最終更新日:2024年2月8日

1年次入学生:4年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
文学部 文学科

U112

環境論

科学の視点で環境問題を考える

単位条件

通信 2単位

教員

池上 夏樹

履修条件

なし

到達目標

世界的な人口の急増や科学技術の発展などにより地球の温暖化が進行し、高温や台風の巨大化などの異常気象が頻発している。また、天然資源の枯渇や環境汚染、海洋や生態系への影響などの課題を抱え、環境対策が世界的に求められている。環境論ではこれらの状況を幅広く概観し、その原因や対策を考えるとともに、自分たちの日常生活を見直す機会とする。これらの学習を通して科学的な考え方を学び、論理的な思考力を高め、個別学問領域を超える多面的で複雑な問題の発見と解決力の育成を図る。

学習成果

地球環境問題をリオ宣言の9項目の順番に従って、地球温暖化、熱帯林の減少、酸性雨、オゾン層の破壊、有害物質の越境問題、海洋汚染、野生生物の減少、砂漠化、途上国の環境問題について現状、影響、原因と対策を学習する。その結果、環境問題への関心が高まり、理解できるようになる。また、IPCCの活動、気候変動枠組み条約、ポスト京都議定書などこれまでの国際的な環境活動の流れを知ることができる。さらに、省資源のための3R運動、再生可能エネルギーなど低炭素社会の構築、水に関連する環境問題、生物多様性の保全、有機化学物質が環境に与える影響、公害問題の歴史と松戸市などの都市の環境問題などを把握できる。

テキスト教材

池上夏樹『環境論』(聖徳大学通信教育部)2023

参考図書

『改訂8版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト』

評価の要点

①段落、見出し、起承転結(序破急)などレポートの形式が整っていること。論点などが明確で読みやすいこと。
②課題の背景を正しく理解し、問われていることを把握してレポートすべき内容を整理すること。
③参考資料は自分の言葉で要約し、自分独自の考えを含めて解答すること。独自性を評価する。

評価方法と採点基準

①2題のレポート課題に合格後、科目終了試験を行い、それらの内容・成績で評価する。
②解答が狭い範囲に限定されていないなど、内容の幅と深さのバランスにも配慮してあること。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

配布のテキストは各種の情報を元に作成しているが、環境問題は動きが速い。よって、インターネットを活用して最新情報を収集すること。
YouTubeの動画は、文字情報のテキストと異なる利点があり、学習効果が期待できるので、学習時に検索用語を検討して大いに活用すること。

レポート課題

提出数 2

第1課題

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600~2000]

第1設題

再生可能エネルギーについて説明し、その中であなたが特に注目する再生可能エネルギーについて意見を述べよ。

第2課題

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600~2000]

第1設題

海洋プラスチックごみの問題点を幅広い視点で説明し、あなたが考える対策について述べよ。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
環境と持続可能性
人口の増加と産業の発展が環境に及ぼす影響、有限な地球、エコロジカル・フットプリント、持続な可能な開発目標(SDGs)を学習する。
環境問題の全容・重要性、世界の取組み、SDGsがわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
地球の誕生と地球の構造
 宇宙・地球・生命の誕生と歴史、地球の内部構造(プレート・マントル・コア)、地球の上空(対流圏・成層圏・大気圏)などを学習し、環境との係わりを知る。
地球や生命の誕生と歴史、地球の内部構造と上空がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
地球環境問題 1
 様々な地球環境問題全般、次回以降で取り上げる各環境問題との相互関連について、これまでに学んだ物理・化学・生物などの理科の視点から学習する。その結果、地球温暖化の現状・原因・対策等を科学的、総合的に理解することができる。
地球温暖化の問題を中心に環境問題全般と世界的の取組みがわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
地球環境問題 2
オゾン層の破壊・海洋汚染・森林破壊・砂漠化の各環境問題について現状・原因・対策を学習し、それらの環境問題を科学的に考察できる。
個々の環境問題を理解して、日常生活を環境面から見直せる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
地球温暖化、気候変動、気候危機
 温暖化のメカニズム、二酸化炭素(CO2)の温室効果、二酸化炭素の発生と吸収、IPCC第6次評価報告書、異常気象・海水面の上昇・生態系の変化等の地球温暖化の影響を学習する。
温暖化のメカニズムと影響、二酸化炭素の発生と吸収等がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
省資源と新エネルギー資源 1.省資源
Reduce、Reuse、Recycleの3R運動、マテリアル・ケミカル・サーマルの3種類のリサイクル方法、容器包装リサイクル法、都市鉱山等を学習し、資源の節約、廃棄物処理を理解する。
3R運動、各種のリサイクル処理、容器包装法等が分かる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
省資源と新エネルギー資源 2.新エネルギー資源
水素の活用、燃料電池、バイオ燃料、シェールオイル・シェールガス、メタンハイドレート、藻類による石油の産生など新エネルギー資源を学習する。
水素、バイオ燃料、シェールオイル等の新エネルギー資源がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
低炭素社会の構築
 低炭素社会とは、京都議定書〜パリ協定までの世界の取組み、温暖化対策における適応策・緩和策、新エネルギーによる発電(太陽光発電・風力発電・地熱発電等)を学習、低炭素社会を理解する。
低炭素社会構築の取組み、新エネルギーによる発電がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
水と環境問題
地球上の水量、上水道と下水道の水処理、水の汚染、湿原・干潟の保全(ラムサール条約)、霞提等水に関連する環境問題を理解できる。
水の希少性、上下水の水処理、湿原や干潟の保全と環境がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
生物多様性の保全 1
 世界の森林の減少状況、森林破壊の影響(二酸化炭素の吸収量の減少や森林からの排出量の増加)、アマゾン・シベリア・インドネシアの森林の現状を学習し、森林の重要性を認識する。
森林の減少状況と森林破壊の影響、熱帯林の現状がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
生物多様性の保全 2
生態系の仕組み、生物多様性、生態系サービス、生物多様性の保全、レッドリスト・レッドデータブック、新型コロナと地球環境問題を学習し、生物多様性の重要性を認識できる。
生態系、生態系サービスなど生物多様性の重要性がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
化学物質と環境問題 1.化学物質の危険性
 PCB・ダイオキシン、環境ホルモン、フロン、除草剤、殺虫剤等の各種化学物質と危険性について学び、化学物質の複合作用、発がん性などの毒性や、食物連鎖による生物濃縮の危険性を理解できる。
化学物質(PCB、環境ホルモン等)と有毒性・危険性がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
化学物質と環境問題 2.化学物質の危険性(つづき)
アトピーや喘息等の化学物質過敏症、重金属による土壌汚染、マイクロプラスチックによる海洋汚染、PRTR制度等を学習し、化学物質の環境問題に適切に対応できるよう知識を深める。
化学物質過敏症、土壌や海洋の汚染、化学物質の危険性がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
公害防止と環境保全
 日本の四大公害事件、典型7公害の苦情の変化と現状、テトラクロロエチレン等のハイテク汚染、アスベストによる健康被害、環境権、環境基本法、環境アセスメント制度を学習する。
過去の公害問題、現在の環境保全の課題、新しい環境問題がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
大気汚染と都市の環境問題
硫黄酸化物・窒素酸化物・浮遊粒子状物質・揮発性有機化合物VOCの環境基準の達成状況、微小粒子状物質、光化学スモッグ、ヒートアイランド現象を学び、理解する。また、松戸市の環境の現状を確認する。
大気汚染の詳細と地元松戸市の環境基準の達成状況がわかる 配布テキストの予 習・復習、関連情報の収集と分析 2時 間
試験