最終更新日:2024年2月26日
U116
比較思想論Ⅰ
比較思想から見た仏教単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
(1)目的
比較思想研究において主要な地位を占める諸思想の中で、歴史的に日本に大きな影響を与えた仏教思想を取り上げ、他の思想と比較しつつ、その特質を理解することによって、歴史文化に関する専門的職業人として必要となる思想の知識を身に付けるとともに、倫理観を高めることを目的とする。
(2)到達目標
①これまでの比較思想研究を踏まえて、比較思想の類型を分別し、比較思想とは何かを理解することができる。
②仏教思想の特質を、他の思想と比較して理解することができる。
学習成果
(1)これまで指摘されている比較思想の諸類型を区別し、それぞれの特徴と具体例を述べることができる。
(2)仏教思想の特質を、様々な観点から、他の思想と比較しつつ、正確に述べることができる。
テキスト教材
中村元著・春日屋伸昌編訳『比較思想から見た仏教』〈新装版〉(中村元英文論集)(東方出版)2012
参考図書
中村元『中村元の仏教入門』(春秋社)2014
中村元監修・峰島旭雄責任編集『比較思想事典』(東京書籍)2000
中村元『世界思想史II 普遍思想』(中村元選集〔決定版〕別巻2)(春秋社)1999
三枝充悳『比較思想序論』〈増補新装版〉(春秋社)1994
評価の要点
テキストの記述内容について、参考図書を参照して正確な理解がなされているかを評価する。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目終了試験で評価する。
・レポートにおいては、テキストおよび参考図書による学習内容の総括を課す。
・レポートは、テキストおよび参考図書の要点が、定められた字数に応じて、不足なく的確に叙述されているかによって評価する。
・科目終了試験においては、テキストの記述内容に関する論述問題を出題する。
・科目終了試験は、テキストおよび参考図書を踏まえ、論述内容に重要事項の不足がないか、また、論述内容が正確であるかによって評価する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
・レポート作成に当たっては、テキストのほか、上記参考図書のうち少なくとも『世界思想史II 普遍思想』を必ず参照すること。
・科目終了試験では、テキストの学習範囲中の一部に関して一題を出題する。そのため、あらかじめテキストの学習範囲全体について復習し、どの部分が出題されても対応できるようにしておくことが望ましい。
レポート課題
提出数 2第1課題
いずれか1設題を選択
第1設題
仏教の法(ダルマ)について、西洋のロゴスと比較しつつ説明しなさい。
第2設題
仏教において、輪廻と無我の関係はどのように説かれるか、説明しなさい。
第3設題
仏教の涅槃について、西洋における理解に言及しつつ説明しなさい。
第2課題
いずれか1設題を選択
第1設題
仏教における自力と他力について、禅仏教と浄土仏教を取り上げて説明しなさい。
第2設題
原始仏教の社会観について、西洋の社会契約説と比較しつつ説明しなさい。
第3設題
古代インドの自由思想家とその思想について、仏教に言及しつつ説明しなさい。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
比較思想の類型と方法① 比較思想の第一・第二の類型とそれぞれの方法について考察する。 |
比較思想とは何かを理解できる。 | 参考図書『比較思想 序論』p87〜p127 | |
比較思想の類型と方法② 比較思想の第三の類型とその方法について考察する。 |
比較思想とは何かを理解できる。 | 参考図書『比較思 想 序 論』 p127〜 p170 | |
普遍宗教としての仏教 仏教が普遍宗教の一つと言われる理由を考察する。 |
仏教の全体的特質を理解できる。 | テキスト p1〜p16 | |
開祖 仏教における開祖の位置づけについて考察する。 |
仏教の信仰上の特質を理解できる。 | テキスト p17〜p25 | |
法(ダルマ) 仏教における法(ダルマ)の位置づけについて考察する。 |
仏教の信仰上の特質を理解できる。 | テキスト p25〜p45 | |
無常と苦 仏教において説かれる人間の苦と、その原因とされる無常について考察する。 |
仏教の人間観を理解できる。 | テキスト p46〜p52 | |
輪廻と無我 仏教において、輪廻転生説と無我説とがどのように調和されたかを考察する。 |
仏教の人間観を理解できる。 | テキスト p52〜p68 | |
涅槃 仏教において目標とされる涅槃の意味を考察する。 |
仏教において目標とされるものを理解できる。 | テキスト p69〜p83 | |
八正道と中道 仏教において涅槃に至る方法とされる八正道と中道について考察する。 |
仏教において目標に至る方法とされるものを理解できる。 | テキスト p83〜p93 | |
戒律 仏教教団における戒律の特徴を考察する。 |
仏教における戒律の意義を理解できる。 | テキスト p94〜p112 | |
仏教と社会 仏教における現世社会についての思想を考察する。 |
仏教の社会観を理解できる。 | テキスト p112〜p132 | |
禅仏教 仏教の一形態である禅仏教の特質を考察する。 |
禅仏教の特質を理解できる。 | テキスト p133〜p161 | |
浄土仏教 仏教の一形態である浄土仏教の特質を考察する。 |
浄土仏教の特質を理解できる。 | テキスト p162〜p188 | |
古代インドの自由思想家 古代インドの所謂「六師外道」などの自由思想家の思想を考察する。 |
古代インドの多様な思想を理解できる。 | テキスト p189〜p200 | |
東洋における近代的思想 東洋における近代思想の先駆と仏教との関係を考察する。 |
仏教と近代思想との関わりを理解できる。 | テキスト p200〜p218 | |
試験 科目終了試験を実施する。 |