最終更新日:2024年5月23日

1年次入学生:- 3年次編入学生:- 短期大学部:1年
短期大学部 図書館司書

N151

情報資源概論

図書館資料とは何か?

単位条件

通信 2単位

教員

坂本 俊

履修条件

なし

到達目標

図書館資料全般の特質と、その出版と流通、選択、保存管理の過程について理解すると共に、図書館における図書館資料の意味について理解する。

学習成果

図書館資料とそれに関わる図書館の活動(選書、蔵書管理、提供、除籍など)について基礎的な知識を修得するとともに、図書館資料に関わる現在の諸問題について理解することができる。また、出版流通に関する学習を通して、図書館と出版界との関係についても図書館の本質に基づいて考えをることができる。

テキスト教材

馬場俊明編著『図書館情報資源概論 新訂版(JLA図書館情報学テキストシリーズ3-8)』(日本図書館協会)2018

参考図書

前川恒雄・石井敦共著『新版 図書館の発見』(NHKブックス)
今まど子編著『図書館情報学基礎資料』(樹村房)
田井郁久雄著『図書館の基本を求めて』I〜VI(大学教育出版)
『図書館の自由に関する事例集』(日本図書館協会)

評価の要点

レポート、科目終了試験ともに、1司書として必要な専門的知識を正確に習得できているか、2図書館資料に関する諸問題ついて図書館の本質に基づきどれだけ自分の考えを深めることができたか、という観点を評価の基本とします。なお、レポートにおいては、末尾に引用文献や参考文献を必ず列挙して明示すること。引用においては、直接引用、間接引用を理解した上で、引用箇所および本文と出典の関係をきちんと明示すること。インターネットを利用した場合は、HPの名称、URLの表示、閲覧日時を明記のこと。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価します。
レポートでは、1課題を正確に捉えているか、2テキスト以外に複数の文献を収集し読み込んでいるか、3自分の言葉で論述しているか、4論理的な文章であるか、5図書館資料の諸問題について自分で探求を深めたか、の5つの観点から評価します。
科目終了試験では、1専門的知識が正確に習得できているか、2図書館の本質に基づいて理解を深めているか、3論述の論旨は明快か、という観点から評価します。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

インターネットの利用を禁止はしませんが、学習やレポート課題に取り組む際には、最寄りの図書館を利用して、実際の図書館のイメージを育てるように努めて下さい。そうすれば学習内容の理解が深まるでしょう。また資格科目ですので、基本事項を正確に覚えることも大切です。
テキストの熟読とともに、参考文献を中心により多くの文献を読み込むことも図書館の本質を考える上で大切です。

レポート課題

提出数 2

第1課題

横書きパソコン印字可Web提出可
[1600]

第1設題

収集方針を成文化・公開する意義について述べなさい。また最寄りの図書館において公開している収集方針の概要をレポートし、評価しなさい。

第2課題

(注)
1.内容構成について
a)序(はじめに)では当該課題に対し、どのような視点・論点で切り込むのか、またその理由などを述べること。
b)本文は内容に応じて章に分け、適宜見出し(項目)を立て、テーマにそって論理的に展開すること。
c)終わりに、レポートのまとめ、反省点などを書くこと。
d)参考・引用文献は、レポート末尾(参考文献欄)に書誌データを添えて記載すること。
2.次のものはレポートとはみなされないので注意すること。
a)自分の説(考え)と他の参考・引用文献とを区別していないレポート。
b)他の文献の引用・紹介のみに終始するレポート。

いずれか1設題を選択

横書きパソコン印字可Web提出可

第1設題

「図書館の自由に関する宣言」が1979年に改訂された理由について関連する図書館の自由に関する事件を紹介しながら説明しなさい。

第2設題

資料収集と提供に関する最近10年以内の具体的事件を取り上げ、図書館の自由の視点から問題点を解説しなさい。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
図書館情報資源
図書館情報資源とは何か?図書館におけるその意義について学習します。
図書館資料の図書館における意義を説明できる UNIT1〜4
印刷資料
図書館資料のうち、印刷による資料について学習します。それぞれの特徴や図書館で収集、所蔵、提供する上での特徴や注意点も学習します。
印刷資料の図書館資料としての特徴を説明できる。 UNIT5〜6
非印刷資料
印刷以外の図書館資料について学習します。具体的には、点字・録音資料、マイクロ資料、映像資料、音声資料です。それぞれの特徴と図書館が収集提供する意義について学習します。
各非印刷資料について図書館資料としての意義を説明できる。 UNIT9〜12
電子資料
パッケージ系電子メディアとネットワーク情報資源を中心に、図書館で収集提供される電子資料についての特徴と現状を学習します。
電子資料の特徴と図書館資料としての意味を説明できる。 UNIT13〜17
資料特論
灰色文献、政府刊行物、地域資料など特殊な図書館資料についてその特徴や図書館で収集提供する意義について学習します。
上記資料の特徴と図書館資料として意味を説明できる。 UNIT18〜22
出版流通システム
日本における出版流通における仕組みを学習し、図書館との関係を考えます。
出版流通の仕組みについて説明できる。 UNIT23〜26
図書館の「知的自由」(1)
図書館の知的自由と図書館資料との関係を収集・提供の視点から学習します。
図書館の知的自由と図書館資料との関係を説明できる。 UNIT27〜29
図書館の「知的自由」(2)
図書館の知的自由と図書館資料に関連する事件から、問題がどの様なところに存在するのか理解し、実際の業務や図書館活動に役立つ考え方を習得します。事例はテキスト以外からも収集して検討してみましょう。
図書館の知的自由と図書館資料との関係を具体的な事例で説明できる。 option(p153〜 155)「図書館の 自由」をめぐる事 件
図書館と著作権
図書館情報資源と著作権の関係を学習します。著作権とはなにか?図書館にとってはどの様な意味をもつのか?理解を深めましょう。
図書館における著作権の意味について理解し、説明できる。 UNIT30
蔵書論
図書館における蔵書構築について学習します。
蔵書構築の図書館における意味を説明できる。 UNIT31〜34
収集と選択
図書館における資料収集と選択の理論と方法を学習します。
選書の理論と方法について説明できる UNIT35〜38
蔵書管理
蔵書管理のサイクルを学習し、蔵書管理の意味と分担収集、分担保存など図書館ネットワークを利用した資源共有の現状も学習します
蔵書管理と関連する諸問題について説明できる。 UNIT39〜43
資料の組織化
資料の受入、登録、装備などの作業と予算管理について学習します。
資料の受入、登録、装備などの作業について説明できる。 UNIT44〜47
書庫管理
書庫管理の意義、蔵書点検、資料保存について学習します。
蔵書管理と関連する業務について説明できる。 UNIT48〜50
まとめ
図書館資料に関する図書館における諸活動を選択から順番に説明し、各過程での注意点をまとめてみましょう。また図書館資料の種別とそれぞれの特徴(形態、情報)を説明し、それらを図書館が収集する意義について自分の言葉で説明してみましょう。
図書館資料に関する学習成果をまとめ、レポートに反映できる。 テキスト、他の参 考となる文献
試験
科目終了試験を行います。出題範囲はテキスト全体です。内容は1専門的知識の確認(選択、穴埋め、論述)2図書館資料に関する理解度を試す論述です。専門的知識については、用語を正確に憶えることが求められます。
※レポート執筆にあたっては、内容に応じて章に分けると良いでしょう。また字数制限のあるレポートですから、引用は必要最小限に。
その引用で何を言いたいのか、かならず自分の言葉で説明するようにしましょう。