最終更新日:2024年2月15日

1年次入学生:2年 3年次編入学生:3年 短期大学部:-
文学部 文学科

U085

日本文学特講Ⅰ

物語と生きる―『竹取物語』を中心に―

単位条件

通信 1単位 面接 1単位

教員

正道寺 康子

履修条件

スクーリングは、レポート課題提出後に受講すること。

到達目標

王朝物語は言葉や思想、文化・歴史、生きる知恵、人間とは何か等、様々なことを教えてくれたり、虚構の世界に遊ぶ楽しさを教えてくれたりする。『源氏物語』絵合巻に「物語の出で来はじめの親なる竹取の翁」とあるように、『竹取物語』は物語文学の嚆矢である。その『竹取物語』から物語文学を考えてゆくことで、日本文学をより深く理解することを目標とする。物語の生成および誕生の背景、主題、後世への影響等を幅広く学ぶことで、物語とは何か、ひいては文学とは何かを考える機会としたい。

学習成果

・文学作品を読んで、人生を深く省察することができる力を育む。
・日本古典文学を通じて様々な価値観のあることを知り、他者と協調・共存できる力が身につく。
・豊かな教養と広い視野を持って社会に貢献できる人になることができる。
・先人から日本文化を継承し、次世代に伝えてゆくといった役割を担えるだけの力が身につく。
・日本人としてのアイデンティティーを確立し、国際社会でも活躍できる教養が身につく。

テキスト教材

・大井田晴彦『竹取物語 現代語訳対照・索引付』(笠間書院)

参考図書

・テキスト116〜119頁参照。

評価の要点

〈レポート課題〉
・作品をよく読んでいるか。また、疑問点についてよく調べ、よく考えているか。
・レポートとしての体裁が整っているか。
〈筆記試験〉
・記述式問題を出題。分かりやすく説明しているか。また、論旨は明快か。

評価方法と採点基準

レポート合格後、スクーリング時の筆記試験で評価する。
スクーリング時の筆記試験 100%
・各設問で問われていることについて、正確に答えているかどうか。
・5W1Hが明確であるかどうか。
・具体例が具体的であるかどうか。
以上を総合して評価する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

・実際に作品をよく読むこと。現代語訳だけでなく、語釈や補注にも目を通すこと。

レポート課題

提出数 1

第1課題

いずれか1設題を選択
※テキストや研究書等の丸写しをしないように。

縦書きパソコン印字可
[1600]

第1設題

かぐや姫の心情の変化について、具体例を挙げて説明しなさい。

第2設題

『竹取物語』の主題について、根拠となる具体例を示して説明しなさい。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
(1)『竹取物語』の世界
1 かぐや姫の生い立ち・貴公子たちの求婚
かぐや姫の人物造型が説明できる。 テキスト 1〜17
2 仏の御石の鉢 「仏の御石の鉢」の説明ができる。 テキスト 17〜25
3 蓬莱の玉の枝 「蓬莱の玉の枝」の説明ができる。 テキスト 25〜40
4 火鼠の皮衣 「火鼠の皮衣」の説明ができる。 テキスト 41〜48
5 龍の首の玉 「龍の首の玉」の説明ができる。 テキスト 48〜58
6 燕の子安貝 「燕の子安貝」の説明ができる。 テキスト 58〜67
7 狩の行幸 「狩の行幸」の説明ができる。 テキスト 67〜77
8 八月十五夜・富士の煙 「八月十五夜・富士の煙」の説明ができる。 テキスト 78〜99
(2)物語文学の世界 (スクーリング)
1 物語の誕生
物語がどのように誕生したのかを明らかにできる。 テキスト 102〜104、 122〜142
2 物語と異界 物語に描かれる異界の特徴について明らかにできる。 テキスト全体 プリント配付
3 物語と冒険 海洋冒険譚や漂流譚、異界訪問譚について説明できる。
4 物語と唐物 唐物について説明できる。
5 物語と海彼の文学 アジア文学(特に中国文学)の受容を説明できる。
6 後世への影響 平安朝物語文学が後世に与えた影響を説明できる。
7 物語の不思議 伝奇物語について説明できる。
試験
・スクーリング時、筆記試験。記述式問題を出題。(ノート・テキスト・プリント等持込可)