最終更新日:2024年3月28日

1年次入学生:3年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
文学部 文学科

U079

日本語の歴史Ⅱ

古代から現代まで、日本語の語彙と文法はどのように変化したか

単位条件

通信 2単位

教員

碁石 雅利

履修条件

なし

到達目標

日本語学に関する基礎的な知識及び専門能力を身につけ、主体的に課題を解決できる成果を目指す。
ディプロマポリシーとの関連:文学・文化・芸術に関する各学問領域の専門的な知識を有し、自らの考えを適切に表現できる社会的・職業的に自立した人材を育成することを教育目標とする。

学習成果

古代から現代に至る語彙と文法の歴史をたどりながら、変化の様相を具体的事例によって跡付け、その要因について考察することができる。

テキスト教材

沖森卓也『はじめて読む日本語の歴史』(ペレ出版)2010

参考図書

渡辺実『日本語史要説』(岩波書店)1997
柳田征司『日本語の歴史1~6』(武蔵野書院)2010~2016

評価の要点

課題に対する取り組み方において、概説ではなく具体的事例によって証拠を示すこと。事例の読み取り方及び歴史的位置づけが的確か否かによって判断する。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目修了試験によって評価する。
事例の正確な読み取り:50%、論証の妥当性:50%

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

古典文法に関する基礎知識が必要となる。高校の副教材などによって復習しておくこと。

レポート課題

提出数 2

第1課題

横書きパソコン印字可
[1600]

第1設題

奈良時代特有の語法を取り上げ、その特徴と主な用法を示すとともに、その用法が平安時代に至って一般的にどのような表現形式へと受け継がれるのか、具体的に説明せよ。

第2課題

横書きパソコン印字可
[1600]

第1設題

平安時代に用いられた助動詞の中から現代語の助動詞と形態的に繋がりを持つものを選び、それらがどのような過程を経て現代語の形になったのか、具体的に説明せよ。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
奈良時代の文法➀
動詞活用の起源、各活用形の由来、上一段活用の由来
動詞活用の起源に働く要因を考える pp.60~70 (1時間)
奈良時代の文法②
形容詞の整備とその由来、ク語法とミ語法
形容詞活用の由来と活用形の用法を探る pp.71~78 (1時間)
奈良時代の文法③
付属語の確立とその用法、待遇表現とその特徴
助詞・助動詞の主な用法、上代特有の待遇表現を知る pp.79~90 (1時間)
奈良時代の語彙
万葉集の和語と漢語、散文中の漢語
和語の構成を知り、漢語の流入と定着を確認する pp.90~100 (1時間)
平安時代の文法➀
用言の形式的完成、音便形とその表記
文語文法の規範が確立された意義を知る pp.137~141 (1時間)
平安時代の文法②
主な助動詞・助詞の用法、平安時代の敬語法の特徴
付属語や敬語に関する古典文法の基礎を確認する pp.142~148 (1時間)
平安時代の語彙
意味変化、源氏物語の漢語、漢語の日本語化、和文語と漢文訓読語
和文に見る漢語の実態を知り、漢語の日本語化の過程を認識する pp.149~157 (1時間)
鎌倉時代の文法➀
連体形の終止形化、活用の種類の統合、二段活用の一段化
連体形の終止形化・活用の種類の減少を目指した動因を探る pp.175~179 (1時間)
鎌倉時代の文法②
助動詞・助詞の変化、待遇表現への新規参入
付属語の形態・用法及び待遇表現の変化を知る pp.180~186 (1時間)
鎌倉時代の語彙
漢語の滲透、和漢の混淆、漢語の意味変化
漢語の日本語化と意味変化を探る pp.189~194 (1時間)
室町時代の文法➀
可能動詞の発生、形容詞「い」語尾の定着、副詞語形の諸相
近代語法への変容の様態を知る pp.212~218 (1時間)
室町時代の文法②
テンス・アスペクトを表す助動詞の変化、「~て」型補助動詞、授受表現、推量・断定などの助動詞、助詞の用法、敬語の新形式
現代語法に近づく分析的表現方法を探る pp.219~228 (1時間)
室町時代の語彙
和製漢語、漢語の語義変化、呉音と漢音、外来語の流入、位相語
外来語の流入による和語・漢語の位置付けを探る pp.231~238 (1時間)
江戸時代の文法
一段活用の一般化、形容動詞語尾「だ」、助動詞「う」「よう」、断定と否定、「已然形+ば」による仮定、敬語の位相
現代語法に近接する文法の実態を知る pp.252~264 (1時間)
江戸時代の語彙
和語の語義変化、漢語の語義変化、翻訳と漢語、外来語の日本語化
現代語の基礎となる語彙の諸相を観察する pp.269~280 (1時間)
試験
シラバスに基づき、そこから発展した論述問題とする。