仕方で応答し合うことに夢中になり、時が経つのも忘れ、その関わり合いそのものを楽しむことにある」と明記されている。
(7) ドキュメンテーションを活用した保育実践で有名なのが( ⑦ )のレッジョ・エミリア市の活動だが、それぞれの国、園で様々な取り組みが行われている。
(8) NPOとは、「Non-Profit Organization」(日本語に直訳すると「非営利組織」)の略称で、様々な( ⑧ )を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称を指す。
(9) 昔話やわらべうたは「( ⑨ )」と呼ばれて世界中に広まっている。主に口承で伝えられたために、気候風土や語り伝えた人々の基層的な考え方を反映していると考えられている。また昔話には国や民族を超え、似た構造をもつものが少なくない。
(10) スイスの作曲家・音楽教育家であったエミール・ジャック・ダルクローズによって創案された( ⑩ )教育の根底には、「音楽は聴覚だけで受け止めるのではなく、手をはじめ身体のすべての部分で受け取っている」という考え方が常に流れている。
(11) レイチェル・カーソンは『センス・オブ・ワンダー』の中で、子ども時代から( ⑪ )のもつ神秘さや不思議さに目を見張る感性をもち続けさせる重要性について述べている。
(12) 音楽教育家コダーイ・ゾルターンは、音楽の真髄に近づくには人間の声が最も重要であるとし、音楽的( ⑫ )であるわらべうたや民謡から音楽教育を始めることを提唱している。
(13) 子どもの「( ⑬ )」は、成長とともに発達する。描画の発達は、あくまでも自然に変化するものであり、矯正して得るものではない。そのため、描画の変化するタイミングは個々人によって異なることを理解する必要がある。
(14)( ⑭ )は『足元の自然から始めよう』の中で、子どもを自然嫌いにしないためには親や指導者が子どもと共に都市部の身近な場所で、身近な自然の中で遊ぶことであると述べている。
(15)( ⑮ )テクニックは、絵の具の表情を楽しみ、遊びながら描ける技法として、または、複雑な絵肌(マチエール)を獲得するための技法として用いられている。
選択群
和楽器 クラシック ソベル 可視的 母語 主体的 あそび 未来 リトミック 口承文芸 皆無 構造的 リズミック 積極的 言い伝え パフォーマンス イタリア 打楽器 警戒心 フランス 社会貢献活動 周囲 ルソー えがく 環境 最小限 モダン 好奇心 表現 自然 |
[Ⅱ]子どもたちが明るく元気に生活するために必要とされる「安全な環境づくり」を、あなたはどのような点に注意して進めますか。あなたが考える注意点を180字以上200字以内で論じてください。なお、評価基準は、以下の通りとする。指示通りに執筆され内容も充実している場合10点、字数は指示通りだが内容が充実していない場合5点、字数も指示に従わず内容も充実していない場合0点とする。
第2課題
第1設題
Ⅰ・Ⅱ両方の問いに答えなさい。(出題範囲:教科書第6章から第10章まで)
次の説明文を読んで、空欄に入る最も適切な用語(人名を含む)を説明文末尾の選択群から選び、解答欄に書き込みなさい。なお、「最も適切な用語」とは、教科書の中で執筆者が使用するものとする。(15問×6点)
(1) 医療の世界では、医療事故を( ① )といい、その一歩前のヒヤリ・ハット事例をインシデントと呼ぶ。
(2) 障害のある人の就労には、大きく一般就労と( ② )的就労がある。二つの働き方は異なるが、いずれにも、豊かな成人期を送る障害のある人の姿がある。
(3) 赤ちゃん学では、医学・保健学・保育学などの領域から、赤ちゃんを( ③ )的に見つめ直し、最新の知見を学んでいく。
(4) 情報を提供する手段や情報を送受信する仕組み、情報を伝達する物体など、発信者から受信者に情報が届けられる際に関係したすべてのものを( ④ )という。
(5)( ⑤ )では、知的障害者等の福祉に関する法律(1959年)の中で、世界で初めて「ノーマライゼーション」を明文化した。
(6) 公益財団法人日本レクリエーション協会では、レクリエーションという言葉の趣旨(目的)を「( ⑥ )を元気にすること」と定義している。
(7) 病児( ⑦ )室は、集団保育には適さない病児、あるいは病後児を対象として、子どもの疾病に応じて生活を提供する場である。
(8) 子どもの発達には個人差がある。運動発達は、頭から下の方に向かう、また身体中心部から末梢部に向かって発達する。そして子どもは( ⑧ )との相互的な関わりの中で成長・発達していく。
(9) キャロルの『不思議の国のアリス』(1865年)が発表されるに至り、ようやく児童文学が( ⑨ )から解き放たれたと考えられている。
(10) 医療的( ⑩ )とは、「人工呼吸器による呼吸管理、喀痰その他の医療行為」(厚生労働省)である。
(11) 課題解決型学習は、知識の暗記等のような受動的な学習ではない、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした、教育方法のことを指す。1900年代初頭アメリカの教育学者( ⑪ )が初めて教育現場で実践に取り入れたとされている。
(12)( ⑫ )は、感染予防の基本となる。登園時、食事前、遊んだ後、トイレの後などを通して正しい方法を習慣付けるよう実践していく。
(13)( ⑬ )保育は、どの子どもも一人一人がユニークな存在であり、違っていることを当たり前としてとらえ、共に育つ保育を目指している。
(14) 行動( ⑭ )法は、面接法や質問紙法と異なり、「話す・書く」を求めないから、幼児や障害児・者も対象にしやすい。
(15) 医療的ケア児及びその( ⑮ )に対する支援に関する法律では、①国、地方公共団体等の責務、②保育及び教育の拡充に係る施策その他必要な施策、③医療的ケア児支援センターの指定等について、定められている。
選択群
エリクソン 手洗い ハプニング 人道 ICT デンマーク 科学 福祉 スウェーデン 着替え インクルーシブ 倫理 メディア 保育 アクシデント 考察 家族 インテグレーション 観察 親族 関係者 精神 養護 環境 大人 教訓 処置 デューイ 神話 ケア 心 |
[Ⅱ]障害のある子どもたちと一緒に育ち合うために、あなたは将来の保育者・教育者としてどのような点に配慮し、保育・教育を進めますか。
あなたが考える配慮について、180字以上200字以内で論じてください。なお、評価基準は、以下の通りとする。指示通りに執筆され内容も充実している場合10点、字数は指示通りだが内容が充実していない場合5点、字数も指示に従わず内容も充実していない場合0点とする。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
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教科書第1章「幼児教育の視点から」前半(コラム1、1-1、1-2)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第1章「幼児教育の視点から」後半(1-3、1-4)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第2章「運動・健康の視点から」(コラム2、2-1、2-2、2-3)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第3章「音楽表現の視点から」前半(コラム3・4・5)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第3章「音楽表現の視点から」後半(3-1、3-2)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第4章「造形表現の視点から」(コラム6、4-1、4-2、4-3)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第5章「多文化保育の視点から」(コラム7、5-1、5-2、5-3)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第6章「インクルーシブ保育の視点から」前半(コラム8・9、6-1、6-2)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第6章「インクルーシブ保育の視点から」後半(6-3、6-4)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第7章「医療保育領域の紹介」(コラム10、7-1、7-2、7-3、7-4)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第8章「乳児保育の視点から」(コラム11、8-1、8-2、8-3、8-4)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第9章「児童心理の視点から」前半(コラム11、8-1、8-2、8-3、8-4)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第9章「児童心理の視点から」後半(9-4、9-5、9-6)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第10章「児童文化の視点から」前半(コラム13、10-1、10-2、10-3)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
教科書第10章「児童文化の視点から」後半(10-4、10-5、コラム14・15)を読む | どんな分野にも興味を持つこと 課題発見力 協調性 |
教科書該当部分熟読 (予習30分)ノート 作成(復習30分) | |
試験 科目終了試験では、本科目で指定した教科書の全体から、次の通り出題します。 ・正誤問題10問(○×式の出題をします) ・穴埋め問題10問(空欄に適切な用語を書き込みます) ・論述問題1問(指示に従って論述してください) |