最終更新日:2024年2月15日

1年次入学生:2年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
文学部 文学科

U081

日本古典文学の基礎Ⅱ

伊勢物語を読む

単位条件

通信 1単位

教員

諸井 彩子

履修条件

日本古典文学の基礎Iを受講していることが望ましい。

到達目標

(1)『伊勢物語』の各章段を、古典文法のテキストや辞書を用いながら、現代語訳し理解することができる。
(2)物語内容を読み解くことで、古典常識と和歌の修辞を身につけ、平安時代の文化を理解することができる。
これら二つの目標に到達することにより、日本古典文学に関する知識・技能を体系的に学び、理論と実践を結びつけて主体的に課題を解決する力を身につけることができる。

学習成果

(1)古典文法をふまえつつ物語を読み解くことができる。
(2)古語辞典を引き、本文の内容に合った意味を選ぶことができる。
(3)古典常識と和歌の修辞表現を身につけることができる。
(4)平安時代の文化を理解することができる。

テキスト教材

『新校注 伊勢物語』(和泉書院)

参考図書

古典文法のテキスト(高校時代に使っていたものなどで可)、古語辞典(電子辞書可)
『伊勢物語』『古今和歌集』(角川ソフィア文庫)
『大和物語』『平仲物語』(講談社学術文庫)
『新編日本古典文学全集 12』(小学館)
『和歌のルール』(笠間書院)

評価の要点

レポート合格後の科目終了試験で評価する。本文の内容や表現を理解できているかを確認する。
レポートでは引用文献を正しく挙げているかも重視する。他文献の盗用や安易なコピー&ペースト、生成系AIを利用したものは評価の対象としない。

評価方法と採点基準

レポート評価:文法的説明と現代語訳ができているか、引用文献の書名・著者名が適切に示されているかを重視する。
科目終了試験:本文の内容や表現について、丁寧に記述できているかを重視する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

本文を、文法のテキストや辞書を用いて自分の力で現代語訳しつつ、学習を進めてほしい。

レポート課題

提出数 1

第1課題

横書きパソコン印字可
[2000]

第1設題

1 次のいずれかを選択せよ。参考文献は必ず挙げ、和歌や本文の引用は何によるかを明記すること。盗用や安易なコピー&ペーストは認めない。
一、昔男について
(1)作品中で昔男が詠んだ和歌一首を選び、文法的説明と現代語訳を加えた上で、その和歌に用いられている修辞について過不足なく説明せよ。(したがって、修辞が用いられている和歌を選ぶこと)
(2)昔男は、どのような魅力のある人物として描かれているか、本文とその現代語訳を適宜挙げながら、自分の考えを述べよ。
この2つについてそれぞれ答えよ。
二、伊勢物語と古今和歌集について
古今和歌集にみえる和歌が登場する伊勢物語の章段を選び、古今和歌集と伊勢物語のいずれが作品として先行すると考えられるか、自分の考えを述べよ。
三、伊勢物語と大和物語について
(1)伊勢物語第二三段「筒井筒」と、大和物語第一四九段「沖つ白波」を比較し、同じ和歌を挙げながらも、どのような違いがあるか、本文とその現代語訳を適宜挙げながら論ぜよ。
(2)伊勢物語第一二五段「つひにゆく道」と、大和物語第一六五段を比較し、どのような違いがあるか、本文とその現代語訳を適宜挙げながら論ぜよ。
この2つについてそれぞれ答えよ。
四、昔男と平仲について
平仲物語を読み、伊勢物語の昔男と平仲のそれぞれの魅力について具体的に説明せよ。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
伊勢物語の主人公、昔男と在原業平の関係について確認する。 主人公を理解できる。 解題
伊勢物語の成立について確認する。 伊勢物語の成立を理解できる。 解題
初段・第二段を読む 学習範囲を現代語訳し、初段「みちのくの...」の歌をふまえた効果を指摘する。 引歌の効果を理解できる。 初段〜第二段
第三段〜第五段を読む 学習範囲を現代語訳し、第四段の「月やあらぬ...」の歌の係助詞「や」が、疑問と反語でどのように意味が変わるか確かめる。 係り結びを理解できる。 第三段〜第五段
第二三段を読む 学習範囲を現代語訳し、二人の女性の性格の違いについて理解する。 物語内容を理解できる。 第二三段
第四一段を読む 学習範囲を現代語訳し、「むらさきの...」の和歌の修辞を指摘し、「武蔵野の心」が何を表しているか指摘する。 和歌の修辞と引歌を理解できる。 第四一段
第六三段を読む 学習範囲を現代語訳し、昔男がどのような男性として描かれているか理解する。 物語内容を理解できる。 第六三段
第六五段を読む 学習範囲を現代語訳し、昔男と相手の女性の関係を読み取る。 物語内容が理解できる。 第六五段
第六九段を読む 学習範囲を現代語訳し、昔男と斎宮の恋を読み取る。 物語内容が理解できる。 第六九段
第八二段を読む 学習範囲を現代語訳し、3組の贈答歌の内容を読み取る。 物語内容が理解できる。 第八二段
第八三段を読む 学習範囲を現代語訳し、前段と合わせて昔男と惟喬親王の関係性を読み取る。 登場人物について理解できる。 第八三段
第八七段を読む 学習範囲を現代語訳し、兄と昔男のやりとりを読み取る。 登場人物について理解できる。 第八七段
第一〇一段を読む 学習範囲を現代語訳し、「咲く花の...」の和歌にこめられた称賛と皮肉がそれぞれどのようなものであるか読み取る。 物語内容が理解できる。 第一〇一段
第一〇七段を読む 学習範囲を現代語訳し、和歌によって藤原敏行が女性を深く愛するようになる様子を読み取る。 物語内容が理解できる。 第一〇七段
第一二三段〜第一二五段を読む 学習範囲を現代語訳し、昔男がどのような人物として描かれているか読み取る。 登場人物について理解できる。 第一二三段〜 第一二五段
試験
授業で調べた内容をふまえ、伊勢物語の成立や登場人物について、本文の現代語訳、和歌の技法について説明できるようにすること。