最終更新日:2024年4月5日
P014
心理検査理論
心理的アセスメントの概要について理解する単位条件
通信 1単位教員
履修条件
「P046心理学概論」「P009心理学研究法」「P049心理学統計法/P010基礎心理統計学」を履修済みであることが望ましい。
到達目標
心理的援助の重要な柱である心理的アセスメントの概要について学習する。それを通して、心理援助職の専門性についても学ぶ。
学習成果
(1)心理的アセスメントとは何か説明できる。
(2)アセスメント面接の概要について説明できる。
(3)行動観察の概要について説明できる。
(4)心理検査の概要について説明できる。
(5)各種心理検査について説明できる。
テキスト教材
津川律子・遠藤裕乃編『公認心理師の基礎と実践14心理的アセスメント』(遠見書房)
参考図書
津川律子著『改訂増補 精神科臨床における心理アセスメント入門』(金剛出版)
森田美弥子・松本真理子・金井篤子監修『臨床心理学実践の基礎 その1─基礎的姿勢からインテーク面接まで』(ナカニシヤ出版)
川瀬正裕・松本英夫・松本真理子著『心とかかわる臨床心理学─基礎・実際・方法』(ナカニシヤ出版)
花沢成一・佐藤誠・大村政男著『心理検査の理論と実際 第IV版』(駿河台出版社)
森田美弥子・松本真理子編『心の専門家養成講座 心理アセスメント─心理検査のミニマム・エッセンス』(ナカニシヤ出版)
評価の要点
学習目標に従い、心理的アセスメントの概要と主な方法について理解しているかを評価する。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価します。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
本科目は心理的アセスメントII・III(心理検査実習I・II)へとつながる基礎科目である。テキスト教材全体をしっかりと理解した上で、さらなる学習の深化に向けて参考書その他さまざまな文献や論文に取り組んでいってもらいたい。
レポート課題
提出数 1第1課題
第1設題
[Ⅰ][Ⅱ][Ⅲ]すべて答えなさい。
[Ⅰ]( )に当てはまる言葉を書きなさい。
・心理的アセスメントにおいては、さまざまな情報を収集した上で、それらの総合的な評価とその後の支援の予測としての( 1 )を練り上げることが重要である。
・初回面接では、クライエントが何に困っており、どうなることを望んでいるのかといった( 2 )を共有することが重要である。
・面接者がクライエントと交流しながら、一方でクライエント─面接者関係の中で生じている現象を観察することを( 3 )[9文字]という。
・行動観察を行う枠組みの1つとして、行動分析の枠組みが重要である。行動分析では人の行動を、( 4 )→( 5 )→( 6 )の連鎖関係でとらえる。
・心理検査は( 7 )に関する研究から生れていった。
・心理検査を用いた心理的アセスメントを行う際に、複数の異なった検査を組み合わせて実施することを( 8 )を組むという。
・心理検査の結果は数値だけで決めることはできず、( 9 )や( 10 )、( 11 )、( 12 )など、質的な情報に照らして解釈される。
・今日の知能検査の目的は、対象者の問題の( 13 )、およびその( 14 )を明らかにすることである。
・MMPIでは、4種類の( 15 )と10種類の( 16 )がある。
・ビネー式知能検査では、対象者に課題を実施することで、知能の発達水準を示す( 17 )を求める。
・ウェクスラー式知能検査では、知能領域の( 18 )を調べることができる。
・どのような心のメカニズムを構成しているのかということが個人個人で異なっているという前提にたち、その個人に固有の心のメカニズムを理解していくということは( 19 )論の発想であり、( 20 )の発想でもある。
・P-Fスタディにおけるアグレッションとは、( 21 )である,
・ベンダーゲシュタルト検査では、9つの( 22 )を模写させる
・内田クレペリン精神作業検査において、( 23 )とは単位時間あたりの作業量の変化を表したものである。
・発達の遅れがある子どもに対して個別式発達検査を実施する際の配慮として、( 24 )、( 25 )、難易度が上がっていくことによる( 26 )、( 27 )などがある
・K-ABCIIは、( 28 )の測定に主眼を置き、基礎的な( 29 )と、それを基盤として( 30 )された知識や能力を区別して測定する。
[Ⅱ]
1)APAの定義によると、心理的アセスメントは何のために行うものとされているか、簡潔に述べなさい。
2)行動観察の対象となる行動の定義を行動論の立場から13文字程度で述べなさい。
3)心理検査に関して厳密な規格を設定する手続きをなんというか。また、そのような手続きを経て開発された心理検査をなんというか。
4)心理検査の妥当性とは何か。簡潔に説明しなさい。
5)心理検査が備えるべき妥当性を3つあげなさい。
6)心理検査の信頼性とは何か。簡潔に説明しなさい。
7)心理検査の信頼性を求める方法を3つあげなさい。
8)Kernberg, O. F.によるパーソナリティ構造の分類3つを挙げなさい。
9)心理的アセスメントにおけるトリアージのポイントを5つ挙げなさい。
10)病態水準を把握する際の心理的アセスメントのポイントを5つ挙げなさい。
11)パーソナリティを査定する際の心理的アセスメントのポイントを5つ挙げなさい。
12)発達を査定する際の心理的アセスメントのポイントを5つ挙げなさい。
13)これまで歴史的には心理「診断」という呼称が用いられていたが、現在では心理的「アセスメント」という呼称を用いることが一般的となっている。では「診断」ではなく、「アセスメント」という呼称を用いるのはなぜか。その積極的な意義を簡潔に述べなさい。
14)心理支援を行っていくに際しては、公認心理師が自ら行っていこうとする支援の内容について、対象者に十分な説明を行った上で、その内容を対象者が納得し、対象者の同意を得るというプロセスが重要である。では、この「十分な説明を行った上で」にあたる部分をなんというか。また、この一連のプロセスをなんというか、述べなさい。
[Ⅲ]
心理的アセスメントとは何か概要を説明し、心理的アセスメントの主となる3つの方法についても説明しなさい。[1000文字程度]
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
心理的アセスメント総論 | 心理的アセスメントの概要を説明できる。 | テキスト第1章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
アセスメント面接 | アセスメント面接の概要を説明できる。 | テキスト第4章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
関与しながらの観察 | 関与しながらの観察について説明できる。 | テキスト第4章+各種参考書の該当箇所を用いて調べること(90分[授業時間分を除く]) | |
行動観察法 | 行動観察の概要を説明できる。 | テキスト第3章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
心理検査法 | 心理検査の概要を説明できる。 | テキスト第5章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
心理検査の妥当性 | 心理検査の妥当性について説明できる。 | 各自調べること(90分[授業時間分を除く]) | |
心理検査の信頼性 | 心理検査の信頼性について説明できる。 | 各自調べること(90分[授業時間分を除く]) | |
知能検査と発達検査 | 知能検査と発達検査の概要について説明できる | テキスト第8章と第9章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
神経心理学検査/認知機能検査 | 神経心理学検査/認知機能検査の概要について説明できる。 | テキスト第6章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
質問紙法 | 質問紙法の概要について説明できる。 | テキスト第6章と第7章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
投映法(描画法を含む) | 投映法の概要について説明できる。 | テキスト第10章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
作業検査法 | 作業検査法の概要について説明できる。 | テキスト第7章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
検査バッテリー | 検査バッテリーについて説明できる。 | テキスト第11章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
心理的アセスメントをめぐる諸概念 | 心理的アセスメントをめぐる諸概念について説明できる | テキスト第2章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
包括的理解 | 心理アセスメントにおける包括的理解について理解する。 | テキスト第12章と第13章および各種参考書の該当箇所を用いて学習(90分[授業時間分を除く]) | |
試験 |