最終更新日:2024年4月18日

1年次入学生:3年 3年次編入学生:3年 短期大学部:-
心理・福祉学部 心理学科

P070

心理演習

心理支援に関する知識及び技能の基本的な水準の習得

単位条件

面接 2単位

教員

心理学科担当教員

履修条件

公認心理師課程を登録した者に限る。かつ「心理学概論」「心理的アセスメントI」「心理的アセスメントII」「心理的アセスメントIII」「臨床心理学概論」「心理学的支援法I」「公認心理師の職責」の7科目すべての単位を修得済(合格済)であること。

到達目標

公認心理師としての知識及び技能の基本的な水準の習得を目標とし、具体的な場面を想定した役割演技等を行い、心理に関する支援を要する者等に関する、コミュニケーション、心理検査、心理面接、地域支援等の知識及び技能の習得を目標とする。

学習成果

心理に関する支援を要する者等に関する知識及び技能を習得し、ロールプレイ等で活用できる。
心理に関する支援を要する者等の理解とニーズを把握し、支援計画を作成することができる。
心理に関する支援を要する者等の現実生活を視野に入れたチームアプローチに参加できる。
心理に関する支援に関する多職種連携及び地域連携について理解し説明できる。
公認心理師としての職業倫理及び法的義務を理解し説明できる。

テキスト教材

スクーリング時のテキストについては別途お知らせします。

参考図書

必要に応じて授業内で適宜紹介する。

評価の要点

心理支援に関する知識及び技能の習得の程度、ロールプレイング等の演習への取り組み、ディスカッションへの参加について総合的評価する。

評価方法と採点基準

3日間のスクーリング期間中、全日、全時限(遅刻・早退は認めない)に出席していることを成績評価のための要件とする。
面接授業内に実施する試験の成績(50%)に、ロールプレイング等の演習への取り組みおよびディスカッションへの参加に関する評価(50%)を総合して評価する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

単に知識・技術の習得を図るのみではなく、ロールプレイングをはじめとした演習の体験を通して自分を見つめ、自身の公認心理師としての適性と課題に向き合う機会としていただきたい。
在学生向けホームページ 等で前もって指示された物を忘れずに持ってくること。

備考・補足

← 表が横スクロールします →

授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
カウンセリング・マインド
ねらい:ことばを使わない自己紹介や、相手を配慮しつつ道案内する体験、自分の思いを間接的に伝える体験を通して、カウンセリング的対人交流がどのようなものかを体験的に理解し、カウンセリングに必要となるカウンセリング・マインドを学習する。
カウンセリング・マインドについて説明できる。 予習(60分) カウンセリング・マインドについて調べてくる。
対自的コミュニケーションを鍛える
ねらい:人が独自に行う「思考のクセ」に体験学習で気づくことを目的とする。不健康な思考を健康な思考に修正する課題や「身体の声」に耳を傾ける実習から思考と身体の相互影響を体験する。
セルフ・モニタリング能力を習得することが出来る。 予習(60分) 教材のP.43-57 を読み疑問点を調べ る。
対他的コミュニケーションを鍛える
ねらい:不健康で否定的な感情の例として強い「怒り」の感情表現のコントロールを体験学習する。さらに人間を全人格的文脈でとらえたコンセプトの「ストローク」刺激の意義を体験学習する。
他者と自己の対人関係を意識した自己表現のスキルを学ぶことが出来る。 予習(60分) 教材のP.58-68 を読み疑問点を調べ る。
対集団的コミュニケーションを鍛える
ねらい:自由度の高い集団の例としてパーティ会場を取り上げる。こうした気楽な集団の中で自己表現するスキルを体験的に学ぶ。さらに、集団場面で非言語的コミュニケーションの交流の意義を、共同作業場面を想定して体験する。さらに気づきをシェアーする。
集団生活の過程で生じるコミュニケーション能力を育成することが出来る。 予習(60分) 教材のP.69-84 を読み疑問点を調べ る。
描画実習
ねらい:「集団絵画」を行い、一つの作品を仲間と一緒に完成させることによるカタルシスを経験する。また、言葉ではない方法で自分の思いを人に伝えること、反対に人の思いを表現されたものから感じ取ることを経験する。
描画法による自己表現・共感体験がどのようなものか説明できる。 復習(60分) 集団絵画で体験したこととカウンセリングを関係づけてまとめる。
アサーションの理解
ねらい:「相手立てつつ自己表現」する意義について体験学習する。また「アサーテイブ行動」、「攻撃的行動」、「受身的行動」の識別を対人コミュニケーションの視点から学ぶ体験をする。
アサーション能力を育成する意義を説明できる。 予習(60分) 教材のP.14-42 を読み疑問点を調べる。
対家族内コミュニケーションを鍛える
ねらい:生涯発達の視点から家族が個人と相互影響していることを体験的に学ぶ。最初に自分の過去の棚卸から始め、未来に向けた「ライフライン」作成の実習をする。次に体験学習による心理的「時間」の意味に気付く学びを行う。
家族という絆で繋がる血縁関係の対人関係に由来する葛藤と愛情への対処能力を学ぶことが出来る。 予習(60分) 教材のP.85-100 を読み疑問点を調べる。
カウンセリング実習(1)傾聴体験
ねらい:話を聴いてもらえていると感じるのはどういう体験なのかを実感するために、聞いてもらえない体験を経験する。その上で、聴いてもらえない体験を活かし、話を聴いてもらえていると相手が思える聴き方で話を聴く経験をする。
話を聴くことの難しさを説明できる。 復習(60分) 聴く姿勢で関わることがどう日常と異なるかまとめる。
カウンセリング実習(2)かかわり行動と基本的な傾聴技法
ねらい:カウンセリング・ロールプレイによって、基本的な傾聴技法であるかかわり行動と観察技法、および基本的な傾聴技法である質問技法と励まし技法を習得する。
基本的な傾聴技法が何か説明できる。 予習(60分) かかわり行動、観察技法について調べてくる。
カウンセリング実習(3)言いかえ技法と感情の反射(反映)
ねらい:カウンセリング・ロールプレイによって、傾聴技法である言いかえ技法と感情の反射(反映)を習得する。その上で、シナリオカウンセリングによってカウンセリング場面を体験する。
カウンセリング場面がどのようなものか説明できる。 予習(60分) 言いかえ技法と感情の反射(反映)技法を調べる。
事例の理解と検討〜保健医療分野〜
ねらい:保健医療分野において想定される事例を検討し、クライエントの理解とニーズの把握及び支援計画の作成のために必要な情報収集の進め方とこの分野における多職種連携のあり方について体験的に学習する。
保健医療分野における初回面接において基本的な面接技術を活用できる。 復習(60分) ロールプレイングにおける面接の面接記録を作成する。
事例の理解と検討〜福祉分野〜
ねらい:福祉分野の事例についてグループで検討し、クライエントの状況、クライエントの持つ資源等を客観的に把握する。何が問題であるか、クライエントのニーズは何かを理解し、多職種連携をふまえた支援計画のあり方について学ぶ。
福祉分野の事例を理解し、現実に即した援助を行うための方策を練ることができる。 復習(60分) 福祉分野に関わる法律と職種について整理する。
事例検討とロールプレイング〜教育分野〜
ねらい:教育分野において想定される事例を用いて、クライエントの理解とクライエントや関係者のニーズの把握及び支援計画の作成のために必要な情報収集の進め方とこの分野における多職種連携のあり方を検討する。次に、面接のロールプレイングを行い、クライエントーカウンセラーの関係性を体験的に学習する。
教育分野における事例を理解し、支援計画の作成及び基本的な面接技術を活用できる。 復習(60分) ロールプレイングにおける面接記録の作 成と教育分野における多職種連携について整理する。
初回面接のロールプレイング〜産業・労働分野〜
ねらい:産業・労働分野の事例についてグループで検討し、クライエントの状況、クライエントの持つ資源等を客観的に把握する。何が問題であるか、クライエントのニーズは何かを理解し、多職種連携をふまえた支援計画のあり方について学ぶ。
産業・労働分野の事例を理解し、現実に即した援助を行うための方策を練ることができる。 復習(60分) 産業・労働分野に関わる法律と職種について整理する。
事例の理解と検討〜司法・犯罪分野〜
ねらい:司法・犯罪分野の事例を検討し、対象者の理解とニーズの把握及び支援計画の作成のために必要な情報収集の進め方とこの分野における多職種連携のあり方について体験的に学習する。
司法・犯罪分野における初回面接において基本的な面接技術を活用できる。
復習(60分) ロールプレイングにおける面接の面接記録を作成する。
試験
スクーリング期間中に、演習における体験をもとに心理支援の遂行、対象者の理解とニーズの把握および支援計画、チームアプローチ、多職種連携及び地域連携、公認心理師としての職業倫理及び法的義務への理解に関する知識を問う試験を実施する。