最終更新日:2024年12月7日
P067
司法・犯罪心理学Ⅰ(2024年11月16日以降)
犯罪の心理学的・社会学的原因論、性犯罪・DV・虐待、防犯対策、矯正・更生保護単位条件
通信 2単位教員
1)担当教員変更により、シラバスの一部修正がございます。
2)テキスト教材の変更はございません。
3)設題が追加となります。
これから学習を行う方は、追加となった設題 <記述問題>指定回答用紙をダウンロードして提出してください。
今までの論述形式の設題につきましては、2024年度3月末までは引き続き受付をいたします。
また、2月以降に実施する科目終了試験につきましても、レポート課題合格が論述形式であった方、記述問題であった方いずれの場合にも対応するかたちといたします。
・<参考>2024年11月15日までのシラバスはこちら
履修条件
なし
到達目標
犯罪の心理学的および社会学的生起要因と、性犯罪などの特定の犯罪における犯罪者の心理を理解し、なぜそれらの犯罪が起こるのか、どのような防犯対策が効果的なのかを考えることができる。
また、犯罪者の矯正・更生保護について知り、それらにどのような問題が存在しているのかを考えることができる。
学習成果
犯罪の生起要因、性犯罪などの特定の犯罪における犯罪者の心理、および防犯対策について基本的な知識を得ることができる。
また、犯罪者の矯正・更生保護の現状について知り、問題点について自分の意見を持つことができる。
テキスト教材
越智啓太『司法犯罪心理学』(サイエンス社)2020
参考図書
法と心理学会(監)『入門 司法・犯罪心理学 理論と現場を学ぶ』(有斐閣)2022
原田隆之『入門 犯罪心理学』(筑摩書房)2015
小俣謙二・島田貴仁『犯罪と市民の心理学 犯罪リスクに社会はどうかかわるか』(北大路書房)2011
田中嘉寿子『性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック』(立花書房)2014
評価の要点
各授業回の内容を十分に理解し、専門用語を適切に使用することができる。
評価方法と採点基準
レポート課題合格後の科目修了試験の得点で評価する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
まずは、指定テキスト教材をしっかりと読み、十分に内容を理解すること。
そのうえで、指定教材だけでは理解が不十分な点などについて、参考図書やインターネットで調べてみること。
インターネットで情報を検索する際は、Google ScholarやJ-STAGEなどの学術情報に特化したものを使用すること。
レポート課題
提出数 2第1課題
第一設題~第四設題どちらかを選択し、第二課題とは別々に送付してください。
2024年11月16日以降に取り組む場合、第四設題を選択してください。
第一設題~第三設題 論述問題 1200字〜1600字以内 でまとめてください。
第四設題 記述問題 指定回答用紙をダウンロードして使用してください。
第1設題
第一設題
次の⾮⾏・犯罪の社会的原因論のアからエまでの4つの項⽬のすべてについて、それぞれ簡単に説明しなさい。ア.分化的接触理論 イ.社会的絆理論 ウ.漂流理論 エ.ラベリング理論
第2設題
第二設題
レイプ被害者の⽀援において配慮すべきことについて述べなさい。
第3設題
第三設題
ドメスティック・バイオレンス(DV)と児童虐待の関係について述べなさい。
第4設題
第四設題
以下の各文の空欄を、最も当てはまる語で埋めなさい。その際に、指定テキスト教材に対応する語がある場合には、
指定テキスト教材で使用されている表記をそのまま用い、日本語と英語の両方の表記が存在する場合には、日本語表記のみを解答すること。
- 子どもに対する性犯罪は、統計上の犯罪件数と実際の犯罪件数の差である( )が極めて多いとされている。
- 怒りのきっかけとなった体験を頭の中で何度も繰り返し考えることで、怒りを長期間にわたって保持してしまう傾向を( )と呼ぶ。
- 人格障害のひとつで、極度の自己中心性と衝動性をもつなどの特徴があるものを( )と呼ぶ。
- 性犯罪者矯正や依存症治療に用いられる心理療法で、自己統制によって再発を防止する対処方法を訓練するといった治療モデルを( )モデルと呼ぶ。
- ある地域で防犯対策を行うと、( )効果によって、周囲の他の地域の犯罪件数も減少すると考えられている。
- これまでの犯罪のうちのいくつかを不可罰にする、非行少年をなるべく少年院に入れないようにするなどの、犯罪者へのレッテル貼りの抑制を意識した政策を( )と呼ぶ。
- 防犯教育のひとつとして、子どもが、自身の通学路で誰でも入りやすい場所や誰からも見えにくい場所を地図に表す作業があるが、これは( )作りと呼ばれている。
- 外的刺激を自分に対する挑発や攻撃と捉えやすい認知傾向を( )と呼ぶ。
- 犯罪者や非行少年を刑事手続き以外の方法で処分する政策方針を( )と呼ぶ。
- 青年期に一時的に非行を行うのみで、次第に非行から離れていくようなタイプの非行のことを( )と呼ぶ。
- 性犯罪に遭った人が、警察官や検察官に対して自信の性被害について何度も説明するという手続きによって、精神的に傷つくことを( )と呼ぶ。
- 非行文化が蔓延する地域でも非行少年にならない子どもたちは、非行に対する否定的な態度が内在化されていると考えられており、これを( )と呼ぶ。
- 被疑者を起訴するかどうかを決めるのは( )官である。
- 恋人間で起こる暴力行為やハラスメント行為のことを、特に( )と呼ぶ。
- 被害者と面識のない人物によるレイプを、とりわけ( )と呼ぶ。
- ナイトとプレンツキー(1987)におけるレイプ犯の分類において、被害者を殺害してしまうことがあり、連続殺人犯になる場合もあるものは( )型と呼ばれている。
- フロイトの精神分析理論などをもとに、犯罪者の心理を解釈する手法は( )と呼ばれている。
- 近年のいくつかの研究では、いじめ、無視、仲間はずれなどの( )場面の経験が、犯罪行動に影響する可能性があることを示唆している。
- 非行文化に染まりきっていない非行少年の特徴のひとつとして、非行を行ったことを正当化するための( )をすることが知られている。
- 個人が犯罪行動を踏みとどまることができる理由のひとつとして、個人と社会のつながりを意識した理論を( )呼ぶ。
第2課題
第一設題~第四設題どちらかを選択し、第一課題とは別々に送付してください。
2024年11月16日以降に取り組む場合、第四設題を選択してください。
第一設題~第三設題 論述問題 1200字〜1600字以内 でまとめてください。
第四設題 記述問題 指定回答用紙をダウンロードして使用してください。
第1設題
第一設題
犯罪捜査におけるプロファイリングの⽬的と発展について述べなさい。
第2設題
第二設題
矯正・保護におけるリラプス・プリベンションについて述べなさい。
第3設題
第三設題
刑事裁判における精神鑑定と責任能⼒について述べなさい。
第4設題
第四設題
以下の各文の空欄を、最も当てはまる語で埋めなさい。その際に、指定テキスト教材に対応する語がある場合には、
指定テキスト教材で使用されている表記をそのまま用い、日本語と英語の両方の表記が存在する場合には、日本語表記のみを解答すること。
- 防犯対策を行った地域の犯罪件数は減少するが、他の地域での犯罪件数が増加し、犯罪件数の総数が変わらないという考え方を( )の問題と呼ぶ。
- 配偶者間や内縁関係者間で起こる暴力行為やハラスメント行為を( )と呼 ぶ。
- 犯罪者の矯正にも用いられ、動物とのふれあいを通して心理的な問題をいやそうとする心理療法を( )と呼ぶ。
- クラーク(1997)で提唱され、どのような商品が盗まれやすいかを予測したモデルを( )モデルと呼ぶ。
- 夫婦間暴力において、加害者が繰り返すとされている3つのフェイズのうち、加害者が優しくなるフェイズを( )期と呼ぶ。
- 欲望や感情を抑えることができない、欲求不満耐性が低いなどの特徴を持つ特性を( )と呼ばれ、いくつかの研究では犯罪との関連が示されている。
- 大江ら(2008)による性非行少年の分類において、特に性非行の再犯可能性が高く、家族や友人関係で問題を抱えているものは( )群とされている。
- 子どもへの虐待において、子どもが非常に激しくゆさぶられることで脳に重大な損傷をきたし、障害が残ることを( )と呼ぶ。
- ミューレンら(2000)におけるストーカーの分類において、他の分類と比較した際に、犯人が元恋人または元夫婦であるという特徴を持つものを( )型と呼ぶ。
- 防犯理論のうち、犯罪者が犯罪を行うのは、犯罪で得られる利益がリスクを上回るからだとするものを( )と呼ぶ。
- 越智(2013)によるDV加害者分類において、他者との間に安定した対応な関係を築くことが困難であるという特徴を持つものを( )型と呼ぶ。
- 人が犯罪者になるのは、周囲からその人が犯罪者だとみられ、そのようなレッテルを貼るためだという考え方を( )と呼ぶ。
- 少年法では、全ての事件を家庭裁判所に送致することを定めており、これを( )と呼ぶ。
- 被疑者は、起訴された後は( )と呼ばれる。
- 特定の犯罪者を理想化し、その人のようになろうと考えることで、犯罪行動を学習するという理論を( )と呼ぶ。
- 非行行動が、周囲の私的で密接な集団からの学習によって獲得される理論を( )と呼ぶ。
- 日本では、レイプは、平成29年に施行された改正刑法によって、起訴に際して被害者の告訴が不要な( )罪になった。
- 犯罪者や非行少年の矯正において、対象者一人ひとりの特性などを十分に考慮し、各々の必要性に応じた処遇を行うことを( )と呼ぶ。
- 両親または片方の親が、子どもの養育についての知識または実行能力を欠いていることが原因で生じる虐待を、特に( )と呼ぶ。
- 軽微な犯罪や無秩序状態が放置されることで、より重大な犯罪や無秩序状態が生まれるという考え方を( )と呼ぶ。
備考・補足
← 表が横スクロールします →
授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
犯罪の心理学的原因論(1)犯罪の心理学的アプローチ、犯罪と関係する性格特性 | 主要な心理学的犯罪原因論について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第2章2.1~2.2 | |
犯罪の心理学的原因論(2)犯罪と家族関係、犯罪とメディアの影響力 | 犯罪者の家系やマスコミを中心に心理学的犯罪原因論について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第2章2.3~2.4 | |
犯罪の社会学的原因論(1)犯罪の原因としての社会、アノミー理論 | 個人と社会・文化の関係から社会学的原因論について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第3章3.1~3.2 | |
犯罪の社会学的原因論(2)分化的接触理論 | 非行の原因となる仲間関係から社会学的原因論について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第3章3.3 | |
犯罪の社会学的原因論(3)社会的絆理論 | 非行の抑止要因となる社会的絆から社会学的原因論について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第3章3.4 | |
犯罪の社会学的原因論(4)漂流理論、ラベリング理論 | 非行少年の生活パターンや社会との相互作用から主要な社会学的原因論について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第3章3.5~3.6 | |
性犯罪(1)レイプ(不同意性交) | 性犯罪加害者の特性と被害者の身体的・心理的ダメージについて理解することができる。 | 指定テキスト教材 第5章5.1 | |
性犯罪(2)子どもに対する性犯罪 | 性犯罪加害者の特性と被害者の身体的・心理的ダメージについて理解することができる。 | 指定テキスト教材 第5章5.2 | |
ドメスティック・バイオレンス、ストーキング、虐待(1)ドメスティック・バイオレンス(DV) | 夫婦間、恋人間における暴力の原因と対策について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第6章6.1 | |
ドメスティック・バイオレンス、ストーキング、虐待(2)ストーキング | ストーカーの心理と防御策について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第6章6.2 | |
ドメスティック・バイオレンス、ストーキング、虐待(3)子ども虐待、高齢者虐待 | 子どもへの虐待と高齢者への虐待の現状について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第6章6.3~6.4 | |
防犯(1)防犯心理学、環境設計による犯罪予防 | 防犯心理学を応用した街づくり、家づくりについて理解することができる。 | 指定テキスト教材 第10章10.1~10.2 | |
防犯(2)割れ窓理論 | 都市犯罪対策と心理学の応用について理解することができる。 | 指定テキスト教材 第10章10.3 | |
防犯(3)社会を犯罪から守るさまざまな施策、教育によって犯罪から身を守る | 犯罪に遭遇しないための知識を獲得し、実践例を理解することができる。 | 指定テキスト教材 第10章10.4~10.5 | |
矯正・更生保護 | 犯罪者の矯正・更生保護制度の概要を理解することができる。 | 指定テキスト教材 第11章11.1~11.4 | |
試験 出題範囲は第1回から第15回の授業回の指定テキスト教材の学習範囲とし出題する。 |