最終更新日:2024年3月28日
1年次入学生:3年
3年次編入学生:3年
短期大学部:-
文学部 文学科
U078
日本語の歴史Ⅰ
古代から現代まで、日本語の音と表記はどのように変化したか単位条件
通信 2単位教員
碁石 雅利
履修条件
なし
到達目標
日本語学に関する基礎的な知識及び専門能力を身につけ、主体的に課題を解決できる成果を目指す。
ディプロマポリシーとの関連:文学・文化・芸術に関する各学問領域の専門的な知識を有し、自らの考えを適切に表現できる社会的・職業的に自立した人材を育成することを教育目標とする。
学習成果
古代から現代に至る音韻と表記の歴史をたどりながら、変化の様相を具体的事例によって跡付け、その要因について考察することができる。
テキスト教材
沖森卓也『はじめて読む日本語の歴史』(ペレ出版)2010
参考図書
斎藤純男『日本語音声学入門 改訂版』(三省堂)2006
評価の要点
課題に対する取り組み方において、概説ではなく具体的事例によって証拠を示すこと。事例の読み取り方及び歴史的位置づけが的確か否かによって判断する。
評価方法と採点基準
レポート合格後の科目修了試験によって評価する。
事例の正確な読み取り:50%、論証の妥当性:50%
履修上の注意事項や学習上のアドバイス
音声学及び音韻論に関する基礎知識が必要となる。参考図書や各時代の音韻論に関するサイトによって、学術用語やその概念などに触れておいてもらいたい。
レポート課題
提出数 2第1課題
縦書きパソコン印字可
[1600]
第1設題
国語辞典の付録にある「現代仮名遣い」の正則、あるいは「現代仮名遣い」(昭和61年内閣告示)から現代仮名遣いの表記基準に用いられている歴史的仮名遣いの事例を挙げよ。また、それらの書き分けが必要となるに至った音韻の歴史的変化について述べよ。
第2課題
縦書きパソコン印字可
[1600]
第1設題
録音機器のなかった時代の日本語音声が推定できるのは何によるのか、各自でテーマを定め、日本国内の資料及び外国人によって記された資料から得られた具体例に基づいて説明せよ。
備考・補足
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授業回数別教育内容 | 身につく資質・能力 | 学習範囲 (予習・復習を含む) |
|
日本語の歴史を知る手がかり 何によって過去の日本語の実態を知るのか |
文献による言語資料と伝承による言語資料を知る | pp.16~25 (1時間) | |
奈良時代までの日本語の音韻と表記① 漢字の伝来、二種類の漢字音と万葉仮名 |
日本語と漢字伝来の意義を歴史的に位置づける | pp.28~42 (1時間) | |
奈良時代までの日本語② 万葉仮名の使い分け、上代特殊仮名遣い、母音と子音の組織 |
上代の特殊な音韻組織を理解する | pp.43~58 (1時間) | |
平安時代の言語資料 仮名資料と訓点資料それぞれの言語的特徴 |
文献の種類による言語的特徴の識別 | pp.102~111 (1時間) | |
平安時代の表記 平仮名と片仮名の発生、漢字仮名交じり文への道程 |
仮名発生の原理及び 漢字仮名交じり文の 意義を知る |
pp.111~120 (1時間) | |
平安時代の音韻① 上代特殊仮名遣いの消滅、いろは歌と五十音図 |
いろは歌と五十音図から音韻の実態を知る | pp.120~127 (1時間) | |
平安時代の音韻② 母音・子音の発音、音韻の混同 |
ハ行・サ行の子音の実態、母音を中心とした混同の実態を知る | pp.127~131 (1時間) | |
平安時代の音韻③ 日本語アクセントの意義と特徴、中古から中世への変化 |
名詞・動詞・形容詞のアクセントの実態を知る | pp.132~136 pp208~212 (1時間) | |
鎌倉時代の表記 漢字仮名交じり文の確立、和漢混交文、定家仮名遣い |
漢字仮名交じり文の意義を考え、定家仮名遣いの理念を知る | pp.160~166 (1時間) | |
鎌倉時代の音韻① 直音と拗音、濁音の前に響く鼻音、四つ仮名の混用、オ段の開合 |
前代からの著しい変化と現代語への過程を探る | pp.167~170 (1時間) | |
鎌倉時代の音韻② 語頭の濁音、撥音の2種、連濁、連声、促音・撥音添加 |
語構成と発音との関連を推測する | pp.170~174 (1時間) | |
室町時代の表記 キリシタン資料、ローマ字表記の特徴 |
ポルトガル語に基づくローマ字表記の実態を知る | pp.196~203 (1時間) | |
室町時代の音韻 母音と子音の発音、朝鮮・中国の資料、連声と連濁 |
現代語音に近接する発音の実態を知る | pp.203~208 (1時間) | |
江戸時代以降の音韻 母音、子音(サ行・ハ行・半濁音)、四つ仮名、合拗音、江戸語の発音の特徴 |
現代語音と同様の発音の実態を知る | pp.244~252 (1時間) | |
明治以降の表記と音韻 仮名遣いと漢字制限、現代語音韻と方言アクセント |
現代も流動的な発音について観察する | pp.283~295 (1時間) | |
試験 シラバスに基づき、そこから発展した論述問題とする。 |