最終更新日:2024年4月5日
C120
社会保障論Ⅱ
社会保障の各制度の仕組みや考え方を理解しよう単位条件
通信 2単位教員
履修条件
なし
到達目標
目的
福祉の専門職に求められる、社会保障の各制度に関する基本的な仕組みや考え方を理解することをねらいとする。
到達目標
①我が国における社会保険(医療保険、介護保険、年金、労災保険、雇用保険)制度の概要を説明できる。
②公的扶助としての生活保護制度の概要を説明できる。
③社会手当制度の概要を説明できる。
④社会福祉の各分野(高齢者福祉、児童福祉、障害者福祉)の諸制度の概要を説明できる。
ディプロマポリシーとの関連について、社会保障の各制度の考え方を学ぶことはディプロマポリシーの「個人の尊厳と基本的人権を尊重する視点をもつ人間力を備えた人材」の涵養に深い関係がある。また、社会保障の各制度の仕組みを理解することは「人々の個別の福祉ニーズに応じたサービスを提供することができる」ための専門的な知識をもつことにつながる。
学習成果
①社会保険制度及び生活保護制度の概要を理解することで、利用者の個別の福祉ニーズに応じたサービスを提供する福祉専門職としての活動の一助になる。
②社会手当制度の概要について理解が深まる。
③社会福祉の各分野(高齢者福祉、児童福祉、障害者福祉)の諸制度の概要について理解が深まる。
テキスト教材
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟編集『社会保障』(中央法規出版)2021
ISBN:978-4-8058-8237-5
評価の要点
①社会保険(医療保険、介護保険、年金、労災保険、雇用保険)制度の概要を説明できるか。
②生活保護制度の概要を説明できるか。
③社会手当制度の概要を説明できるか。
④社会福祉の各分野(高齢者福祉、児童福祉、障害者福祉)の諸制度の概要を説明できるか。
評価方法と採点基準
レポート課題合格後の科目終了試験で評価する。
レポート課題は、社会保障の各制度を理解できているかを評価する。
科目終了試験は基本的に範囲内の知識を問う出題をする。100点満点のテストで60点台を「C」、70点台を「B」、80点台を「A」、90点以上を「S」と評価する。
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
テキストの説明だけで十分に理解できない場合は、他の文献等でも調べ、学習を進めてください。
科目終了試験では、レポート課題で問うた知識に加え、関連する周辺知識の理解も問います。
レポート課題
提出数 2第1課題
第1設題
各種社会保険制度に関わる以下の問いについて答えなさい。
1.医療保険制度
表1 公的医療保険の類型
対象 | 一般被用者 | 特定被用者(公務員、私立学校の教職員、船員) | 自営業者、農林水産業者等 | 75歳以上の高齢者 | ||
制度名 | 健康保険 | 各種共済 | 地域保険 | ⑤ | ||
① | ② | ③ | ④ |
(1)表1の①~⑤に当てはまる制度名を記しなさい。
(2)医療保険制度における患者の一部負担(自己負担)の割合については、年齢層によって定率負担の割合が異なる。義務教育就学後から70歳未満の者の負担は何割か。
(3)1か月の医療費を窓口で自己負担で支払った後に、事前に決められた月ごとの自己負担限度額を超える部分について、事後的に保険者から償還払いされる制度を何というか。
(4)次の問について、記述の適切・不適切を判断しなさい。また、不適切と判断した場合は、その理由を記しなさい。
①日本で最初に実施された公的医療保険制度は、国民健康保険である。
②協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の保険料率は、全国一律である。
③後期高齢者医療制度は、介護保険制度と同時に創設された。
2.介護保険制度
(1)介護保険制度の保険者は誰か。
(2)介護保険制度における第1号・第2号被保険者を説明せよ。
第2課題
第1設題
各種社会保険制度に関わる以下の問いについて答えなさい。
1.年金制度
(1)年金制度における、国民年金第1号・第2号・第3号被保険者を説明せよ。
(2)次の問について、記述の適切・不適切を判断しなさい。また、不適切と判断した場合は、その理由を記しなさい。
①年金保険について、老齢基礎年金は、25年間保険料を納付して満額の支給が受けられる。
②老齢基礎年金は、65歳以降75歳まで支給開始を遅らせることができ、この場合、年金額の増額がある。
③遺族基礎年金は、死亡した被保険者の孫にも支給される。
④遺族厚生年金の額は、死亡した者の老齢基礎年金の額の2分の1である。
⑤厚生年金の被保険者に病気やケガが発生してから、その症状が固定することなく1年を経過し、一定の障害の状態にある場合は、障害厚生年金を受給できる。
2.労働保険制度
(1)労働者災害補償保険では、保険事故の発生確率に応じて保険料率が定められる。各事業所の災害発生の多寡に応じて保険料率に差を
設ける仕組みを何というか。
(2)次の問について、記述の適切・不適切を判断しなさい。また、不適切と判断した場合は、その理由を記しなさい。
①労働者災害補償保険に要する費用は、事業主と労働者の保険料で賄われる。
②雇用保険制度について、雇用継続給付には、高年齢雇用継続給付、介護休業給付がある。
③育児休業を取得する場合に支給される育児休業給付金は、子どもが3歳になるまでを限度とする。
3.生活保護制度
(1)次の問について、記述の適切・不適切を判断しなさい。また、不適切と判断した場合は、その理由を記しなさい。
①日本の社会保険制度と公的扶助制度の基本的な特質に関して、公的扶助は防貧的な機能をもつ。
②日本の社会保険制度と公的扶助制度の基本的な特質に関して、公的扶助は、保険料の拠出を給付の前提条件としている。
4.社会手当制度
(1)次の問について、記述の適切・不適切を判断しなさい。また、不適切と判断した場合は、その理由を記しなさい。
①児童手当の支給対象となる児童の年齢は、12歳到達後の最初の年度末までである。
②児童扶養手当の支給対象となる児童の年齢は、障害がない子どもの場合、18歳到達後最初の年度末までである。
備考・補足
← 表が横スクロールします →
授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
医療保険制度① 医療保険制度の全体像、体系と沿革について学びます。 |
①社会保険制度 | pp114~125 | |
医療保険制度② 医療保険制度全体の保険財政の仕組みについて学びます。 |
①社会保険制度 | pp125~136 | |
医療保険制度③ 医療に関する公的助成制度について学びます。 |
①社会保険制度 | pp137~139 | |
介護保険制度① 介護保険制度の沿革と概要について学びます。 |
①社会保険制度 | pp140~154 | |
介護保険制度② 地域包括ケアシステムと介護保険の関係について理解を深めます。 |
①社会保険制度 | pp154~157 | |
年金制度① 年金制度の基本的な仕組みについて学びます。 |
①社会保険制度 | pp158~178 | |
年金制度② 年金制度の財政について学びます。 |
①社会保険制度 | pp158~178 | |
年金制度③ 年金制度の動向と課題について学びます。 |
①社会保険制度 | pp188~194 | |
労働保険制度① 労働者災害補償保険制度の概要について学びます。 |
①社会保険制度 | pp195~205 | |
労働保険制度② 雇用保険制度の概要について学びます。 |
①社会保険制度 | pp205~214 | |
生活保護制度① 生活保護制度の概要について学びます。 |
②生活保護制度 | pp215~219 | |
生活保護制度② 生活困窮者自立支援制度の概要について学びます。 |
②生活保護制度 | pp219~221 | |
社会手当制度① 社会手当制度の特徴、社会保障制度上の位置づけについて学びます。 |
③社会手当制度 | pp222 | |
社会手当制度② 各種社会手当制度の内容について学びます。 |
③社会手当制度 | pp222~226 | |
社会福祉制度 社会福祉の各分野(高齢者福祉、児童福祉、障害者福祉)の諸制度の概要について学びます。 |
④社会福祉 | pp227~239 | |
試験 |