最終更新日:2024年4月22日
A006
女性と子どもⅠ(2020年度以前入学生)
女性作家を愉しむ─倉橋由美子から山田詠美まで─単位条件
通信 2単位教員
履修条件
女性と子どもについて、特に戦後の時代の家族、社会の変化の中で、女性作家の作品を学びます。女性と子どもに興味のある方ならどなたでも履修して下さい。
到達目標
1.現代文学に、女性作家の存在は、きわめて大きい。戦後の民主主義、男女平等的な考え方を受容した「女性たち」が表現者として、何を表現しようとしたかを理解する。
2.作品を読み解く中で、戦後の女性と子どもの立場の変化を理解する。
学習成果
1.現代文学、とくに戦後文学における、女性表現者の足跡を理解することができる。
2.女性表現者の作品を、読み解く力を身につけることができる。
3.女性表現者が描いた、女性と子どもについて、深く読み分析することにより、女性と子どものあるべき姿について考えることができる。
4.自分の考えをまとめ、論述する力をつけることができる。
テキスト教材
編者今井泰子・藪禎子・渡辺澄子『短篇女性文学現代』(おうふう)
評価の要点
レポート課題1と2をきちんと作成し、「女性像や子ども」について、ジェンダーの視点で分析・研究できていることが大切です。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価します。
評価基準に基づき、レポートと試験を、きちんと受けていること。「女性と子ども」について、社会的背景、家族の変化等についても深く、
分析できていることが大切です。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
男性作家が描いた女性像や子ども像と、女性作家が描くものの違いに、気づくことが大切です。学習の際に気づいたことについてノートにまとめると良いでしょう。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
テキスト中の短編小説『山姥の微笑』(大庭みな子)を読んで、作家と作品について、女性像に注目して論じなさい。
第2課題
第1設題
テキスト中の短編小説『海の方の子』(山田詠美)を読んで、女性と子どもに注目して、作家と作品について論じなさい。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
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現代女性文学とは、どのようなものか? テキスト中の「現代女性文学」(渡辺澄子)を読む。 | 読解力と分析能力 | テキスト P215〜231 | |
「現代女性文学」(渡辺澄子)を読み、アウトラインを付け、重要な部分をノートにまとめる。 | ノート作成能力とまとめる力 | テキスト P215〜231 | |
『パルタイ』(倉橋由美子)を読み、1960年代の女子大生の心理、時代背景、描かれ方を分析する。 | 読解力と分析力 | P5〜26 | |
『骨の肉』(河野多恵子)を読み、作家と作品について分析・研究をすすめる。特に、依存性について。 | 読解力と分析力 | P27〜48 | |
『山姥の微笑』(大庭みな子)を読み、女性の一生と、家族との関係、死の受容について研究する。 | 読解力と分析力 | P49〜68 | |
『野に』(林京子)を読み、戦時下の女学生の心理と、原爆体験の言語化について分析する。 | 読解力と分析力 | P69〜88 | |
『野守』(三枝和子)を読み、妻の死後生きる老いた夫と家族の生き方、女性像について分析する。 | 読解力と分析力 | P89〜105 | |
『新家族』(富岡多恵子)を読み、戦後の核家族を見つめる、独身女性について分析をすすめる。 | 読解力と分析力 | P106〜124 | |
『いまわの花』(石牟礼道子)を読み、水俣病で死につつある娘と母親の心の交流を分析する。 | 読解力と分析力 | P125〜140 | |
『兎』(金井美恵子)を読み、作家と作品研究を通して、父と娘の関係を深く分析する。 | 読解力と分析力 | P141〜160 | |
『黙市』(津馬佑子)を読み、シングルマザーと子どもたちの心の交流とともに「家族とは何か」を考える。 | 読解力と分析力 | P161〜178 | |
『あなたへ』(増田みず子)を読み、団塊の世代の自分探し、アイデンティティの確立について分析する。 | 読解力と分析能力 | P179〜196 | |
『海の方の子』(山田詠美)を読み、主人公の久美子や哲夫の心理(女性・子ども)を深く分析する。 | 読解力と分析力 | P197〜213 | |
レポート作成課題Iについて、作品に表現された女性像について、深く分析・論述する。 | 論述能力、分析能力 | ||
レポート作成課題IIについて、作品に表現された女性像と、子どもについて、深く分析・論述する。 | 論述能力、分析能力 | ||
試験 テキストにある、女性作家の作品について、きちんと読み、女性像や子どもについて、どのように描かれ、何を言いたいかのテーマについて、深く考えておいて下さい。また、実際にノートにまとめることも良いでしょう。 |