最終更新日:2024年8月22日

1年次入学生:2年 3年次編入学生:4年 短期大学部:-
心理・福祉学部 心理学科

D069

老人・障害者の心理Ⅰ

老年期の特徴と心身の加齢変化について学ぶ

単位条件

通信 2単位

教員

宇佐美 尋子

履修条件

なし

到達目標

(1)目的
高齢者を深く理解し、必要な対応を考え行動する力を育成することを目標とする
(2)授業構成と到達目標
 ①高齢者を取り巻く環境が高齢者自身に与える影響、病気やストレスが与える影響、加齢による生理的変化を学び、加齢により生じる心の変化を理解することができる
 ②高齢者の疑似体験を通し、障害を持つ高齢者に対する適切な対応の仕方がわかる
 ③高齢者の話を傾聴することができる

学習成果

①高齢者に生じた変化や講堂の特徴について、その背景をふまえて説明することができる
②加齢による心身機能の低下をとらえ、必要なサポートを考えて行動に移すことができる
③高齢者の話のよいきき手になれる
 この科目は、社会福祉学科のディプロマポリシーのうち、以下の項目に対応する。
2.社会福祉学の専門的な理論・知識・態度を習得し、個人の尊厳と基本的人権を尊重しながら福祉・教育課題を探求し課題解決策を提示することができる。

テキスト教材

長嶋紀一・佐藤清公編『老人心理学』(建帛社)

評価の要点

・レポート評価の要点:課題のとらえ方は的確か。段落を用いてわかりやすい文章構成になっているか。文章は論理的に展開されているか。参考資料にあたるなど、必要な情報を入手し、それについての理解がされているか。誤字脱字はないか。
・試験評価の要点:論述式の問題については、レポート評価参照のこと。

評価方法と採点基準

レポート合格後の科目終了試験で評価する。

履修上の注意事項や学習上のアドバイス

良いレポートを書くためには、普段から文章に慣れることが必要です。文章を書くことも大切ですが、まずは文章を読む習慣をつけてください。

レポート課題

提出数 2

第1課題

第1設題

次の3問とも答えなさい。
レポート用紙の課題名欄には1のみ記載のこと。
2及び3の解答は、1のレポート後に、答えのみ記載すること。

1.高齢者の回想は、高齢者本人にとって、また介護者にとってどのような意味をもつものか、述べなさい。【600字】

2.高齢者の感覚能力に関する以下の文を読み、( )に当てはまる言葉を下の□の中から選んで記号を書き入れなさい。
視覚は、50~60歳以降急激に低下するが、水晶体の硬化などによって( 1 )が低下し、近いところに焦点を合わせることが困難になってくるので、( 2 )が必要になる。また、明るさや暗さに対する慣れが( 3 )なる。色覚については、( 4 )の色が見えにくくなる。加齢に伴って聴力は低下し、( 5 )になりやすく、音の高さについては( 6 )に関する低下が顕著である。
味の感覚受容器である( 7 )の数は、加齢とともに減少し、味覚は全体的に低下する。( 8 )が低下すると、味もわからなくなるので、食欲低下につながる。高齢者の皮膚感覚も、一般的に( 9 )することが報告されているが、温度感覚も低下すると思われるので( 10 )などに対する配慮が必要である。

ア.早く  イ.鋭敏化  ウ.低音火傷   エ.遅く  オ.温点

カ.低い音  キ.高い音  ク.青や緑  ケ.老眼鏡  コ.痛み

サ.鈍化  シ.だいだいや赤  ス.老人性難聴  セ.白内障

ソ.触覚  タ.冷点  チ.嗅覚  ツ.調節力  テ.味蕾  ト.感覚

3.認知症に関する次の記述を読み、( )の中に、適切な言葉を入れなさい。
老年期の精神障害の中でも、脳や脳血管の障害が原因で起こる( 1 )性精神障害の代表が認知症である。高齢者の認知症の原因疾患として代表的なのは、原因不明の( 2 )による( 3 )病と、脳卒中の後遺症として起こる( 4 )、パーキンソン症状をともなう( 5 )である。中心となる症状は、物忘れから始まる( 6 )と、場所や時間がわからなくなる( 7 )である。
生理的老化による健忘は、( 8 )の物忘れであるのに対して、認知症の場合は体験全体を忘れる。また、機能性の精神障害である( 9 )が原因で精神機能が低下すると、認知症と間違えられることがあるが、これは本来の認知症とは異なり回復可能である。認知症高齢者の失敗や間違いに対しては、周囲が( 10 )的な態度で接することが大切である。

第2課題

[各800字、計1600字]

第1設題

次の2問とも答えなさい。
レポート用紙の課題名欄には各々最初の12文字を記載してください。また、本文の書き始めに1.、2.を明記してください。
1.老年期(高齢期)に体験するさまざまな喪失体験が、生活にどのような問題を引き起こすと考えられるか、述べなさい。
2. 認知症高齢者の行動・心理症状(BPSD)とは何かを説明した上で、認知症高齢者に対する適切・不適切なケアについて述べなさい。

備考・補足

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授業回数別教育内容 身につく資質・能力 学習範囲
(予習・復習を含む)
寿命と高齢化社会 寿命の延長と高齢社会の関係がわかる 新聞やインターネッ トなどを通じて、高 齢化率寿命を調べ る。
老化と加齢 老化とは何か。老化の概念がわかる 第1章 老人とは
高齢期とは 高齢社会の現状がわかる 第1章 老人とは
高齢期の視覚・聴覚 視覚・聴覚の加齢変化とその対応がわかる 第2章 精神機能の 変化 pp.23-28
その他の感覚能力 嗅覚・味覚・触覚などの加齢変化とその対応がわかる 第2章 精神機能の 変化 pp.28-34
記憶能力の変化 記憶の加齢変化の特徴がわかる 第2章 精神機能の 変化 pp.38-44
知的機能の変化 知能の加齢変化について説明できる 第3章 知的機能の 変化 pp.45-53
知能の老化に影響する要因 知能の加齢変化に影響する要因がわかる 第3章 知的機能の 変化 pp.54-57
老年期のパーソナリティ 老年期のパーソナリティの特徴がわかる 第4章 老 年 期 の パーソナリティと適 応 pp.65-69
パーソナリティの変化に影響する要因 パーソナリティの変化に影響する要因がわかる 第4章 老 年 期 の パーソナリティと適 応 pp.69-76
高齢期における器質性精神障害 高齢期における器質性精神障害の代表として認知症について説明できる 第6章 老年期痴呆 (認知症) pp.107-135
高齢期における機能性精神障害 高齢期におけるうつ病や統合失調症の特徴を説明できる 第5章 老年期の異 常心理 pp.91-105
死と死別 死の不安、死別の苦しみなどがわかる 第8章 高齢者と死 pp.159-179
高齢者と家族 高齢者の家族の現在のあり方、関係性などがわかる 第7章 老年期の人 間関係 pp.137-143
高齢期における適応 高齢期の適応に関係する要因がわかる 身近な高齢者にイン タビューをし、生活 の中で大切にしてい ることなどを聞く
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